須賀京太郎集め   作:TOMO

1 / 7
京久

 

私―――竹井久―――は、気になるヒトがいる。

 

そのヒトとは、とある麻雀部員で清澄高校の転機となった人物。

 

「だぁぁー。また、負けちまった。」

 

その人物は唯一の男子麻雀部員こと、須賀京太郎である。

 

1年生同士で打っていたが、決着はついたようだ。

 

「疲れたじぇー。京太郎、悪いがタコスを買ってきてくれー。」

 

「こら!ゆーき、駄目ですよ。今日初めて会った、須賀君にそのようなこと頼んでは。」

 

「そんな硬いこと言いっこなしだじぇ、のどちゃん。」

 

「ふふっ。二人共仲が良いのねぇ。流石同じ中学出身なだけあるわね。」

 

実際問題、この二人―――原村和と片岡優希―――は、仲が良い。

思いつき振り回す優希と振り回されつつも意外と面倒見が良い和。

非常に相性が良い二人だ。

 

「いえ、そんなことは。」

「私とのどちゃんはベストフレンドだじぇ。」

 

「それじゃぁ、俺はタコスでも買ってきますね。学食のメニューにありましたし、ずっと気になってたんですよねー。」

 

そして、気になってる子も思いの外気が利くというか、面倒見が良い。

 

理由を聞いたら、

「幼馴染の面倒見てたら、こういうことができるようになっちゃいまして。」

 

と言っていた。

 

いいなぁ、その幼馴染。私も面倒見てほしいなぁ。

 

グヘヘ。そしたら、あーんな事やこーんな事も。

 

 

「おおぅ。京太郎は話がわかるじぇ。頼んだぞ。」

 

「ゆーき!もう。申し訳ありません須賀君。」

 

「良いって、良いって。飲み物買う序だし。和は何か飲むか?」

 

「いえ、そんな。私は結構です。」

 

「私は、オレンジジュースが良いじぇ。」

 

「優希もああ、言ってるし。な。」

 

「……それでは、お茶をお願いしても良いですか。」

 

 

―――ほら、部長どうして欲しいんですか?教えて下さいよ。

 

―――よく出来ました。ご褒美をあげますよ。

 

―――部長、いや、久さん。俺、もう……我慢……出来ないッ

 

「任せろって。部長はどうします。」

 

ハッ。ヤバイ、妄想で話の半分も聞いてなかった。

 

落ち着くのよ、私。クールになりなさい。

 

恐らく、飲み物の話題。そして、何か欲しいものはあるか。

 

「私?私は、須賀くんにお任せするわ。」

 

正解の選択肢はこれね。

 

「一番難しいじゃないですか、ヤダー。」

 

「須賀くんのセンスが物を言うわねぇ。」

 

あ、ヤバイ。こんな軽口の応酬が、すっごい楽しいし、嬉しい。

こういうタイプじゃないって思ってたんだけどなぁ、私って。

 

「私も手伝います。任せっきりなのも嫌なので。」

 

「サンキュー、和。助かるよ。それじゃぁ、行ってきます。」

 

「行ってきますね。」

 

「タコス待ってるじぇー。」

 

「いってらっしゃい。気をつけてね。」

 

やるわね、和。

 

さり気なく手伝うことで高感度を上げ、同時に、二人っきりになれる。

 

ぬかったわね、私が行けばよかった。

 

 

「それにしても疲れたじぇー。」

 

「フフッ。お疲れ様。調子は中々よさそうね。」

 

「うおっ。流石は部長。よく見てるのは、京太郎のことだけじゃないんだな。」

 

え?何と言ったのかしら、優希は?

 

え?もしかしてだけど、気づかれてる?

すごい、恥ずかしいんだけど。

 

「どいうことかしら?」

 

「いやーそのまんまの意味だじょ。部長は京太郎の方よく見てるし。

対局中も視線を京太郎と行ったり来たりしてるし。」

 

嘘。私ってそんなに須賀くんのこと見てるのかしら。

バレない程度に抑えてると思ってたんだけど。

 

 

「そんなことは無いと思うけど。」

 

「いーって。気にすることないし。それより、部長は京太郎のこと好きなのか?」

 

意外と直球で来るわね。

 

「……そうね。きっと好きよ。1人の男性として。そいう優希はどうなの?」

 

「私?うーん、嫌いではないじぇ。

すごい美味いタコスを作れるようになったら考えてやらんでもないじょ。」

 

そんな人日本にいるのかしら?

 

「優希を唸らせる程のタコスを作れる人なんているのかしらね?」

 

「きっといるじょ。本場のメキシコとかになら。

そんなことより、部長は、京太郎の何処を好きになったんだ?」

 

須賀くんの何処を好きになったのか、かぁ。

 

「そうねー。私にも分からないわね。気付いたら須賀くんのことを目で追ってたわね。

これが、一目惚れなのかもしれないわね。」

 

柄でもないのは自分が良く分かってるし。

 

「部長って思ってたより乙女なんだな。のどちゃんも大変だじぇ。」

 

「それは、どういう意味かしら?そして、どうして和の名前がでるのかしら?」

 

「気にすることないじぇー。」

 

ちょっと気になるんだけど。

え?和もなのかしら? 嘘でしょう。

 

 

 

「買ってきました。」

「只今、戻りました。」

 

「お帰りだじぇ。さぁ、京太郎!私に、一刻も早くタコスを渡すんだッ!」

 

「はいはい。分かりましたよー。」

 

「ちゃんと、お礼を言うんですよ、ゆーき。」

 

うーん、そんな感じには見えないわねぇ。

 

「部長には、此方を購入してきました。」

 

「……水とは、まぁまぁね。」

 

「何でも良いって言ったじゃないですかー、ヤダー。」

 

和がどうなんて関係ないわね。

今は部活を楽しんで須賀くんと一緒にいれる時間を満喫しましょう。

 

カンッ

 

 

 

外で体育をしてるのは1年生かしら。元気ねー。

 

あの金髪の頭は須賀くんね。やっぱり格好いいわね。

此方に気づかないかしら。2階だし、無理かしら。

 

あっ、此方見た。手でも振ってみようかしら?

 

手を振ると、須賀くんもちょっと照れたように手を振り返してくれる。

 

やっぱり、可愛い所もあるなー。

 

「……ッ!……イッ!?」

 

もう、五月蝿いわね。もう少し静かにしてもらえないかしら?

 

「……けいッ!竹井ッ!?聞こえているか!」

 

「ハッ、ハイッ。」

 

「きちんと授業に集中するように。」

 

「はい、分かりました。」

 

怒られちゃった。

それにしても、須賀くんは楽しそうだなー

 

もいっこカンッ

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。