「プリキュアって私の他に何人くらいいるの?」
「今、確認されてる所では55人だ」
「うわぁ…多いなぁ…」
11.ホープ・フラワー2020
2009年から2020年の世界に戻ってきた私は家に帰り、テレビを付ける。ほとんどの地元の放送局が怪物達に襲撃された時ノ眼町の現状を伝える中、某チャンネルでは最近、希望ヶ花市で植物園やガーデニング専門店といった花に関する施設が何者かに襲撃されているという事を報道していた。物騒だな…と思いながら、リモコンのボタンを押してチャンネルを変えると今度は希望ヶ花市に住む
この2つのニュースを見たウォッチンが考え込んでいた。私はウォッチンが心配になり、どうしたのかと聞いてみた。
「ウォッチン?珍しく考え込んじゃってどうしたの?」
「なんか怪しいなぁ…靉、希望ヶ花市に行って行方不明の女性達について調べてみないか?」
ウォッチンは事件の裏で何かが動いていると感じ、私に希望ヶ花市へ行くよう指示する。ウォッチンから指示を受けた私は希望ヶ花市へ向かった。
2020年...希望ヶ花市
希望ヶ花市に着いた私は早速、街の中で聞き込みを始める。通行人に声をかけて柳佐江に着いて聞いてみたが、柳佐江を知る人はいなかった。聞き込みに疲れた私は近くの店の前で座り込んだ。ふと、私が後方を向くとそこには青色の綺麗な花が飾ってあった。私は丁度、店から出てきた店員に話しかける。
「この花綺麗だね!」
「この花はニゲラ!花言葉は"未来"なんですよ!」
「へぇ〜!」
「他にもいろんな花があるので観ていってください!」
店員はそう言い、外に飾ってある花達に水やりをした後、店の中へと戻っていく。
「靉、今のはハートキャッチプリキュアの奴だ!」
店員を見たウォッチンはそう言いながら、写真を取り出して私に見せてきた。写真に写っているのはピンク色の髪をしたツーサイドテールの女の子だった。そして、写真の右端には"花咲つぼみ"という名前が書いてあった。ウォッチンの写真を見た私は店の中に入っていき、再び店員に話しかける。
「あの、花咲つぼみさんですよね?」
「そうですが…何か?」
「プリキュアは分かる?」
「プリ…キュア?すいません、よく分からないです…」
「そっか…」
私は花咲つぼみにプリキュアのことを聞いてみたが、花咲つぼみはプリキュアの事について全く知らなかった。私は店を後にして近くの公園のベンチに座る。ウォッチンは柳佐江がアナザープリキュアにされている可能性があると私に言う。私は柳佐江を見つけ出す為、もう一度、花咲つぼみの店に行き、花咲つぼみに柳佐江のことを聞いてみることにした。
「花咲つぼみ!柳佐江の事を聞きたいんだけど…」
花咲つぼみを呼んだが、店の奥からは別の店員が出てきた。何故いないのかを聞いた所たった今、昼休憩に入り、外食へいってしまったそうだ。その店員が言うには花咲つぼみはすぐには戻らないらしい。それを聞いた私は店の花を見て花咲つぼみを待つ事にした。
そして、私が自分の目の前にある綺麗な白いガーベラを見ていると隣にいた焦げ茶のウルフヘアで頬に稲妻傷のあるお兄さんが白いガーベラについて私に質問してきた。
「なぁ、白いガーベラの花言葉を知ってるか?」
「知らないです」
「じゃあ教えよう…白いガーベラの花言葉は"希望"だ」
花言葉など全く知らない私は答えられなかったがお兄さんはそんな私に白いガーベラの花言葉を教えてくれた。それと共に今度は自分の"希望"が何だと思うかを聞いてきた。
「俺の希望なんだと思う?」
「支えてくれてる皆?」
「完全正解ではないがあながち間違ってはない、俺の希望は皆の笑顔だ」
「何で皆の笑顔が"希望"なの?」
お兄さんの希望は皆の笑顔だと言う。私はどうしてそれが希望なのかをお兄さんに聞いてみると、お兄さんはフッと微笑しながら私の質問に答える。
「それはな、輝いてるからだ。辛い過去を持つ俺にとって皆の笑顔は太陽のように明るく輝いてこんな俺を照らしつづけてくれる、だから皆の笑顔が希望なんだ」
「お兄さん...」
私はお兄さんの言葉に感銘し、自分にとっての"希望"を言おうとしたが、お兄さんが続けて私に何かを言う。
「街を守らなきゃ皆の笑顔なんて見られない、だからこの2020年の街を一緒に守ろうぜ、黄醒 靉!」
お兄さんは最後に私の名前を発した。私は初対面のはずなのに何故、お兄さんが私の名前を知っているのか不思議に思うのであった。
to be continued.......
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