弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある? 作:へたペン
亀仙人に卑猥な要求をされる事なく、ミクロバンドと引き換えに潜水艇を貸してくれる事になった。
だが、どうせ亀仙人の事だ。
卑猥な目的でミクロバンドを使うつもりに違いない。
今はクリリンとランチが潜水艇で買い物に出ているのでしばらくの間待つことになったのだが、案の定と言ったところか亀仙人はブルマがトイレを借りるとその後を追っていこうとする。
「エロ爺、トイレを覗くのは悪趣味だぞ。恥を知れ」
後ろから忍び寄り、小さくなったところを指でつまんで窓から海の方へと放り投げておく。
小さくなっていても亀仙人ならあれくらい何とかするだろう。
海に落ちてずぶぬれになった亀仙人が「わしを殺す気か」と息を切らしていたが自業自得である。
そんな事をしていると潜水艇で買い物に出かけていたクリリンとランチが戻って来た。
久々の再会に話を弾ませながらも本来の目的を伝えると、クリリンも面白そうだとついてくる事になった。
なんでもドラゴンボールが沈んでいる海域には海賊が隠している宝が眠っている伝説があるという。
ブルマは金持ちだから金銀財宝は必要ないのだが、宝という響きにロマンを感じているようだ。
こういう日常から掛け離れた刺激が欲しかったのだろう。
「ついてくるのはいいがハゲ頭。貴様修行をさぼっていたな。戦闘力が上がってないぞ」
「俺はのんびりと武天老師様と一緒に暮らしていただけですからね。やっぱりキャロットさんと悟空はあれから強くなってるんですか?」
「当然だ。貴様も重力制御装置で修行をすればまだまだ伸びしろがある筈だぞ? 帰ったら修行を付けてやる」
「ははは、お手柔らかにお願いしますよ」
「という訳でスポーツ用パンツ、クリリン用の重力制御装置を後で頼む」
「別に構わないけど、そう言うのは口約束する前に頼みなさいよね」
そんな会話をしながら海中を潜水艇で探索しているとレーダーが洞窟らしき反応を捉えた。
どうやらドラゴンボールは小さな溝に落ち、溝は運よくその洞窟の奥と繋がっているようだ。
「クリリンと同レベルの戦闘力が後をつけてきているな。あの潜水艦か」
「またレッドリボンの奴等かな。しつこい奴等」
カカロットのその言葉にブルマとクリリンは「え!?」と悲鳴に近い驚きの声を上げる。
どうやらレッドリボンはこの星で有名な軍隊らしく、世界最悪の軍隊と悪名高い組織らしい。
そのレッドリボン軍がカカロットにちょっかいを掛けて邪魔をしている相手のようだ。
相手の潜水艦が魚雷を撃って来きた所慌てて洞窟の中に潜水艇を潜り込ませる。
相手もドラゴンボールを狙っているなら、入り口をふさぐような馬鹿な真似はしないだろう。
「孫君! あんたレッドリボン軍のことなんか一言も言わなかったじゃない!!」
「スポーツ用パンツ、さっそく泣き言か。あの程度の数と戦闘力カカロット一人でもどうとでもなる」
「相手は軍隊なのよ!?」
「その軍隊相手にカカロットはドラゴンボールを手に入れているんだ。大した事はない」
海底洞窟は次第に狭くなっていき、ドラゴンボールが落ちた洞窟へと潜水艇を浮上させる。
クリリンとブルマはもう走って逃げるしかないと潜水艇を乗り捨てるが、潜水艇は帰りに必要だ。
「ハゲ頭、忘れ物だ。奪われでもしたら死ぬまで海中暮らしだぞ」
「あ! 俺とした事が慌てて! すみませんキャロットさん!!」
潜水艇をカプセルに戻してクリリンに投げ渡すと、クリリンはそれを慌てて受け取る。
「カカロットはスポーツ用パンツ共と先に行け」
「姉ちゃんは行かねえんか?」
「小型艇を叩く」
丁度相手の潜水艦から出た小型艇が浮上してきたのでエネルギー波を放ち沈めておく。
これで相手が強力な武器を持っていたとしても多くは持ち出せないだろう。
カカロットが言われた通りブルマ達を追う中、私は潜水艇から慌てて脱出する連中を見下ろす。
世界最強の軍隊だか何だか知らないが、私達に喧嘩を売ったことを後悔させてやろう。
まさかの先制攻撃がレッドリボン軍を襲う。
ブルー将軍は次回無事に出ます。