ガンダム 鉄血のレコンギスタ   作:K-15

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第十九話 崩壊の兆し

『我々が遂に立ち上がる時が来た、同士達よ! 三百年前、厄祭戦が終結した時に地球圏を統合、平和維持の為に機能した組織であるギャラルホルン。だがエイハブリアクターの独占、セブンスターズによる長年の運営管理は組織の腐敗を萬栄させた。今こそ、この欺瞞に満ちた世界を変える時が来た! 革命の時だッ!』

 

 会社の社長室に接地されたモニターで放送を見るクーデリアとフミタン。突如として地球圏、並びに火星圏全域に放送されたこの映像。神妙な面持ちで二人はモニターを見つめる。

 

『平和と秩序の番人として、ギャラルホルンの腐敗は断じて許される物ではない。つい先日もアーブラウとの癒着、市街地でのモビルスーツの運用が明るみに出た。このような--』

 

 放送の途中にも関わらずイスから立ち上がるクーデリア。ちらりと視線をフミタンに向ければ、彼女は察して有線回線で繋がった受話器を手に取る。

 

「鉄華団に連絡を。それからベルリ・ゼナムも呼び戻しますか?」

 

「そうして下さい。また激しい戦闘になるかもしれません。有事に備えてわたくし達も動きましょう」

 

「わかりました」

 

 ギャラルホルンが内部で動きつつある中でクーデリアも独自に動きを開始する。そしてそれは鉄華団も同じ。

 港から発信した白いシャトルの中で団長のオルガ・イツカもこの放送を見ていた。

 

「本当におっ始めやがった。アンタの言う通りになったな、モンタークの会長さんよ?」

 

「私は嘘などつかないよ」

 

 ブリッジの隣に座るのは鉄華団に仕事の依頼をしたモンターク商会の仮面の男。以前と同じようにフルフェイスの金色の仮面を付けており表情は全く伺えない。

 

「この演説のお陰でアリアンロッド艦隊も我々に興味は示さないだろう。地球に降りさえすれば私も少しは手を貸せる」

 

「それはシャトルに初めから積んであったコンテナのことか?」

 

「中身は時が来るまで秘密にさせてもらう。使わなくても済むことを祈るよ」

 

「爆弾とかじゃねぇだろうな? 用済みになれば俺達を消し飛ばすつもりか?」

 

「高額な依頼料を払ったんだ。そんなことをしても意味がないだろ? 帰りのことは気にせず、安全に目的地まで運転してくれ」

 

「確かに金は受け取った。でもアンタのことを完全に信用した訳じゃねぇ。妙な真似しやがったらいつだって仕事を放棄するからな? 忘れんじゃねぇぞ」

 

「フフフ……大丈夫さ」

 

 警戒心をあらわにしながらもオルガはシャトルの軌道を変える。青く光る星が少しずつ大きくなって来ていた。

 モンタークの言うようにギャラルホルンの防衛部隊が待ち構えていたりする事はない。それでも警戒して進行ルートは事前に調査して防衛ラインに入らないよう安全なルートを選んでいる。

 

(でも確かに、このまま地球に降下できれば仕事の半分は終わる。前にやった時と比べれば楽過ぎる。けど俺の勘が安心するなって騒いでる。このキナ臭い男のこともな)

 

 そしてオルガの予感は的中した。後方から高速艦がオルガ達の乗るシャトルに向かって来ている。

 

「何か来やがったぞ!? ギャラルホルンか?」

 

「白い機体なら行けるだろう?」

 

「わかってる! いいか、俺らに指図はするな! ミカ、バルバトスを出せるか?」

 

 怒鳴るオルガをほくそ笑むモンターク。オルガはコンソールパネルを叩き通信を繋げるとバルバトスに搭乗する三日月に繋げた。

 モニターには阿頼耶識のケーブルを繋ぎながらコクピットのシートに座る三日月。

 

『行けるよ。敵が来たの?』

 

「まだわからねぇ。でも相手の高速艦の識別はギャラルホルンだ。モビルスーツが出て来たらミカもバルバトスで出てくれ」

 

『わかった……』

 

 できれば敵対しない事を祈るオルガだったが、接近するギャラルホルンの艦はハッチを開放しモビルスーツの発進準備を勧めている。

 

「チッ……やっぱ無理か。シャトルのハッチを開ける。頼んだぞ、ミカ!」

 

 言われて操縦桿を握る三日月。敵を倒すべく闘争本能を掻き立てる。

 

「それじゃあ行くか……バルバトス、出すよ」

 

 一方のギャラルホルンの高速艦からも二機のモビルスーツが発進する。一機はグレイズの後継機である汎用モビルスーツのレギンレイズ。

 緑色の装甲、モノアイはグレイズの時とは違い窓のように変更されていた。見た目はグレイズの時と大きな変更点はないが、エイハブリアクターの出力も上がり、機動力や運動性能も上昇している。

 アリアンロッド艦隊にのみ先行して配属されたばかりの新型だ。それに搭乗するのはパイロットスーツを装着するジュリエッタ。

 

「シャトルを捕捉しました。ですが本当にこんなことをしている余裕があるのですか?」

 

「クーデターの鎮圧には他の部隊も出動している。我々二人が居ないくらいなら問題ない」

 

「そうかもしれませんが印象と言う物が……ラスタル様に許可は貰ったとは言え……」

 

 ジュリエッタに答えるのはマスクを付ける謎の男、ヴィダール。彼も自身のモビルスーツに乗り込み出撃した。

 それはデータにない機体。青の装甲、しかし所々のフレームはむき出しの状態。サイドスカート部には大型バインダーを装備し、頭部のツインアイからは不気味な赤い光が漏れる。

 パイロットと同じ名称を持つ機体、ヴィダール。

 

「良いんだ。俺の目的を遂行する為にもこの機体を仕上げる必要がある」

 

「アナタの目的?」

 

「あのシャトルは調べが付いている。奴らも因縁浅からぬ相手だ。相手をするにはちょうど良い。先行する、遅れるなよ?」

 

「誰が遅れるですって!」

 

 ペダルを踏み込むヴィダールはメインスラスターを全開にし青白い炎を噴射して加速する。それに続きジュリエッタのレギンレイズも進む。しかし最新型であるレギンレイズよりもヴィダールの機体の方が機動力が高い。

 メインスラスターの出力を上げるが二機の距離は遠ざかっていく。その性能の高さにジュリエッタは舌を巻く。

 

「早い……追い付けないなんて。ヴィダール、あの機体は何?」

 

 ヴィダールが接近する先にあるシャトルからもハッチが開放され、三日月のバルバトスが出撃した。

 

「やはりな。フォルムは変わっているがあの時の奴か……」

 

 マニピュレーターを大型バインダーに伸ばし針のように細く長いサーベルを手に取る。一直線に進んで行くヴィダールに、バルバトスの三日月もソードメイスを片手に戦闘態勢に入った。

 

「データ採取に付き合って貰う。鉄華団の白い悪魔」

 

「あれ? 知ってる奴? でも――」

 

 バルバトスもメインスラスターで加速し、ソードメイスを大きく振りかぶりヴィダール目掛けて袈裟斬りした。

 

「殺す……」

 

 だが刃は空を斬る。バルバトスの攻撃に反応するヴィダールは寸前で避けると右脚で蹴り上げた。つま先からは蹴撃用ブレードが展開され胴体に迫る。が、三日月も瞬時に反応しソードメイスでこれを受けた。

 衝撃にバルバトスの腕のフレームが軋む。

 

「今までの奴と違う」

 

「そうとも。同じにされては困る」

 

 ブレードを収納し踵でソードメイスを蹴るヴィダールは反動を利用して一旦距離を取る。メインスラスターから青白い炎を噴射して縦横無尽に動く青い機体。バルバトスは両腕の二〇〇ミリ砲を展開し、敵に目掛けて撃ちまくる。

 

「チッ……すばしっこいな」

 

「行くぞ。見掛け倒しではない所を見せてみろ」

 

 砲撃の中を潜り抜けながらヴィダールが再びバルバトスに迫った。マニピュレーターに握ったサーベル、バーストサーベルの鋭い切っ先を突き立てる。

 鋼と鋼がぶつかり火花が飛ぶ。反応する三日月はソードメイスで相手の攻撃を受け流した。

 

「まだまだ、この程度では終わらん!」

 

 旋回するヴィダールは最接近を掛けバーストサーベルを突き刺さんとする。しかし三日月の反応も早い。リミッターを解除していなくともヴィダールの攻撃に付いて来る。二回、三回とバーストサーベルで続けて攻撃してくるヴィダールにソードメイスを匠に扱い受け流す。

 鋼と鋼がぶつかり合い激しい火花を飛ばしながら、隙きを狙い腕の小型砲で敵を狙う。操縦桿のトリガーを引きヴィダールに放つが、相手は身をよじるようにして全ての弾を避けていく。

 

「早いし出力もバルバトスと同じくらいある。どうする?」

 

「装甲の薄さを狙われることくらい承知の上だ。一発たりとも当たりはしない!」

 

 バーストサーベルをバインダーに戻すとフロントスカートから二丁のハンドガンを取り出す。小型ながらミサイルを撃ち落としたり牽制に使うには充分な威力を持っている。

 二つの銃口を向けるヴィダールはバルバトスに狙いを定め集中砲火を掛けた。激しいマズルフラッシュと共に弾丸がバルバトスを襲う。

 

「もっとお前の本気を見せてみろ。そうでなくては慣らし運転にもならん」

 

「クッ! 鬱陶しいんだよ、お前!」

 

 弾が数発、白い装甲に直撃するがナノラミネートアーマーに深いダメージは通っていない。ペダルを踏み込む三日月はメインスラスターで機体を加速させ、ヴィダール目掛けて一気に詰め寄る。

 その間も途切れる事なく両手でハンドガンのトリガーを連射するヴィダールは虎視眈々とチャンスが来るのを待つ。

 

「しびれを切らしたな? この一撃で勝負だ、白い悪魔!」

 

「はあぁぁぁッ!」

 

 ハンドガンをスカートに戻し右手でバーストサーベルを引き抜くヴィダール。数秒もすればソードメイスを構えるバルバトスが目前にまで迫って来た。

 操縦桿を押し倒しペダルを踏み込むヴィダール。左の大型バインダーからグリップの接続されていないバーストサーベルを高速で射出した。

 

「こう言う使い方もできる! 獲ったぞ!」

 

「やるぞ、バルバトス……」

 

 射出したバーストサーベルは攻撃と同時に目眩ましの効果もある。一瞬、視線が反れた隙きに加速して鋭い切っ先を相手のコクピット部に突き立てん。

 が、バルバトスはそれに反応すると瞬間移動するかのようにしてヴィダールの背後に回り込んだ。ツインアイは赤黒く光っている。

 

「潰れろ!」

 

「潰れはしない。そうでなくては貴様と戦う意味もない。システム・タイプEを起動させる」

 

 パイロットの声を認識して機体のシステムが起動した。ヴィダールの機体のツインアイも赤黒く光り、瞬時に振り返りソードメイスの刃が装甲に届くよりも早くにバーストサーベルを突き出した。

 切っ先が刃と衝突し激しい爆発が起こる。

 

「くぅッ!? さっきの動き……」

 

「起動には成功した。ならば――」

 

 爆発の炎の中から飛び出すヴィダールは脚部のブレードを展開し蹴り上げる。

 刃が胸部の装甲をかすめ火花を散らすがギリギリの所で避けるバルバトス。ソードメイスを振り下ろす隙きはないとみた三日月は右手のマニピュレーターの鋭いクローで相手の頭部を突く。

 だが、ヴィダールはリミッターを解除したバルバトスの動きに付いて来る。

 

「お前の動きが見える! 悪魔と恐れられる貴様に俺が! 俺達の力が勝っている!」

 

「反応速度が追い付けない?」

 

 フロントスカートからハンドガンを抜く。頭部を横に傾けクローの突きを避けると銃口を伸びる腕に密着させた。トリガーを引き、激しいマズルフラッシュと共にゼロ距離から弾丸が撃ち込まれ腕が弾かれる。

 更にブレードを展開した脚でソードメイスを蹴り飛ばし、バルバトスの両手から武器を奪う。両腕の小型砲を構えるが、数発直撃を受けた所でナノラミネートアーマーは耐えきれる。 

 

「貰ったッ!」

 

「ッ!――」

 

 大型バインダーからバーストサーベルを引き抜き瞬速でコクピットに突き立てる。が――

 

「掴んだだと!?」

 

「おい、バルバトス……この程度なのか?」

 

 空いたマニピュレーターでバーストサーベルを掴むバルバトス。三日月の意思に答え、ツインリアクターの出力も更に上昇していく。

 

「こんな奴……さっさと終わらせるぞ」

 

 バーストサーベルが真ん中からへし折られる。グリップから電気信号が送られていないお陰で爆発する事なく、折ったサーベルを振り上げた。

 赤黒く光るバルバトスのツインアイにヴィダールは圧倒される。

 

「悪魔の力……これが……ぐぅッ!?」

 

 回避行動が間に合わず肩の青い装甲に切っ先が突き刺さる。肉薄するバルバトスを蹴り飛ばし、攻撃を受けた装甲を引き剥がして離れるヴィダール。反撃に移ろうと操縦桿を握り直すが、コンソールパネルに異常を示し赤く光る。

 

「チッ! 慣らし運転止まりか。ジュリエッタ、聞こえるな? 一時撤退する」

 

「逃がすか!」

 

 バインダーから残りのバーストサーベルを放出しハンドガンで撃ち抜く。

 一本の爆発が二本三本と誘爆し巨大な炎に膨れ上がる。その爆発に紛れて離脱するヴィダールに両腕を突き出し小型砲を連射する三日月。けれどもスラスター制御で縦横無尽に動くヴィダールは容易く弾を避けていく。

 ジュリエッタのレギンレイズはようやく追い付いたにも関わらず、バルバトスをモニター越しに見るだけに留まる。

 

「どうして後退する必要があるのです? 相手は一機で増援もないのですよ? 私が牽制してアナタの機体で攻め込めば――」

 

「いいや、システムに異常が出た。艦に戻ってチェックする必要がある」

 

「その為に毎日籠もっていたのではないのですか? ヴィダール、敵が来ます!」

 

 離脱するヴィダールだが三日月が見逃す筈もなく、バルバトスが高速で迫る。

 ジュリエッタは装備するライフルでバルバトスを照準に収めトリガーを引く。だがバルバトスは一瞬で照準の外へ動きレギンレイズヘ一気に詰め寄る。

 

「これは!?」

 

「遅いよ。弱い奴を相手してる暇ないんだ」

 

「馬鹿にして!」

 

 トリガーを引き続けるがバルバトスの装甲には一発たりとも命中しない。接近する三日月はクルリとバク宙しレギンレイズのライフルを蹴り飛ばす。そして姿勢を元に戻しソードメイスをフルパワーで振り下ろした。

 回避行動を取るジュリエッタだが、重たい刃が右のマニピュレーターを持っていく。

 

「反応速度!? パワーでも負けている?」

 

「アイツが来る」

 

 視線を反らせば背後から最後のバーストサーベルを構えるヴィダールが加速して接近して来た。ソードメイスを逆手に持ち振り返ると同時に敵の攻撃を受け流す。切っ先と刃が擦れあい再び激しい火花が飛ぶ。

 けれどもヴィダールはこれ以上は追撃せず、バーストサーベルを切り離すと同時に爆発させた。炎に包まれるバルバトスの装甲。

 スラスターから青白い炎を噴射し上昇する事で脱出し前方を見るが、既にヴィダールとレギンレイズの姿は豆粒のように小さくなっていた。

 

「逃げられた」

 

『ミカ、シャトルから離れすぎるな。敵は離れて行ったんだ。無理に追う必要はねぇ。もうすぐ地球にも降下するんだ、一度戻れ』

 

「わかったよ、オルガ」

 

 オルガの通信を聞き素直に従う三日月。バルバトスのツインアイは元の輝きに戻り、ソードメイスを肩に担いで現領域から離脱する。

 先に離脱したヴィダールとジュリエッタも自らの母艦に向かっていた。

 

「で、これからどうするのです? ヴィダール」

 

「そっちの機体の損傷は浅いな?」

 

「え、えぇ。マニピュレーターが破壊されただけですので。修理はすぐに終わりますが」

 

「そうか。なら大気圏突入の準備も一緒に進めるんだ」

 

「大気圏? 降りるのですか?」

 

「俺もシステムの調整が終わればすぐに行く。気が付いたか? 白い悪魔以外にもエイハブウェーブの反応があったことに。思いも寄らない収穫だ」

 

 それぞれの思いが交差する中、三日月達の乗るシャトルは地球へと向かって行く。

 

///

 

 設置したテントの前に木材が置かれている。ベルリは夜に備えて準備を進めており、バックパックからは今日の夜食を取り出しどれを食べるかを悩む。

 

「昨日はウサギを食べれたのに、標高が上がるとそうもいかないな。ヒモを引っ張っり三秒で食べれる……チキン味……」

 

 カップのインスタントに印刷された文字を読みながら、空から聞こえる風とは違う音に気が付く。激しいエンジン音と空気を切り裂くプロペラの音が次第に近づいて来る。

 

「え……こんな場所に何なの?」

 

 夕日の逆光の中から迫る影は確実に、岩肌ばかりの山にポツンと居るベルリの元へ来ていた。プロペラから発生する風圧が砂を巻き上げ目に入ろうとするのを腕で防ぐ。

 

「ゔっ! このマークって……」

 

 肉眼で見える距離まで来たヘリの扉には赤い華のマークがペイントされている。低空で浮いたまま縄ばしごを降ろし、中から一人の女性が出て来た。ブーツの踵で地面を踏み締める彼女はクイッと眼鏡の位置を正しベルリの前に立つ。

 

「休暇は終わりです、ベルリ・ゼナム」

 

「フミタンさん!? どうして?」

 

「それよりも早く中へ。少し厄介なことになりつつあります」

 

「は、はい!」

 

 急かされるベルリはインスタントのカップを戻しバックパックを背負い、彼女と共に縄ばしごを登りヘリコプターの中へ。扉を閉じ外の風を遮断してからシートに座る。向かい合って座るのは、今や企業の社長となったクーデリアだ。

 

「突然すみません。端末から位置を探して迎えに来ました」

 

「僕を迎えに来るって何かあったのですよね? Gセルフが必要なのですか?」

 

「その可能性もあります。各地の自警団やギャラルホルンも動いてますが被害の規模がどうなるか予測が付きません」

 

「一体何があったのです? まるで戦争みたいな」

 

「戦争の方がまだ良いかもしれません」

 

「え……」

 

 表情に影が掛かるクーデリア。重たくなる空気の中でもエンジン音は響き続ける。

 

「ベルリさんにはわからないかもしれません。この世界ではかつて、厄祭戦と呼ばれた大きな戦争……いいえ、もはや戦争と呼べる物ではなかったようです。厄祭戦により地球の文明は衰退し、月が荒廃する程の傷跡が残った大きな戦い。それが再び起ころうとしています」

 

 真剣な眼差しを向ける彼女にベルリも息を呑む。

 P.D.三二三年、時代は再び変革の時を迎えようとしていた。




 よぉ! ノルバ・シノだ! みんなからはシノって呼ばれてる。
 ようやく俺のモビルスーツが届いた。しかも三日月や明宏と同じガンダムフレームって奴だ! これでアイツラに頼りっぱなしにならずに済むぜ。
 でも真っ白な装甲って俺のセンスに合わねぇな。もっとド派手に塗り替えねぇと。
 次回、鉄血のレコンギスタ――天使と悪魔と――
 俺の活躍、しっかり見とけよ!
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