62.2011:ミュージカル・パラダイス!
朝、私が目を覚ますと部屋には何かを右手に持ちながら笑顔を浮かべているめいるがいた。
「めいる?右手に持ってるのは何?」
「これはね、音楽の町・加音町で開催されるコンサートのチケット!5枚あるから靉ちゃんも行く?」
「行く!」
私は黒ウォズリン、ルーク、ウォッチンを誘い、めいると共に加音町へと向かっていった。
加音町....
加音町にやって来た私達はコンサートを観賞する為に音楽ホールへと入っていく。開演まではまだ少し時間があるがホール内にはたくさんの観客がいた。私達は自分達の席に座り、開演を待つ。
そして数十分後、コンサートが開演する。だが、現れたのは4人の女性だった。4人の女性は手に持っているウォッチを起動させ、アナザープリキュアへと変身していく。アナザープリキュア達は不協和音を奏でる。すると、私達以外の観客達は次々に重度の鬱状態になったかのようになり、その場に座り込む。
それを見た私達は元凶であるアナザープリキュアを倒そうと変身しようとしたが、私達の前に変身状態の4人のプリキュアが現れ、アナザープリキュアに向かっていく。
「奏、エレン、アコ!久しぶりで劣ってないよね?」
「劣ってないわ!」
「決める!チェンジ、ソウルロッド!!」
青基調とした色の服を着ているプリキュアはフェアリートーンを武器に装填した後、武器のモードチェンジをする。
「駆け巡れ!トーンのリング!プリキュア・ハートフルビートロック!!」
青いプリキュアが描いたトーンのリングはアナザープリキュア4体を巻きこむ。アナザープリキュア4体はトーンのリングに縛られて身動きが取れずにいた。
「三拍子!1・2・3!フィナーレ!!」
青いプリキュアがそう言うと共にアナザープリキュア4体は爆散し、中からアナザープリキュアにされた人々が出てきた。
「大丈夫ですか!?」
私がアナザープリキュアにされていた人々に近づこうとしたその時、急に時間が止まり、玄野影兎が現れた。
「コイツらを倒されるわけにはいかない…」
玄野影兎はそう言いながら時間が止まっている間にアナザープリキュアにされていた人々と共にどこかへ去って行ってしまった。
変身を解いたプリキュア達は私達の元に近づいてきた。明るめの茶髪でツーサイドアップの髪型をした女性が話しかけてきた。
「あなた達、大丈夫?」
「だ、大丈夫だけど…あなた達は?」
「私は北条響!そして後ろにいる3人は左から南野奏、黒川エレン、調辺アコ!」
「って事はアンタ達スイートプリキュアだな?」
私は突然現れたプリキュアが何のプリキュアかよく分からなかったが変身前の名前を聞いたルークは4人が何のプリキュアか分かったようで名前を教えてもらってから間髪置かずにプリキュア名を当てた。
「そう…だけど、変身前の名前だけでなんで分かったの?」
「まぁ、プリキュアに関しては色々詳しくてね…」
「あっ、そうだ!あなた達も一緒に奏の家に行かない?奏の家はカップケーキのお店なんだよ!」
「行く!!」
私は"カップケーキ"という単語に釣られて南野奏の家へ向かう事にした。南野奏の家に着き、中へ入ると正面にあるショーケースにはカップケーキが沢山入っていた。
「皆、召し上がれ!」
南野奏はカップケーキを皆の元に運んだ後、一言、皆へ向けてそう言った。私はカップケーキを食べている途中に壁に飾られていた写真を見る。写真には南野奏と玄野影兎が写っていた。
「あの〜これって…」
「あぁ、影兎さんね。一年前からいないのよ…」
「どういう事?」
「なんか突然、はぐくみ市に行くって私に言って出てっちゃったのよ」
「なるほど…」
と、私と南野奏が話しているとある人物がカップケーキのお店の中へと入ってきた。それを見た私達と北条響達4人は驚くのだった…
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