プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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 この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。今回、黄醒靉は初代プリキュアの元へ訪れるのだった…


Max Heart編
71.2004:はじまりのばしょ


 ある日の朝、私が起きて一階へ向かうとお父さんがアルバムを見ていた。

 

「アルバムなんか見てどうしたの?」

 

「いや〜お前ももうすぐ誕生日で15歳になるでしょ?だから、見てるんだお前の成長の記録を」

 

「もうすぐ15歳…か。ねぇ、私が生まれる前って何か大きい出来事あった?」

 

「お前が生まれる1、2年前の2004年と2005年は大きな出来事あったぞ!」

 

「えっ、知りたい!教えてよ!」

 

「いいぞ。実はな2004年にはプリキュアと呼ばれる2人の戦士がいたんだ!確か名前は…キュアブラックとキュアホワイト!そして2005年からは1人仲間が増えた!その名もシャイニールミナス!」

 

 お父さんは私が生まれる前にプリキュアがいた事を教えてくれた。私はお父さんから聞いた3人の戦士が気になり、3人の戦士の事をウォズリンに聞きにいく。

 

「ウォズリン、キュアブラック、キュアホワイト、シャイニールミナスって分かる?」

 

「あぁ、我が魔王。2004年〜2005年にかけて活躍したふたりはプリキュア Max Heartの戦士だ。まぁ、Max Heartの名が足されたのは2005年だが」

 

「そうなんだ!で、3人は今、どこにいるの?」

 

「シャイニールミナスなら分かるよ」

 

「なら、連れてってよ!」

 

「では、行こう我が魔王」

 

 私はウォズリンと共にシャイニールミナスだった人物がいる場所へ向かった。

 

 向かう事約30分、私とウォズリンはTAKO CAFEというワゴンのたこ焼き屋台の前に着いた。

 

「本当にここにシャイニールミナスだった人が?」

 

「あぁ、いるさ」

 

 私はまだここにシャイニールミナスだった人がいるかどうか分からずにいたが、ウォズリンはプリキュアの歴史を知っている為、シャイニールミナスだった人がここにいる事を確信している。

 

「いらっしゃいませ!」

 

「あ、あのいきなりで悪いんだけどあなたシャイニールミナスでしょ?」

 

「…!!何で知ってるの?」

 

「いや、隣にいるこの人が言ってたから…」

 

 私はそう言いながらウォズリンを指さす。私に指さされたウォズリンはシャイニールミナスだった人に対して深くお辞儀する。

 

「私は黄醒 靉!隣はウォズリン!…あなたの名前は?」

 

「私は九条ひかり!ここで働いてるの!」

 

「そうなんだ!ってあれ?今日は1人なの?」

 

「うん…アカネさんが来なくてね…」

 

「アカネさんから連絡とかは?」

 

「ないの…」

 

「なら、アカネさんの家に行くしかないね」

 

 私がそう言いながら九条ひかりを連れて藤田アカネの家へ向かおうとしたその時、誰かが遠方からやって来た。

 

「アカネさん!連絡よこさないから心配したんですよ!」

 

「奪う…」

 

 と、九条ひかりが藤田アカネに近づくと、藤田アカネは九条ひかりを突き飛ばし、地に転がる九条ひかりを睨みつけていた。

 

「えっ?アカネ…さん?」

 

「あなたの力を奪って私が本物になる!!!」

 

 藤田アカネはそう言いながら手に持っていたアナザーウォッチを起動させてアナザーシャイニールミナスに変身する。

 

「ここは私に任せて!」

 

私は九条ひかりにそう言ってから腰にドライバーを巻き、変身用のライドウォッチとレモネードライドウォッチをバックルのスロットに挿し、バックルを一回転させて変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・クロック!!!〉

 

【アーマータイム!】

 

《メタモルフォーゼ!》

 

〔レモネード!!!〕

 

 レモネードアーマーに変身した私は黄色い鎖を両手から生成してアナザーシャイニールミナスを叩いていく。

 

「グッ…ナゼジャマヲスル?」

 

「あなた達みたいな怪物から世界を守る為だよ!」

 

「グォォ!!」

 

 アナザーシャイニールミナスは大声を上げながら再び私に襲いかかってくる。私とアナザーシャイニールミナスが戦っていると、近辺から誰かと誰かが戦っているような音が聞こえてきた。

 

「コイツらしつこすぎる!!しかも、私達に似てるし…」

 

「容姿が似てるから気をつけなきゃ!油断しないでね、ブラック!」

 

「わかった!」

 

 どうやら、2人の戦士がアナザープリキュア二体と戦っているようだ。私は隙を見て2人の戦士に声をかける。

 

「あなた達は?」

 

「私はキュアブラック!隣はキュアホワイト!なぜか分からないけど2日前からこの怪物に追われてるの」

 

「そっか。早く戦いを終わらせてもう少し詳しい話聞きたいから私が決めちゃうね!」

 

 私は2人にそう言い、2つのライドウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを一回転させて必殺技を発動させる。

 

【フィニッシュタイム!】

 

【レモネード!!!】

 

〈レモネードフラッシュ・タイムブレーク!〉

 

 私は黄色い蝶を多く生成し、アナザープリキュア三体に当ててその場で跳び上がり、アナザープリキュア三体に向けて急降下していく。

 

 必殺技を受けたアナザープリキュア三体は爆発と共に消え去っていった。私は変身を解いて2人の元へ向かう。

 

「ねぇ、突然で悪いんだけどキュアブラックとキュアホワイトの名前って何?」

 

「私は美墨なぎさ!キュアブラックだよ!」

 

「私は雪城ほのか!キュアホワイトよ!」

 

 私は2人から名前を聞いた後、九条ひかりの元へ行き、今、どんな事が起きているのかを話し合う。

 

「今、何がおきてるの?」

 

「分からない…だけどさっき、アナザーシャイニールミナスが"力を奪って本物になる"とか言ってた」

 

「もしかして、私達から力を奪って自分たちがプリキュアになろうとしてるのかな?だとしたらアナザープリキュアにされている人に心当たりがあるわ」

 

 私が先程、戦っている途中にアナザーシャイニールミナスが言っていた言葉を2人に伝えると、雪城ほのかはアナザープリキュアにされている人物が分かったのか2人の名を上げる。

 

「越野 夏子と森 京子。2人はプリキュアに対して強い憧れを抱いていてコスプレまでするほどだから…」

 

「なるほど…これでアナザープリキュア三体の正体は大体わかった」

 

「あ、あとこれ!服のポケットに入ってたんだ」

 

 と、美墨なぎさはポケットの中からブランクウォッチを取り出す。それを見た雪城ほのかも美墨なぎさと同じようにポケットの中からブランクウォッチを取り出した。

 

「ブランクウォッチ!!」

 

「やっぱりあなたの物か…でも、まだ不完全だから完全な物になったらあなたに渡すわ!」

 

と、美墨なぎさはウォッチがまだ不完全であるというのを分かっていた。そしてウォッチが完全な物になったら私にくれると言うのだった…




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