プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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前回、この私の前にオーマクロックが存在しない未来からやって来たもう1人のウォズ 。彼はキュアシノビの力を持つアナザーシノビを倒す為にキュアウォズへと変身した。

…この本にそんな歴史は書いていません、こんな違う未来があり得るのでしょうか…?


44.スゴイ!ジダイ!ミライ!2024

 もう1人のウォズリンはルークの近くまで歩み寄っていき、ルークにこう言う。

 

「我が救世主!君がオーマクロックの歴史を消滅させ、新たな歴史が始まるんだ!」

 

「私が…!?」

 

 ルークはもう1人のウォズリンの言葉を聞いて少し戸惑っている。私達がもう1人のウォズリンの話を聞いているとタイムジャッカーのディメンションがやって来た。

 

「もう1人のウォズリンよ、お前が求めているのはこのプリキュアのウォッチだな?」

 

「流石、ディメンション氏だ。察しが早い…!」

 

「お前の手には渡さん」

 

 タイムジャッカーのディメンションはそう言いながら、神蔵蓮花の体内からアナザーシノビウォッチを取り出し、再び体内へ埋め込んだ。アナザーシノビとなった神蔵蓮花はディメンションと共にどこかへ去っていった。

 

「ハハッ、逃げられちゃったね!それでは、また早いうちにお会い出来る事を願っているよ!我が救世主!そして、魔王ともう1人の私も…」

 

 もう1人のウォズリンは私達にそう言い、どこかへ去ってしまった。私達は一旦、家に戻りもう1人のウォズリンについて話す事にした。

 

「もう1人のウォズリンは私達がいる未来とは別の未来から来た。そこにはオーマクロックが存在していない」

 

「オーマの日にルークが我が魔王を倒した事によって作られた…という事のようだね。なんと言っても"救世主"だそうだ」

 

「靉を倒すルークを支える為に来た…靉を支えるあなたとは正反対だね」

 

 ウォッチンとウォズリンはもう1人のウォズリンについてそう話した。話を聞いた私は皆にある提案をする。

 

「あのウォズリンとかこのウォズリンとか混乱するから呼び名を決めようよ!」

 

「呼び名…?」

 

「このウォズリンは黒ウォズリン!そしてあっちのウォズリンは白ウォズリン!」

 

 私は今、私の家にいるウォズリンを全体的に黒いからという理由で黒ウォズリンという呼び名に、今はいないもう1人のウォズリンを全体的に白いからという理由で白ウォズリンという呼び名にした。

 

「黒ウォズリン、白ウォズリンが持つあの本は何なんだ?」

 

「私にもよく分からないが、書き込んだ事を全て現実にする力を持っているようだね…」

 

「とりあえず、私はウォッチンと2024年へ行ってくる」

 

 ルークはそう言いながら、タイムマジーンに乗り、ウォッチンと共に2024年へ向かう。

 

 だが、2020年へ向かっている途中に謎の衝撃音と共にエラーが発生し、2024年へ降りる事が出来なくなってしまった。

 

「2つの時間軸が揺れ動いてる今、未来には干渉できないのか!!」

 

「って事はキュアシノビに会えないし、アナザーシノビを倒す事もできない…!」

 

「クソッ!!」

 

 2つの時間軸が揺れ動き、未来に干渉出来ないせいでキュアシノビに会えないと分かったルークとウォッチンは仕方なく2020年へ戻っていった。

 

 その頃、アナザーシノビは廃工場で不良達を襲っていた。ディメンションと白ウォズリンはその様子を廃工場の屋根の上で見ながら話している。

 

「しかし、厄介なアナザープリキュアを作ってくれたもんだね…」

 

「このアナザーシノビを倒さねばシノビウォッチは手に入らん。しかし、アナザーシノビを倒すにはシノビライドウォッチが必要…お前にはどうする事もできまい」

 

「なら、魔王に変えさせればいい…時の流れと自らの命運を」

 

 白ウォズリンはそう言いながら、持っている本に"クロック、アナザーシノビの元へ駆けつけた"と書く。

 

 白ウォズリンがそう書いたせいか私はアナザーシノビの元へ行かなきゃいけない気がしてきた。

 

「ウォズリン、私行かなきゃ!」

 

「やめた方がいい…これもどうせ、もう1人の私があの本に書いた事だろう…何かの罠に違いない」

 

「でも、私行かなきゃ!」

 

 私は黒ウォズリンにそう言い、アナザーシノビのいる場所へと向かっていった。

 

 私が駆けつけるとそこには不良達を襲うアナザーシノビがいた。アナザーシノビは荒い息をしながら変身を解いた。

 

「あなた、本当は弱い人間を守りたかっただけなんでしょ?それでアナザープリキュアの力を手にしたんだよね」

 

「この力が私を変えてくれたんだ!私はこの力で王になる!」

 

「それがあなたの意志なの?自分の意志で未来を選ぶなら私は戦ってあなたを止める!でも、未来の自分を信じられるなら力を捨てる勇気だって持てるはず!」

 

「うるさい!私の邪魔をするな!」

 

 神蔵蓮花はそう言いながら、アナザーシノビへ変身する。私はドライバーを腰に巻き、ライドウォッチをバックルの右側のスロットに挿し、バックルを一回転させて変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・クロック!!!〉

 

 私はケンモードのジカンギレードを取り出し、アナザーシノビを何回か斬りつける。そしてアナザーシノビに隙ができた所でジカンギレードにスカーレットライドウォッチを挿して必殺技を発動させる。

 

【フィニッシュタイム!】

 

【スカーレット!!!】

 

〈ギリギリスラッシュ!!〉

 

 ジカンギレードに真紅の炎を纏わせてからアナザーシノビを斬る。必殺技を受けたアナザーシノビの変身が解けた。私が神蔵蓮花に歩み寄ろうとした時、ディメンションがやって来て神蔵蓮花の体内からアナザーシノビウォッチを取り出し、再び体内へアナザーシノビウォッチを埋めた。アナザーシノビウォッチを埋められた神蔵蓮花はまたアナザーシノビへと変身した。

 

「未来の自分を信じて!!」

 

 私は向かってきたアナザーシノビにそう言いながら、腹部を何発か殴り、自分の数メートル先まで吹き飛ばす。そして、ライドウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを回して必殺技を発動させる。

 

【フィニッシュタイム!】

 

〈タイムブレーク!!〉

 

 必殺技を発動させると"キック"という文字がアナザーシノビの四方八方に集まる。そして私の進行方向に一直線に並ぶ。高く跳び上がっていた私は"キック"の文字を回収しながらアナザーシノビへ向かって急降下していく。

 

 必殺技が決まり、アナザーシノビの変身が解けた。ディメンションは再びアナザーシノビウォッチを体内から取り出そうとするが神蔵蓮花がディメンションの手を止めた。

 

「やめろ…!私の未来は私自身で切り開く!!」

 

「今は力がない自分だけど…未来の自分に賭ける!!」

 

 神蔵蓮花の言葉を聞いた白ウォズリンはニヤッとしながら本にシノビウォッチが生まれたと書く。本にそう書いた後、白ウォズリンがブランクウォッチをかざすと、シノビミライドウォッチが生まれた。

 

「お前の未来なんか知らない…!」

 

 ディメンションは神蔵蓮花の胸ぐらを掴みながらアナザーシノビウォッチを体内から取り出し、再び体内へ埋め込んだ。神蔵蓮花はアナザーシノビに変身してしまった。

 

「感謝するよ!魔王…」

 

 白ウォズリンはそう言いながら、ドライバーを取り出し、ドライバーを腰に巻いた後、ドライバーのライドウォッチ装填部分にウォズミライドウォッチを挿す。

 

『アクション!』

 

 ライドウォッチを挿した後、ドライバーのレバーを倒して変身完了する。

 

『投影!』

 

【フューチャータイム!】

 

《スゴイ!ジダイ!ミライ!キュア・ウォズ!ウォズ!》

 

 変身した白ウォズリンはジカンデスピアという武器のヤリモードでアナザーシノビを攻撃していく。私はアナザーシノビを守ろうとするがキュアウォズに邪魔をされ、攻撃できなかった。

 

「待っていたよ、この瞬間を…!」

 

 白ウォズリンはそう言いながら、ウォズミライドウォッチを外し、起動したシノビミライドウォッチをドライバーに装填する。そしてレバーを倒し、フォームチェンジする。

 

ピロピロピロリ…

 

シノビ!!

 

 

『アクション!』

 

『投影!』

 

【フューチャータイム!】

 

《誰じゃ?私じゃ?忍者!フューチャリングシノビ!シノビ!》

 

 フューチャリングシノビへとフォームチェンジした白ウォズリンはジカンデスピアをカマモードに変え、アナザーシノビを斬り裂いていく。そして本に"キュアウォズ フューチャリングシノビの前に崩れ去るアナザーシノビであった"と書き、レバーを起こし、再度倒して必殺技を発動させる。

 

【ビヨンド・ザ・タイム!】

 

《忍法!時間縛りの術!》

 

 ジカンデスピアでアナザーシノビを空中に持っていき、空中で縛り付けた後、ジカンデスピアにある鎌とジオウのライダーズクレストのボタンを触り、必殺技を発動させる。

 

『カマシスギ!』

 

【フィニッシュタイム!】

 

〈一撃カマーン!!〉

 

 白ウォズリンは三体に分身し、空中で縛られているアナザーシノビを斬り裂いていく。必殺技が決まり、アナザーシノビは爆発と共に消えていった。そしてアナザーウォッチは粉々に砕け散っていった。

 

「間違えないでほしいな魔王、私は君が今、戦う相手ではない」

 

 白ウォズリンはそう言いながらどこかへ去っていってしまった。私は解決したと見なし家に帰る事にした。帰路の途中に黒ウォズリンがいた。

 

「彼はきっと未来で正しい力を手に入れるよ!自分の意志で」

 

「だが、それはもう1人の私にとって都合の良い未来だ…我が魔王よ、私と君以外の皆がオーマクロックの歴史を変えようとしている。タイムジャッカー、ウォッチン、ルークもそしてもう1人の私も…そのことをお忘れなきよう」

 

 その頃、ルークとウォッチンは公園のベンチに座っていた。2人の元へ白ウォズリンがやって来た。

 

「やあ、我が救世主!」

 

「白ウォズリン…!?」

 

「この本によると2021年オーマの日…この日その時代には存在しないはずの三つのライドウォッチを収めし戦士がオーマクロックの野望を打ち砕き、新たな時代を創らん…とある。このシノビウォッチがその一つだろう…君に託そう。君がオーマクロックを倒すんだ!」

 

「断る!私はあなたを信用していない!私は私の力でオーマクロックを倒す!」

 

「ハッハッハ…君は私を信じる!ではまた…」

 

 白ウォズリンはそう言いながらシノビウォッチの力を使い、どこかへ去っていくのだった…




NEXT「ザ・クイズショック2042」

名前:神蔵 蓮花(かぐら れんか)

性格:力なき者を力の使い方を間違った者から守るためなら自らが傷付くことも厭わない、高潔で正義感の強い少女。

容姿:全体的にハートキャッチプリキュア!のキャラクターである志久ななみに似ている。

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