成り代わりヴァサゴのSAOライフ   作:kinopio

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Pohニキかっこいい


プロローグ

メキシコ某所

 

ここは世界的な麻薬王の組織の拠点があった

殺人、誘拐、麻薬、多くの犯罪に手を染め、金を集めて凶悪な構成員を集めその力で政治界に多大な影響を与えてきた。

警察には金を払い抱き込んだ。

 

しかし思い通りに行かない者もいた。

そういった者はすべて殺した

時には

 

対抗する組織を殺して、

 

反抗する市民を殺して、

 

下克上を企む部下を殺して、

 

殺して、殺して、殺して、殺して...数多の死体の山を築いた

そうしていると気づけば誰も刃向かわなかった。

すべてが思うがまま、そう信じてやまなかった。

 

 

 

 

しかしその血にまみれた栄光は血塗れたナイフでズタズタにされた

 

***

 

その部屋には硝煙と血の臭いが充満して、いかにも高そうなステンドガラスは割れ、金糸の刺繍が施された床全面を覆う絨毯は多くの人間が倒れ血で汚れていない箇所を見つけるのが難しい。

その屍山血河のなかに立つ一人の青年。

体の節々には血がつているがその端正な顔をゆがめる事もなく胸ポケットから煙草とライターを取り出しゆっくりと煙を味わって一息にはき出した。

 

「...?」

 

彼の足下には全身を血で染め上げて体を震わし、息も絶え絶えな恰幅のいい男

彼はここら一帯の裏社会を牛耳り、権力と武力で法の外に君臨してきた男であり目の前にいる青年の上司でもある。

 

「きっ...さま!な...ぜ..裏切った!...」

 

その目には怨嗟や憎悪といったものも見て取れるしかしその中でも大部分は

 

恐怖

 

 青年はいつも無表情で何を考えているのか分からなかった。目には一切の感情が抜けており不気味でもあった。しかし能力は他の者達と明らかに一線を画しており殺しをさせても、金の管理をさせても、果てには医薬に関しても一流というまさに天才、いや鬼才という言葉が相応しいほど。

 故に報酬も惜しまずに与えてきた。それほどこの男にとって優秀な存在であり手放したくない存在だった

しかし今では組織を裏切り壊滅させた。それもたった一人で

 

「こたえ..ろ。ヴァサゴ!!」

 

青年―――ヴァサゴけだるそうに足下に落ちていた拳銃を拾い突きつけた。いつものように淡々とした、しかしその目は違った。

 その目には想望が浮かんでいた。

 

「俺のためだ、ボス」

 

銃弾は男の眉間を打ち抜き男は静かに地に伏した。ヴァサゴはまだか細い硝煙が立ち上っている銃を捨て出口に向かって歩き出す。その顔にほんの少しの笑みを浮かべて

 

 

 

 自分が周りの奴らと何かが、根本的に何かが違うと認識するにはそう時間はいらなかった。物心ついたときから頭の中には霧がかかった様にはっきりとしないおぼろげな部分があった。

 しかし、何故かは分からないがわからないなりに引っかかりを覚えるものが節々に感じ、それらが靄を晴らすきっかけになるだろうと半ば確信めいた感覚が己の中にあった。

 

 

 そしてその時はやってきた。

 茅場彰彦という人物が脳の電気信号を受け取り実際にゲームの世界に入り込むという次世代のゲームを開発した

ニュースだった。そのとき俺の頭のなかで茅場という名前に連鎖するように次々と俺が知らないはずの情報が激しい頭痛とともに想起する。想像を絶する痛みに歯を食いしばって一瞬ふらついた身体に力を入れて踏みとどまる。どれほどの間そうしていたのか徐々に痛みが引いていき、自身が置かれている状況にようやく理解が及んだ。

 

 

 どうやら俺は『ソードアート・オンライン』という前世にあった物語の世界にいるらしい。その物語では『ゲームでの世界=現実での死』というデスゲームにとらわれ抜け出すために主人公達がゲームクリアを目指すものだそうだ。

 そしてその中での俺はゲーム内でPKを推奨する『笑う棺桶』というギルドを率いる凶悪人物で主人公のキリトに執拗なまでに執着している。アバターネームはPoh。俺と同じ名前のソロモン72柱の悪魔の持つPrince Of Hellからとったのだろうか。なかなか洒落がきいている。

 

「phew...」

 

 思わずため息が出てしまう。しかし存外にもこの現状を楽しんでいる自分がいる。

 腎不全の父の息子を助けるために生まれその後はスラムに捨てられここに拾われ上からの命令を淡々とこなして、と今まで目標もなくただ生きるためだけにいきてきた。そこには俺の意思はなくまるで道具だ。

、と今まで目標もなくただ生きるためだけにいきてきた。そこには俺の意思はなくまるで道具だ。

俺の親は俺を道具として作った。そして俺は自分から道具になろうと、成り下がろうとしている。 

 

だがここ思い出した事は俺にとって天命なのではのないか。

頭の中の霧が晴れる事で次から次へと面白い出来事があふれてくる。前の俺はよほどこの物語が好きだと思える。

 

このまま道具に成り下がる?

 

そんなものくそくらえだ。

 

この中に自分を巻き込みたい。

 

この中で自分だけの物語を作り上げたい。

 

そのためにこれから障害であろう数多ある問題に今までもっとも頭を使い、有意義な時間だった。

 

 

 

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