魔破竜人リントヴルム 第2部 作:魔破竜人リントヴルム製作委員会
『臨時ニュースをお伝えします!世界各国に謎の飛翔生物が襲来し、世界各国の都市を破壊しています!さらにその飛翔生物は炎や煙を吹き出し、その煙に触れた人々が吐血し、次々と死亡しています!』
突如、目に飛び込んできたニュースに宗麟は驚いた。およそファンタジーの世界でしか見ることができないようなドラゴンが何体も飛び交い、街を破壊し、人々を襲っているのである。そんな唖然とする宗麟の部屋に九頭龍博士が血相を変えて押しかけてきた。
博士「宗麟!今すぐパワードスーツを着て外に出るんだ!すでに研究所上空にもドラゴンが来てる…ここがやられたら終わりだぞ!」
ヴァネッサ「博士!私も行かせてくれ!リンドレイクのパワードスーツはどこだ!?」
宗麟「わかった!すぐ行くぜ!」
リントヴルムとリンドレイク、そして、高出力電子レーザーキャノンを装備した九頭龍博士が空を舞う8体ほどのドラゴンの真下へ向かう。さらに研究所の屋上に備え付けられている照明弾付き小型ミサイルがクシナの指示で発射された。照明弾により目を潰されて混乱するドラゴン達をリンドレイクは下降してきたドラゴンに必殺技の「ドラグーンシャドウブレイク」を放ち、博士はレーザーキャノンでドラゴンを黒こげにする。リントヴルムも負けじとジャバウォックフォームに変身し、「ドラグーンストライクキャノン」で一気に2体ほど撃ち落とした。しかし、その時だった。
宗麟「ぐっ…?なんだ…急に目眩が…しかも身体が重い…」
突然膝をついたリントヴルムに驚いたような視線を向けるリンドレイク。どうしたと問いかける前にさらなる異変がリントヴルムを襲う。
宗麟「かはっ!…何だこれ…血か!?」
リントヴルムは突如として吐血。博士もこの異常事態に気づき、リントヴルムに研究所の中へ戻れと促す。
博士「大丈夫か、宗麟!?いや、この状態で戦闘を続行するのは危険だな。ヴィヴィル!宗麟に肩を貸してやれ。」
ヴィヴィル「わかったわ。宗麟、歩けるかしら?」
宗麟「すまん…何だか俺の身体が変なんだ…」
宗麟はヴィヴィルと共に研究所に避難する。その後はリンドレイクと博士がドラゴン達と戦ったのであった。
その日の夜。テレビや新聞のニュースは世界各国に現れたドラゴン軍団のことで持ちきりだった。東京、ニューヨーク、ロンドン、モスクワ、パリ、北京、ソウル、シドニーまでドラゴンに襲撃され、すでに述べ1000万人以上の犠牲者が出ているという。幸い研究所上空に出現したドラゴン達はリンドレイクの奮闘により全滅したものの、新たな問題も浮上していた。
クシナ「宗麟…もしかしたら貴方、あのドラゴンが放出する毒にでもやられたんじゃないかしら?一度メディカルチェックを受けるべきだわ。」
宗麟「そうですね….じゃあ、お願いします。」
宗麟は研究所と提携している病院に向かった。診察を待つ間、宗麟が病院のロビーにいると…
「ねえ、貴方。もしかしてドラゴンを倒そうとしてるの?でも、それは諦めた方がいいわよ。」
どこから現れたのか1人の少女が宗麟に話しかけてきた。ハッと構えて彼女に問いかける。
宗麟「君は誰だ?あのドラゴンのことを知っているのか?」
ミライザ「私の名はミライザ。あのドラゴンの正体を知る者よ。」
ミライザと名乗る少女は宗麟にドラゴンの事について語り始めた。それによればあのドラゴン達は地球にはるか昔から存在する「抑止力」だと言う。その抑止力は地球に栄えし生物をリセットし、地球に新時代を到来させる…そういう役割があるとミライザは語る。
ミライザ「かつて地球を支配していた恐竜と同じように人類は絶滅の道を辿るの。」
宗麟「待てよ。確かにいつか人類は滅びの時が来るかもしれない…だけどこんななぶり殺しみたいな形で絶滅するなんて納得いかない!俺は絶対にこれを止めてみせ…ぐっ、うげっ…!」
吐き気と目眩にまた襲われ宗麟はロビーの椅子にへたり込む。
ミライザ「そんなボロボロの身体で何ができるの?貴方、もし次にドラゴンと戦ったら死んでしまうわよ。それでもいいの?」
宗麟は何も反論できなかった。ミライザはため息をついて宗麟の前から去っていった。
1時間後、宗麟は診断結果を見て驚愕した。何と宗麟の内臓は急激に老化していて身体の内部は80歳の高齢者の状態に近いというのであった。
宗麟「そんな…嘘だろ…?どうして俺の内臓はこんなにも老朽化してるんだ!?」
博士「それは私から説明しよう。まさかこんなことになるなんて…もう少し慎重に例の物質は扱うべきであったようだ。」
九頭龍博士の分析によればNightmare matterの力が原因のようである。このエキゾチック物質の力を利用すれば光の速さを超えることが可能という。すなわち光の速さを超えるということは時間の中を早く進む、つまりワープと同じ原理で時間の中を高速で移動することができるというのだ。要するに宗麟はキングオブドラゴンフォームに変身した際、Nightmare matterを二度も使った。これにより宗麟は肉体だけ光の速さを超えて未来に行ってしまったということになる。ゆえに急激に老化してしまったのである。現時点では老化の影響は体内にしか出ていないがもうしばらくすれば皮膚にも影響が出始めるだろう…と博士は推測している。
宗麟「そんな…もう元には戻らないのか?」
しかし、ここでヴァネッサがやってきて口を挟む。
ヴァネッサ「それを何とかするために今しがた星間通信機でデルミエン星のルネアに相談したら、フェルドナ王国の技術で何とかできるかもしれないと返答が来た。地球にそれを転送するから1日待ってくれと言われたぞ。」
博士「宗麟。不安かもしれないが今はそのフェルドナ王国の技術にすがるしかない。我々ではどうにもならないことなんだ。」
宗麟は何も言わなかった。その日は博士とヴァネッサと別れ、病院で経過観察をするため入院することになった。
宗麟(次に戦ったら死ぬ…ちくしょう…俺はこんなところで寝てる場合じゃない…!何とかしてあのドラゴン供を止めないと…!)
病院のベッドの上で悔しさを噛みしめる宗麟であった。
翌日、またもや世界中でドラゴンが飛来し、破壊活動を行っていた。今度は軍事施設を中心に攻撃を仕掛けているらしい。日本でも自衛隊が応戦するも、大苦戦を強いられているという。そして、やはりというべきか九頭龍研究所がある山にも数体のドラゴンが飛来した。
看護師「龍崎さん、失礼しますよ…あれ?いない…?」
一方の宗麟は病室の窓から飛び出し、研究所まで向かっていた。ときおりふらつく身体を引き摺り、ドラゴンに向かって叫ぶ。
宗麟「もうこれ以上、お前達の好きにはさせない!DraGO!リントヴルム!」
宗麟はリントヴルムに変身、ドラゴンは火炎弾を3体同時に放つ。さすがに避けきれないと思ったのかファフニールフォームにチェンジし、受け止める。だが、その時、宗麟の視界がぐらりと歪み、またもや吐血してしまう。
宗麟「ぐはっ…やっぱり俺の身体は老人になっているのか…」
3体のドラゴンは追い討ちに次々と火炎弾を発射する。ファフニールフォーム自身の防御力で何とか耐えているものの、衰えた身体にダメージがどんどん蓄積され、ついにリントヴルムはばったり倒れ伏してしまった。これを勝機と見た1体のドラゴンが急降下し、リントヴルムに接近。そのままとどめを刺そうとするが…
宗麟「そうは…させるか!」
なけなしの体力を振り絞り、接近してきたドラゴンの心臓にバルムソードをぶっ刺した。これにより1体のドラゴンが力尽き、撃破に成功した。だが、リントヴルムもがっくりと崩れ、意識を失った。残っていた2体のドラゴンが動かないリントヴルムに今度こそとどめを刺そうとする。その時だった。
ヴァネッサ「覚悟しろ、ドラゴン供!あれ?リントヴルム!?なぜここに?」
間一髪のところでリンドレイクが現れ、2体のドラゴンを撃退する。動けなくなった宗麟はリンドレイクが担ぎ、研究所まで運んだ。
ヴァネッサ「宗麟…どうしてこんな無茶をした?お前はもう自由に動ける身体じゃないんだぞ。ルネアから解決策が届く前に死んでしまったら元も子もないだろう。」
宗麟「でも…あのまま放ってなかったんだ…俺が戦わなかったらもっと多くの犠牲者が出てたかもしれないぞ…」
ヴァネッサは呆れたという表情で宗麟を見つめ、一旦宗麟の部屋を出る。そこへ入れ替わるように博士がやって来て口を挟む。
博士「宗麟。実は思わぬ収穫があった。リントヴルムがドラゴンを心臓を破壊して倒したおかげで死体を持ち帰って解剖することができたぞ。そして、驚くべき事実が判明した。調べるとドラゴンの脳と脊髄の部分は機械だった…つまり奴らは人工物だ!」
宗麟「何…?じゃあ、地球の抑止力というのは間違いだったのか…?くそっ…たぶんミライザってあの女は嘘をついていたということか。」
考えてみれば怪しい点がいくつかあった。ミライザは宗麟の前に現れて「ドラゴンを倒すな」とわざわざ忠告したこと。さらに主要都市でもないのに九頭龍研究所がある山に決まってドラゴンが毎日複数体現れることも不可解である。おそらくこれは少なくとも九頭龍研究所の戦力を警戒しているということになる。
博士「まずはそのミライザという少女を探さねばな。だが、宗麟。君は満足に動けないだろう。そこで私は協力者を募ることにした。」
果たして博士の言う協力者とは?そして…
ヴァネッサ「来たか、ルネア。」
研究所の庭にUFOが降り立つ。中からルネアが降りて来た。
ルネア「お姉様。お久しぶりです。積もる話もありますが本題に入りますね。これが約束の物です。これで宗麟さんを救えるかもしれません。」
ヴァネッサ「なるほど…これはゲノム魔人を作る際に用いる『人工細胞』か。」
(続く)