再度流行る事を願います。
二話目です。
「それじゃあ行くぞー!」
結局東雲だけではなく、姫島や八束の分も奢ることになった。と言うかした。
「タダ飯じゃぁ!」
「私まで奢ってもらってありがとね」
「気にするな、高々二人増えただけだ。自重さえ
してくれれば大丈夫だ」
特に姫島、彼女に何回奢らせられたか。
「財布が空になるまで食べてやるぞ」
「そんなに食ったら太るぞ」
「...あたしは太らないキノコだから...」
「和倉君...女の子に体重の話は禁忌よ」
「...すまん」
気不味い雰囲気が流れた。なんか前にも同じ事るいに言われたなぁ...。
『女の子に体重の話するな!!馬鹿!!』
あの時はるいの傍にあった辞書を投げられた。意識駆られそうになったのを思い出した...。
「ここだよ」
東雲に連れられやって来たのはファストフード店だ。
あぁ、ここあれだ。ペパロニピザが食える店だ。
「ペパロニピザ好きだもんな、東雲は」
「お、覚えててくれたのか...」
好きな食べ物覚えられてるだけで照れるものなのか。
乙女心と言うものは全く理解出来ない。
「注文まとめて頼むから、食べたいの教えて」
制服の内ポケットからメモ帳とペンを出し聞いてみる。
「ボクは勿論、ペパロニピザとコーラだよ」
「あたしはきのこピザとポテトLとコーラ」
「それじゃあ...私はチーズバーガーのセットで...
なんか、ごめんね。私の分まで奢ってくれて」
八束はいい奴だ。あの二人、特に姫島は遠慮をしない。
「気にすんな。俺が好きでやってるだけだ」
「そうだぞー、翠は甲斐性のある奴だからなー」
「姫島は飯抜きな」
「申し訳ございません」
変わり身速いな...。
「取り敢えず頼んどくから、席確保してくれ」
「分かったよ」
飲み物のサイズ聞いてなかったけど、取り敢えずLサイズくらいにしとくか。小さいのを頼んで怒られてもあれだし。しかし...それだとしても一人千円越さないんだから、ここは安いなぁ...毎日は来たくないけど。
「ご注文はお決まりですか?」
「あ、はい...えっと...」
―――
「お待たせ」
トレー二個持ちは辛い。重いと嘆くほどではないが、重心が反対側だった。手伝ってくれればいいものの女子の皆さん談笑してたわ。腕が痛い...。
「遅いぞー」
投げかける言葉がそれですか...。
店員さんが持ってきてくれるのが一番だが、ここはそう言う店じゃない。残念。
「全部持ってきたんだから労わってくれても
いいんじゃないか?」
それに奢ったしな。まあ、そっちは自分で決めた事だから文句を言うのはお門違いだけどな。
「ボクが取りに行くと思う?」
東雲と姫島は誰かがいたら絶対に他の人に頼むと思う。
「そうだよなぁ...」
八束も話に夢中になり、手伝う気配も無かった。
仕方ない。この場に男は俺しかいない。むしろトレーが二つで済んでよかったと思う。
「東雲はポテト頼んでないし、大きの頼んだから
食えるようだったら取っていいぞ」
「おー、ありがとな」
「それじゃああたしも「お前はあるだろ」ちぇー」
ダブルチーズバーガーのLサイズセット。別のファストフード店では夜限定でパティが二倍になるが、夜まで食べたいとは思わない。身体がだらしなくなってしまう。
「男の子だともっと食べるのに、和倉君はそんな
食べないよね」
「朝から量が多いからな...それに部活もやって
ないしそんな腹空かないんだよ」
るいの作る朝食は昼に食べても満足する量ある。それを朝から食べるとなると少し辛いが、美味しくて箸が止まらない。
「それに体育も無いしな。運動したらもう少し食うぞ」
体育のある日は弁当の量も多くしている。
やっぱり運動した後は腹が減ってしまう。
姫島や東雲は好んで運動しないから、少し食べ過ぎている気がするのだが、実際の所大丈夫なのだろうか。
「ご馳走様でした。残りのポテトはみんなで
食っていいぞ」
姫島はそれを聞いて遠慮なく食う。その小さい身体のどこにそれだけ入っていくのだろうか。不思議だ。
これは聖櫻二年C組七不思議と行っても過言じゃない。
違うか?違うな。
―――
家に帰って静かに出来る時が来た。
姫島がゲームやろうぜと来る事があるのだが、今日は
東雲の家に行ったらしい。だからこうして一人でいる。
時間は十四時過ぎ、やる事も無くただ何をするかと迷っていた。そう言えば冷蔵庫の中はどれ位だろうかと確認してみると空では無いが、夕飯には足りそうにない。
るいが買ってくるかもしれないが、今日は自分で行こう。るいにメッセージアプリを使いそう連絡する。彼女は弓道部に所属して、今日は新学期初日と言うのに部活があるらしい。普通休みにならないのだろうか。
るいが確認する前にスマホを閉じ、私服のズボンにしまうと財布の入ったウエストポーチを付けて、商店街に行く為家を出た。
目的の商店街は駅の方にある。その反対側にはやや大きめの商業施設もあるが、そっちの方が顔見知りもいるし、融通が効く。
「あら、翠ちゃんじゃない!野菜安くするわよ!」
「おぉ、翠坊買い物か!旬の真鯵と鰆が朝入ったぜ!
買ってかねぇか?今ならもう一匹付けてやる!」
商店街を進むと普段お世話になってる八百屋のおばちゃんと魚屋のおじちゃんが勢い良く出迎えてくれた。
魚か...朝が魚だったし...でも新鮮な奴だからかぁ...。
後野菜も買い足さないとだから...。
「じゃあ今日は野菜買います」
「何!?翠坊見ろこの真鯵を!新鮮のピッチピチだぞ!
それとも翠坊のガールフレンドが朝食で魚を出した
から肉を食いたいと言うのか!?でも羨ましい!
カミさん手ぇ抜いて
洋風の飯出すんだ「あんた今手ぇ抜いてとか言って
無かった?」あ...幸子...」
話がどんどん進んでいく内に魚屋の奥さんが裏から現れ魚屋のおっちゃんを責めている......いつもの事だけど。
「あたしがいい奴選んで、美味しいうちに作った料理
を手を抜いたと抜かすの?」
「ち、違うんだ幸子「ちょっと店仕舞いするね」
あっあっ…(察し)」
「それじゃあこれで」
「はいよー、ありがとうねー」
後ろの出来事なんて知らない。これから地獄が始まるなんて知らない。
―――
あの後、肉屋に足を運んだら「鶏の胸肉がオススメだ!」
と店主に推されたので買った。今晩は唐揚げかな。
来た道の反対を行くと何やら騒がしかった。
「どうしたんですか」
その場にいた主婦に聞いてみると何やら喧嘩が起きてるらしい。中には聖櫻や近隣の公立湘北工業の生徒がいるそうだ。湘北工業は大人しいオタクか、荒れた不良がいる極端な学校だ。共存してるのがすごいぜ。
「うちの生徒も騒ぎの中にいるんか...」
「女の子も巻き込まれてるらしいのよ」
「...何?」
喧嘩の原因がその女子生徒を巡ったものとは...うちは馬鹿しか居ないのか...。あぁ、頭が痛い。ただこれを放って置くなんて出来んな...。
「はぁ、どこにも行けないな」
るいから「そろそろ帰る」と連絡が着てたので
俺は「私用が出来たから遅くなる」と返した。
と言うか、警察は来ねぇのかよ...。
「巻き込まれたのは椎名とその友達か...」
椎名心実
聖櫻のマドンナ的存在の生徒。彼女のファンクラブの会員は多くいるそうだ。
「あ、翠くん!」
「あぁ?誰だテメェ」
椎名がこっちに気付くとそれに釣られて湘北工の生徒が反応する。
「椎名さんは俺らが守るんだ...」
聖櫻の...恐らく椎名の親衛隊たちがボロボロになっている。
「お前らは無理すんな。後は任せとけ...椎名、
荷物預けた」
「おい、無視すんなよ!舐めてんのか?」
「はぁ......ギャーギャーうるさいよ。もう少し小さく
話せないかなぁ...」
「あぁ?......こいつ殺っちまうか」
「おぉ、怖い怖い」
相手は五人くらいだが、大丈夫だろうか。
「死に晒せぇぇ!!」
『おおおおお!!!!』
五人一斉に殴り掛かってきた。えぇ...。
一人分の抜け道をすり抜けてそれを避けると、拳の捨て場が消えた五人はそのまま激突した。ギャグの様に...マジでそんな上手くいくもんなのか。でも好都合だ。
「今の内に逃げるぞ!」
椎名たちに呼び掛けると、椎名たちを連れその場を去った。
「助けてくれてありがとうございます」
「流石翠君だよね。カッコよかったよ!」
「やり方はまあ、あれだけど...怪我はない?」
やり方に関しては偶々だからなぁ...。何にも言えない。
椎名たちに預けた荷物を受け取ると「また学校で」と告げ帰路に着いた。なんか、呆気なかったな。
ハーメルンの、方の投稿は久し振りなので、あまり操作に慣れませんね...。