「…魔王様」
「わっ!?あなたは?」
「私はルークに仕えている妖精、ウォズリンでございます!あなたを正しい未来へ導いてみせます!」
16.みなぎる愛2020
ある日の朝、千条が私の部屋に来て私にテレビを見てみろと言った
ので私がテレビをつけるとテレビには大貝第一中学校で毎年、生徒1人が行方不明になるという事件が起こっているというニュースがやっていた。
「またアナザープリキュアの仕業か!」
ニュースを見てアナザープリキュアの仕業と断定したルークは早速、タイムマジーンに乗り、大貝第一中学校のある大貝町へ向かう。私と千条もルークの後を追ってタイムマジーンで大貝町へと向かった。
大貝町に着くと、目の前には巨大な電波塔があった。付近に看板があり、看板にはこの電波塔の名前と全高が書かれていた。
看板を見ると電波塔は東京クローバータワーと言い、全高は999mあるらしい。ルークは私にこの街での重要人物が写った5枚の写真を私に渡してきた。ルークから貰った5枚写真のうちの1枚目には髪が濃いめのピンクでセミロングの髪を短めのポニーテールにしており、薄めのピンクのリボンで留めている女の子が写っていた。女の子の背後にはブタのしっぽ亭と書かれた看板があった。
私は早速、1枚目の写真の女の子を探す為、ブタのしっぽ亭に向かう。1枚目の写真の女の子を探している途中、写真の2枚目に写っていた濃い青色の背中まであるロングヘアーをお嬢様結びにしたうえ、結った部分を長い三つ編みにして後頭部のあたりに水色のリボンを付けて留めている女性がいた。女性に聞いた方が早く見つけられると思い、1枚目の写真の女の子がどこにいるかを聞いてみた。
「ねぇ、この写真に写ってる髪が濃いめのピンク色をした女の子どこにいるか分かる?」
「マナの事かしら?マナなら自分の家にいると思うわ!マナの家まで案内してあげる!」
菱川六花は私を相田マナの家まで案内してくれた。案内された場所に着くと目の前にブタのしっぽ亭と書かれた看板があった。どうやら、この"ブタのしっぽ亭"は相田マナの自宅だったらしい。
中に入ると料理人のような服を着た相田マナ満面の笑みで私を出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ!何にしますか?」
私はメニューに目を通していく。その中で一つ、"桃まん"というのが気になり、桃まんを頼んでみた。
「桃まん食べてみたいな!」
私はメニューに書いてある桃まんという文字を指差しながら相田マナに伝える。
「分かりました!キュンキュンな桃まん作るので待っていてくださいね!」
「キュンキュンな…桃まん…?」
相田マナは"キュンキュンな"という少し理解出来ないような言葉を発した。だが、これはきっと相田マナの口癖なのだろう。
一方のルークと千条は三枚目の写真の女の子、四葉ありすを探しに四葉家の屋敷へ来ていた。すると、屋敷はかなりの豪邸。中に入ろうと入り口に近づくと、千条と同じくらいの背で長く白い口髭をし、バットマンのような衣装を着た細身の男性がいた。
「誰ですか!?あなた達は!不法侵入するならこの私、セバスチャンが許しません!お覚悟を…!」
「えっ?いや、俺たちは不法侵入しに来たわけではなくて…」
セバスチャンという男性はそう言い、千条達の話を全く聞かずにルークと千条に襲いかかってこようとしたが、丁度屋敷から四葉ありすが出てきたおかげで攻撃をくらわずに済んだ。
「私に何か用ですか?」
「あなたがプリキュアかどうかって事と生徒行方不明事件について教えて欲しくて…」
「プリキュアについては全く分かりませんが、生徒失踪事件なら大体の事を知っていますわ!中で詳しく話しましょう」
屋敷の中で詳しく話そうと言われたルークと千条は四葉ありすの後に続いて四葉家の屋敷の中に入っていく。
その頃、私は相田マナに作ってもらった桃まんを菱川六花と一緒に食べながら自分達がプリキュアである事を覚えているかどうかと生徒行方不明事件について聞いていた。
「ねぇ、自分達がプリキュアだったって事は分かる?」
「ごめんなさい、分からないわ」
「私も…」
私は2人にそう聞いてみたが、2人は自分達がだった事を忘れたようだ。これを聞いて私は生徒行方不明事件にアナザープリキュアが絡んでいると確信する。
「私達が"プリキュア"っていうのを知らない事が何か事件に関係してるの?」
「うん」
相田マナは自分達がプリキュア出ない事が事件に関係しているかもしれないと思い、私にそう聞いてきた。
「マナは式が近いんだから事件は私に任せて!」
「式?披露宴?どういう事?」
「マナ、近いうちに結婚式挙げるの!だから、もしもなんかあったらまずいと思って!」
「ふふっ…六花、お気遣いありがとう!でも、私もこの事件を解くのに協力しないと!だって私は大貝第一中学校生徒会長相田マナだもん!」
「"元生徒会長"だけどね…」
どうやら、相田マナは近いうちに結婚式を挙げるらしい。菱川六花は式の色々な準備で忙しいであろう相田マナを気遣うが、相田マナは事件を解くのに協力すると言う。
その後も相田マナ達と話していると、外から悲鳴が聞こえてくる。悲鳴を聞いた3人が外に出るとそこにはアナザープリキュアが3体いた。
私はドライバーを腰に装着し、クロックライドウォッチを取り出してドライバーのバックルの右側のスロットに挿し、バックルを一回転させて、変身する。
【プリキュアタイム!】
〈キュア・クロック!!!〉
変身した私はジュウモードのジカンギレードで迫りくるアナザープリキュア達に向けて何発も撃つ。だが、胸元に
【プリキュアタイム!】
《キュア・クロック!!!》
【アーマータイム!】
《キュアラモードデコレーション!》
〔ジェラートー!!!〕
ジェラートアーマーにフォームチェンジした私はジェラートアーマーの能力である雄叫びで飛んでくる無数の氷の結晶を砕いていく。そして、2つのライドウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを一回転させて必殺技を発動させる。
【フィニッシュタイム!】
【ジェラート!!!】
《ジェラートシェイク ・タイムブレーク!!》
私は巨大な氷を生成し氷を何回も殴って砕き、粒子状になった氷をアナザープリキュア達にぶつけた後、空高く跳び上がり、アナザープリキュア達に向かって急降下していく。
必殺技は決まり、アナザープリキュア達は爆発とともに消えていった。アナザープリキュアが消えた影響で相田マナ達は自分がプリキュアだったという記憶を取り戻した。相田マナと菱川六花は私に近づき、ライドウォッチを渡してきた。
「靉ちゃん、過去の私によろしくね!」
「分かった!」
その頃、四葉家にいたルーク達もプリキュアの記憶を取り戻した四葉ありすからライドウォッチを受け取っていた。私はルークと電話でやり取りをして、大貝町の公園に集合する事にした。
残りのアナザープリキュア2体と写真に写っている人物2人はこの町のどこにいるのだろうか?
to be continued.......
NEXT「紫のスペードと赤のエース2020」
※次回から前書きの掛け合いコーナーがウォズリンのあらすじ紹介コーナーに変わります。