弟と一緒に地球という人外魔境に送られた下級戦士だけど何か質問ある? 作:へたペン
占いババの占いでドラゴンボールの場所を知ったカカロットは無事ドラゴンボールを見つけウパの父親を生き返らせる事が出来た。
四星球はドラゴンボールが飛び散る瞬間に空中で取ったらしい。
これでドラゴンボールを探す必要はもうないだろう。
これからの事だがクリリンとヤムチャは悟空の強さに刺激され亀仙人の元で修行するようだ。
カカロットと私もしばらく亀仙人の元で世話になろうと思ったが、もう既に亀仙流の修行では伸びしろがなくなっているので世界中を見て回って己を鍛えた方が強くなれると助言された。
亀仙流の修行では物足りないのは事実だ。
カカロットと重力制御室に籠って組手をし続けた方が戦闘力の伸びはいいだろう。
だが、カカロットに色々な事を経験してもらいたいというのはわからないでもない。
単純な戦闘力の数値ではなく、カカロットには強く清く自由に生きてもらいたい。
少し寂しいし心配でもあるがカカロットも乗り気なのでしばらく一人旅をさせる事にした。
会いたくなったら私の方から飛んでいけばいい。
「姉ちゃんはどうすんだ?」
「私はしばらく自由にやっていくつもりだ。それにクリリンとヤムチャを鍛えてやらないと張り合いがないからな」
クリリンにも重力制御室で修業を付けてやると約束している。
それに戦闘力のコントロールだけでなく、怪我をすると体力を消耗する不便な体の仕組みの理解を深めなければならない。
ブルマにはポット型宇宙船や戦闘服を見せる約束をしているし、食べてみたい料理や作ってみたい料理もあるし、やる事は沢山あるのだから徒歩だけで世界中を周るなんて時間の無駄はしたくない。
やりたい事をやりたいようにやって、いつの日か天国にいる孫悟飯に笑顔で土産話をしたい。
こんなにも満足した人生を送れたんだと誇る事が孫悟飯を超えた証だと思う事にしたのだ。
「カカロット。尻尾が生えてきたら満月を長く見ないよう気を付けろよ」
「ん? なんでだ?」
「私達は尻尾がある状態で満月を直視し続けると大猿の化け物に変身するんだ。その状態で理性を保つのは難しく……いや、貴様にわかりやすく説明すると暴れて周りが迷惑するから満月は見るな」
「へぇ、オラ達満月見るといけねぇんか。尻尾鍛えるのと一緒になんとかならねぇかなぁ」
「試すとしても周りに人がいないところでしろよ」
「ああ! わかった!」
満月を見ると大猿になるというサイヤ人の特性を知らせても、カカロットは驚くだけですんなりとその事実を受け入れる。
相変わらず軽い奴だ。
「修行で筋斗雲は使うなとエロ爺は言っていたが、いざと言う時はちゃんと使うんだぞ?」
「
「それと汚れたら水浴びくらいしろ。汚いままだと人に嫌な顔されるからな」
カカロットは買い物などはしないと思うが人と関わる機会はそれなりに出て来るだろう。
いつまでも私が居ないと体を洗わないままでは困る。
「それじゃあ姉ちゃん。3年後の天下一武道会でまた会おうな!」
「さらりと会う気がないような発言はやめろ。たまに様子を見に行くぞ」
「そうなんか?」
「たまにだから期待はするなよ」
「オラ別に期待なんてしてねぇぞ?」
「貴様という奴はそういうところは薄情だな」
別れを全く惜しまないのはカカロットらしいといえばカカロットらしい。
それでもカカロットは私にとって大切な家族で、カカロットもそう思ってくれている。
そんな弟と一度別れるのは少し寂しいけれど、私はこの大切なものが沢山出来た辺境の地で今日も元気に生きていきますとも、ええ。
辛いこともあるけどそれ以上に幸せな思い出を作って自慢してあげたい。
孫悟飯との再会で前よりも前向きに歩いて行けるようになりました。
数話ほど小話をした後、3年後の第22回天下一武道会に入る予定です。
ゆったりと本編が始まるまでお待ちください。