ヒトデナシ   作:影絵師

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PIxivでのリクエスト「女性が狐の巫女になる」です。

ざっくり内容
・九尾に自分を守ってくれるようお願いする女性
・九尾「じゃあ我の巫女になれや」
・女性→狐の巫女




九尾に守られることを引き換えに、狐の巫女になる女性。

 

「人間よ、我に何のようじゃ……」

 

 自分を見下す程の大きさの九つの尾を持つ化け狐――九尾を見上げる女性――蒼狐。今まで見た元人間の異形と同じ恐ろしさはあるが、この九尾からは何故か殺意を感じられない。

 蒼狐は恐怖で体が震える中、口を開いてなんとか言った。

 

「わ、私を……助けてください……」

「貴様を我が助ける……何故じゃ?」

 

 そう問う九尾に蒼狐はこう続けた。

 

「死にたくないからです……怪物に殺され、怪物として蘇りたくないんです……」

「ならばいい方法を教えてやろう……高所の崖から飛び降りろ。さすれば、貴様は怪物にはならずに済むぞ」

 

 九尾の残酷な答えに驚愕する蒼狐。それを見て言葉を続けていく九尾。

 

「我を何だと思っておる? 異形に成り下がった人間とは違うぞ。我に願いを叶えてほしければ、それなりの代償を望むぞ」

 

 九尾に願いを叶えてもらう方法を蒼狐は知っている。しかし、それは簡単に決断できるようなモノじゃない。人間としての人生を捨てるようなモノだ。

 しかし、九尾に頼らないとなるとどうすればいい? 傭兵に護衛してもらうための金はない。高い防壁の街には入れさせてくれない。恐ろしい異形が彷徨く環境で生き抜く自信は全くない……

 覚悟を決めたのか、人間として生きるのを諦めたのかは知らないが、蒼狐は両膝をつき、頭を地面につけた。そして、九尾に懇願した。

 

「お願いです……あなたのモノになります、だから私を……守ってください」

 

 その言葉に口の端を上げた九尾は願いを受け入れた。

 

「いいだろう。では……早速、我のモノに変えてやろう」

 

 九尾の周囲にいくつかの火の玉が浮かび、蒼狐を囲むように移動した。自分を囲んでいる火の玉を見て驚いて立ち上がる蒼狐だが、火の玉が回転し始める。しばらくすると、彼女の体に変異が起きた。

 頭と手に毛皮が生えていく。頭の上に一対の長い三角耳が出来ていく。口元が前に引き伸ばされ、鋭いマズルを形成する。

 火の玉が消えた頃には狐の顔と手を持つ女の姿があった。視界に映る自分の両手とマズルを驚きの表情で見る蒼狐だが、そう変化させた九尾も不思議そうに見ていた。本来なら全身が狐に変わってもおかしくないはず……

 九尾は少し考え、蒼狐にこう命じた。

 

「ふうむ……服が邪魔じゃな。ほれ、一枚ずつ脱ぎ捨てい」

「えっ!? は、はい……」

 

 自分の裸体を得体の知れない怪物に見られるのは嫌だが、生き残る為に渋々と九尾の命令を受け入れた蒼狐。狐の前足に変えられた黒い両手でシャツのボタンを外していく。未だ変えられていない人間の豊満な胸と引き締まった腹が晒されるが、シャツを地面に脱ぎ捨てた瞬間に内側は白、外側は茶色の毛皮に覆われた。

 ズボンを手で掴み、体を前屈みにして脱ぎ下ろす。人間のままだった下半身も毛に覆われていき、ズボンを脱いだ直後に足先も黒い毛で覆った。

 腰から先端が白い広がった毛の尾が生えた。

 今の蒼狐の姿は、人の形をした下着姿の狐に変わっており、胸と又を手で隠している。彼女の脱衣を一部始終見ていた九尾は満足そうに頷いた。

 

「ククク……我を興奮させてくれるわい。さあ、後は我が用意する巫女装束を纏うが良い」

「あ、ありがとうございます。早くしてくれると有り難いですけどっ」

 

 蒼狐が顔を赤くして急かす中、九尾は自分の周囲にいくつかの火の玉を発生させ、彼女に放つ。一瞬死を覚悟したが直撃せず、蒼狐の周囲を再び何周か回っていく中、下着姿の彼女の体に光が張り付いていた。その光は彼女の服装に変化していく。

 光と火の玉が消えた頃には、蒼狐は巫女装束を纏っていた。下半身は赤い袴で後ろから尾が出ており、上半身は白衣、狐の頭には頭飾りが身に付けられている。

 

「これでお主も我に仕える巫女となった。我の言葉には絶対に聞いてもらうが、我もお主のことを必ず守ってやろう」

「……ありがとうございます! この御恩は絶対に忘れず、あなたに仕え奉ります!」

 

 

 

 襲いかかる元人間の異形を殺し、他の人間から物資を奪い、いつ来るか分からない死に怯える人間。

 人間であることを捨てる代わりに強力な存在に守られ続け、その恩を返すために巫女として暮らす人外。

 

 どちらが幸せなのは、人それぞれだ。

 




 ……これのR-18設定を書いてたとき、リクエストの人から「健全で頼む!」と来ました(データはまだある)。
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