弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある?   作:へたペン

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炒飯を食べる話。


其之二十五『作戦会議は食事のついで』

「レッドリボン軍は早めに壊滅させた方がいいと思うのだが」

「キャロ、炒飯作りながら何物騒なこと言ってるのよ!?」

 

 昼食を作りながら今後の事を一つ提案するとブルマにダメ出しを食らう。

 やはり悪人とはいえこちらから攻めるのは倫理的によくないのだろうか。

 地球の倫理観は難しい。

 

 

「しかしだな、私達はレッドリボン軍に目を付けられている。それに爺様の形見を探しているカカロットとの衝突は避けられない。先に攻めて潰さなければ再びここを狙われてもおかしくないぞ」

 

 

 実際問題危うくカメハウスは爆弾で吹き飛ばされるところだった。

 多少の倫理は無視してレッドリボン軍は身の安全の為にも壊滅させるべきだと考えている。

 

 

「そうは言うが、流石のわしでもあれほどの軍勢を相手に戦う程のスタミナはないぞ?」

「何を言う。かめはめ波で遠くから拠点を消し飛ばせば済むだろう」

「これ! さらりと非戦闘員を巻き込む案を出すのではない!!」

「なんだよやらねぇのか? 人の宝おじゃんにしたレッドリボン軍なんて有無を言わずぶっ飛ばしちまえよ」

 

 

 ランチは乗り気だがやはり倫理面で亀仙人にダメ出しを食らってしまった。

 一番楽な方法だと思ったのだが戦う気がない者を巻き込むのは確かに不本意である。

 

「あの、キャロットさん。それならカメハウスをまた修行場に引っ越させてはどうですか?」

「それはダメだクリリン。もし見つかった時島の人に迷惑が掛かる」

 

 しっかりパラつかせた炒飯を皿に盛っていき、付け合わせにスープを出せば昼食の完成だ。

 もう一品くらい欲しいところだったが材料が底を尽きているから仕方がない。

 

 

「まあなんにせよ、レッドリボン軍が四星球を持っていたらカカロットは考えなしに特攻していくだろう。援護の準備は必要だ。ブルマ、ヤムチャと連絡しろ。どのみち飛行機の入ったカプセルを持って来てもらわなければ西の都に帰りにくいからな」

「連絡が取れるならとっくに取ってるわよ! ここ電話もないじゃない!!」

「飛び抜けた発明を作ってるんだ。ブルマなら通信機くらい作れると思ったのだがな。材料がなければ修行場まで飛んで廃品がないか探してくるぞ? まあ、金があるなら買った方が早い訳だが」

 

 

 飛行速度に自信がないので久しく飛んでいないが、下級戦士と言ってもサイヤ人のはしくれ。

 移動速度はともかくとして空を飛ぶことぐらいなら幼い頃から出来る。

 もっともカカロットは頭を打った影響か、空の飛び方を体が覚えていない訳だが。

 

「なるほど賢い! ナイスよキャロ!! ここにあるもので通信機くらい作れるわ!!」

 

 これで帰れる、なんてブルマは喜びながら使えそうな機械をバラしては組み立てていく。

 どうやらパーツを拾いに行く手間は省けたようだ。

 

 

「ううむ、目を付けられているなら仕方ないかのう。わしも手伝うとするか」

「世界最悪の軍隊を敵に回すなんて……悟空の奴何を考えてるんだよ」

「カカロットは何も考えていないだろうな。だが世界最悪の軍隊が叶えようとしている願いを阻止できる、と思えばやりがいがあるだろ。良かったなクリリン。成り行きだが世界を救えるかもしれないぞ?」

「勘弁してくださいよキャロットさん」

 

 

 レッドリボン軍の基地への攻撃方法はヤムチャが来てから話し合った方がいいだろう。

 スカウターは自爆した時に壊れてしまい詳しい戦闘力はわからないが、何とかなる筈である。

 

 

「炒飯が冷める。先に飯を食え飯を」

 

 話はこれくらいにして炒飯が冷める前に食事を開始する事にした。

 中華は温かい内に食べるに限る。

 

 




キャロットの中では炒飯の方が優先度が高い作戦会議でした。

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