弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある?   作:へたペン

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重力修行をする話。


其之十九『重力修行』

「学校は楽しいんだが、これじゃあいつまでたってもお前らに追いつけない。俺も修行するぞ」

 そんな事を言ってヤムチャも修行に参加する事になった。

 ヤムチャが5倍の重力に耐えられなかった為、まずは2倍の重力でヤムチャを鍛えよう。

 5倍の重力で組手が出来るようになれば一人でやるよりも修行効率は上がる筈だ。

 

 

「どうしたハイエナ。まだたった2倍の重力だぞ」

「2倍って60キロなら120キロだぞ。お前よくこんな中で動けるな……」

「やる気がないならスポーツ用パンツの機嫌でも取りにでも行くんだな。貴様の女癖が悪いとこの前愚痴っていたぞ」

「俺は別に何もしていない! 女の子達の方から勝手に言い寄って来てだな」

「彼女が居るとでも言っておけ」

 

 

 特訓の内容は基礎トレーニングと徒歩での私との追いかけっこ。

 私にとっての2倍は亀仙人の所で40キロの甲羅を背負っていた時とそれほど変わらない。

 それでも追いかけて来るヤムチャの手を同じテンポで歩きながら避けるというのは中々に難しい。

 手加減する練習と攻撃を見きる練習にはなるだろう。

 

 

 戦闘力のコントロールで戦闘力を下げるのが思わぬところで役に立って私は苦笑する。

 

 

「ハゲ頭でもこのくらい平気で走ってみせるぞ」

「ハゲ頭……。クリリンの事か? お前らどんな鍛え方したらそんなに強くなれるんだよ」

「貴様の鍛え方が甘いだけだ。私が最初に起動した倍率は10倍だぞ」

「じゅ……10倍!? くそ、俺だって男だ。このくらいっ!!」

 

 見栄は張っているが噓は言っていない。

 女の私がそこまでの重力を耐えているのに焦りを感じたのかヤムチャのやる気は上げられた。

 

「5倍にしてくれ! キャロットの修行をいつまでも足引っ張っている訳にはいかないからな!」

「5倍か。まあ貴様ならこの程度で死ぬことはないだろう。重力設定を上げるぞ」

 

 動ける動けないは別にしてヤムチャなら5倍の重力でも重傷を負うようなことはないだろう。

 もしもの時はすぐに装置を停止させてやれば平気な筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

「ごふぁげっ」

 

 

 

 

 

 

 

 ヤムチャから潰れたカエルの鳴き声のような奇怪な声が漏れて慌てて装置を停止させた。

 

「ハイエナ、その、なんだ。大丈夫か? 平気だと思ってしまって悪かった」

「き、気にしないでくれ……。俺は大丈夫だ。だが3倍から行こう」

「やる気があるのはいい事だが、本当に大丈夫なんだろうな?」

「問題ない。ブルマとプーアルにいつまでもカッコ悪いところを見せる訳にはいかないからな」

 

 見たところ重傷を負っている気配はない。

 本人がそう言うなら修行を続けよう。

 3倍で起動させると足をプルプルとさせているもののヤムチャは倒れずに立っている。

 思ったよりも根性がある奴だ。

 この調子なら1カ月か2カ月くらいで5倍の重力を歩かせる事が出来るかもしれない。

 

 

「よし、ヤムチャ。そのままゆっくりでいいから私の所まで歩いてこい。そして腕を上げてハイタッチだ。出来るな?」

「あたり、まえだ! 俺もやればできるってところを、みせて、やるぜっ」

 

 

 ヤムチャがゆっくりと歩きだし、私の目の前で手を上げる。

 が、そこで力尽きたのか膝から崩れ、倒れないようにと反射的に私の道着に手を伸ばした。

 

 

 

 

 戦闘服ならともかく、普通の道着が重力3倍の中で持ちこたえる事が出来る訳もなく簡単にはだけ、持つところが襟の隙間と悪くヤムチャの指が上のインナーに引っ掛かりインナーが裂ける。

 

 

 

 

 ヤムチャが悪かった訳でもなく、ただの事故だった訳だが、重力装置を切って気絶するヤムチャを部屋まで運ぶ私の姿を見たブルマの感想は違った。

 どうやらヤムチャが私に性的な意味で手を出して返り討ちに遭ったと思ったらしい。

 

 誤解を解くのに数日の時間を費やしてしまうのだった。

 数日の間カプセルコーポレーションから追い出されたヤムチャに悪い事をした気がする。

 

 




亀仙流の修行をまだしていないヤムチャにはまだ重力装置は早かったようです。
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