プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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 この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。前回、ルークはもう1人の私に真偽の分からない隕石事件の映像見せられ、自分の決断の遅さのせいで仲間を失ったという大きな責任感からラウムリバイブなり、黄醒靉を倒す事を決意するのだった…


57.ラウムリバイブ2021

 私はアナザークロックのいた場所に過去にアナザーミラクルにされていた真中由美がいた。真中由美は倒れていたもののまだアナザーミラクルの力をアナザークロックに奪われていないようだ。

 

「大丈夫?怪我はない?」

 

「あなたは…?」

 

「私のこと覚えてないの?」

 

 真中由美は今、初めて会ったかのような顔で私を見ていた。不思議に思った私は黒ウォズリンを呼び出し、なぜ私の事を覚えていないのかを聞く。

 

「黒ウォズリン、真中由美は何で私の事を覚えてないの?」

 

「それは君が過去へ行き、アナザーミラクルを倒して真中由美が現代に至るまでアナザープリキュアになっていたという歴史を変えたからさ」

 

「そうなんだ…」

 

 私は黒ウォズリンからそう聞いた後、真中由美をアナザークロックから守る為、再び真中由美に近づいていく。

 

「真中由美、あなたの事は私が守るから安心して!」

 

「えっ…あっ、はい」

 

 真中由美は今の状況を飲み込めておらず微妙な返事をするが、私が守ると言ったのでそれに従い、私と共に行動する事になった。

 

 そして安全であろう私の家に向かっている途中、私達の前に際古 美月が現れた。際古美月はアナザークロックウォッチを起動させてアナザークロックへと変身する。

 

「真中由美、逃げて!」

 

「えっ、でも…」

 

「はやく!!」

 

 私は真中由美を逃がし、腰にドライバーを巻き、クロックIIライドウォッチを両スロットに挿し、バックルを一回転させて変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア!キュア!クロック・クロック・クロックII!!〉

 

 変身した私はジカンギレードとサイキョーギレードの二刀流でアナザークロックに向かっていく。

 

 アナザークロックは両手の掌の上に黒い気弾のような物を生成し、私に向けて何発も投げつける。私はジカンギレードとサイキョーギレードで黒い気弾を切り裂きながらアナザークロックに近づいていく。そしてジカンギレード、サイキョーギレードという順でアナザークロックを斜めに何回も斬りつけた後、二つの剣の先でアナザークロックを突いて吹っ飛ばす。

 

 突き飛ばした後、クロックIIの予知能力が発動し、アナザークロックのこれからの行動を先読みする。私はサイキョーギレードについている巨大なリボンのパーツを切り替え、"プリ"キ"ュア"という文字を"クロックサイ"キ"ョウ"という文字へと変化させてから巨大なリボンのパーツをジカンギレードのライドウォッチ装填部へ装填し、サイキョーギレードとジカンギレードを合体させて必殺技を発動させる。

 

サイキョー!

 

【フィニッシュタイム!】

 

《クイーンギリギリスラッシュ!!》

 

 "クロックサイキョウ"という文字が付いている巨大な光の刃がアナザークロックへ振り下ろされていく。だがその時、アナザークロックも必殺技を発動させ、私の必殺技に対抗してきた。

 

 私とアナザークロックの必殺技はぶつかり合い、押す事も押される事もなく結果は引き分けだった。

 

「一旦、ここは引いてやる…次会った時が最後だ。黄醒靉」

 

「まて!」

 

 と、アナザークロックが私にそう言ってこの場を去ろうとしたその時、ルークがアナザークロックを思い切り殴る。

 

「ぐっ…お前は?」

 

「キュアクロックを倒す者だ」

 

「キュアクロックは私が倒す!邪魔をするなら容赦はしないぞ!」

 

「本気で来い。私はこの力で未来を掴む」

 

 ルークはそう言いながら腰にドライバーを巻き、バックルの右側のスロットに変身用のライドウォッチを挿した後、砂時計型のライドウォッチを取り出し、起動する。

 

ピロリッ!

 

ラウムリバイブ 剛烈!

 

 そしてバックルの左側のスロットに砂時計型のライドウォッチを挿し、バックルを一回転させて変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

《キュア・ラウム!!!》

 

〔リ・バ・イ・ブ 剛烈! 剛烈!!〕

 

 ルークがキュアラウムリバイブ 剛烈へと変身した瞬間、どこからか白ウォズリンが現れ、黒ウォズリンと同じ様に祝い出した。

 

「祝え!巨悪を駆逐し、新たな未来へ我らを導くイル・サルヴァトーレ。その名もキュアラウムリバイブ。真の救世主がこの地に降り立った瞬間である!」

 

 白ウォズリンの祝いが終わると、ルークはラウムリバイブの武器であるジカンジャックローを取り出し、のこモードでアナザークロックを殴っていく。ラウムリバイブに殴られたアナザークロックは吹っ飛んでいき、倒れ込んだ。ルークは倒れ込んだアナザークロックにトドメを刺そうとしたが、その瞬間、時間が止まった。

 

「今日はここまでだ、いくぞ」

 

「……」

 

 玄野影兎は時間を止めている間にアナザークロックを逃す。そして私とルーク2人きりになった所で再び時間を進める。

 

「ルーク、何かあったの?」

 

「余計な話はいらない…私はあなたを倒す」

 

「やるしかないんだね…分かった」

 

 私はルークとの対決をできればしたくなかったがルークが私を倒す気できているので戦う事にした。

 

「いくぞ!ルーク!!」

 

 私の一言と共に私とルークの本気の戦いが始まるのだった。




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