成田SMS基地
基地に着いた俺と川崎は更衣室に入りSMSの制服に着替えた。
ポジションが違うと制服も違う。
俺の場合パイロットは作業ズボンに一枚のシャツ、その上に黒と赤でデザインされたウィンドブレーカー。
オペレーターはキャビンアテンダントの様にワイン色の上品な格好でベレー帽を被っている。
着替え終わり俺らはそれぞれの持ち場に着いた。
この基地は成田空港と繋がっているがラインが引かれている。
滑走路は使わなくなった滑走路を利用している。
ここの基地の特徴は整備士とオペレーターの研修生が多くバルキリーのパーツがが沢山ある。
その為東京湾の基地よりドッグとハンガーの数が多い。
俺は一度自分の上司の所へ行きブリーフィングを行った。
ブリーフィングで任務の内容を再確認した後俺は陰神が収容されているハンガーへと足を運ぶ事にした。
上司によると陰神の整備は完了してあるとの事。
すると廊下を歩くたび研修生や俺より階級が下の隊員達が敬礼してくる。
オイオイ、ここは軍じゃないよ?
恥ずかしいからやめて!
そんな思いをしながら俺はハンガーへ着いた。
ゴースト88番機VF-25「陰神」
黒と灰色で機体を尽くし暗闇と言う名の陰を制する神。
コイツが陰神と呼ばれる様になったのは俺の戦闘スタイルからだった。
俺も詳しくは分からないが徐々に周りからコイツが陰神と呼ばれる様になった。
???「比企谷大尉!」
後ろから明るい声で俺を呼ぶ声が若い男性整備士。
彼の名は 吉田 一
成田基地側で陰神の整備を担当している16の高校生。
彼の持つ整備テクニックは周りを驚かせる程のもので親父さんが長年ここで整備士としてやっていたのを受け継いだらしい。
一「陰神の整備は既に完了しています!」
八幡「ああ、上司から聞いた。すまないがスーパーパックを付けてくれ」
一「わかりました。ミサイルの方は?」
八幡「通常でいい」
一「了解しました!」
そう言って一はこの場から出て行った。
スーパーパックとは追加装備の事で主翼にエンジンが2基搭載さている。
他にも小型のミサイルコンテナも追加される。
俺はハシゴを使って操縦席に座る。
目の前に液晶モニターがある。
現代の戦闘機はボタン式ではなくタッチパネル式である。
その為プログラムに異常がないかチェックする事も整備士の仕事である。
電源を入れシステムを起動した俺は一の整備に不備がないか確かめる。
すると陰神に搭載されているIA ブラックバードも目覚める。
BB『システム起動を確認、搭乗員比企谷大尉。2日振りですね比企谷大尉』
八幡「ああ、早速だがBB陰神のシステムチェックしてくれ」
俺はブラックバードの事をBBと呼んでいる。
その方が言いやすいからだ。
BBは自立型AIであり俺なしでも陰神を操縦することが出来る。
BB『了解。システムチェックを開始します........』
モニターがバルキリーの図面を表示する。
BB『計器類、IFF、無線、電圧、全てクリア。機体のオイル漏れもありません』
八幡「流石だ」
BBは「恐縮です」と言葉を返す。
自立型のBBは自ら会話をする事が出来る。
つまり「意思を持っている」という事だ。
BB『大尉、今日の任務はどう言った内容ですか?』
八幡「現在レインボー部隊を乗せた輸送機が太平洋上空を飛行している俺たちは日本の空域ギリギリの所から輸送機を護衛する」
BB『そうですか。では大量の燃料が必要ですね』
その為にさっき整備士にスーパーパックを要求した、と俺は言う。
するとBBは話題を変えた。
BB『昨日一整備士とお話しをしました。富士山と言う山はそんなに綺麗なんでしょうか?』
おいおい、お前らどんな渋い話をしてんだよ。
八幡「ああ綺麗だぞ、修学旅行の時新幹線の車内から見た」
まぁ綺麗だったが他のと言った感想はない。
BB『そうですか。一度そこへ飛んでみたいですね』
風景を見ると言うのはいい事であるが、俺からすればつまらなくてめんどくさい。
だったら食べ物巡りをした方がマシだ。
だがAIは味覚を持っていない。
食べる事すら出来ない。
だからBBは風景を見る事が唯一の楽しみかも知れない。
八幡「まっ、次の任務で観れるといいな」
その時外に繋がる巨大な扉が開いた。
外は暗く少し黄金色の空が見える。
そしてそこから一率いる整備班とスーパーパックを積んだ輸送車がやってきた。
一「比企谷大尉!今からスーパーパックを取り付け作業をします。その間大尉はパイロットスーツに着替えて下さい!」
もうそんな時間か?
腕時計を見ると離陸時間30分前だった。
俺は操縦席から降りて急いでパイロットスーツに着替えにパイロット専用更衣室に向かった。
パイロット専用更衣室
この更衣室は文字通りパイロット専用で自分のロッカーが決められている。
俺は自分のロッカーを開けてパイロットスーツに着替える。
パイロットスーツは伸縮素材で出来ており胸と肩にプロテクターの様なものが付いている。
パイロットスーツに着替えた俺はヘルメットを取り出しロッカーを閉め更衣室を出た。
そして再びハンガーへ向かった。
道中また誰かがまた後ろから「比企谷大尉」と声を掛けられる。
振り向くとそこには2人の女性オペレーターいた。
研修中の川崎と....誰だ?
もう1人のオペレーターは歳を取っている。
見た感じベテランオペレーターだと察するが初めて見る顔だった。
モニカ「私はモニカ・ラングと言います。川崎さんの研修を担当しています」
つまり川崎の担当の先生って事か道理で見たことがない顔だ。
俺はハンガーとドッグそして上司がいる担当の部の部屋しか行ったことがない為顔がわからなかった。
一方川崎は顔を赤くし俺を見るが気にしなかった。
八幡「何の用ですか?」
俺は要件を聞く。
モニカ「実は大尉のオペレーターを担当するのは私なのですが、川崎さんが大尉の知り合いだと言っていたので今回私に変わって川崎さんに大尉のオペレーターをやって貰いたいのですが....」
どうやら今回のオペレーターはこの人だったらしいが代わって川崎がオペレーターをするらしい。
上司からはブリーフィングで聞かされてないのだがそれは気にしないでおこう。
八幡「つまり川崎に実戦させると言う事ですか?」
モニカさんは首を縦に降る。
モニカ「貴方の上司には既に許可を貰ってます」
上司から承諾済みか....
正直どうでもいいが川崎次第である。
八幡「俺はいいですよ。ですが川崎がやるかやらないか本人次第です」
俺はモニカさんから川崎へ視線を向ける。
川崎は一瞬戸惑いを見せたが覚悟を決めた。
川崎「....やる...緊張するけど失敗しない様に頑張るから」
真剣な目で見る彼女の目はまるでSMSに入ると言った時の目だった。
モニカ「ここで言うのもなんだけど川崎さん、いくら知り合いでもここでは彼の方がー....」
八幡「いいですよモニカさんそう言う所は俺、気にしていないんで」
俺は川崎に注意するモニカさんを止めた。
川崎が俺に敬語なんて似合わない。
と言うか怖いからな。
川崎「なんか言った?」
八幡「イイエナニモ」
え?何今の?俺心読まれた?
こうして今回の任務に川崎がオペレーターになる事になった。
ハンガーに戻って来た頃にはスーパーパックの取り付けが終わっており陰神はエンジンを唸らしていた。