その頃、グレモリーの屋敷では、
「また聞きだから、深くは知りませんが…」
「この中の3人が、かつてリクオ君に敵対していたとでも?」
グレモリー眷属の小猫、リアスは戦いの一部始終を見て血の気が引いた。とてもじゃないが、(一部)敵対してたもの同士のコンビネーションとは思えない。朱乃、祐斗はその戦いにもはや魅入っていると言ってもいい程に黙り込んでいた。
ライザーの騎士の1人が黒田坊に後ろから不意打ちを試みるが、黒田坊の特技「暗器黒演舞」により返り討ちに。
もう1人は、イタクの鬼憑「妖怪忍法レラ・マキリ」に完全に気圧されてそのまま切り裂かれた。
戦車の方は、はっきり言ってワンサイドゲームだった。百鬼夜行破壊の妖・土蜘蛛と最凶の破戒僧・青田坊の拳のラッシュが相手の戦車2名を
僧侶はライザーの方(恐らく兄より聡明と言われてる妹のレイヴェルと呼ばれている者)が1名リタイアしたので、実質2対1の対決。かとも思われたが、玉章と呼ばれていた青年が氷麗にその出番を渡した。ライザー側のもう1人が勝ったと思って魔法で不意打ちをかけたが、氷麗はその魔法を氷の薙刀で斬り裂いた。そして、氷麗お得意の呪いの吹雪がその僧侶をリタイアに追い込んだ。
だが、それらを鑑みても目を見張ったのはイッセーの急成長だった。先ずは、禁手が別物に変化したこと。全身を覆っていたはずの鎧がまるで、日本の甲冑の様な形状になっていた。胴体、両腕、両脚、そして頭のみが覆われていた。関節部分は剥き出しに、機動性は恐らく変化前よりも段違いだろう。そして、そのスピードに驚愕した。まるで、騎士に昇格している様な…。まさか、
「サムライモードって、擬似的な騎士への昇格なの!?」
「そんなところです。あれが紅蓮龍帝の甲冑の力の一端…とリクオ様が仰っていました」
小猫は、更に正式な昇格を使うと恐らく祐斗ですら追いつけないと言っていた。更に、
『ライザー様の兵士、6名リタイアです』
銃撃の音がフィールドに響き、イッセーが小さく「ゴメン」と呟くのが聞こえた。そこに居たのは、二丁拳銃を両腕に装備したイッセーが映っていた。
「あれが、僧侶への擬似昇格・ガンマンモードですか…」
魔力特化の僧侶とは見た目がかけ離れているが、魔力を撃ち出すと言う形で擬似的な昇格になっているらしい。全てをこなす女王の擬似昇格は出来ていないが、戦車も擬似昇格可能らしい。リアスも(巻き込まれる形で)修行して多少は強くなっているだろうが、イッセーの成長に着いていけるだろうか。それだけが、唯一自分の心に不安として残っていた。
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その頃、女王の対決。ライザーの女王・ユーベルーナがお得意の爆発魔法で羽衣狐を倒そうと試みるも、鉄扇で全て弾かれる。
「全く芸のない奴よのう。これだから、ケバ女は嫌いなのじゃよ」
「言わせておけば、人間風情がぁぁぁ!」
ユーベルーナは未だに彼女を人間と勘違いしてるらしい。
「あながち間違ってないが、妾はれっきとした妖怪ぞ?」
爆発を避けながら羽衣狐に変化が起こる。結論を言えば、突然尻尾が生えてきた。
それも、九本の狐の尻尾が。
「なっ!?お前は、九尾の妖狐!?」
「気がついても、もう遅い」
羽衣狐が三本目の尾から日本刀を取り出すと、片手でユーベルーナを袈裟斬りにした。その時に彼女の片手が何かを開けようとするが、
「させると思うかえ?」
羽衣狐の尾の一本がその手にあったものを粉々になるように突き刺した。それはフェニックスの涙と呼ばれる液体で、傷を全快させる力を持っているが、今回はそれが仇になった。
「で、回復したなら、もう1回殺しても構わんのよなあ?」
羽衣狐が恍惚とした笑みを浮かべる。日本刀を取り出した尾の隣から巨大な三叉の槍を取り出し、
「喰らえ、四尾の槍『虎退治』」
それをユーベルーナに投擲、そして、
「ライザー様の女王、リタイアです」
ユーベルーナの敗北のアナウンスが響き渡った。
「さてと、愛しのリクオ。妾は信じとるよ。お前が、いや…」
お前の百鬼と赤い龍が、不死鳥を必ず倒すとな…。
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駒王学園の屋上にて。
「そんな、馬鹿な!有り得ん!!無敗の俺の眷属が…レイヴェルはともかく、それ以外が全滅するなど…」
「少しは身の程を知ったか?不死鳥気取りの焼き鳥野郎」
ライザーは驚いて周囲を見渡す。すると、突然目の前に9人の人影が現れた。
「お前!いつの間に…!!」
「俺自体は5分くらい前からいたぜ?尤も、畏を解いてなかったからお前が気が付かなかっただけだけどな」
目に見えて頭に血が登っているライザー。そこで、リクオはこんな提案をする。
「流石に9対1は卑怯だよな?だから、俺は今からお前に9回までしか攻撃しない。でも…」
壊れてくれるなよ…?
ゾクリとライザーの背筋が凍る。鵺切丸・心打を構えたリクオと氷麗、黒田坊がその前に立ち塞がる。
「待て!お前ら妖怪風情には関係ないかもしれんが、この婚約は純血の悪魔を遺すのに必要な事で…」
「そんなに純血が大事かよ。俺はぬらりひょんと人間のクオーターだから分からねえな」
ーーー鬼纏・雪ノ下闇黒武装「畏砲ノ型」
「
氷の暗器がライザーの全身を斬り裂き、貫く。
「がぁぁぁ!?おのれ…。だが、俺はフェニックス、こんな傷すぐに治る!」
『リクオ様の騎士1名、僧侶1名リタイアです』
リクオは心の中で2人に「すまない」と謝りながら、次の攻撃の準備に移る。
次の攻撃で背中を預けたのは、イタク。
「イタク、しくじりはしないが、今回は一撃で倒せるか怪しいぞ」
「ふん、俺はコイツの
そして、リクオがイタクの畏を背負い、鬼纏う。鎌鼬の畏が鵺切丸を死神を彷彿とさせる大鎌に変える。
「喰らえ、二撃目」
ーーー鬼纏・襲色紫苑ノ鎌
その大鎌がライザーの身体を深々と斬り裂く。
「っ!?がぁぁぁぁぁぁ!!?」
あまりの苦痛に悶絶するライザー。だが、リクオは攻撃をやめない(なお、今のでイタクもリタイア)。再生しきったのを見計らい、今度は土蜘蛛と青田坊がリクオの後ろに立つ。
「やっと総大将のお役に立てるようで、光栄です!」
「それじゃ、一気に3撃目から5撃目だ」
ーーー鬼纏・
リクオは動かない。だが、土蜘蛛と青田坊の畏を鬼纏った瞬間、後ろに八本の腕が生えた。
「悪い、これ一撃が速すぎるから3秒くらい耐えてみろ、不死鳥。
刹那、怒涛の拳による連続ラッシュがライザーを襲う。先程の2つとは明らかに威力が桁違いだった。そして3秒後、そこには見るも無惨で、それでも再生しようとするライザーの姿があった。(青田坊のみリタイア。土蜘蛛はかろうじて残っていた)
「も、もうやめて…くれ…」
「あぁ?寝言は寝て言え。まだ身体は再生中だろ?」
「調子に乗るなよ…、他種族がぁ!!」
パキンという音が響き渡り、ライザーの傷がたちまち回復する。羽衣狐から聞いていた薬か、ど思い、最後の攻撃を
「あの時の木っ端悪魔ぁ!お前を殺す!絶対にリアスの元に生きて帰すものかぁ!!」
ライザーの身体から爆炎が迸り全てを焼き尽くさんとする。だが、リクオは鏡花水月で躱しきり、羽衣狐は九本の尻尾でガードし、土蜘蛛は平然と座っている。
そして、イッセーは
『Scarlet BERSERKER Mode!!』
両腕と両脚の装甲が面積を増し、両腕の装甲でそれを防ぎ切った。
「リクオ、行くぞ!!」
「おう、分かった!禁手化!!」
リクオは禁手・鵺斬丸・神薙を発動し、イッセーは一度、禁手を普通の紅蓮龍帝の甲冑に戻す。そして、
「大事な人を守るためだ!いい加減応えろ、ドライグ!!」
『Scarlet EMPRESS Mode!!』
「この不条理を、斬り捨てる!」
ーーー鬼纏・神滅 赤龍帝ノ陣羽織!!
爆煙の中より2つの赤が姿を現した。
1つは赤よりも深い、深紅の鎧を見に纏い、無機質な龍を彷彿とさせる
もう1つは、赤い長髪に赤い龍に畏の家紋が描かれたの陣羽織を纏う
「「さあ、お前の罪を数えろ!!」」
「やめろ、やめてくれぇぇぇぇぇ!!」
ライザーがこの時最後に見たのは、迫り来る赤の斬撃と深紅の拳だった。
『ライザー様のリタイアを確認しました。このゲームの勝者は、日本妖怪です』
結論、フェニックス程度では日本妖怪の、それもトップ4人を含めた最凶の陣営には敵わなかったのであった。
やっぱり羽衣狐相手だとユーベルーナ如きでは歯が立たないんや…(´・ω・`)
よくよく考えたらリクオ達は強くてニューゲーム状態だから戦闘描写が少なくなる(足りないって?そんな時は脳内補完だ)
・紅蓮龍帝の甲冑
赤龍帝の鎧が変化したいわゆる禁手亜種。能力は擬似的な昇格。
サムライモードが騎士、ガンマンモードが僧侶、バーサーカーモードが戦車、エンプレスモードが女王の擬似的な昇格にあたる。通常の昇格の効果と重複する反面、この状態で同じ駒に正規昇格すると現状は1分も持たない
次回、ルシファーと奴良組三代目総大将