リゼロ好きの方々の多くはfateも好きだと思うんです! リゼロWeb原作のfate及び型月ネタにニヤリとした人も多いことだと思います! 自分もそのクチです!
時系列は、FGOが7章手前、リゼロはweb版第六章『記憶の回廊』31『塔共同生活のすゝめ』あたり(書籍版だと22巻268ページ)となっております。
ネタバレNGの方はお気に入りに追加してブラウザバック、しかる後に両作品の該当箇所まで読み進め、またここへ戻ってきてくださると幸いです。
また、時系列を明確にするため、この1話のみリゼロ同話より多分に引用を行っております。原作コピーに抵触するのでしょうか。自分では判断が難しいため、注意を受けることがあれば修正しようと思っております。
では、どうか楽しんでいただけると幸いです!
「あー……
「どッこもかしこも燃えてやがンなァ。ほんとにここが大将の生まれッ育った場所だってのかよォ」
「実際にはここじゃねえし、燃えてもいなかったんだがな。どうなってんだこりゃ」
燃える街。あちこちに倒壊している建物は、確かに現代日本のものだ。広範囲が燃えていることと、建物が倒壊していることを除けば、スバルの見知った日本の風景であることには間違いない。
「いやまあ、そんだけ除けば、最早別物だけどな……」
「ちょちょ、ちょっと待って下さいよナツキさ──うわっ熱っ!? 鉄が焼けてるんですかこれ!?」
久方ぶりに帰ってきた日本の景色に、懐かしさ以上にその変わりように驚いていた所、後ろからその歩みを止める声が掛かる。露出した鉄骨をうっかり掴んでしまったらしい。
「何だ、いたのかオットー」
「オットー兄ィは影が薄いッからなァ。すぐ見失ッちまう」
「だからこの扱いなんとかなりませんかねえ!?」
*
「……キュ、フォウ?」
「おはよう、フォウくん……それにマシュも」
「はい。おはようございます、先輩」
人理継続保証機関フィニス・カルデア、その一室──藤丸立香のマイルーム。現在、第七特異点へのレイシフト証明待ち──第二次臨戦態勢で待機中。
──何か、夢を見たような。
「先輩? どうかしましたか?」
「いや……ちょっと。夢を……見た気がする」
「夢……ですか? その、夢と言うと……」
マシュの表情が少し
藤丸にとっては、それはマシュのものであったり、あるいはカルデアに数多くいる英霊達の誰かのものであったり。
──あるいは、巌窟王の時のような悪夢。
「そうだな……騒がしいって言うか、賑やかって言うか...そんな夢だったような。どっちかと言えば、楽しい雰囲気の夢だったと思う」
「そ、そうなのですか? でしたら、その……良かったです」
マシュの顔から緊張が抜ける。心配して貰えるのは嬉しいことでもあるけれど、夢を見たと言うだけでここまで心配させてしまうというのは、心苦しくもあった。
「マシュ、朝ごはんはもう食べた?」
「いえ、まだ朝食は食べていないのです。ですので、先輩とご一緒出来たらな、と。出来たら……でいいのですけど」
「もちろん。行こうか、マシュ」
にこっと微笑んで言う。それを受けて、マシュの表情も柔らかになる。それだけで、今日一日頑張れるというものだ。
*
食堂へ行くと、ふわりと良い匂いが鼻腔をくすぐった。その匂いから献立を予想出来そうだが、何も考えずその匂いに浸っている方が幸せだった。
「おや、マスターにマシュ君。朝食かね? もう少しで出来るので、座って待っているといい」
見ると、アーチャー、エミヤが厨房でその腕を振るっていた。戦闘時にも頼りになる彼ではあるが、キッチン担当としての印象の方が強い。
「おう! 嬢ちゃんにマスターじゃねえか!」
声を掛けてきたのは、ランサーのクー・フーリン。エミヤと仲は良くないらしいが、エミヤの作る食事は気に入っているらしく、食堂では高い頻度で見かける。
「クー・フーリンさんも朝食ですか?」
「おおよ。アーチャーの飯は絶品だからな。ちょくちょく食いたくなるんだよ」
「……はあ。本来、サーヴァントに食事は必要ないのだがな」
「そりゃそうだけどよ、美味い飯はいいもんだろ? それにお前さん、セイバーには喜んで作ってやってるじゃねえか」
「……く、それを言うか、貴様……!」
仲は良くないと本人達は言うが、こうして傍から見ていると、むしろ仲が良さそうに見える。微笑ましい...と言うと、怒られるかもしれないけど。
*
「ん、やっぱり美味しい」
「はい、たいへん美味です。いつもありがとうございます、エミヤ先輩」
ご飯も美味しい、そしてそれを美味しそうに食べるマシュの幸せそうな顔も可愛い。こんな最高の後輩がいる俺は本当に幸せ者だ。
「そういえばエミヤ、最近白米多め?」
「うむ。俵殿が来てくれたお陰で、食料の貯蔵量を心配せずとも良くなったのでな。それに、マスターも日本人だ。やはり、慣れ親しんだ白米の方がよかろう」
俵さんが「美味しいお米がどーん、どーん!」と言っている様子が思い起こされた。エミヤの心遣いが胸にグッとくる。
正直言うとカルデアに来る前は、朝食はパン派だったのだが。まあそれも、時間のない朝にサッと食べられるからなのだけど。
「あれ、管制室から通信だ……Dr.ロマン?」
『おはよう、藤丸くん。いきなりで悪いんだけど、今すぐ管制室まで来てくれるかな』
「はい、分かりました」
なんだろう。第七特異点へのレイシフト証明が完了した──と言うには、ロマンに緊張が欠けていた。おそらく、別の問題だろう。
*
「よく来てくれたね、藤丸くん。あれ、マシュも一緒だったのか。もしや朝食の途中だった……とか?」
管制室で微笑みとともに藤丸らを迎えたのは、ロマニ・アーキマン──通称、Dr.ロマン。アトラス院でホームズが言っていたことが気にかかるが、気にしても仕方がない。
「はい。先輩とご一緒にエミヤ先輩の朝食を頂いていました。その、たいへん心苦しかったのですが、残った分はタッパーに詰めていただいて……」
「温め直しても美味しく食べられるから、って言ってたね...悪いことをしたかも。ロマン?」
「あわわ……これは悪いことをしちゃったぞう……うん、ごめん、反省します……」
こんな、ちょっとしたことにあたふたしているロマンを見ていると、やっぱり、『どうしているのか分からないが、事件とは無関係の、別にいてもいなくてもいい傍迷惑な謎の人物』というのが、一番「らしい」と思う。
「ところでドクター、今回はどういった問題が?」
「……そうだね。じゃあ、本題に入ろう」
*
現在スバル達は、魔女教の権能への対抗策として、『賢者』シャウラと接触を試みようとし──ここ、プレアデス監視塔へと辿り着いた。
が、肝心の『賢者』は目的の情報を持ってはおらず、それどころか、スバルを『お師様』と──『大賢人』フリューゲルだと言う。
しかし、ここまでの苦労が徒労だった訳ではない。ここはプレアデス監視塔──またの名を、大図書館プレイアデス。その書庫に眠る情報を手に入れるため、スバル達は『試験』に挑む。
三層『タイゲタ』の試験。
『──シャウラに滅ぼされし英雄、彼の者の最も輝かしきに触れよ』
この試験を、スバルが元いた世界の知識──星座に関する知識を使い、見事切り抜けた。だが──、
二層『エレクトラ』の試験。
『──天剣に至りし愚者、彼の者の許しを得よ』
初代剣聖、レイド・アストレアの登場。どうにかこうにか、彼から勝利をもぎ取ったと思いきや、認められたのは実際に戦ったエミリアだけ。
その後、ユリウスの件もあって──
「──邪魔するぞ」
首を振り、ユリウスへの配慮を打ち切ると、スバルは扉を押し開け、緑部屋の中へと足を踏み入れる。ぼんやり、淡い光によって照らされる室内は、相変わらず多量の緑に支配されており、蔦で編まれたベッドの上には二人の少女が寝かされている。
手前のベッドにアナスタシア、そして奥のベッドにレムの二人だ。
「そして、一番奥にはお前がいると」
「────」
見舞いにやってきたスバルを見上げ、小さく喉を鳴らしたのはパトラッシュだ。漆黒の地竜は、まるでスバルがくることを知っていたかのように自然な態度。
おそらく、察しのいいパトラッシュはスバルがくるのがわかっていたのだろう。自然と、自分の寝そべる蔦の寝床を半分開け、スバルが座るスペースを開けている。
「お前ってヤツは本当に……傷も、だいぶよさそうだな」
苦笑し、スバルはパトラッシュの黒い鱗を掌でなぞった。
地下での餓馬王との一戦、その負傷の形跡も三日間の治療でかなり良くなっている様子だ。元々、パトラッシュは自分の不調をスバルに悟らせないようにするところがあるが、今回は強がりではなく、順調に回復してくれているらしい。
「本当に、この部屋の精霊様々だ。感謝してもしきれねぇや。この部屋がなかったら、どんだけ大変なことになってたかわかりゃしねぇし」
パトラッシュの負傷を幸いだったとは口が裂けても言わないが、アウグリア砂丘を乗り越えるための被害は最小限に抑えられたのは事実だ。
一行の負傷者はスバルとパトラッシュの二名だけ。それも、この緑部屋の効果で無事に取り返せる範囲、上々以上の成果といえる。
二層の『試験』で負傷したユリウスとアナスタシアの治療も含め、緑部屋の存在には救われ通しだ。まるで、誰かがこのために誂えてくれていたかと思うほど。
「さて」
パトラッシュともひとしきり親愛を確かめたところで、スバルは一度、軽く深呼吸してから奥の寝台──レムの下へと向かった。
ベッド脇にスバルが立つと、しゅるしゅると音を立てて蔦が集まり、寝台のすぐ横に座るための椅子を作り出してくれる。
「至れり尽くせりにも程があるな」
緑部屋の精霊に感謝が尽きないと言ったばかりでこれだ。これではまるで、よくしてもらうためにおべっかを使ったみたいではないか。
そんなつもりではなかった、とだけ断り、スバルは寝台の横につく。
「レムが夜を焦がれた、なんてユリウスは言ってたが……」
それは間違いだ。
だって何のことはない。レムに、こうして誰にも邪魔されずに話せる時間を待ち焦がれていたのは、彼女の方ではなく、きっとスバルの方なのだから。
*
「異常が見られたのは、特異点X──フユキだ。これまでも、異常がある度に、藤丸くんには何度か行ってもらってたんだけど……」
「今回は特殊、ってことですか?」
ロマンの言う通り、あの炎上汚染都市──冬木には、何度も異常があった。いや、異常というのなら、今現在も燃え続けていることこそが、最大の異常ではあるのだけれど。
「──ああ。それで、その異常なんだけど……」
「そこは私から説明しよう!」
「ダ・ヴィンチちゃん!?」
いきなり現れた万能の天才。しかし、それにも慣れたものだ。第六特異点では、ものすごく頼りになる姿を見せてくれた。──それだけに、自爆した時の絶望感も大きかったが。
「いかにも。万能の天才ダ・ヴィンチちゃんさ。さて、今回の異変だけどね──簡単に言うなら、
「ループ...?」
「そう、ループだ。しかも周期が一定しない上に、今のところ明確な法則も見出せない。……このままループが続けば、シバへの負荷も強くなる。出来るだけ迅速に、異変の解消を頼むよ?」
「はい!」
身が引き締まる。今回は──いや、今回も、重要な作戦であることに違いはないのだ。と、ぐだぐだやらハロウィンやらの記憶を彼方へと忘却した。シバへの負荷が強くなるということは、第七特異点への証明を妨げる可能性もあるということだ。
「そう。
「サポート役……はい、わかりました」
「作戦開始は1時間後だ。それまでにサーヴァントを見繕っておいてくれたまえ」
*
──スバルが異変に気付いたのは、尋常ではない暑さに、額を伝う汗が目の中に入ったからだ。
慌ててそれを拭い、目を開けると──、
「寝てた、のか? いや、それより──どこだ、ここ?」
今の今までスバルがいた緑部屋とは、全く違う景色が眼前に広がっていた。
どちらの作品のファンでもあるので、キャラの口調等が本編とブレないように気を遣ってはいますが、自分の至らなさゆえにキャラに合わない口調、発言等をさせてしまうかもしれません。
所詮二次創作だから、という逃げには走りたくないですが、どうか暖かい目で見守っていただけるとありがたいです。