注意!
この作品は「この紅魔の夜に祝福を!」の
後日談です。
先にそちらを読んで(いいね&ブックマークをして)からご覧ください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「い、今なんて言った?」
俺は思わず聞き返した。
「な、何度も言わせないで下さい!
い、一緒にお風呂…入りませんか?」
めぐみんは顔を真っ赤にし、
その瞳からは真紅の光を放っている。
…マジですか?
あの、まだ付き合って10時間ちょっと
なんですが……
俺がそんなことを考えていると
「や、やっぱり私とじゃ嫌です……か?」
めぐみんは涙を滲ませながら
上目遣いで俺に問いかけてきた。
お、女ってずるい……!!
「じゃあ、し、失礼します…」
チャプン…
体にタオルを巻いためぐみんは恥ずかしそうに湯船に入り、俺のすぐ横に座る。
屋敷の風呂に比べればかなり小さいが
露天風呂なだけあり、解放感が違う。
「しかしアクアが浄化した源泉って
どうなったのかな?」
俺はかねてからの疑問を口に出す。
アルカンレティアへテレポートする
変な魔道具を持っていたあたり、
もしかするとアクアはたまにこの街に
来ているのかもしれない。
「カズマ!今は2人っきりの新婚旅行
なのです!その…他の女性の名前は
出さないで欲しいです…」
そう言ってめぐみんは口を尖らせた。
「ご、ごめん…」
俺が謝ると
「今は私だけを見てください❗」
そう言ってニッコリと笑うと
めぐみんは俺の腕にピッタリとくっついた。
あの……腕に何かやわらかいモノが…
あ!ちょ、めぐみんさん!
今は動かないで!そ、それ以上は
俺のちゅんちゅん丸が…………
危なかった。
俺は夕食を済ませ部屋の大きなベッドに寝転がっていた。
風呂上がりに着替えた浴衣の帯を結び直しながら、先程の風呂を思いだし
自然と顔が赤くなる。
結局あれ以上何もなかったとは言え
やはり童貞には少々刺激が強かったようだ。
「カズマ…」
俺の横にめぐみんも寝転がり、
甘えるように身を寄せてきた。
見ると赤い顔をしながら浴衣も少し乱れている。
「ほら何してるんだ?浴衣乱れてるぞ?
まったく……さっさと寝ようぜ。」
俺がそう言うと
めぐみんは寂しそうな顔をして呟いた。
「…本当に何も
してくれないのですか?
せっかく二人っきりなのに?」
俺は黙って起き上がるとめぐみんの
上に馬乗りになる形でポジションをとる。
めぐみんは赤い顔で、
何かを期待するように
ゆっくりと目を閉じた。
俺はそのままめぐみんに顔を近づけー
ーめぐみんの"額"に自分の"額"を重ねた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「うーん…せっかくの新婚旅行なのに…」
めぐみんは恨めしそうに唸る。
「バカ!体調が悪いならちゃんと言え!」
妙に顔が赤いと思ったら…こいつ熱が
あったのか…
「でもでも!
せっかくの新婚旅行ですよ!?
誰にも邪魔されない、滅多にない
本当に二人っきりの時間ですよ!?」
そこまで言っためぐみんの額に冷たい
タオルをのせる。
「ひゃん!」
めぐみんは小さな声をあげると、
恥ずかしそうに俺を見た。
「ごめんなさいカズマ…
こんなことになってしまって。」
今度は一転して申し訳なさそうに
謝るめぐみん。
「ばーか。どうせまた"新婚旅行"には
行くんだ。その時に今回の分も
楽しもうぜ!」
俺は笑いながら言っ………
今のって…
もしかしなくてもプロポーズになっちゃった!?
「そっか…そうですよね!」
めぐみんは嬉しそうに微笑むと
そのまま眠りについた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ふと眼が覚めると私はカズマの手を
握りしめていた。
どうやらこの男は私の手を握ったまま
ずっと、額に当てるタオルを取り替えて
くれていたらしい。
まだタオルが冷たいので直前まで
起きていたようだ。
「かわいい寝顔ですね。」
カズマの寝顔を見ると思わず頬が緩む。
私は彼の耳に顔を寄せ、
「ありがとうございました。
本当の"新婚旅行"
楽しみにしてますね❗」
「大好きですよ、カズマ…」
そう呟くと、
そのまま彼のほっぺたにキスをした。
ーendー