ノーブル学園で行われる学園祭に行くために夢ヶ浜へ来ていた黄醒靉。そんな彼女の前に自分こそがNo.1のプリンセスという女性が現れる。No.1のプリンセスというのが気になった黄醒靉は彼女についていこうとしたが、その時新たなレジェンドが黄醒靉に声をかけるのだった…。
31.プリンセス2020
2020年....夢ヶ浜
「ついに来たー!夢ヶ浜!!」
「靉、少しはしゃぎ過ぎだぞ!」
「だってあの有名なノーブル学園の学園祭に行けるんだよ!もう夢のようだよ!」
私は昔から気になっていたノーブル学園がある憧れの地、夢ヶ浜に来ていた。少しはしゃいでしまい、ルークからはしゃぎ過ぎだと注意を受けて周りを見てみると周りは私を冷たい目で見ていた。冷たい視線を受けた私はここでやっと自分でもはしゃぎ過ぎたな…と思い、少しテンションを下げながらノーブル学園に向かって歩いていく。
ノーブル学園....
正門をくぐり校内へ入ると、多くの屋台が立ち並んでいた。興奮した私はルーク達を置いていき、一人で色んな屋台を回っていった。
しばらく店を見て回っていると、1人の女性が大衆に囲まれながら私の近くを通っていく。1人の女性を囲う人々の肩にはタスキがかけられていてタスキには"No.1プリンセス 一条らんこ"書かれていた。
"No.1プリンセス"という言葉が気になった私が一条らんこに近づこうとしたその時、どこからかドーナツが飛んできて私の口の中にすっぽりと入った。私はドーナツが喉に詰まりそうになって苦しんだが、何とか噛める場所までドーナツを戻し、ドーナツを咀嚼する。誰かが投げたドーナツはチョコドーナツでとても美味しかった。
「そこの君、投げたの私だよ〜」
帽子を被りサングラスをかけた女性が手招きしている。私は女性の元へ行き、何故ドーナツを投げたのかを聞いた。
「何でドーナツ投げたの!?」
「だって、一条らんこは危険人物なんだもん」
「危険人物?どういうこと?」
「詳しくは校外で話しましょう」
女性はそう言いながら、私の手を引いて校外に行く。そして、一条らんこが何故危険人物なのかを話し出した。
「一条らんこは怪物なの!No.1になる為に常に自分より美しい人を狙ってる!」
「まさか…」
「信じられないならこの映像を見て!」
堂々と人前を歩いている人物が怪物だとは思えなかった私は女性に証拠の映像を見せてもらう。映像には確かに、怪物へと姿を変える一条らんこが映っていた。
「そんな…」
「ね、言ったでしょ?アイツは怪物なんだって」
「……」
「…今はあの女のことは気にせずノーブル学園の学園祭を楽しもうよ!」
女性はNo.1プリンセスが怪物である証拠を見せられて少し落ち込んでいる私にそう声をかける。本当は一条らんこについて行って怪物なのかどうかを確かめるのがいいが、まだ一条らんこが怪物になって目立つような行動はしていないため、行動を起こしてくるまでは女性の言ったようにノーブル学園の学園祭を楽しむ事にした。
「ちなみに、あなたの名前は?」
「天ノ川きらら!ここのOGだよ!」
女性がサングラスを取りながら自分の名前を言うと、ウォッチンが飛び出してきた。
「天ノ川きらら!って事はGo!プリンセスプリキュアか?」
「プリンセス?プリキュア?何それ」
「…記憶奪われてんのか」
ウォッチンが天ノ川きららにプリキュアかどうかを聞いたが、天ノ川きららは記憶と力を奪われたせいで自分がプリキュアであった事を忘れていた。
「靉、一条らんこはアナザープリキュアで確定だ」
「だね…」
ドサッ!
私とウォッチンが話していると、天ノ川きららは近くのテーブルの上に4個入りのドーナツの箱を3つ置いた。
「わわっ…!こんな大量のドーナツ1人で食べるの?」
「当たり前!私、ドーナツ大好きだもん!」
天ノ川きららはドーナツが大好物らしい。私は天ノ川きららからドーナツを何個か貰い、食べている。すると、私の元にルーク達がやって来た。
「全く…私達を置いてかないでよ!」
「あなたの仲間?」
「うん、そうだよ!」
「そっか!じゃあ、私はこの辺で失礼するね!この後、久しぶりに会う人物がいるからさ!」
天ノ川きららはそう言いながら私達の元から去っていった。それから少し経った時、天ノ川きららのものだと思われる悲鳴が聞こえてくるのだった。果たして、天ノ川きららは無事なのだろうか?
to be continued....
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