弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある? 作:へたペン
ヤムチャが3倍の重力でまともな修行が出来るようになった。
戦闘力の飛躍的な上昇はサイヤ人の専売特許だと思っていたが、地球人も体への負荷で己を鍛えられるようだ。
ヤムチャが帰ってきたら今日は4倍の重力で修業を付けてやるとしよう。
そんな事を考えながら5倍の重力でダンベルを手に拳を撃ち込んでいると、何となくだがカカロットの気配が近づいている気がした。
カカロットはこの場所を知らない筈だから気のせいな筈だが一応確認しておこう。
重力装置を切ってスカウターを取りに行き、カカロットの戦闘力だと思うものを探してみる。
すると高い戦闘力が真っ直ぐカプセルコーポレーションに向かってきているのが確認できた。
これがカカロットだとするとまた少し強くなったようだ。
「ブルマー!! オラが来たぞー!!」
「カカロット、インターホンくらい知っておけ」
どうやら気のせいではなく本当にカカロットが来ていたらしい。
警察官に道を尋ねてここまで連れて来てもらったようだ。
それにしても、どうして私はカカロットが近付いてきた事がわかったのだろうか。
自分でもよくわからない。
「姉ちゃん、ブルマ居るか?」
「大学で講義中だ。教え甲斐がない学生達だと愚痴っていたから、そろそろ飽きて戻って来るのではないか?」
ブルマは大学とやらで特別講師をしているが退屈らしくすぐに帰ってくる事が多い。
もっともカカロットにそんなことを説明しても通じないので詳しくは説明しないが。
カカロットには本を読み分からない事は辞書を引く習慣を身に着けてもらいたいところだ。
「姉ちゃんも大学っつーところ行ってるんか?」
「いや、私はブルマに修行場を提供してもらっているだけだな。ここは書物も多くて修行以外にも便利だ」
「そっか! また姉ちゃんと組手するの楽しみにしてっぞ!」
「何なら今相手をしてやってもいいんだぞ?」
「本当か!?」
戦闘力なら私の方が僅かに上だ。
今まで負け越しだった雪辱を晴らす時が来たと言えよう。
しかし私とカカロットは乗り気だったが、喧嘩はいかんと警察官に止められてしまった。
そんなことをしている間に予想通り講義を中断してブルマが帰って来た。
もっと丁寧に扱いなさいよねと言いつつも、簡単にレーダーを直すブルマはやはり凄い。
「あれ? まだ二つしか集まってないじゃない。のんびりしてるわね」
「へへ、結構見つけるのやっかいなんだ」
「戦闘種族サイヤ人の本分は戦いだ。貴様のように効率的な集め方を求めるのは無理がある」
「それもそうね。退屈してたし私も探すの手伝ってあげるわ」
「ブルマは筋斗雲のれねぇだろ。オラが担いでいくんか?」
筋斗雲は普通のジェット機よりも速度が出るので足並みをそろえるのが難しい。
しかしブルマは『ミクロバンド』という小さくなれる装置を使い小さくなって見せた。
ネズミくらいの大きさになればどこにでも入れられるので移動のジャマにはならないだろう。
それにしても小さくなる装置まで作れてしまうとはブルマの頭脳には驚きっぱなしである。
「キャロの分はないんだけど、あんたはどうする?」
「……筋斗雲に乗る。カカロットに掴まっていればなんとかなるだろう」
カメハウスに向かう為カカロットに掴まった時、隠していたが私は筋斗雲に
乗れる事を知られるのは気恥ずかしいので隠しておきたいがブルマの護衛は必要だろう。
不本意ながらまた乗れないフリをしながらついて行く事にする。
「姉ちゃんは筋斗雲乗れるもんな」
「私は乗れないと言っているだろ。空気を読めカカロット!」
空気の読めない弟だが、私にとっては大事な弟だ。
久々の何でもないやり取りが嬉しくて、筋斗雲に乗っている最中、誰からも見られることのないカカロットの後ろでつい頬が緩んでしまうのだった。
なんだかんだ言って弟離れが出来ないお姉ちゃんでした。