天・地・冥を統べる主となれ   作:ネヘモス

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リアルで忙しかった。面目ない(´・ω・`)

現在続きを執筆中なのでフェニックスは年内に終わらない可能性あり。(展開によっては終わる可能性もあるけど)


追憶編
追憶ーリクオと黒歌


どこにでもあるような暗い路地裏の一角。そこで、1匹の妖怪が1人の悪魔に追い詰められていた。いや、正確には追い詰められている妖怪も厳密には悪魔である。転生悪魔という名の、著しく数を減らされた悪魔によって作られたシステム「悪魔の駒」によって他種族から生まれ変わった悪魔である。

 

その妖怪ーもとい悪魔は、自分が眷属になる代わりに、その主人に自らと自らの家族の生活を約束させた。だが、その主人が不味かった。その妖怪の主人は欲望のままに力を欲するあまり、その妖怪の唯一の家族である妹を眷属にしようとした。

それに反対したその妖怪は主人が用事で屋敷を出たのをいい事に妹共々逃げ出すことにした。だが、その妖怪が自分のやることに反対していたのを知っていた主人は、妖怪が人間界まで来るのを見計らって捕縛し、教育するという計画を立てていた。

ところが、その妖怪姉妹は所謂化け猫であり、妹の白猫はまだ未熟だったので普通の猫と見分けがつかず、どこに行ったか分からなくなっていた。だが、その主人はあくまで、自分に噛み付こうとした妖怪、つまり、姉の方に用があり、黒の猫しょうであるその妖怪を見つけるのにはさほど苦労はしなかった。

 

そして、現在転生して悪魔になり、主人から逃げられないと悟った黒の猫しょうの黒歌はどうしたものかと、舌を巻いていた。

 

「黒歌?俺に楯突くってことは、お前がはぐれになると、そう捉えていいんだよな?俺としては名残惜しいぜ。強力な眷属であるお前を、この手で殺さないといけないことがなぁ」

 

そうだ、この悪魔は自分たちを戦いの道具としてしか見ていなかった。確かに衣食住は確約しただろう。だがそれでも、自分たちを奴隷のように扱っていたのを黒歌は知っていた。妹の白音には悪いが、私自らはぐれになってでも、守らなきゃ。黒歌が猫又の姿から人型の姿に変わる。全身に黒い着物を少しはだけさせるように着崩し、金色の瞳に闘志を燃やし、自らの主人を攻撃しようとした、その矢先だった。

 

「お前こそ、オレらのシマで好き勝手やってタダで済むと思うのか?」

 

突然響き渡った男性の声。それは私が手にかけようとした悪魔のものでは無いのは明らかだった。

 

「あ?誰だよ貴様?今から俺の眷属に教育をしなきゃならねえんだよ。とっとと失せろ、他種族風情が!」

 

悪魔が魔力の球を出して、声のした方に飛ばす。だが、

 

「無駄だ」

 

その魔力球は刃によって一閃された。そして、私は声の主を初めて認識できた。

自分よりかなり背の高い、白い髪が横に伸びている男性。紺色の羽織に畏の家紋。そして、私はその人物を知っていた。

 

ーーーかつて人間は、妖怪を畏れた。その妖怪の先頭に立ち、百鬼夜行を率いる者。人間達はその者を畏れてこう呼んだ。妖怪の総大将、或いは

 

「魑魅魍魎の主」ぬらりひょん、と。

 

「なんだと!?お前、俺の攻撃を…!調子に乗るなぁ!!」

 

悪魔が男性に攻撃を仕掛ける。さっきの奴とは違う、牽制の威力ではない魔力球を何発も撃ち抜く。

 

「これなら、一溜りもあるまい。黒歌、次は貴様の…!?」

 

だが、それもまるで効いてない。当たった傍からそれらはその人物の体をすり抜けていく。いや、当たっているのに当たってる本人の体が雲みたいになってすり抜けると言うのが正確だろう。

 

「これ以上やるなら容赦しないぞ、木っ端悪魔?何故なら」

 

サーゼクスからお灸を据える様に言われたんでな、と言った所で私の思考が一瞬止まった。そして、理解した。

 

風の噂で聞いたことがある。約100年前に冥界に侵入してグレモリーと盟友関係にあるとある妖怪任侠一家の存在を。そして、それこそがぬらりひょんとその息子、当時二代目総大将だった「奴良鯉伴」だと言うことを。

 

「名乗りを上げておこう。オレの名は奴良リクオ。妖怪任侠一家奴良組の三代目総大将にして、大妖怪『ぬらりひょん』の孫だ」

 

リクオと名乗るその男性が唐突に右手に刀を顕現させる。そして、

 

「少しは反省しろ。他人のシマで妖怪を殺そうとしたことをな!!」

 

ーーー奥義「明鏡止水・火斬」!!

 

「や、やめ…ギャアァァァァ!!?」

 

青い炎を宿した刃が悪魔を斬った。炎はまるで意志を持つかのように消えない。それどころか、悪魔以外を燃やすことはなかった。

 

「だが、お前が…魔王の許可で、俺を殺そうとも…、そいつは既に悪魔だぞ…。お前の言う妖怪などでは…」

 

「そうか、ならこうする」

 

次の瞬間、私は目を疑った。私が見たのは、迫り来る刃。それは、リクオが顕現した刀のものだと理解するのは早かった。

 

(ごめんね…白音。お姉ちゃん、先に逝ってくるね…)

 

パキンと何かが壊れる音がする。だが、それだけだった。いつまで経っても痛みが来ない。恐る恐る見てみると、身体には血はおろか、切り傷ひとつついていなかった。

 

「言い忘れていた。コイツは俺の神器だ。名前はまだ無い。顕現したのもこれが初めてだ」

 

私は自分の中で起きたことに驚きを隠せなかった。私から悪魔の力が消えている。まさか、

 

「貴方、悪魔の駒を破壊できるの!?」

 

「どうやらそうらしいな。オレの神器は斬れるものしか斬れないらしいから」

 

「…それ、強すぎないかにゃ?」

 

「そうなんだよな…。麻葉が言うにはまだコントロール出来てないし、これ発動したままだと何故か消えるまで時間かかるし…。いっその事、忘れられるなら修行に打ち込めるんだけどな…」

 

変わった奴も居たものだ。折角手にした神器を手放したいとは。でも、だったら私が助けてあげよう。いや、

 

「私ならその記憶を封じる事が出来ると言ったらどうします?」

 

仙術を応用すれば一時的に記憶の一部を消すことが可能のはずだ。神器は自ら意識しない事には発現しない。ならば、その知識と記憶を一時的に消してしまえばいい。

 

「本当に出来るんだな?」

 

「にゃん!その代わり、私を奴良組の何処かに匿ってくれると嬉しいのだけど…」

 

「それなら、化け猫組に入るといい。頭にはオレから言っておこう」

 

そして、私は仙術を使ってリクオの神器に関する記憶を消すことに成功した。その代わり、その記憶だけでなく、三種族(天使、悪魔、堕天使)に関する記憶を消してしまったのは後々の事を考えれば誤算だっただろう。

 

翌年に、リクオが駒王町で一人暮らしすると言った途端に黒歌はかなり後悔した。




解説
・時系列:本編開始の1年前
・本来ならリクオは三種族の知識も神器の知識も麻葉(アザゼル)から教わっていた。だが、修行にならないという理由で神器を顕現させない方法を考えてた矢先に黒歌が襲われている所に遭遇。
・黒歌が神器の記憶を仙術の応用で消すが、その時に加減を間違えて三種族の知識(要はハイスクールD×Dの知識)を消してしまう。
・よって、四大魔王が一角のサーゼクスと実は知り合いだと言うことも忘れてる。

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