魔破竜人リントヴルム 第2部 作:魔破竜人リントヴルム製作委員会
ヴィヴィル「蒼鬼…あなたがスパイだとやっと今日確証が持てたわ。まあ、それ以前にも不審な行動が多かったのよね。」
蒼鬼「へえ、そうかい。それで、どこが怪しかったんだ?一応、興味あるから聞いてやるよ。」
まず、ヴィヴィルが指摘したのはNightmare matterの争奪戦の時。決着が着いた直後に煉光財閥の武装集団が突入してきた。しかも、なぜか蒼鬼はその敵の位置を鮮明に把握していた。おかげで一番に敵の襲撃に気づいていた。さらにリントヴルムをネオ・キマイラのガネシュリケンのもとへ誘導し、同士討ちも図っていた。ただし、これはバイラノスの命令をガネシュリケンが無視したために失敗に終わったが。それと、蒼鬼がデルミエン星にしかない植物である「プルード」を使った殺人事件の時も、火事になった店から脱出に成功した理由を説明した時、こう言っていた。
(いやー、気絶から目を覚ましたら偶然目の前に非常口があってさ。助かりましたよ。)
ヴィヴィル「偶然にしては話が出来すぎよね。私はこの時あなたはバイラノスに助けられたと思うのよ。バイラノスはあなたが死んだら困るものね。」
蒼鬼「ご名答だよ。他にもあるのだろ?」
最後にヴィヴィルが話したのはヴァネッサから聞いた北極に行った時に乗り捨てられていたUFOを拾って帰ってきたことだった。おそらくバイラノスが蒼鬼を北極に置き去りにしないためにあえてUFOを用意したのだろう。そうじゃなければどう考えても不自然である。
宗麟「お前はなぜバイラノスの側に…」
蒼鬼「何を今更…俺はエラクレル帝国で作られたゲノム魔人だ。帝国で生まれたものは帝国のために死ぬ…それが使命なんだよ。俺が課せられた任務は『万が一、Nightmare matterがヴァネッサに総取りされた場合はひとつ残らずそれを奪え』というんだ。じゃあ、Nightmare matterはいただいた。俺はズラからせてもらうぞ。」
蒼鬼の手には内部を真空にすることができる特殊なアタッシュケースのような鞄があった。これは九頭龍博士がNightmare matterは反物質である可能性があるため、大気と反応して対消滅を起こさないようにと製作した保管用ケースである。だが、蒼鬼は持ち前の頭脳を活かして博士の研究を手伝ったりしていたため、博士からは信頼されていた。それ故に保管用ケースの隠し場所も教えてもらっていたのだろう。博士の研究に愛想良く付き合ったのもこの日のための演技だろうが。
宗麟「行かせるか!DraGO!リントヴルム!」
蒼鬼「俺とやるのかい?しょうがねえな…」
(オーガ!ランス!Docking!phase RED!オーガランス!)
2人はほぼ同時に変身し、戦い始めた。序盤はオーガランスが元々あまり直接的な戦闘は得意ではないのか、リントヴルムが押していた。しかし、途中でリントヴルムが攻撃の手を止めてしまう。
宗麟(ダメだ…もしこいつを殺したら…ヴァネッサはどうなる…?独りになってしまうのか…?)
蒼鬼「甘いな!リントヴルムさんよぉ!」
ハッとリントヴルムが防御態勢を取った時にはもうすでに遅かった。リントヴルムの胸部をオーガランスの槍が貫いていた。そのままがっくりと崩れて、その場に横たわるリントヴルム。直後にヴィヴィルが駆け寄った。
ヴィヴィル「宗麟!しっかりして!宗麟!!」
ヴィヴィルの悲痛な叫びをバックにオーガランスはその姿のまま、Nightmare matterの入ったケースを片手に闇夜に消えていったのであった。
(続く)