天・地・冥を統べる主となれ   作:ネヘモス

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退魔師は夢幻に惑わされる

「教会には二度と近づかないこと!いいわね!」

 

「部長、すみませんでした」

 

イッセーは絶賛リアスに怒られていた。理由は至極単純、敵地である教会に入ってしまったからだ。もちろん、奴良組のシマに入るからという訳では無い。下手すると、天使、堕天使との戦争のトリガーにもなりかねないのだ。

 

「分かったならいいわ。これ、今日の仕事先」

 

とりあえず、自分の夢であるハーレム王になるために下地を固めていくことを決めたイッセー。だが、自分が目指すハーレム王の意味が少し変わってきていることに本人は気づいていない。今日も彼は下っ端悪魔の仕事に精を出すのだった。

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駒王町のとあるマンションの一室。ここが今回の仕事先だった。

 

「失礼します。グレモリーの使いの者ですが?」

 

誰も返事をしない。そして、イッセーはある異変に気がつく。鼻につく様な鉄の臭い、自分が1回死んだ時にも嗅いだ、血の臭い。そして、ドアノブを回すと、その扉は開いていて…、扉を開けてリビングに行く。

そして、目に付いた最悪の光景。磔にされた様な依頼人の惨死体がそこにあった。

 

「オエッ!?」

 

イッセーは吐きそうになるのをどうにか堪える。誰が、一体誰がこんな酷いことを?こんなの人間がすることじゃない。

 

「おんやあ?誰かと思えば、私達の宿敵の悪魔ちゃんじゃありませんか〜?」

 

新手の声。トーンは男。イッセーは不完全な赤龍帝の篭手を展開する。だが、1発の銃声が響いたと同時に、イッセーの身体に激しい痛みが走った。

 

「隠れてないで出てこいよ、ゲス野郎。それとも、そんな小細工使わないと勝てないとか言い訳する気かよ?」

 

まあ、こっちもハッタリだけど。恐らくこれは光の弾丸。部長から話は聞いていた。悪魔には聖なる物が弱点になる。代表されるのが、十字架、聖書、聖水、そして光の武具。それから導き出される答え。それは、

 

「正体隠しても無駄だからな、祓魔師(エクソシスト)!!」

 

「あらー?もしかしなくても、バレてた?凄いねぇ。ご褒美としてお前は一撃で殺してやるよ!」

 

「殺されてやる前に聞く。その人間は、お前が殺ったのか?」

 

「当たり前でしょー?悪魔も、悪魔に頼る人間も全部纏めてぶっ殺す、それがはぐれ祓魔師の仕事だからさぁ!!」

 

祓魔師が銀の剣を振りかざすのが見えた。イッセーはそれを見逃さなかった。

 

『Explosion!』

 

「何!?」

 

イッセーは左拳を祓魔師の手首に叩き込む。それにより、祓魔師が武器を落とすが、こちらも倍加の能力が解けてしまった。

 

「やるじゃんお前ぇ。ぶっ殺す!」

 

「キャアァァァァ!!?」

 

第三者の声が響く。その声は、イッセーがよく知る声だった。

 

「アーシア!?何でここに!?」

 

彼女はアーシア・アルジェント、彼が怒られる原因を作った人物であり、新しく彼に出来た友達だった。

 

「アーシアちゃん?結界は貼ってくれたのかな?」

 

「フリード神父!これはどういう事ですか?」

 

「何?聞こえなかった!?」

 

祓魔師ーフリードが銃を突きつけてアーシアを壁に叩きつける。

 

「俺達にとっては悪魔は敵なの、殺すべき相手なの!分からねえのか、この魔女!!」

 

「おい、アーシアが魔女ってどういう事だ!?」

 

「あん?もしかして、アーシアちゃん禁断の恋?やめてくれよー、間違えてお前まで殺したくなるじゃないかー」

 

イッセーは心の中で歯噛みした。情けない。たかだか銀の銃弾を撃ち込まれた程度で動けない自分が情けない。こんな所で、負けられないのに。何故だ!

 

『力が欲しいか、宿主よ。お前が相応の対価を払うのなら俺の力を貸してやろう』

 

ドライグの誘惑が追い打ちをかける。確かにドライグの、赤龍帝の力を使えばこの状況を打破できる。でも、イッセーは決めていた。

 

「俺は守るって決めたんだ。俺自身の力で!!」

 

「遺言はそれでいいな?ならば…!?」

 

赤い光が部屋を包んだ。これは、グレモリーの魔法陣。

 

「イッセー、逃げるわよ!」

 

「部長!お願いです、あのシスターも一緒に…」

 

「ごめんなさい、イッセー。この魔法陣は私の眷属専用なの」

 

「そんな…!アーシア、お前を助けてやるからな絶対に!!」

 

その声と同時に魔法陣が消える。

 

「さて、悪いシスターにお仕置きをしないとなあ?」

 

魔法陣が消えて、フリードがアーシアに迫る。アーシアは自分が殺されると思った。だが、

 

「おいおい、そこの陰陽師もどき?オレのシマで勝手に人殺しして、無事に帰れるとでも思ってるのか?」

 

「今度は新手の悪魔ですかぁ?」

 

フリードが声がした方に銃を向ける。そこにいたのは、白い長髪の和服を着た青年。少なくとも、青年からは悪魔の力を感じなかった。

だが、一瞬瞬きした間に、フリードは自分の喉元に刃の感触がある事に気がついた。

 

「オレの質問に答えろ」

 

「でも、お兄さん?後ろには気をつけなよ?」

 

フリードが強引に青年の拘束を脱したコンマ1秒後、光の槍が青年に降り注いだ。

 

「アハハハ!だから言ったろ、後ろには気をつけろってさあ!まるで、紙切れみたいに消えてなくなったぜぇ!!」

 

ちなみに、アーシアは気絶していた。それもそうだ、一度にたくさんの槍が1人の人間に降り注ぐ瞬間など見たことないのだから、精神がついて行かなくて当然だ。だが、

 

「成程、空に4人の堕天使。地面に陰陽師もどきが100近くと言ったところか」

 

その青年は何事も無かったように生きていた。フリードは初めて、恐怖というものを感じた。

 

「な、何なんだよ、お前はぁ!!」

 

フリードが光の弾丸を全て撃ち尽くす。全弾命中したが、全てそれは青年をすり抜ける。

 

「さて、1人で来たのはいいが、分が悪いな。今回は勘弁してやるが、次にオレの、奴良組のシマで人殺しをやってみろ?」

 

ーーー確実にお前を殺す

 

青年はそれだけ吐き捨てると、煙を巻いたかのように消え去った。

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「ジジイ、確認したい事があるんだが?」

 

「神器を外的要因で取った場合、その神器を持っていた者はどうなるか、じゃったな?」

 

これは、ぬらりひょんの知人が教えてくれた。ことらしい。

もしも、外的要因で神器を取り出すような蛮行に及んだ場合、一体となっている魂が肉体から離れて、最終的には、死ぬ。

すると、リクオは化け猫組の頭領・黒歌とグレモリーの斥候・白音を呼び出した。

 

「揃ったな。黒歌、白音。お前達、俺の百鬼にならねえか?」

 

「それって、私達と七分三分の盃を交わすって意味よね!勿論受けるわ!!」

 

「私も、リクオ様の百鬼に加われるのを楽しみにしておりました。お願いします」

 

黒歌と白音、二人の猫又(猫しょう)と盃を酌み交わし、これで黒歌と白音は正式にリクオの百鬼に加わった。白音は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が既に体に入り込んでいるので斥候を継続する形で。

そして、リクオは自分の腹心の部下(盃を酌み交わした者達)を集めて声高々に宣言した。

 

「昨今、オレら奴良組のシマで好き勝手やっている他種族が存在する。明日の子の刻、その他種族が一角、堕天使を葬る」

 

「リクオ様に偽りの好意をよせて殺そうとするヤツです。それ相応の罰を下して然るべきと思います」

 

「俺は元々三代目に着いていくと約束しています」

 

「奇遇だな青よ。私も同意見だ」

 

「オイラは比較的どうでもいいけど、奴良組のシマでら好き勝手されるのは我慢ならねえかな?」

 

「三代目のご意向とあらば、この首無どこまでも着いていきます」

 

リクオの幹部(黒歌、白音含む)の賛同を得て、次の日、出入りの決行(という名の堕天使の掃討)をすることにした。




黒歌と白音

ハイスクールD×D勢の中でリクオと七分三分の盃を交わし、リクオの幹部になる。

完全にプッツンしたリクオ。堕天使の運命はいかに
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