弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある?   作:へたペン

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無事予選は突破する話。


其之十六『迷走武道会』

 天下一武道会に出場する為、正装に着替え飛行機に乗って南の都まで移動し、都からはタクシーで移動する。

 結局私はどっちつかずのなりそこないのままだが、大会には戦闘力調査で参加する事にした。

 

 亀仙流の道着を作ってもらったが、私は強さの秘訣を盗みに来たのであって弟子ではない。

 いつもの道着で出場する事にすると亀仙人に「いじっぱりじゃのう」と笑われた。

 また心を読まれたのではないかと疑うも亀仙人が言うにはわかりやすい性格なだけらしい。

 やはり亀仙人は少し苦手だ。

 

 

 

 いざ予選が始まった訳だが拍子抜けする程相手が弱い。

 闘った中で多少マシだったのは怪獣ギランだけだった。

 

 だが、ジャッキー・チュンなんて名前で変装した亀仙人が参加しているのを見掛けた。

 そこまで私を優勝させたくないのかあのエロ爺は。

 対策は練っているが、まだ基礎戦闘力が足りていないのだから大人しくしていてもらいたい。

 

 

「悟空。キャロット。おめでとう! 武道会出場だな!」

 

 

 まだ唯一本戦出場が決まっていないクリリン最後の試合をカカロットと見ていると、髪の毛を短く切ったヤムチャが話し掛けて来た。

 この大会を目指して修行していたらしいがあまり戦闘力が伸びていない。

 大会の優勝は亀仙人、戦い方次第ではカカロットや私も僅かながら可能性があり、大穴はクリリンと言ったところか。

 流石にヤムチャの戦闘力ではどんな戦い方をしても優勝は無理だろう。

 

 

「喜べハイエナ。貴様が絶対に勝てない相手が3人いるぞ」

「ロン毛の次はハイエナか。砂漠のハイエナはもう辞めたから普通に名前で呼んでくれ」

「呼ばれたければその低い戦闘力を何とかするんだな」

「くそう、強さを計る機械を付けられて言われると傷つくぜ。こりゃ初戦突破も危ねえな」

 

 

 ヤムチャと軽く話をしている間にクリリンの本戦出場が当然のように決まる。

 戦闘力100を超える実力者はこんなレベルの低い祭り毎に興味はないようだ。

 

「そういや悟空にキャロット。ブルマ達も武道会場に来てるんだぞ」

「え!? ほんとか!?」

「特にブルマはキャロットに用事があるみたいだったから、会ってやってはくれないか?」

「私もブルマに用事があったところだ。カカロット、探しに行くぞ」

 

 

 予選会場から出てしばらく観客席を探すとカカロットがブルマ達を見つけた。

 変装を解いている亀仙人も何食わぬ顔で一緒にいる。

 

「おいエロ爺。あれは何のつもりだ。私への嫌がらせか?」

「悟空とクリリンの為じゃ。あの年で優勝なんてしてみい。調子に乗って堕落するわい」

「カカロットはともかく、ハゲ頭はありそうだな」

「まったく、そのスカウターとやらは厄介じゃの。祭りの日くらい置いてこんかい」

 

 どうやら私への嫌がらせではなく弟子達の成長の確認と今後も修行をさぼらないよう活入れとして参加したらしい。

 確かにこの地球にはもっと強い奴はいくらでもいるのだから、ここでトップレベルである亀仙人が実力を見せるのは二人にとっていい刺激になるだろう。

 一応納得はしておいた。

 

 

「ちょっとキャロ。私を無視してひそひそ話しないでもらえる?」

「悪いな、スポーツ用パンツ。待たせた」

「あんたが謝るなんて珍しいわね」

「そんな事はどうでもいいだろう。用事があるんじゃなかったのか?」

「そうそう、これ見てみなさいよ。ジャーン!」

 

 

 ブルマは得意げな顔をしてポーチの中からスカウターを取り出して見せた。

 

 

「一から作ったのか」

「ふっふっふ、天才ブルマさんに不可能はないのよ。だけどね、これ変なのよ」

「やはり再現は難しかったのか?」

「違う違う。ちゃんと戦闘力を計る機能はついてるんだけど、妙な空洞が内部に出来ちゃってね。この機械に通信機能とか付いてないの?」

「戦闘において情報は命だ。付いているに決まってるだろう」

「やっぱり。あんたのそれ、その通信機能が丸々取り除かれてるわよ」

 

 

 ブルマの言葉に一瞬頭が真っ白になった。

 不良品をつかまされたのだろうか。

 いや、壊れているならともかく通信機能だけ取り除かれた不良品なんてない筈だ。

 なら取り外されていたと思うのが自然である。

 

「ちょっとキャロ、顔色悪いけど大丈夫?」

 

 何の為に外されたのか、なぜ母星と連絡させないようにしたのか。

 嫌な考えばかりが、ありえない考えばかりが私の中でぐるぐると周る。

 

 たった戦闘力2だった私は、捨てられたのだろうか。

 父と母の言葉を覚えているのに、一瞬でもそう思ってしまったのが許せなくて拳に力が籠る。

 

 




ありえないとわかっていても、理由がわからなくて不安になるキャロットでした。
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