プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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 この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。前回、もう1人の私とルークと共に戦い、見事アナザーモンスターを撃破する。だが、黄醒 靉の力の怖さを知った仲間達はほぼ全員がルークの元へついていってしまう。そんな厳しい状況の中、残された仲間と黄醒 靉の前にアナザークロックが現れるのだった…


56.アナザークロック2021

 キュアモンスター関連の事件を解決した日の翌日の朝、私はいつもだったら賑やかである居間へ行く。居間には私について来てくれためいると打倒白ウォズに燃える御堂萌花、木場凌平の3人しかいなかった。

 

「黄醒靉、他の仲間達はどうしたんだ?」

 

「皆、私が魔王の能力の一つを使ってる事を怖がってルークの方に行っちゃった…」

 

「フン、まだ魔王になってもいないのに怖がっているとは…!ソイツら本当に伝説の戦士プリキュアなのか?」

 

 木場は私から仲間達がどこに行ったのか、そしてどうして行ってしまったのかを聞き、呆れた表情でソイツらは本当にプリキュアなのか?と言う。木場のこの言葉は一見ひどい言葉に見えるが実際、プリキュアには何事にも恐れない勇気というのが必要である為、あながち間違ってはいない。

 

「我が魔王、非常事態だ…」

 

「黒ウォズリン!?どうしたの?」

 

「倒したはずのアナザープリキュアがまた現れた」

 

「えっ…?」

 

 私は黒ウォズリンから前に私が倒したアナザープリキュアがまた現れたという情報を聞いた。私は早速、アナザープリキュアのいる現場へ向かった。

 

 現場に着くとそこにはアナザーエールがいた。アナザーエールは手からトゲパワワのような物を放出し、建物を壊していく。それを見た私はこれ以上被害を拡大させたくないと思い、ドライバーを腰に巻き変身用のライドウォッチをバックルの右側のスロットに挿し、バックルを一回転させて変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・クロック!!!〉

 

 私は右手にジュウモードのジカンギレードを持ち、何発か銃弾を放ちながらアナザーエールに向かっていく。アナザーエールは自分に向かってくる私を見て、私に向けて大量のトゲパワワを放つ。私は大量のトゲパワワを避けながらアナザーエールに銃撃していく。

 

 そして銃弾が何発か命中し、アナザーエールに隙が生まれた所でライドウォッチホルダーからエールライドウォッチを取り出し、バックルの左側のスロットに挿し、バックルを一回転させてフォームチェンジする。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・クロック!!!〉

 

【アーマータイム!】

 

《ハート、キラっと!》

 

〔エール!!!〕

 

 エールアーマーにフォームチェンジした私は手首からボンボンを取り出し、手に装着した状態でアナザーエールを殴っていく。そしてある程度攻撃した所で二つのライドウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを一回転させて必殺技を発動させる。

 

【フィニッシュタイム!】

 

【エール!!!】

 

〈ハート・フォー・タイムブレーク!〉

 

 必殺技を発動させた私は足に大量のアスパワワを纏いながらその場で高く跳び上がり、アナザーエールに向かって急降下していく。

 

 必殺技が決まり、アナザーエールは爆発と共に消えたが、爆発の煙の中からアナザーホイップが現れた。アナザーホイップは跳躍力を使い、どこかへ跳び去っていってしまった。

 

 その頃、ルーク達は時ノ眼町の宿の一室にいた。覇波瑠璃はジュウモードのリンクルスマホンX(テン)を片手にどこかへ向かおうとしていた。

 

「瑠璃、どこへ行く気だ?」

 

「2008年に起きた隕石事件を調べに行こうと思って…」

 

「隕石事件?」

 

「これを見て」

 

 覇波瑠璃はそういいながらルークの物であるパッドの画面にある新聞記事を映す。そこには時ノ眼町で隕石事件が起こったと書かれている。2人には家族がいたが生還者は黄醒 靉、際古 美月(さいこ みづき)の2人だけだった。しかも、2人共4歳だった。

 

「親を失ってるだと…!?って事は靉の今の親は…!」

 

「叔父、叔母もしくは養親だと思う」

 

 ルークは私の本当の親が隕石事件で他界し、いないことを知って驚く。覇波瑠璃は私のタイムマジーンを使い、2008年へと向かっていった。

 

 ルークは覇波瑠璃を見送った後、テレビをつける。そこには私と倒したはずのアナザーハッピーが映っていた。ルークはドライバーを腰に巻いた状態でアナザーハッピーのいる場所へと向かっていく。

 

 アナザーハッピーのいる場所に着いたルークは変身用のライドウォッチをバックルの右側のスロットに挿し、バックルを一回転させて変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・ラウム!!!〉

 

 ルークは変身後、アナザーハッピーに素手で向かっていく。アナザーハッピーはアンラッキーな事を起こす力でルークに様々な障害をぶつけて来た。ルークはなんとか耐えながらもアナザーハッピーに近づいていく。ルークの元に駆けつけて来た私はルークとアナザーハッピーの戦いを見ていた。

 

「靉、ハッピーライドウォッチを貸せ!」

 

「でも、このアナザープリキュアは…」

 

「いいから早く!」

 

 私はルークにこのアナザープリキュアが今までのアナザープリキュアとは違うという事を言えないままハッピーライドウォッチをルークに渡した。

 

 私からハッピーライドウォッチを受け取ったルークはハッピーライドウォッチをバックルの左側のスロットに挿し、バックルを一回転させてフォームチェンジする。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・ラウム!!!〉

 

【アーマータイム!】

 

《スマイルチャージ!》

 

〔ハッピー!!!〕

 

 ハッピーアーマーにフォームチェンジしたルークは早速、二つのライドウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを一回転させて必殺技を発動させる。

 

【フィニッシュタイム!】

 

【ハッピー!!!】

 

〈ハッピーシャワー・タイムバースト!〉

 

 ルークはピンク色のハッピーなオーラを足に纏った後、その場に跳び上がりアナザーハッピーに向かって急降下していく。

 

 アナザーハッピーは爆発と共に消えたが、またさっきと同じ様に爆発の煙の中から別のアナザープリキュアが現れた。今度はアナザーブロッサムのようだ。

 

「何だと!?」

 

「やっぱり…」

 

 と、ルークが驚いているとどこからか変身した状態の白ウォズリンがやってきた。

 

「君は何者なんだ?」

 

「私はもう1人のキュアクロックの際古 美月。黄醒 靉、お前は私が倒す!」

 

 白ウォズリンが何者なのかを聞くとアナザーブロッサムは変身を解き、名を名乗った。際古 美月は名を名乗った後、どこかへ歩いていってしまった。それと共にルークと白ウォズリンもどこかへ去っていってしまった。

 

 その後、ルークは白ウォズリンにある映像を見せられる。そこには2008年にタイムトラベルした覇波瑠璃が映っていた。覇波瑠璃はリンクルスマホンX(テン)の銃口を画面外の誰かに向けながら一言こう言う。

 

「靉ちゃん!!」

 

 それと共に隕石が覇波瑠璃の近くに落下した。映像は落下した瞬間に途切れてしまった。

 

「我が救世主、覇波瑠璃は自らの命を犠牲に魔王を消そうとした…何故だがわかるか?君が魔王を倒すのを躊躇っていたからだ!」

 

「私が…躊躇っていた…?」

 

「そう、躊躇ったせいで仲間を失った…だから、躊躇わずに覚悟を決めて魔王を倒すんだ」

 

「…分かった」

 

「フフッ、それでいい」

 

 ルークは覇波瑠璃が死んでしまった事を白ウォズリンから聞いて、ボーっとすると共に私を倒す事を決意する。私とルークのアナザークロックを巻き込んだ本格的な戦いが始まりかけているのだった…




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