重ねたキズナと巡る世界   作:唯の厨二好き

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自分への癒しのため続きを書く事にしました。宜しくお願いします。
前回以上に、はちゃめちゃに思う存分妄想を垂れ流させて頂こうと思います。
やりたい放題の作品となりますが、一緒に楽しんで頂ければ嬉しいです。

以下、注意点です。不快な思いをさせてしまう可能性があるので、お気を付け下さい。
・ご都合主義、ご都合解釈、無理やり技クロスあり
・困っている人を放って置けない元祖主人公体質。セリフが全体的にクサイ。悶えるくらい。
・チョロインあり(ナデポもニコポもないけれど)
・原作崩壊、一部原作キャラ崩壊あり(お前誰だレベル)

一応、前回まであらすじを紹介
・不幸体質の少年斎藤伊織が死亡。高次存在アランにユニデバミクとテト及び音楽の才能を貰って古代ベルカに転生する。
・ベルカの騎士となり、闇の書を虚数空間に封印するものの、その時の次元震? によりハンター×ハンターの世界へトリップする。
・ハンター世界で主人公勢と関わりつつ帰還方法を探り、いざ次元転移したところ、不慮の事故で今度はネギま世界へトリップ。
・エヴァを迎え、大戦を乗り越え、火星をテラフォーミングし、漸く古代ベルカに帰還する。
・帰還直後、遭遇したベルカ滅亡の危機と闇の書を救い、ベルカの地で大往生する。


ハイスクールD×D編
第28話 二度目の転生


 冬の朝。

 

 しんしんと雪が降り、道や家、街灯を純白に彩っている。朝の散歩に喜び飛び跳ねる犬と鼻の頭を真っ赤にして寒そうに引っ張られる飼い主、正月明けの仕事にうんざりした顔で新雪をしゃくしゃくと踏み鳴らすサラリーマン。

 

 そんな人々の中に、赤いバイクに跨った郵便局員が一人。彼は、凍った道に用心しながらバイクを走らせ、とある家の前に止まった。

 

 そこは一般家庭というにはかなり大きい。それもそうだろう。その家の門には大きめの表札が掛かっており、そこにはこう書かれていた。

 

東雲(しののめ)ホーム】

 

 いわゆる児童養護施設だ。もっとも、この家は少々特殊ではあるのだが……。

 

 郵便局員がバイクからおり、一通の手紙をポストに入れようと手を伸ばした。すると、まるでタイミングを見計らっていたかのように、一人の女性が玄関の扉を開けて現れた。品のいい六十代くらいのご婦人だ。質の良さそうな着物に肩掛けをして、微笑ながら朝の挨拶をした。

 

「あら、郵便屋さん。おはようございます。こんな雪の日に大変やね~。ご苦労さまです。家にお手紙かしら?」

「はは、おはようございます。もう慣れたものですよ。こちらの手紙がそうですね」

 

 郵便局員は、苦労を感じさせない朗らかな笑みを浮かべると、一通の茶色い封筒に入った手紙を差し出した。女性は「ありがとうございます」と微笑と共に礼を言いながら受け取る。しかし、その手紙に触れた瞬間、その笑みが崩れ、もの悲しそうに眉を下げた。

 

「え、えっと、大丈夫ですか? どこか具合でも……」

 

 女性の表情に郵便局員は戸惑いながら案じた様に声を掛ける。しかし、女性は直ぐに表情を改めると「なんでもないんよ」と再び笑みを見せた。杞憂だったかと郵便局員は胸を撫で下ろし、挨拶をして次の配達先へとバイクを走らせていった。

 

 その姿を少し眺めたあと、女性は家に入ることもなく、その場で手紙の封を切った。暫く、微動だにせずに文字を追う。そして、全て読み終わったのかゆっくり手紙をしまい、天を仰いだ。

 

「……まだ、早すぎるやろうに……ホンマ、しょうのない子等やで……」

 

 その声音には深い深い寂寥が含まれていた。まるで誰かの姿を探すように雪降る曇天を眺めていた女性は、やがて静かに踵を返し家の中に入っていった。

 

 家に戻った女性は真っ直ぐと廊下を歩く。この家には、下は九歳から上は十七歳までの子供達が多くいるが、未だ誰も起きていないようだ。皆学生であるから、正月明けはまだまだ寝坊タイムなのだろう。

 

 女性は、とある部屋の前で立ち止まり、ゆっくり扉を開けると静かに中に入った。部屋の中にはベビーベッドが置かれており、その中には一歳位の赤ん坊が眠っている。すやすやと何の憂いもない実に安らかな表情だ。口元がむにゃむにゃしているのが何とも可愛らしい。

 

 女性は、赤ん坊の傍らに腰を下ろすと、乱れた布団をかけ直しながら優しく頭を撫でる。その瞳は慈愛と悲哀が混じり合っていた。

 

「ホンマ、仕方のないお父ちゃんとお母ちゃんやなぁ。こんな可愛ええ息子置いて先に逝ってしまうやなんて……今日から、家の子や。立派に育つんやで?」

 

 そう言って、女性はそっと呟く様に赤ん坊の名を呼んだ。

 

「……伊織……」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「お~い、伊織! 飯だぞ~! 戻ってこ~い!」

 

 少年特有の甲高い声が東雲ホームの庭に響く。年の頃十歳位の少年が庭の一本桜の下でボーとしている三歳になって数ヶ月の弟を呼んでいるのだ。弟の名前は呼び声の通り“伊織”。東雲ホームの現末っ子“東雲伊織”だ。

 

 しかし、伊織は呼び掛けに気がついていないのかボーと何かに思いを馳せるように空を仰いでいる。

 

 少年は「またかぁ~」と頭をカリカリと掻きながら庭に降りて伊織の下に歩み寄った。

 

「こ~ら、い・お・り! 呼んだら返事しろって、いつも言ってるだろ?」

「ふぇ、あ、ケンにいちゃ」

「また、夢のことでも考えてたのか?」

「……うん」

 

 東雲ホームの子供達にとって、末の弟は何とも不思議な子だった。何時もどこか遠くを見ており、子供特有の我が儘ややんちゃがほとんどない。感情に乏しいわけではなく楽しむことも喜ぶことも大いにあるのだが、気がつけばボーと考え事をしているのである。

 

 ある時、不思議に思った年長の兄弟が伊織に尋ねたことがある。「何がそんなに気になるんだ?」と。

 

 その時、伊織は「夢」と答えた。曰く、夢を見るのだそうだ。知らない人、知らない世界、知らない戦い、それらを夢で見るのだと。起きた時には朧げでほとんど覚えていないが、どうしてか心惹かれて、気がつけば夢の内容を思い出そうと物思いに耽ってしまうのだという。

 

 そんな不思議君な伊織にも兄弟達はすっかり慣れてしまったのか、今では普通にスルーするようになった。伊織に“けんにいちゃ”と呼ばれた東雲健二も「しょうがないなぁ~」と末の弟に苦笑いすると頭をくしゃくしゃと撫でて、それ以上の追求はしない。

 

「まぁ、いいや。それより飯だって。早く行こうぜ?」

「うん!」

 

 健二は伊織の手を引いて家の中に連れて行く。ご飯の時間だと伊織も年相応の笑顔を見せた。

 

 季節は四月の春。庭には一本桜が満開となり桜吹雪を舞わせている。新しい学校、学年、仕事、そして生活。一年の始まりの季節だ。

 

 そう、伊織にとっても再会と始まりの季節である。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 食堂には既に家族全員が揃っていた。

 

 この家の主、“東雲依子”を始め、総勢十人の子供達だ。依子は六十代の女性で、東雲ホームの子供達にとって母であり祖母である。そして、子供達は皆、伊織の兄弟姉妹である。これでも相当減ってしまった方なのだ。ほんの数年前までは更に十人程いたのだが、自立して家を出たのである。もっとも、今でもちょくちょく帰ってきてくれるので繋がりは全く薄くなってはいないのだが。

 

 伊織がテーブルに着いたのを確認すると一斉に「いただきます!」と元気な声が響いた。皆、美味しそうにモリモリと口に料理を運んでいる。実際、依子の料理は絶品である。和洋中伊仏となんでもござれな腕前で、東雲ホームの子供は舌が肥えていると専らの評判だ。

 

 ワイワイと賑やかに食事が進む中、依子が伊織に声を掛けた。

 

「伊織、お昼食べたらお出かけせぇへんか?」

「お出かけ?」

 

 唐突な提案に思わず首を傾げる伊織。その間も、手は休まず動き料理を口に運び続けている。

 

「そうや。この四月から幼稚園やろ? せっかくやし、何や記念のもんでも、て思うてなぁ。どうや?」

「えっ! 何かくれりゅの? うん! 行く! じぇったい、行く!」

 

 何か買ってくれるという言葉を聞いてはしゃぐ伊織。周りの子供達も入学時などの節目に覚えがあるので、舌足らずな言葉で喜ぶ伊織を微笑ましそうに見やる。伊織に一番近い兄弟が先程の健二で十歳な上、東雲ホームの子供達はそれぞれ複雑な事情を抱えているので軒並み精神年齢が高い。ありがちな「伊織だけズルイ!」等と言った騒動は起こらなかった。

 

 

 

 

 昼食を食べた後、伊織と依子は、早速お出かけの準備をして、街の大型デパートへ向かった。依子は、何時ものように仕立てのいい上品な着物姿だ。伊織は、至って普通の服装なのだが、彼女に手を繋がれて歩くと良いとこのお坊ちゃんに見えるのだから不思議である。

 

 伊織は街の大型デパートに行くのは初めてだ。到着早々、物珍しげにキョロキョロと忙しなく辺りを見回している。

 

「ばあちゃん、何買ってくれるの?」

「ん~? それは伊織が決めたらええんよ。欲しいもんあるか?」

「うぅ~、欲しいぃもの~」

 

 依子の言葉に首を捻って考え込む伊織。うんうんと唸っている姿が何とも微笑ましい。周囲の人々も思わず笑みを浮かべている。

 

「まぁ、すぐに思いつかんのやったら、ゆっくり見て回ったらええよ」

「うんっ」

 

 暫く二人はデパートの中の店を冷やかしていく。しかし、幾ら見回っても伊織の興味を引くものは見つからなかった。子供に人気そうな玩具コーナーやゲームコーナーにも回ったが伊織は興味無さげ。依子としても玩具コーナーで何か見つかるだろうと思っていただけにどうしたものかと困った表情をする。

 

 仕方なく、依子は伊織を連れて上階に上がることにした。上階は、音楽コーナーと家具コーナーなので伊織が見ても面白くないだろうと期待は薄かったが。

 

 しかし、予想に反して音楽店の楽器が見え始めた瞬間、傍目にも分かるほど伊織が興味深そうに反応した。エスカレーターが登り切る頃には、依子をグイグイと引っ張り少しでも早く店に入ろうとする。

 

「あらあら、伊織は楽器が好きなんか?」

 

 伊織は依子の言葉にも反応せず、唯ひたすら楽器に向かって突進する。ギターやキーボード、ヴァイオリンと順繰りに食い入るように見つめている。少し尋常でない様子だ。しかし、依子は我を忘れている伊織を特に注意することもなく、見守るように目を細めている。直感的に、今は邪魔をすべきでないと悟っているようだ。

 

 そうこうしている内に、あまりに熱心に眺めていたせいか店員がニコニコと微笑を浮かべながらやって来た。

 

「お客様、何かお探しでしょうか?」

「あら、店員さん。そうね、この子が楽器に興味あるみたいなんよ」

 

 依子の目線に合わせて店員が伊織を見ると、二人の会話も聞こえていないのか今は熱心にサックスコーナーを見つめていた。黄金の輝きが、照明に反射して伊織の顔を照らしている。

 

 店員が「なるほど、確かに興味津々だ」と頬を綻ばせ、伊織の傍にしゃがみ込み目線の高さを合わせた。

 

「僕、この楽器が気になるのかな? よかったら触ってみるかい?」

「えっ!? いいの!? しゃわりたい! 吹きたい! これ! この小さいやつ!」

 

 完全に楽器に心囚われていると思われていた伊織は店員の言葉が聞こえた途端、首をグリンと回し飛びつくように強請った。そのあまりの勢いに思わず店員が「うおっ!?」と素の声を上げてしまい慌てて取り繕う。

 

「あ、ああ、構わないよ。うちのお店はお試し用の楽器を用意してあるからね。えっと、このサックスでいいのかな?」

 

 店員はそう言って、一度店の奥に引っ込むと直ぐに小さなサックスを手に戻ってきた。全長三十センチちょっとのピッコロサックスというやつだ。確かに、伊織の体格を考えれば他のサックスでは持つことも難しいだろうから妥当なチョイスだろう。ただし、サイズが大丈夫だからといって吹けるか否かは全くの別問題だが。

 

 その為、店員は伊織に吹くのは難しいことをあらかじめ伝えておくことにした。せっかく興味を持ってくれているのに吹けないからと飽きられては音楽店の店員として立つ瀬がない。

 

 しかし、ピッコロサックスを手に取った伊織は既に店員の声が聞こえていないようだった。その小さな手でヒシッとサックスを掴み、マウスピースに息を吹き込む。

 

 店員は、まず音は出ないだろうと思っていた。ピッコロサックスは小さいがコツもいるのだ。三歳の子供には音を出すのも難しいだろうと。せめて、音楽への興味がなくなりませんようにと祈っていると……その期待はいい意味で、店員の心臓に対しては悪い意味で裏切られた。

 

 まず、一発で音が出た。そして、拙い音は徐々に澄んだ音色へと変貌していき、一音一音を確認するように音を響かせながら、拙い指の動きは、まるで覚えるというより、既に知っている動きを思い出すかのように柔らかさを増していく。

 

 呆然とする店員を尻目に頬を綻ばせた伊織は、一度口を話すと大きく息を吸い込んだ。そして、店全体に壮麗な調べが響き渡った。

 

 徐々にテンポを上げて、楽しげで嬉しげな音色を空中に撒き散らす伊織。店内にいた人間は客も店員も関係なく、奏者は誰だ? とキョロキョロ辺りを見回す。そして、それが小さな男の子と知ると驚愕の表情を浮かべ、まるで心奪われたようにフラフラと近寄っていった。

 

 伊織の調べは止まらない。次第に体を揺らしリズムを取りながら、洗練された音楽を奏でる。

 

 何時しか、店の周囲は人だかりが出来ていた。店の中も外も大勢の人達が熱心に小さな奏者を見つめている。遠くて伊織が見えないものも、雑音でこの素晴しい音楽を汚してなるものかと身じろぎ一つせず鼓膜を震わせる音に集中する。

 

 やがて、曲が終息に向かって行く。たっぷりと余韻を残しながら最後の音符が宙に放たれた。人々は暫く陶然とした後、名残惜しそうに、されど感嘆を十二分に込めて拍手喝采を送る。

 

 伊織もまた余韻に浸るように目を閉じて深く息を吐いた。

 

「こ、こんな、有り得ない。凄すぎする! お客様、この子は紛れもまなく天才ですよ!」

 

 最初に接客しに来た店員が興奮も顕に顔を真っ赤に染めながら依子に詰め寄る。そんな店員に、依子は動じた様子もなく「あらあら」と笑いながら、ジッと伊織を観察するように見つめていた。

 

 周囲は喧騒に包まれている。周囲の人々が口々に称賛を口にし、子供達が自分もあれが欲しいと親に強請っている光景も、そこかしこで見られる。一部の親は既に店員にあれこれ聞いているようだ。

 

 そんな中、伊織がスっと、閉じていた目を開けポツリと呟いた。

 

「ああ、そうだ。思い出した。……俺は(・・)……あぐっ!?」

 

 何かを懐かしむように、それでいて全てを取り戻したと歓喜するように目を細める伊織。しかし、言葉の途中で突然、頭を抑えて苦しみだした。顔も紅潮している。かなりの熱が出ているようだ。

 

 その異変に依子が気がつき、フラつく伊織を支える。

 

「ばあちゃ、俺……」

「ええんよ、今はゆっくり休み。ばあちゃんはちゃ~んと分かってるから、焦らんでええよ」

「ばあちゃ……」

 

 依子の言葉に疑問を抱くも、既に意識は混濁を始め、耐え切れなくなった伊織は、依子の温もりに包まれてそっと静かに意識を手放した。

 

 伊織の様子に漸く気がついたのか店員が慌てるも、依子が「ちょっと張り切りすぎたみたいやね~」と余裕の態度で問題ないというので心配しつつも納得する。店の店員が総出で集まった客達を忙しそうに対応していることもあり、この店員ものんびりはしていられない。

 

 それでも、伊織との別れは惜しいのか是非また来て欲しいと懇願するように依子に頼む。依子はそれに快く了承し、ついでとばかり一つ頼みごとをした。店員は、その頼みに心底嬉しそうな表情を見せると深々と頭を下げた。

 

 そして、依子は眠る伊織を抱いたまま家路につくのだった。

 

 

 

 

 時間は深夜。既に日付が変わり、東雲ホームの子供達もぐっすり眠っている。

 

 あの後、依子が高熱を出しながら眠る伊織を連れ帰ると、東雲ホームは一瞬でパニックになった。何せ喜び勇んで買い物に行った末っ子が顔を真っ赤にして見るからに辛そうに眠っているのだ。末っ子ということもあり、東雲ホームの子供達は総じて伊織を可愛がっている。なので心配メーターが一瞬で振り切ったのだ。

 

 

 いきなり「医者を連れてくる!」と言って飛び出していこうとする子や、救急車を呼ぼうとして時報を聞く子、何やら「今こそ目覚めて! 私の力!」と厨二な発言を恥ずかしげもなく叫ぶ子(今年十七歳の女子高生の姉)など実にカオスな状況だった。

 

 静かな声音なのに、何故か無視できない依子の制止により漸く落ち着きを取り戻した子共達は、伊織が目を覚ますまで起きているつもりだったのだが、何かを悟っているかの様な深い眼差しで、依子が伊織を暫く一人にするようにと言い聞かせたので渋々自室に戻った。

 

 翌朝は、きっと伊織の部屋に子供達が殺到することだろう。

 

 しんと静まり返った家で、伊織は目を覚ました。

 

 辺りをキョロキョロと見回し、そこが見知った自分の部屋であると気がつく。年齢が幼いということもあり、実際は依子の部屋であるのだが、現在、部屋の主はいなかった。

 

「はは、本当にてんちぇいしたじぇ、くっ、舌がまわらない」

 

 カミカミの舌に辟易しながら現状を把握する。

 

(えーと、どうやら予測通り転生したようだな。記憶も全部ある。演奏がきっかけで魂から記憶を引き出すことに成功したって感じか。脳に少々負担が掛かったようだが、まぁ、もう問題ないな)

 

 伊織は自分の身体を調べるが特に問題もないようだ。魔力や気、もとい念も感じる。魂が覚えているのか生まれながらに最小限の【纏】が出来ているようだ。

 

(ここは日本みたいだな……時間的には斎藤伊織だった時の日本と代わり映えしないが……まぁ、其の辺は後でいい。重要なのは……【魂の宝物庫】が使えるか。アイツ等と再会できるかということだ……)

 

 

 伊織は緊張で手の平が汗ばむのを感じた。ベルカの地で、己の死期を悟った時、大切なパートナー達には【ダイオラマ魔法球】に入ってもらい、それごと【魂の宝物庫】に格納した。全ては世界も時も超えて一緒にいるため。

 

 高い確率で可能だと結論を出したが、それでも未知の試みだ。最悪、【魂の宝物庫】ごと彼女達が消滅してしまう可能性すらあった。しかし、彼女達は何の躊躇いもなく、この方法をとってくれた。

 

「マスターに着いて行くのに躊躇う理由がありますか?」

「マスターが願ってくれて出来た能力。ボク達を害する筈がないよ。大丈夫」

「ふん、お前がダメだといっても私はやるからな。お前の傍にいるために必要なら何だってするさ」

 

 【別荘】に入る前の彼女達の言葉だ。ちなみにチャチャゼロは「ケケケ」と笑っているだけだった。何時でもブレない従者である。

 

 絶対大丈夫。そう信じていても、やはり緊張するものは仕方ない。伊織は深呼吸をすると、そっと腕を差し出し念能力【魂の宝物庫】を発動した。

 

「インじぇックス、あ、噛んじゃった」

 

 幼児の体が恨めしい。ブツブツと文句を言いながら数回練習する。今度こそと気を取り直して発動キーを唱える。

 

「インデックス!」

 

 すると、差し出した伊織の右手にズシッと濃紺色の分厚い本が現れた。思わずふらつくが咄嗟に【念】で身体強化して支える。

 

 一先ず、能力がきちんと発動したことに胸を撫で下ろす伊織。パラパラとページを捲りお目当ての項目にたどり着くと、再度唱える。

 

「ゲイン、【ダイオラマ魔法球】!」

 

 本が濃紺色に輝く。そして、伊織の眼前に【ダイオラマ魔法球】が現れた。透明の球体の中は静謐な森と山々、湖や川が広がっている。現在、魔法球は内外の時間差はない。転生までどれくらいの時間がかかるのか分からなかったので調整したのである。

 

 伊織は【別荘】の前に立つと魔法球を起動した。和室の畳に西洋魔法の魔法陣が広がる。伊織は急く気持ちを抑えその中に足を踏み入れる。

 

 直後、伊織の姿は消えて、後には静かな誰もいない部屋だけが残った。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「エヴァちゃ~ん、お醤油とって下さ~い」

「ん? ほれ。焦がすなよ~」

「今日は、りんごが生ってたよ。デザートにしようね」

「マタマタ、極上ノ酒ガデキテタゼ!」

 

 ミク、エヴァ、テト、チャチャゼロは現在、伊織の【別荘】内で食事の準備中だった。一応、全員食べなくても死にはしないのだが、習慣化されているので止める事もない。わいわいとおしゃべりしながら料理を作る。すぐ傍でメイド服を来た自動人形とパンダが同じように忙しなく動いている。チャチャネとリンリンだ。

 

 暫くして料理が完成し、料理が盛られた皿を手に食卓へ持っていこうとした時、不意に全員が硬直した。【別荘】のゲートが開いた気配を感じ取ったのだ。全員が身動き一つ出来ず呆然とゲートの方を見つめる。

 

「エ、エヴァちゃん。今のって……」

「あ、ああ。ゲートが開いたようだ……」

「でも、ボク達は今、マスターの魂の内のはず……」

 

 ミク、エヴァ、テトがポツリポツリと呟く様に状況を確認し合う。体は未だ硬直したままだ。だが、次のチャチャゼロの言葉で我に返った。

 

「ケケケ、漸ク帰ッテキヤガッタカ。待チワビタゼ!」

 

 ミク達は、手に持った料理を放り出し、高速機動全開でゲートに向かって突進した。ちなみに、料理はチャチャネとリンリンが達人もかくやという体捌きでシュパパパパとキャッチし、一つも落としていない。

 

 

 

 

 伊織の【別荘】に通じるゲートは森の小道の奥にポッカリと空いた空き地にある。そこから真っ直ぐに伸びた道を辿れば屋敷に到着する。伊織は、動物が多数生息しながらも静謐さを感じる森の中を、懐かしさに目を細めながらトタトタと覚束無い足取りで進んでいった。

 

 暫くすると、その静謐さを破るように猛烈な気配が急速に接近してくるのを感じ、伊織は思わず足を止める。

 

 直後、ヴォという音を立てて三人の少女が姿を現した。翠髪ツインテールの美少女、紅髪をツインテ縦ロールにした美少女、そして金髪ストレートの美少女だ。言わずもがな、ミク、テト、エヴァである。

 

 三人がふらふらと歩み寄り、泣きそうな嬉しそうな表情で伊織を見つめる。

 

「マスター……会いたかったです」

「マスター、やっと来てくれたんだね」

「ふん、遅いわ馬鹿者……ぐすっ……」

 

 今の伊織は、イオリアだった頃とは随分と異なる外見だ。黒髪に茶色の瞳、彫りの薄い顔立ち。純正の日本人顔である。だが、そんな外見の変化など三人にとっては何の問題にもなっていないらしい。「マスターなのか?」と確認することすらしないのだから。

 

 涙ぐむミク達に、自然と伊織の表情も優しげな微笑に変わる。そして、愛おしさをたっぷり含ませた声音で三人の名前を呼んだ。

 

「ミク」

「はい! マスター!」

「テト」

「うん、マスター」

「エヴァ」

「ぐすっ、うむ」

 

 嬉しそうに返事をする三人に、伊織も益々笑みを深める。そして、彼女達がずっと待っていたであろう言葉を告げた。

 

「ただいま」

 

 伊織の言葉に三人は満面の笑みで応える。

 

「「「おかえり(なさい)!」」」

 

 

 

 

 自らの【別荘】に帰還を果たした伊織は、久しぶりの家族達との団欒を楽しんでいた。確保されていた料理に舌鼓を打ちながら、お互いの話をする。

 

「そうしゅると……ちくしょう、また噛んじまった。……お前達が【別荘】に入ってから、もう三十年近く経つのか」

「そ、そうなりますね」

「う、うん」

「だ、だな」

「ケケケ」

 

 しかし、何故か三人とも、伊織が真剣な表情で話せば話すほど、頬を赤らめてプルプルと震える。何か物凄く我慢している感じだ。

 

「そいつは……随分と待たせてしまったな。わりゅかっ……悪かった。次は、俺のげんちょう……現状、なんだが……」

「もう無理です! 我慢できません!」

「ボクもだよ! お願いマスター! ちょっと抱っこさせて!」

「あっ、テ、テト、ミク! ずるいぞ! 我慢してたのに! 私にも抱っこさせろ!」

「な,何だ!? お前等、やめりょ~」

 

 ちんまい伊織が舌足らずな口調でたどたどしく話す姿が堪らなかったらしい。遂に我慢できず三人は伊織に飛びかかり、もみくちゃにしながら愛でた。

 

 暫く伊織の悲鳴と、三人のきゃっきゃっと歓声が屋敷に響き、漸く収まった頃にはグッタリとした伊織がピクリとも動かず、畳の上でうつ伏せに倒れ込んでいた。

 

「あ~、えっと、すいません、マスター。大丈夫ですか?」

「あはは、ちょっとやり過ぎたかな。ごめんね、マスター」

「す、すまん。私としたことが我を忘れるとは……」

「お、お前ら……」

 

 流石にやり過ぎたと思ったのか、苦笑いしながら視線を逸らす三人。チャチャゼロが傍でケラケラと笑っている。

 

「マァ、許シテヤレヨ、イオリア。オット、今ハ伊織ダッタナ。御主人達モナ、スゲー寂シガッテタンダヨ。大目ニ見テヤッテクレ」

 

 チャチャゼロの執り成しの言葉に、溜息を吐きながらも仕方ないかと苦笑いする伊織。しかし、このままでは埒があかないので【魂の宝物庫】から【年齢詐称薬】を取り出し十五歳前後に成り代わる。

 

 若干、残念そうな目で伊織を見てくるミク達だが、気にせず変化した。ポンッという音と共に精悍な顔つきの少年が現れる。

 

 「これはこれで……」と頬を赤らめながらジッと伊織を見つめてくるミク達に、呆れながらも相当寂しい思いをさせたのだろうと、伊織は三人を手招きした。

 

 三人はぱぁーと花咲くような笑顔を見せ、改めて伊織の胸に飛び込む。ベルカでは正式な夫婦として晩年を過ごしたのだ。抱きしめ合うのは日常茶飯事。それが三十年もお預けだったのだ。空白の時間を埋めるように、三人は暫くの間、無言で抱きしめ合った。互の温もりを確かめ合い、再会できたことを無言で喜び合う。別荘の静謐で神聖な空気が優しく伊織達を包み込んでいた。

 

 それなりに長い時間、お互いの存在を確かめ合った後、漸く話が再開された。リンリンさんが気を利かせて、淹れたてのお茶を出してくれる。三十年経っても相変わらず気の利いたメイドパンダさんである。

 

「ふむ、つまり今は東雲ホームの末っ子で東雲伊織というのだな」

「それで、転生先の世界は、まんま日本だと」

「突飛な世界じゃなさそうで良かったですね、マスター」

 

 取り敢えず、自分の生まれと名前、この世界のことを知っている限り話す。しかし、伊織自身、唯の三歳児だったわけで、それほど多くの情報を知っているわけではない。ネギま世界のように実はクラスメイトは魔法使いだった! とかそういう非常識がないとは限らないのだ。

 

「まぁ、今のところは普通の世界だな。ただ……」

「ただ?」

 

 何かを思い出して訝しそうに首を捻る伊織にエヴァが聞き返す。

 

「何というか、兄さん達……ホームの子達な? やたら運動能力が高かったり、頭の出来が凄まじかったり、呪文? みたいなの唱えてたり、何もない場所に話しかけたりすることがあるんだが……」

「いや、その時点で何かあるだろ?」

「既に普通じゃないですよ?」

「マスターのホームだからね、やっぱりだよ」

 

 三人のツッコミに「うっ」と言葉を詰まらせる伊織。実は一番何かありそうなのはホームの母、東雲依子ですとは言い出しづらい。三歳分の記憶しかないが、それは魂に刻まれるため思い出そうとすれば思い出せる。今、思い返せば家の連中はこぞって何かありそうだった。

 

「まぁ、それは後で確かめるとして、これからどうするんですか?」

 

 ミクの疑問にテトやエヴァも疑問顔を伊織に向ける。

 

「そうだな。やっぱりばあちゃんには色々話さないとダメだろう。あの人は誤魔化せる気がしない。まぁ、度量の深い人だから、ミク達のことも受け入れてくれるだろうと思う。万一ダメだったら……まぁ、また皆でやりたいようにやればいいさ。皆がいるだけで俺には十二分だからな」

 

 微笑む伊織に同調するようにミク達も笑みを浮かべた。其処には、互いに絶大な信頼がある。例えここがどんな世界であろうと、恐れるものなど何もなかった。伊織達はそれだけのキズナを重ねて来たのだから。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 伊織は一先ず年齢を戻して一人で【別荘】を出た。そして、食堂から聞こえる僅かな音の下へ向かった。明確に意識を取り戻してから、急速に転生前の感覚が戻ってきている。幼い体ゆえに、まだまだ鍛錬は必要であるが、全盛期の四分の一程度には力が使えそうだ。可聴領域でいうなら、前世では最終的に一・ニキロメートル内を把握できたのに対し、三歳の今で三百メートルは把握できる。鍛え直したら前世を超えるかもしれない。

 

 ちなみに滑舌の方も別荘内である程度直した。これから話しをするのに不便極まりないからだ。方法は……まぁ、ちょっとしたドーピングのようなものだ。

 

 そんなことを思いながら、伊織は食堂の扉を開けた。

 

 中には、食卓テーブルに腰をかけ、静かにお茶を飲む依子がいた。電気は付けていない。窓から差し込む月明かりだけで十分な照明になっている。伊織が入ってきたことに気がついた依子は、何時もの人好きする微笑を浮かべた、

 

「もう加減はええんか、伊織?」

 

 時刻は既に丑三つ時だ。普段なら依子もぐっすり部屋で眠っている時間である。それなのに寝巻きにストールを羽織った姿で眠気など微塵もなく、そして伊織がやって来たことに何の疑問もないように声を掛けてきた。

 

 まるで、最初から伊織が来ることを知っていたかのようだ。

 

「ああ、大丈夫。ばあちゃん、あのさ……」

 

 そう言って伊織は話し始めた。前世のことを、自分のことを、そして大切なもう一つの家族のことを……。依子は終始黙って伊織の話しを聞いていた。

 

 やがて全てを話し終わり、静寂が部屋に降りる。チクタクと壁掛時計の音だけがやたら大きく響いていた。

 

 静寂を破ったのは依子の方だった。

 

「うん、ようわかった。それで? 伊織はいつ、その素敵なお嫁さん達を紹介してくれるんや?」

 

 朗らかな笑みを浮かべながらそんなことを言う。まるで前世の話しなど些細なことで、一番重要なのは伊織の家族のことだと言わんばかりだ。

 

 何となく、依子ならそう言うのではないかと思っていた伊織は苦笑いするしかない。相変わらず目の前の女性は度量が深いと改めて実感した。

 

「今紹介するよ。【インデックス】」

 

 伊織の手に濃紺の本が現れ、次いで魔法球が出現する。依子は異世界の魔法や能力を見ても「あらあら」と微笑むだけで楽しげに眺めるだけだ。伊織も、前世では百五十年近く生きて、孤児院の創設者として多くの子共達を送り出してきたが、自分が依子ほどの度量を備えていたとはとても思えなかった。

 

 何とも言えない複雑な心境で魔法球内部に通信し、ミク達に出てきてもらう。待たせることもなく直ぐに魔法陣が浮かびゲートが開いた。魔法陣の輝きと共に三人の少女と一体の人形が現れる。

 

「あらあら、えらい別嬪さんばっかり。伊織は幸せもんやねぇ~」

 

 ミク達を見て依子が目を細めて楽しげに笑う。依子の話は聞いていたので、ミク達は早速挨拶を始めた。

 

「えっと、マスターがお世話になってます。私はミクといいます。宜しくお願いします!」

「ボクはテトだよ。マスターを育ててくれてありがとう。心から感謝を」

「伊織が世話になった。依子殿と言ったか。感謝する」

「あらあら、ご丁寧に。私は東雲依子いいます。お礼なんてええんよ。家族なんやから当然やろ? みなも今日から家の子なんやから、堅苦しくせんでええでな? ああ、早速お部屋用意せなあかんなぁ、年頃やし普通は一人部屋がええやろうけど……相部屋でええか? それとも、伊織と同じ部屋で皆一緒にするか?」

 

 何の躊躇いもなく、そうあるのが当然の如くミク達を受け入れる依子。ミク達は面食らい、話しを進めていく依子に慌てて制止をかけた。

 

「えっと、気にならないんですか? 私達、人間じゃないことは聞いてますよね?」

「それにマスターだって、精神年齢だけなら百五十歳以上ですよ?」

「私に至っては吸血鬼な上、何だかんだで八百年は生きているぞ?」

 

 値踏みするような眼差しを向けられても依子は全く動じた様子がない。それどころか、今更何を言うのかと朗らかに笑う。

 

「そんな小さいこと気にしてどうすんの? 人でも何でも“どうありたいか”は自分で決めるもんやろ? 私より遥かに生きていても、例え人間やなくても、私の、東雲ホームの子共になれへん道理はあらへん……それとも私の娘になるんは嫌やろか?」

 

 ちょっと寂しそうに微笑む依子にミク達はもう何も言えなかった。ミク達は素直に微笑を返しながら、東雲ホームの新たな子になることを了承する。

 

 そして、エヴァが依子に対して、伊織も抱いていた疑問をぶつけた。すなわち、この世界の神秘について、何か知っているのかと。エヴァは長年の経験で悟っていた。依子が何か特別な力を持っていることを。この世界にも神秘の類が存在することを。

 

「依子殿。貴女は何か特別な力を持っている。そうだな? この世界のことを教えて欲しい」

 

 エヴァにしては殊勝な態度である。まぁ、元々、敬意を払うべきと認めた相手に不遜を貫くほど傲慢ではないのだが……。

 

 しかし、敬意を含ませたエヴァの質問に、依子は何故かズズッとお茶を飲むだけで答えない。まるっきり無視である。先程までの親しげな態度からの豹変に、戸惑うエヴァ。若干、オロオロしつつ再度呼びかける。

 

「依子殿?」

 

 しかし、やっぱりツーンとそっぽを向いて無視する依子。エヴァのオロオロが激しくなる。依子はチラッとエヴァを見ると、一言呟いた。

 

「お母さんやろ?」

「そこか!? そこなのか!?」

 

 思わず突っ込むエヴァ。伊織は予測がついていたのか苦笑いだ。

 

「おばあちゃんでもええんよ? 家族やのに、なんやの“依子殿”って」

「い、いや、何というか……」

「ほら、ちゃんと呼びなさい。呼び方は大事なんやで? 名前は一番短い“呪”。呼び方一つで人を定めるもんなんや。ちゃんと呼ぶまでお話はお預けや」

「いや、しかしだな。その……」

「エヴァ。何時までも聞き分けのないこと言わへんの」

「うぅ~、だって恥ずかしいだろ? 一応、私の方が年上なわけで……」

「そんな言い訳聞きません。さっきも言うたやろ? あり方は自分で決めるもんやって。エヴァは家の子になるって決めたんちゃうんか?」

「そ、それはそうだが……」

「ほな、ちゃんと呼び」

「……はい……母上……でいいか?」

「う~ん、まぁええやろ。これからもちゃんと呼ぶんやで?」

「……はい……」

 

 そんな二人の様子を見ていた伊織達は、八百年を生きた真祖の吸血鬼が母親に叱られるというレアすぎるシーンを見て吹き出しそうになるのを堪えると共に、改めて依子の凄まじさに戦慄するのだった。

 

 その日の晩は夜も遅いと解散することになり、翌日、ホームの子等への紹介と依子との話しの続きが行われることになった。

 

 ちなみに、エヴァはその晩、どことなく悄気ていた。そして、チャチャゼロの弄られたのは言うまでもない

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回はプロローグ的な話です。
次回から、時間は一気に進み物語が動きます。

忘れている人の為に主人公達の紹介を簡単にしておきます。

東雲伊織(元イオリア・ルーベルス)
特徴 
困った人を放っておけない。諦めが悪い。騎士の誓いと相まって、強靭な意志を持っている。ストレージデバイス「セレス」を所持
特技 
危機対応能力(前々世の度重なる命の危機により身に付いた第六感的能力。あらゆる危機を事前に察知し、本能的に対応できる)
擬似的な瞬間完全記憶能力(魂に記憶が保管され、いつでも思い出せる)
技能 
覇王流・陸奥圓明流、魔導、ネギま式魔法、アーティファクト【操弦曲】、念【魂の宝物庫】及び【神奏心域】、攻性音楽

ミク
特徴 
伊織の魂の一部を取り込んだ特殊なユニゾンデバイス。誰に対しても基本丁寧。但し、時々黒くなる。マスターである伊織が大好き。剣術も好き。刀型アームドデバイス「無月」を所持。
特技 
歌及び演奏、ニ○動にうpされた技の再現、高速機動(ニ○動のしゅしゅミクより)
技能 
魔導、ネギま式魔法、京都神鳴流、アーティファクト【九つの命】、念【垂れ流しの生命】

テト
特徴 
伊織の魂の一部を取り込んだ特殊なユニゾンデバイス。ボクっ娘。伊織以外には意外に辛辣。マスターである伊織が大好き。銃技も好き。銃型アームドデバイス「アルテ」を所持。
特技 

技能 
魔導、ネギま式魔法、ガン=カタ、アーティファクト【賢者の指輪】、念【拒絶の弾丸】

エヴァンジェリン
特徴 
真祖の吸血鬼。現時点でおよそ八百歳。原作と異なり十四歳程度に成長している。女王様気質だが、何かと聖女、聖母扱いされるほど面倒見がよく優しい。但し、基本はドS。身内にはよく弄られる。
特技 
再生、吸血による回復
技能 
ネギま式魔法、魔導、合気鉄扇術、操糸術、人形操作、念【人形師】、楽器演奏

大体、こんな感じ。
ちなみに、ミクとテトはLat式をイメージしてます。

次は、二日以内に投稿します!


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