天・地・冥を統べる主となれ   作:ネヘモス

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オリジナルの鬼纏が実戦で登場。そして、読み終わったら誰もがこう叫ぶでしょう。

まるで意味がわからんぞ!、と。


黒い翼は曼荼羅(まんだら)に散る

「全員揃ったな」

 

奴良組本家にグレモリー眷属の悪魔と奴良組のリクオの百鬼が集っていた。

 

「リクオ様、正気ですか?悪魔を連れて出入りなど…」

 

「どうせコイツらの王と女王も別に動いてるだろ。オレは、オレのケジメをつけにアイツを倒すだけだ」

 

反対のヤツは外れてもいいぜ。今なら許すと言った瞬間、案の定リクオと七分三分の盃を交わした妖と義兄弟の鴆(何故かいた)以外は散り散りに去っていった。

 

「それに、これで良かったさ。オレの、遠野の修行の成果をあの堕天使で試してやれるからな」

 

「す、すまない、リクオ。お前の百鬼を崩すような真似をして…」

 

「気にすんな。あの堕天使倒せばそれでチャラだ」

 

すると、屋敷の奥から女性の声が聞こえた。

 

「リクオくん、ご飯はいいの?」

 

「カナ、祝杯の準備だけして待ってろ」

 

ここでイッセー、あることに気がつく。

 

「リクオ?さっきの女性は…」

 

「おっと、言い忘れてた。彼女は家長カナ、オレの婚約者だ」

 

「…マジかよ…」

 

怒りを通り越して愕然とするイッセーなのであった。だが、今はそれどころではない。

 

「さて、雪女、青田坊、黒田坊、河童、首無、そして黒歌。さっき三羽鴉から伝達が入った。廃教会にはぐれ祓魔師ーオレらの世界で言うところの外道陰陽師が集結してるらしい。これより、廃教会に総攻撃をかける!」

 

ちなみに小猫/白音はグレモリー眷属にカウントすることにした。黒歌は「悪魔の駒」が入ってる限り小猫には「グレモリー眷属の戦車」として動いてもらうように頼んでいたからだ。

 

「では、私達も参りましょう」

 

小猫と木場が悪魔の翼を広げ、闇夜に飛び立つ。イッセーはリクオの百鬼と共に歩きで来ることになった。

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「それにしても、やっぱりすごいなリクオ。一時的にだけど、あんなに妖怪を束ねられるなんて」

 

「それでもまだまだだ。あの程度で離れるようじゃ、オレももう少しカリスマを磨かねえとな」

 

カリスマ、か。俺も王を目指すならそれを磨く必要があるのだろうか?

 

「だがな、イッセー。お前は不思議だ」

 

突然、リクオが妙な事を口走った。

 

「リクオ様!?このスケベのどこが不思議なのです!?」

 

氷麗が珍しく、リクオに対して抗議の声を上げる。

 

「考えてもみろ。つい一週間くらい前まで普通の人間だった奴が、悪魔に転生して、神器に目覚めた。それも、神をも滅する神滅具と来たもんだ。そして、それに呼応するように強者が、オレやジジイ、奴良組の幹部連中、そしてリアス・グレモリーみたいな恐らくかなりヤバいヤツらが集まった。恐らく、コイツには他者を引き寄せる『才能』があるんじゃないかってな」

 

そして、イッセーの肩を叩いて一言告げた。

 

「だから、胸を張れ。お前には『王』になるべき器がある。妖怪の総大将が言うんだから、間違いねえよ」

 

「ありがとう、リクオ。俺、絶対にアーシアを助ける」

 

そう、それでいい。リクオはイッセーに発破をかけた。だが、内心では氷麗の裸を見たことを未だに根に持っていたのはまだ先の話。

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教会に行ってみると、既に木場と小猫は交戦状態だった。はぐれ祓魔師が(少なく見積もっても)100は居る。

 

「青、黒!二人に加勢を!オレたちは堕天使の所に向かう」

 

「「御意に!!」」

 

奴良組特攻隊長、破戒僧の青田坊と同じく破戒僧の黒田坊が木場と小猫の加勢に入る。

 

「木場殿!加勢する!」

 

「すみません!背中を任せます!」

 

「小猫!加勢に来たぜ!」

 

「青田坊様。背中は預けましたよ」

 

祓魔師が光の剣を奮って黒田坊に攻撃をかけるが、

 

「甘いな」

 

ーーー暗器黒演舞!

 

黒田坊の袖から無数の武器が生えてきて次々と祓魔師を倒していく。

 

「ひ、卑怯な…」

 

「卑怯?拙僧には最高の褒め言葉」

 

木場も負けじと光喰剣を振るいながら、地面から無数の剣を生やす。あれが木場の神器の様だ。

一方で、青田坊は自らの妖怪としての特性を、小猫は仙術と戦車の駒を組み合わせた力を生かして祓魔師をねじ伏せていた。

 

そして、リクオ達の行く手を阻む影がひとつ。

 

「おやおや?昨日の悪魔ちゃん?今から殺してやるから覚悟…!?」

 

昨日のフリードとかいう祓魔師が目の前に居たが、首無の糸に完全に動きを封じられた。

 

「リクオ様。ここは私が押さえます。入口を探してください。恐らく、儀式をするなら地下です」

 

地下と聞いてふと祭壇が目に付いた。試しに祢々切丸で斬ってみるが、見えない何かに阻まれた。

 

「そいつは特別製の結界でね。生半可な力じゃビクとも…」

 

「氷麗!」

 

「はい!リクオ様!!」

 

ーーー鬼纏・雪ノ下紅梅!!

 

全てを凍らす氷の刃が結界を凍らせ、祭壇を粉々に破壊した。

首無の推測通り、そこに地下に通づる階段があった。

 

「おいおい、アリかよそんなの…」

 

「残念だったな。…氷麗、ここで少し待っててくれ。鴆、氷麗の治療を頼むぜ」

 

「ふん、任せろ兄弟!」

 

リクオ、河童、イッセーは堕天使が居るであろう儀式場に足を踏み入れた。

 

だが、時は既に遅かった。

 

アーシアの命の灯火たる神器は堕天使に抜かれて、堕天使は恍惚とした笑みを浮かべていた。

 

「ああ、これで悲願が叶った!私は、アザゼル様の右腕になれる!!」

 

「ア、アーシア…」

 

イッセーがアーシアの亡き骸に歩いていく。

 

「アンタまだ諦めてなかったの?これで諦めがついたでしょう?それ、あなたにあげる。抜け殻にもう用は無いの」

 

「仮にオレがそのアザゼルとかだったら、絶対にお前を右腕になんてしねえ…」

 

リクオが怨嗟混じりに言葉を紡ぎ、祢々切丸と鵺切丸を両手に構える。

 

「他人を踏みつけて、それを奪う奴を、俺は絶対に許さない!!」

 

イッセーもそれに続き、そして赤龍帝の篭手を左腕に展開する。

 

「威勢がいいのは結構だけど、どうするつもり?こっちは100近くの祓魔師がいる。それも、表のやつとは比べ物にならないくらい強い連中が!そして、私は回復の神器を手に入れた!お前達など、すぐに殺してやる!!」

 

「俺はお前を許さねえ!アーシアを、アイツの魂を奪ったお前だけは、死んでも俺が倒してやる!」

 

その時、赤い光がイッセーを包み込んだ。

 

『宿主、お前は「正」の怒りで俺を目覚めさせた。そして、お前は今その力の臨界に達した。お前は、歴代で最強の赤龍帝になれるだろう。受け取れ、これがお前に宿っていた「力」だ』

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

「何ですって!?」

 

「ほう…」

 

赤い光が収まった時、そこには赤い龍を模した鎧を纏ったイッセーの姿があった。

 

「ありえない…、こんな短期間で『禁手(バランスブレイカー)』を会得できる訳が…」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

イッセーが機械音の後に祓魔師に右手を振るう。それだけで、祓魔師の半数近くが彼一人になぎ倒された。

 

「うかうかしてると、オレの獲物が無くなるな。河童、やるぞ!」

 

「了解!」

 

河童が自らの畏れを解き放つ。そして、それをリクオが背負い、新たな畏れとして刃とする。二振りの刀に黒い水がまとわりつき、それを祓魔師の集団に放つ。そして、

 

祓魔師は全て気絶した。

 

「おのれ…!貴様、何をした!?」

 

「お前に教えるかよ」

 

河童はその後疲れて暫くは動けない。すると、

 

「リクオ!怪我人はいるか?」

 

「鴆!河童を頼む、って氷麗はどうした!?」

 

「アイツなら大丈夫だ。今頃、フリードとか言うのの足止めをしてるところだしな」

 

「ならいい。さて、覚悟はいいか?堕天使!」

 

「俺はお前を…、ガバッ…!?」

 

ここでイッセーの禁手化(バランスブレイク)が解けて、元の姿に戻る。当然と言えば当然か。むしろ、この短期間で神器の発現から禁手化、これが出来ただけで凄いだろう。

 

「イッセーくん?もう終わりみたいね?なら、今度こそ楽にしてあげるわ!」

 

大量の光の槍がイッセーに矛先を向ける。その時、

 

リクオがイッセーと槍の中間に立った。

 

「どうしたの?さっきの技の反動でおかしくなったのかしら?」

 

「…イッセー…。赤龍帝の篭手を展開できるか?」

 

「…できるけど、それだけだ。もう、動けねえよ畜生!!」

 

悔しい、もう少しでアーシアの仇を、取れると思ったのに!!

 

「イッセー!しっかりしろ。さて、イッセー。お前の力、オレに貸してくれねえか?」

 

は?何を言ってるのだ?他人に神器の力を貸す?それってレイナーレと同じじゃねえか!

 

「勘違いするな。お前がやる事はたったひとつ。オレを信じるだけでいい。これは、博打だからな」

 

「最後の会話は済んだかしら?」

 

博打か。確かに嫌いじゃない。でも、それで何ができる?そう思ってリクオを見る。

 

その瞳は間違いなく俺を信じていた。

 

「さようなら、イッセーくん、リクオくん」

 

光の槍がイッセーとリクオに一斉掃射され、二人とも殺される…筈だった。

 

バキャアァァァァン!!

 

そう、光の槍が砕かれる音が響くその時までは。

 

「何故だ…。何故お前に私の力が届かない!!」

 

「お前の目は節穴か?お前は何時から一人だけを相手してると思っていた?」

 

リクオの声が響き渡る。そして、レイナーレはリクオのいる場所から妖気とそれ以外の何かの力を感じた。

煙が晴れて出てきた者の姿に絶句した。

 

赤い竜を彷彿とさせる陣羽織を纏い、赤い刃を携え、髪までもが紅く染まったリクオ。

 

「鬼纏・神滅(かみごろし) 赤龍帝ノ陣羽織(せきりゅうていのじんばおり)。オレの神器の禁手・鵺斬丸・神薙(ぬえきりまる・かんなぎ)の力だ」

 

「この、バケモノが!!」

 

レイナーレが無数の光の槍を飛ばすも全てリクオが弾き飛ばす。

 

「そんな神器があってたまるか!」

 

「もう、止めにするか。行くぜ、堕天使」

 

それを言い残すと、リクオはレイナーレのすぐ目の前に移動した。

 

「食らえ、オレとイッセー、そして、アーシアの分を全て纏めて」

 

リクオは鬼纏を畏砲として解き放った。

 

ーーー鬼纏・神滅 赤龍帝焔斬(せきりゅうていほむらぎり)

 

赤い刃が焔を纏い、レイナーレを逆袈裟に切り裂き、吹き飛ばした。

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レイナーレが吹き飛ばされた方向に向かった一行。そこには、ボロボロになりながら、未だに抵抗の意思を見せる彼女の姿があった。

 

「諦めろ、神器の回復が追いついていない。お前の負けだ」

 

「……私の負け?」

 

すると、リクオの背後に光の槍が現れた。だが、それと同時にリクオは自身の最大の畏れを放った。

そして、それはリクオを貫いた。

 

「リクオ!」

 

「「「「「リクオ様!!」」」」」

 

「アーハッハッハ!!バカな奴!油断するから…」

 

「「油断したのは、お前だ」」

 

その場にいた全員が耳を疑った。

リクオの声が、二人分聞こえたのだ。そして、今度は目を疑った。

リクオが、増えていた。比喩ではない、文字通りの意味で。

 

「驚いたろ?これが遠野での修行の成果だ」

 

「そんな事、あってなるものかぁぁぁぁ!!」

 

今度は光の槍を雨のように降り注がせるレイナーレ。しかし、それらは尽く祢々切丸と鵺切丸に弾かれ、槍が当たるたびにリクオが増えていた。それが止む頃には、リクオが九人もそこにいた。

 

「ぬらりひょんの鬼憑(ひょうい)・鏡花水月。それを極限まで高めた、奥義・鏡花水月・曼荼羅」

 

曼荼羅の効果は至極単純。自分の鏡花水月で相手が攻撃を外す度に、一人ずつ分身体を生み出す。これが八回まで行われる。その結果、リクオの畏れは簡単に破れなくなり、畏れに呑まれる。しかも、この業は遠野の次期当主である鎌鼬のイタクでも破れない。

 

「そういう訳だ。レイナーレ、言い残すことはあるか?」

 

「助けて!イッセーくん!!」

 

なるほど、オレが倒せないと分かってイッセーに助けを求めるか。賢明な判断だと言いたいが、選択を誤ったな。

 

「リクオ、そいつを俺の前から消してくれ」

 

「と、言うわけだ」

 

レイナーレはこの世の全てに絶望しきった顔をした。

 

「恨むなら、奴良組三代目総大将と歴代最強の赤龍帝候補を狙った自分を恨むんだな」

 

リクオは無慈悲にレイナーレに刃を振り下ろした。




イッセー、もうから禁手使えるってよ()

鵺切丸・心打
能力
持ち主が敵と認識した者を斬る。
禁手・鵺斬丸・神薙
他の神器の能力を纏う。神滅具も例外ではない。畏襲と畏砲で名称が異なる場合がある。

奥義・鏡花水月・曼荼羅
ぬらりひょんの鬼憑・鏡花水月を更に派生させた業。鏡花水月の状態で敵の攻撃を避ける度に分身を作り出す(最大八人)。遠野で習得した奥義だが、出来た当初は「万華鏡」と呼称していた。後に、鏡という字が被ってて気持ち悪いという理由で分身八人+本体一人、即ち曼荼羅と同じという理由でこの名前に落ち着く。
イタクですらこの業を破るのは不可能。イタク曰く「リクオが曼荼羅を使ったら対等に渡り合える妖はそうそういない」
破る方法は、それ以上の畏れをぶつけるか、鏡花水月を発動させないかの二択しかない。

鬼纏・冥境死水(めいきょうしすい)
河童との鬼纏。種別は畏砲。相手に死の幻を見せて、水を纏わせた刃で敵を斬る。相手を冥境(冥界との境目)に至らしめる死の水で敵を斬る事からこう名付けられた。

イッセーが力尽きる寸前に発動した鬼纏の正体とは…!?
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