プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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 この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。前回、ルークはラウムリバイブライドウォッチを使い、覚醒した。だが、ラウムリバイブライドウォッチにはある秘密があるのだった…


58.オール・ビギニング2008

 私はルークと戦い始めた。剛烈のラウムリバイブのアーマーは硬く、私の蹴りや殴りをを受けてもビクともしない。

 

「硬い…!」

 

「行くよ、靉!!」

 

 ルークはそう言いながらのこモードのジカンジャックローで私を何回も殴る。私は少し吹っ飛ばされ、地面を転がっていく。ここで私の予知能力が働き、ルークの未来が見えた。

 

「ルークの未来が見える!」

 

 私は予知した通りに動き、ケンモードのジカンギレードでルークにダメージを与えていく。そしてサイキョーギレードで追い討ちを与えようとしたその時、ラウムリバイブ 疾風にフォームチェンジしたルークが私の背後に素早く回り込み、つめモードのジカンジャックローで何度も何度も斬り裂いていく。

 

「これがあなたの予知を上回る疾風の力…!」

 

「ぐっ…」

 

 私はその後も必死にルークを攻撃していくが、ラウムリバイブ 疾風の速さには追いつけず、逆に攻撃をくらっている。私は窮地に追い込まれていた。だが、次の瞬間、誰かが私の前に現れた。

 

「靉ちゃんは…倒させないよ!」

 

 私の前に現れたのはキュアイマジナーこと夢空めいるだった。めいるはラウムリバイブに向かっていく。だが、クロックIIでも敵わなかったラウムリバイブ 疾風に攻撃をする事は出来なかった。だが、相手が私ではなくめいるの為、ルークは少し攻撃するのを躊躇してるように見える。

 

 一方その頃、私がラウムリバイブに倒されるのを防ごうとしている黒ウォズリンは白ウォズリンの仮面ライダーの力を奪うためにタイムジャッカーのディメンションに自分に協力するよう頼み込んでいた。

 

「黒ウォズリン…?何しに来たんだ?」

 

「私は我が魔王とルークの戦いを防ぐために(白ウォズリン)が持つ力が欲しいんだ」

 

「協力すれば歴史はオーマクロックへと進んでいく…却下だ!」

 

「…玄野影兎の思惑通りにはいかなくなる…これならどうだい?前、使われた分やり返さないかい?」

 

「くっ…分かったよ。協力してやるよ」

 

 黒ウォズリンと手を組んだディメンションは早速、際古 美月の元へ行き、アナザーミラクルとアナザーハートウォッチを渡す。

 

「君、もっと強くなりたくないかい?」

 

「あぁ、強くなりたい!」

 

「なら、キュアウォズとかいうのの力を奪うといい…」

 

 ディメンションはそう言いながら際古 美月にブランクウォッチを渡す。ブランクウォッチを受け取った際古 美月は一般人をアナザーミラクルとアナザーハートにした後、白ウォズリンの元へと向かっていった。

 

「グワワワァ!!」

 

 アナザーミラクルとアナザーハートは白ウォズリンに襲いかかっていく。アナザーミラクルとアナザーハートに気づいた白ウォズリンはドライバーを取り出し、ドライバーを腰に巻いた後、ドライバーのライドウォッチ装填部分にウォズミライドウォッチを挿す。

 

『アクション!』

 

 ライドウォッチを挿した後、ドライバーのレバーを倒して変身完了する。

 

『投影!』

 

【フューチャータイム!】

 

《スゴイ!ジダイ!ミライ!キュア・ウォズ!ウォズ!》

 

 変身した白ウォズリンは鎌モードのジカンデスピアでアナザーミラクルとアナザーハートを攻撃していく。アナザーミラクルとアナザーハートが囮になっている間に際古 美月はブランクウォッチを白ウォズリンに近づけて力を奪う。

 

「お前の力は私が貰った!」

 

「くっ…だが、このノートに書けば問題はない」

 

 白ウォズリンはそう言いながらノートに"奪われた力、ウォズリンの元へ戻ってくる"と書く。すると、ウォズミライドウォッチは再びブランクウォッチになり、白ウォズリンの元へ戻っていく。だがその時、白ウォズリンの前に黒ウォズリンが入り、ウォズの力を奪った。

 

「お前は…!?」

 

「フフッ…ウォズリンが1人だと思うなよ」

 

「ぐっ…」

 

白ウォズリンは悔しそうな顔をしながらこの場を去っていった。力を手にした黒ウォズリンは私の元へ向かっていった。

 

 その頃、めいるはラウムリバイブに必殺技を決められそうになっていた。だが、必殺技を放とうとするルークの様子がおかしい。

 

「ぐっ…ここまでか」

 

 ラウムリバイブの強力な力と引き換えに体力を削られていたルークは変身を解き、去ろうとしていた。

 

「靉、明日の午前10時、時ノ眼時計台で待ってる…必ず来いよ」

 

「…分かった」

 

 こうして私とルークは改めて明日の午前10時、時ノ眼時計台で決着をつける事となった。私は傷ついためいるを抱えて家に帰るのだった…

 

 

 その頃、覇波瑠璃はアマルティアプリキュアが世界を破壊しているのを見て呆然としていた。近くには隕石事件に巻き込まれたはずの幼い私と子供達がいた。

 

「白ウォズリンと玄野影兎…いや、パラックスがここまでの事件を起こしたんだ…」

 

「門矢零!?」

 

「まぁまぁ、驚くなって。わざわざ次元の壁を使って助けてやったんだ、今は敵ではないと思ってくれ」

 

「……で、これは何なの?」

 

「この事件こそが未来人どもが知りたかったであろう魔王への道の始まりだ。いや、"全ての始まり"と言った方がいいかな」

 

「全ての…始まり…?」

 

 門矢零からこの事件は魔王への道の始まり(全ての始まり)を意味していると言われた覇波瑠璃は先程の様に呆然としながら崩れていく世界を逃げ回る幼い私たちを見ているのだった…




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