家に帰った私は皆に今、町で起こっている事と門矢 零から言われた事を言う。
「ん?どうしたの?そんな深刻そうな顔して…」
「皆、よく聞いて…門矢 零から聞いた事なんだけどどうやら、本来の歴史ではプリキュアにはならない=別の世界線から来たであろう皆は時空の歪みの元らしいんだ…だから、皆を元の世界に帰そうと思う…」
靉は途中、悲しさからか言葉を詰まらせながら皆に元の世界に帰すと伝える。話を聞いた皆は驚きの表情を浮かべていた。
「私達が…元の世界へ帰る…?元の年月に帰るなら分かるけど元の世界にどうやって帰るの!?」
「分からない…」
「だったらまだ帰らなくてもいいのでは…?」
「私だってそう思ってる!だけど、門矢 零が…」
と、皆と私が元の世界への帰り方について話していると、私達の前に門矢 零が姿を現した。
「いや、お前らは私が連れて帰る」
「門矢 零…!」
「元々、ここは私の世界ではない。つまり、私もお前らと同じ別世界の人間、この世界にいてはならない存在だ」
門矢 零は唐突に自分はここの世界の人間ではなく、別世界の人間だと言う。
「じゃ、じゃあ、俺たちはどうやってこの世界に来たんだよ!」
千丈は突然、別世界やら自分達が元の世界に帰るやら短時間では理解できないような話をされて焦りながらも門矢 零に自分達がどうやってこの世界に来たかを問う。
「それは簡単だ、別世界の人間がここに連れてきた」
「どういうこと?」
「ここにいる私はお前ら以外にも別世界の人間はいる。そいつらがお前らをここへ送り込んだのさ。この世界に歪みを作ってその歪みを利用する為にね」
「俺たちは俺たちを利用した奴の計画の為に動かされた駒…か」
「そうだ。分かったらならとっとと元の世界へ帰るぞ」
「俺たちは靉が正しい方へ進んで世界を平和へ導いていく様を見届けたい!」
「…ったく、いい仲間を持ったな、魔王」
門矢 零は私にそう言い、私の家から出ていった。だが、門矢 零が私の家から出てすぐに外で誰かと誰かが戦っているような音が聞こえてきた。
私がそとへ出てみるとそこにはオリジナルアナザープリキュア達と戦うキュアゼロがいた。
「魔王、手を貸せ!」
「分かった!」
門矢 零から手を貸すよう頼まれた私は腰にドライバーを巻き、私は変身用ウォッチとグランドクロックウォッチを両スロットに、ルークは変身用のライドウォッチをバックルの右側のスロットに挿し、バックルを一回転させて変身する。
【プリキュアタイム!】
〈キュア・クロック!!!〉
【グランドタイム!】
〈Max Heart!S☆S!5!フレッシュ!ハートキャッチ!スイート!スマイル!ドキドキ!ハピネスチャージ!Go!プリンセス!魔法つかい!アラモード!HUGっと!スター☆トゥインクル!祝え!グランドキュア・クロック!!〉
私は変身後、キュアホイップとキュアスカーレット、キュアアクアを召喚する。
「ホイップ、スカーレット、アクア!一緒に戦って!!」
と、私が声をかけるのと共に3人のプリキュアは門矢 零に加勢してオリジナルアナザープリキュア達を攻撃していく。私と門矢 零が戦っていると、遅起きをしたウォッチンとルークが外に出てきた。それを見たアナザーマルスは標的を門矢 零からウォッチンに変え、ウォッチンに攻撃を仕掛ける。
「ウォッチン、避けて!!」
「…!!」
ウォッチンは突然、自分に襲いかかってきたアナザーマルスに驚きながらアナザーマルスに向けて手をかざすとアナザーマルスの時が止まり、アナザーマルスが動けなくなった。
「またこの力が…!この力は一体…?」
と、ウォッチンがまた発動した自分の力に驚いていると玄野 影兎がウォッチンの前にやって来る。
「知りたいなら俺が教えてやろう…」
玄野 影兎はそう言いながら自分の能力を使ってウォッチンをどこかへ拐っていくのだった。
「ウォッチン!!」
ウォッチンが拐われた所を見ていた私はオリジナルアナザープリキュア達との戦いを早く終わらせてウォッチンを助けに行かないと!と思っていた。
ルークはウォッチンの能力によって止まったままでいるオリジナルアナザープリキュアを見て倒すチャンスだと思い、素早くキュアラウムに変身してライドウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを一回転させて必殺技を発動させる。
【フィニッシュタイム!】
〈タイムバースト!〉
ルークは跳び上がらずその場から強烈なオーラを纏った右足でアナザーマルスを蹴る。アナザーマルスは爆発と共に消えていった。
それと同時期に私と門矢 零も必殺技を打つか前に入っていた。私は
二つのウォッチの天面のスイッチを押し、バックルを一回転し、必殺技を発動させる。
【フィニッシュタイム!】
《オールスターズ・タイムブレーク!!》
「プリキュア・ゼロディメンショナル!」
「ホイップ・デコレーション!!」
「プリキュア・スカーレットフレイム!!」
「プリキュア・アクア・ストリーム!!」
私が必殺技を発動した後、プリキュア達はオリジナルアナザープリキュア達に対して一斉に必殺技を放った。必殺技を受けたオリジナルアナザープリキュア達は爆発と共に消え去っていった。
「ウォッチンを助けに行かないと!」
「いや、ちょっと待て。今回、助けに行く必要は無さそうだ」
「何で!?仲間なんだよ?」
「アイツが自分自身の事を知れるいい機会だからな」
「自分自身の事…?」
どうやら、ウォッチンにはまだ何か隠されている事があるらしい。私はウォッチンに出会ってから今に至るまでウォッチンの人間の姿を見た事が無かったので隠されているのは人間としての姿だと思うのだった…
謎の屋敷の大広間.....
「ウォッチン、君の力は何なんだと思う?」
「そんな事聞かれても…」
「この力は我が一族にしか使えない力。つまり、俺とお前は兄妹って事だ」
「えっ…?」
「俺とお前はこの世界の人間ではない。それにお前の本当の名もウォッチンではなくアルティアだ」
「別世界の人間?アルティア…?訳が分からない」
「今は分からなくていいのだ。いずれ、分かる時がくる」
玄野 影兎は今まで明かされなかったウォッチンについての事を多く語った。語った後、ウォッチンに手をかざした。
「何をするつもりなの!?」
「お前の力を貰うのさ…」
「やめて!!」
「力がなくなればお前も人間の姿に戻れるぞ」
「えっ…」
と、人間の姿に戻れると聞いて気が緩み、ウォッチンに隙が出来た所で玄野 影兎はウォッチンの力を奪う。
「うわぁぁ!!!」
「漲るぞ…!力がみなぎるぞぉぉ!!!」
ウォッチンから力を奪い終えた玄野 影兎はワープホールを作り、倒れているウォッチンを掴んでワープホールの中へと投げ込んだ。
「フフッ…アルティアよ、協力感謝するぞ…」
玄野 影兎は不気味な笑みを浮かべながら小声でフフッと呟き続けるのだった…
to be continued.........
NEXT「2021:アヴィパトロール・ルールー」