魔破竜人リントヴルム 第2部   作:魔破竜人リントヴルム製作委員会

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推理!花弁に潜む闇の結末

警察の話によれば被害者は毒物を吸引して死亡したらしいが、その毒物の原因が全く不明であり、捜査が難航しているという。そこで九頭龍研究所に毒物の出所を突き止めてほしいとの依頼が来たのであった。九頭龍博士とクシナと宗麟。そして臨時の助手という名目で唯一現場にいた蒼鬼も同行した。まず、第一発見者である慶樹と早希に話を聞くが被害者の資産家はただの客であり、知り合いではないと言っていた。次に殺人現場のトイレを調べる。

 

博士「トイレは特に怪しいところはないな。薬品を使ったという形跡もない。」

宗麟「博士、ゴミ箱にマスクが捨ててありました。」

博士「それは今関係ないだろう。」

 

しかし、クシナの何気ない一言で蒼鬼の目の色が変わった。それは裏口のゴミ袋入れて捨ててあった花だった。

 

クシナ「黄色い百合の花なんて珍しいわね。」

蒼鬼「待て…その花を見せてくれ!」

 

蒼鬼は黄色い百合のような花を回収した。翌日、蒼鬼はヴァネッサにその花を見せた。すると、ヴァネッサは衝撃の一言を放つ。

 

ヴァネッサ「これは…デルミエン星…私の故郷のフェルドナ王国に自生している植物だ!間違いない。しかし、なぜこんなところに?」

 

ヴァネッサによればこの花は『プルード』と言い、フェルドナ王国では貴族の間で人気のある観賞用の花だという。さらに九頭龍博士が蒼鬼の持って来た花を調べたところ、プルードの花粉はアルコールと混ざると猛毒になることがわかった。蒼鬼の推理によれば被害者は酒気帯びの状態でトイレに行き、この花の花粉を吸引して死亡したというのだ。

 

宗麟「しかし、そんな危険な花がデルミエン星では観賞用なのか…」

ヴァネッサ「私達デルミエン星人には無害だぞ。毒になるのは地球人だけのようだ。」

 

その日の夕方、証拠を掴んだ蒼鬼は慶樹と早希を問いただすために例のクラブへ向かった。しかし、その数分前に慶樹は何者かと電話をしていた。

 

慶樹「もしもし、バイラノスさんですか?大変です!あの花の正体に気づいた奴がいるんです。どうしましょう?」

バイラノス「ああ、十中八九リントヴルムの関係者に違いないね。だったら君にチャンスをあげよう。もし、リントヴルムの関係者を誰か1人でも抹殺できたら君の殺人を財閥の力を使って隠蔽してあげるよ。もちろん武器は貸してあげるから店の裏に置いておくね。」

慶樹「あ、ありがとうございます!」

 

そんなやりとりがあったとは知らない蒼鬼は開店準備をしているクラブに押し入り、ホステスの早希とボーイの慶樹を呼んだ。

 

蒼鬼「おい、昨日の客を殺したのはお前だろう?」

慶樹「な、何だ。証拠はあるのか?」

蒼鬼「クラブのゴミ袋から黄色い花が見つかった。この花はアルコールと混ざると猛毒になる性質を持ってる。そしてお前はこれを利用してあの資産家を殺したんだ。」

 

蒼鬼の話ではまず、資産家に大量に酒を飲ませてトイレに行かせる。その時、慶樹がトイレの花瓶の中身をプルードにすり替える。さらに、花粉を吸わないようにマスクを着けて『故障中』の個室に隠れる。そして、トイレに充満したプルードの花粉を資産家が大量に吸引し、死亡。その後、トイレの個室から出た慶樹が第一発見者を装って警察に通報し、その後、証拠隠滅のためにプルードをゴミ袋に入れて捨てた…という殺害計画だったのだろうと述べる。それと早希もグルであり、資産家を唆してたくさんのボトルを空けさせたのだろうと蒼鬼は言い放った。

 

早希「すごいわね…貴方の言ってることはほぼ正解だわ。ええ、そうよ。私達はあの男を殺す計画を立てていた。」

慶樹「俺達は2年前から付き合ってたんだが、金に困ってた。その時、あの資産家が早希に結婚を申し込んだんだ。早希があいつと婚約した後にあいつが死ねば遺産は早希のものになる…そういう筋書きだったんだよ。」

蒼鬼「その花の正体を知ってる奴がここにいたことが運の尽きだったな。」

 

しかし、慶樹は「お前を消せば俺の犯行を知る人物はいなくなる」と言い、バイラノスからもらったガントレットを起動。ネオ・キマイラ『ボルガウロスMark Ⅱ』に変身した。突然のネオ・キマイラの出現にパニックになる店内を尻目に蒼鬼もオーガランスに変身しようとするが…早希が蒼鬼の後頭部を消火器で殴り、変身を中断させた。ダメージを受けた蒼鬼はボルガウロスの膝蹴りと体当たりを食らい、さらには火炎放射で大火傷を負ってしまう。だが、その時の炎が厨房に入ってしまい、小規模なガス爆発が発生。店がどんどん燃え始める。

 

ボルガウロス「お前は早く逃げろ、早希!」

早希「でも、慶樹が…」

ボルガウロス「俺はこいつにとどめを刺す。それから行くからさっさと店から出るんだ!」

 

ボルガウロスは早希を裏口に押しやり、無理矢理外へ放り出した。そして、倒れ伏した蒼鬼にとどめを刺そうとするが…

 

ヴァネッサ「蒼鬼!助けに来たぞ!」

 

何と燃え盛るクラブにリンドレイクが突入して来た。どうやら蒼鬼の後を皆で付けていたようだ。店の外では宗麟とヴィヴィルが周辺の避難誘導や消防署への連絡を行なっていた。そのおかげで店の前には消防車や救急車が集まっている。一方、炎上する店内でリンドレイクはボルガウロスと格闘していた。最初は火炎放射や斧の攻撃に苦戦するも、動きを見切ったリンドレイクはボルガウロスの斧を手刀で叩き落とし、反撃に跳び膝蹴りを入れた。不利を悟ったボルガウロスはガントレットをphase Blackに切り替えようとするもその隙にリンドレイクに回し蹴りを見舞われて店の外へ吹っ飛ばされた。その衝撃でガントレットの電源が切れてしまい、変身解除に追い込まれた慶樹は逃げようとするが…

 

紅鬼「ここで待ち伏せしといて良かったべ。さあ、観念しろ!」

 

待ち構えていた紅鬼に取り押さえられたのであった。

 

ヴァネッサ「蒼鬼ー!どこにいるんだ!」

 

消防車の放水で火はあらかた治ったが黒煙がすごくて前が見えない状態で蒼鬼を探すヴァネッサ。すると、宗麟とヴィヴィルが外からヴァネッサを呼ぶ。

 

宗麟「ヴァネッサ、蒼鬼なら無事だ!」

ヴィヴィル「非常口から脱出したみたいよ!」

蒼鬼「いやー、気絶から目を覚ましたら偶然目の前に非常口があってさ。助かりましたよ。」

ヴァネッサ「ああ、良かった。まったく、心配させるな。」

 

ホッとするヴァネッサだが、和やかな空気も束の間。紅鬼に押さえつけられた慶樹が救急車へ担架で運ばれる女性に向かってジタバタ暴れながら叫んでいた。

 

慶樹「早希!どうして君は店に戻ったんだ!」

 

どうやら早希は一旦は外に出たものの、慶樹が心配になり店に引き返してしまったようだ。そのため、煙を大量に吸い込み、一酸化炭素中毒で倒れてしまったのであった。

 

 

そして、翌日。こんなニュースが流れた。ある高級クラブがガス爆発により火事になり、『浦賀 早希』さんが一酸化炭素中毒で意識不明の重体になり、病院で死亡が確認された…というところでテレビを消す宗麟。

 

宗麟「あの人…死んでしまったのか…」

ヴァネッサ「ふん。自業自得だろう。あやつらだってプルードを使って殺人を犯してる。」

ヴィヴィル「でも…何だかやりきれないわね。あれ?蒼鬼は?」

紅鬼「朝早くから出かけて行ったべ。」

 

慶樹は帰らぬ人となった早希を悼み、涙を流して病院の前の公園にいた。そこへ蒼鬼がやって来た。

 

慶樹「何だてめえ…俺を笑いに来たのか?」

蒼鬼「さあな。でも、これでわかっただろう。お前は非日常的な力に溺れた結果こうなったんだ。」

慶樹「何が言いたい…?」

蒼鬼「お前と長話をする気はないが、最後にこれだけ言っておくぞ。ある映画の台詞の受け売りだけどな…」

 

蒼鬼「大いなる力には、大いなる責任が伴う。」

 

ハッと息を飲む慶樹。だが、次の瞬間。蒼鬼の姿はどこにもなかった。

 

目先の欲望に囚われた人間の救いようのない物語の救いようのない結末。知っているのはデルミエン星の人造人間ただ1人であった。

 

(続く)

 

 

 

 

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