弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある?   作:へたペン

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忘れ物をした話。


其之二十一『忘れ物にご注意を』

 海底にあるドラゴンボールを取りに行くのにブルマがホイポイカプセルを忘れた。

 厳密に言えば父ブリーフのカプセルケースと間違えて持ってきてしまい、そのホイポイカプセルの中身も卑猥な書物が大量に入っているだけという残念な結果に終わった。

 

 ブルマは天才だがどこか抜けているところがあるので仕方ない。

 卑猥な書物を大量に所持していたブリーフについても、この星はそういう連中ばかりなのだと諦めよう。

 卑猥な連中ばかりだとしたら、男が自分の事をどういう目で見ているかをもっと気にするべきかもしれない。

 

 

「それでスポーツ用パンツ。一度カプセルコーポレーションに戻るか?」

「二度手間は嫌よ。幸い人が住んでるみたいだしカプセルぐらい売っている筈だわ」

 

 

 カカロットが海底の深さを理解せず海に飛び込んでいる間にこれからどうするべきか話し合うと、ブルマは今から戻るよりもカプセルを購入した方が早いと結論付けた。

 筋斗雲の上から船が見えたので無人ではないと思うが、島を見下ろした時に集落や都市は見ていない。

 

 

「まともな流通が通ってる島とは思えないがな」

「そんな事ないわよ。ほら、あそこ! 反重力装置を積んだ乗り物だわ!」

 

 

 ブルマが空に浮かぶ二機の小型機の方を指さし「やっほー」と大きく手を振る。

 すると二機の小型機は挨拶代わりに機関銃を乱射してきた。

 

 

 すぐさまブルマを左腕で抱えて飛びのいて機銃の射角外である機体の横腹に回り込み、後部にある推進動力を右手からエネルギー波を放って撃ち抜いて二機立て続けに行動不能にする。

 

 

 

 まだ反重力装置は生きているから墜落までは時間が掛かる。

 いきなり襲われたのだ。その間に脱出できなかったら時の事までは面倒見きれない。

 

 

 

「いきなり撃って来るとはずいぶんと野蛮な島だな」

「何だったのよ今の連中は!?」

「私が知るか。だが、この分だとカプセルは期待出来そうにないぞ」

 

 

 護衛として着いて来ておいてなんだが、いきなりブルマを守る事になるとは思わなかった。

 もしかしたら前と同じようにドラゴンボールを狙う競争相手が居るのかもしれない。

 そう考えるとカカロットがドラゴンボール集めに時間が掛かっているのも納得出来る。

 

 

「今心当たりが出来た」

「あの機体に見覚えでもあったの?」

「前の時みたいに競争相手が居るのかもしれない。だとしたら相手は相当やる気満々な奴だ。貴様は家に帰れ、スポーツ用パンツ。カカロットに送らせる」

「警告も無しに撃って来たものね。でもキャロが今みたいに何とかしてくれるんでしょ?」

「貴様に死なれたら困るから障害は全力で跳ね除けるが、後で駄々をこねても知らんぞ」

 

 

 余程講義で退屈していたのか、ヤムチャが他の女と仲良くしているのにストレスを溜めているのか、ブルマは危険があるかもしれないと知らせても帰ろうとしない。

 こうなったブルマはテコでも動かないだろう。

 仕方ないのでブルマの護衛を続ける事にした。

 

 

 そう決めた直ぐ後、筋斗雲に乗ってカカロットが戻って来る。

 やはり海底深くに沈んだドラゴンボールを素潜りで取る事は出来なかったようで、カカロットは亀仙人なら海に潜れる乗り物を持ってるかもしれないと比較的近くに在るカメハウスに行く事を提案してきた。

 

 

 エロ爺の亀仙人とはあまり会いたくないが、買い物用の乗り物が万能型で海も潜れる飛行機だった筈だ。

 

 

 ブルマもあからさまに嫌な顔をしていたが、着いて来ると言った手前強く断れないのだろう。

 ブルマはそういう性格な奴だ。

 

 競争相手が居るのならあまりのんびりとはしていられない。

 私達は乗り物を借りにカメハウスへと向かうのだった。

 

 




キャロットが機関銃を撃たれた時点で反撃した為、チカンではなく未知の相手という認識になりました。
キャロットがブルマの事を理解しているように、ブルマはキャロットの事をしっかり理解しているいい関係であったりします。

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