魔破竜人リントヴルム 第2部 作:魔破竜人リントヴルム製作委員会
知床半島の森の中を進むヴァネッサと蒼鬼。2人は歩きながらこんな会話をしていた。
ヴァネッサ「ところで、なぜ紅鬼を富士の樹海の偵察に向かわせたのだ?偵察ならお前の方が向いていると思うのだが…」
蒼鬼「いや、姐さんと紅鬼を2人きりにしたらマズイと思いましてですね…」
ヴァネッサと紅鬼と蒼鬼は同じアパートに住んでいるのだが、紅鬼はたまにヴァネッサに度が過ぎる悪戯をする。ヴァネッサの風呂を覗いたり、ヴァネッサの尻を触ったりなどである。しかし、当のヴァネッサは「風呂に入りたいなら私が入ってるからもう少し待て」とか「背中にゴミでも付いてたか?」とまったく気にしていない。だが、それでも紅鬼と2人きりにするのはいろんな意味で危ないと思い、蒼鬼が同行したのであった。
蒼鬼「姐さん、喉乾いてませんか?水なら俺がたくさん用意してあるので良かったらどうぞ。汗を拭きたいならタオルもありますよ。」
ヴァネッサ「すまないな、蒼鬼。」
さすがはホストクラブでバイトしてただけはある蒼鬼。女性のケアはお手の物のようである。2人は歩き続けて羅臼湖にやってきた。煉光財閥から奪ったNightmare matterの隠し場所が記された地図によると羅臼湖の湖底に隠してあるという。さっそく2人は羅臼湖に近づくが、その時…
蒼鬼「ぐわっ!?」
ヴァネッサ「どうした、蒼鬼!?」
急に蒼鬼の左肩が何者かに撃ち抜かれた。振り返ると木の上にネオ・キマイラがいた。その名は「スナイバーン」。どうやらここの湖周辺でNightmare matterを守る番人の役割を担っているようだ。スナイバーンはライフルのような弾丸を指先から発射可能であり、木の上から2人を狙撃しようとしていたのである。ヴァネッサはリンドレイクに、蒼鬼はオーガランスに変身するが、正確に死角から飛んでくる弾丸に防戦一方になる。
ヴァネッサ「このままではジリ貧だぞ!どうすれば…」
蒼鬼「姐さん、俺に考えがあります。賭けのような方法ですが…」
ヴァネッサは蒼鬼の策に少し躊躇うが、もうその方法しかないと承認し、スナイバーンに向き直り、何とリンドレイクの変身を解除した。
ヴァネッサ「貴様の目的は私を捕縛することだろう?こちらにはもう打つ手がない。大人しく投降しよう。」
スナイバーン「物分かりが良いな。では、そちらに向かうから待っていろ。」
スナイバーンは木から降りてヴァネッサと対面する。だが、スナイバーンには疑念があった。
スナイバーン(待てよ…こんなにもあっさり降参するだなんて…もしかしたら罠かもしれない…仕方ない。ここは慎重に行こう)
スナイバーンはヴァネッサを捕縛する前に「持ち物をすべて捨てろ」「その後、両手を挙げろ」と細かく指示する。ヴァネッサは指示通り、キューブ状になったパワードスーツやナイフ、さらには財布までもを地面に置いた。
スナイバーン(何!?本当にただ降参しただけだったのか?)
しかし、その直後、
蒼鬼「もらった!」
オーガランスがスナイバーンの背後から飛び出し、槍でスナイバーンを後ろから貫いた。どうやらこの一連の流れは蒼鬼の作戦だったようだ。ヴァネッサもスナイバーンがダメージを受けた隙を見計らって再度、リンドレイクに変身。必殺技の「ドラグーンシャドウブレイク」でスナイバーンを撃破するのであった。
ヴァネッサ「蒼鬼の作戦、うまくいったな。しかし、よくこんな作戦思いついたな。」
蒼鬼「地球に来た時に偶然読んだ『三国志演義』って書物に出てきた「空城の計」を参考にした作戦なんですよ。あえて敵を自分の陣地に簡単に招き入れて敵の警戒心を誘う作戦ですね。」
もし、これが本能のみで動くゲノム魔獣が相手だったら失敗し、ヴァネッサは死んでいただろう。しかし、人間の理性や思考力が合わさっているネオ・キマイラだからこそ、この作戦は成功したのである。
ヴァネッサ「すまない、蒼鬼。今日はお前に助けられてばかりだな。」
蒼鬼「俺は死にかけていたところを姐さんに拾われた恩がありますからねぇ。構いませんよ。好きなだけ頼ってくださいな。」
ヴァネッサ「ありがとう。私はこんな優しい部下を持って幸せ者だ。」
だが、和やかなムードになっている場合ではない。ヴァネッサと蒼鬼は羅臼湖の湖底にあるNightmare matterを回収に向かうのであった。(続く)
【おまけ】(※与太話です)
ヴァネッサ「湖底に潜るために水着とやらを用意したぞ!」
蒼鬼「姐さん、水着買ったのですか?」
ヴァネッサ「うむ。なかなか機動力が高そうなものを格安で売ってもらったのだ。スリングショットというのだが…」
蒼鬼「ダメっすよ、姐さん!?そんな紐みたいな水着は!胸とかお尻とかはみ出ますって!ほら、俺はオーガランスに変身しますから、姐さんは俺が持ってきたウェットスーツ使ってください。」
ヴァネッサ「何!?そうなのか、蒼鬼。そういえば、これを売ってくれた商人は後でスタジオに来てほしいって名刺をくれてな…」
蒼鬼「そのスタジオは後で紅鬼と一緒に潰しに行きますね。絶対いやらしいアレじゃん…はあ、姐さんの警戒心のなさは頭が痛いっす…」