門矢 零にウォッチンを助けに行く必要がないと言われた私とルークはウォッチンの無事を祈りながら家へと帰っていく。
家に帰ると、ルーク、ウォズリン、ウォッチンを除いた私の仲間達全員が鎖でキツく縛られていた。
「皆!?どうしたの?」
「あの人がいきなり私達を縛ってきたの!!」
御堂萌花はそう言いながら自分達を縛ってきた人物の方へ顔を向ける。御堂萌花が顔を向けた方にいたのはHuGっと!プリキュアのルールー・アムールだった。
「ルールー・アムール!?何故、ここに?」
「私はこの方と同じ別世界の人間…この世界のえみるから習ったギターを弾きながらこうやって別世界に私達の世界の人たちが紛れ込んでいないかパトロールしているんです」
「そのまま連れて帰る気なの!?」
「勿論。別世界の人間がこの世界にいると、あなたが最低最悪の魔王になり、最凶の怪物・フュージョンも確実に誕生してしまいます」
「えっ…?私的にはルーク達がいたからこそ最高最善のルートをたどれていたと思うんだけど…」
「とにかく、まずはこの方達を…」
と、ルールー・アムールが私の仲間達を自分のタイムマジーンに乗せようとしたその時、外から激しい音がした。
「外から建物が破壊される音が…!」
「私達の敵の確率、100% 一般人の安全を確保する為、直ちに現場へ向かいましょう!」
「行こう!ルークは皆とここで待ってて!」
私はルークに仲間達の事を頼み門矢 零、ルールー・アムールと共に音のした方向に向かっていく。すると、そこには倒したはずのオリジナルアナザープリキュア達がいた。
「またオリジナルアナザープリキュア達が…!」
「どうやら、オリジナルアナザーには元となったプリキュアの力を使わなければいけないらしいな…」
「それって…皆から力を受け継ぐって事?」
「あぁ、そうだ」
「本来は存在しないはずのプリキュアから力を受け継いで何のメリットがあるの?皆を元の世界に返してしまえばウォッチも消える…ただ力を奪うだけになってしまうのでは?」
「力を奪うからこそいいんだ。力を奪えばアイツらは正常な歴史通りの普通の人間へと戻る。そうすれば別世界に返す必要もなくなる」
「なら、力を貰うしか…」
「そうと決まれば仲間達に力を貰って来い!お前が帰ってくるまでオリジナルアナザー達は私とルールーで止めておく!だから心配するなよ!」
「わかった、ありがとう!」
私は2人にオリジナルアナザープリキュアの相手を頼み、再び自分の家の中へ入っていく。
「靉!?どうしたんだ?」
「皆、私に力を貸して!そうしなければ怪物は消えないの!」
「靉、何を言ってるの!?皆から力を奪えば皆が戦えなくなるでしょ!」
ルークは皆から力を継承する事に反対しているが、皆はフフフッとまるでこの時を待っていたと言わんばかりの様子で靉の近くに歩み寄っていく。
「力を渡す事になるってのは前々から分かってたよ!」
「皆…!」
「これで別れを避けられるなら力を失ったって構わない!私達は力より友達の方が大切だから!」
「ありがとう!」
皆は自分の力が込められたウォッチを靉に差し出す。そして私は一人一人丁寧にウォッチを受け取っていく。
「じゃあ、行ってくる!」
「頼んだよ、靉ちゃん!」
ウォッチを受け取った私は再び外に出る。すると外には驚きの光景が広がっていた。
「ぐっ…離せ!」
「門矢 零!!」
なんと外にはキュアゼロの胸ぐらを掴み、ブランクウォッチをキュアゼロの胸元にかざす玄野影兎がいた。
「キュアゼロ…お前の力さえあれば俺はキュアクロックを越えることができる…!」
玄野影兎はそう言いながら、ブランクウォッチにキュアゼロの力を入れていく。
「ハッハッハ…!ついに完成するぞ…!!最強の力が!」
ブランクウォッチはアナザーゼロウォッチに変わっていく。力を奪われた門矢 零はその場に倒れてしまう。
「さぁ、いくぞ。魔王よ」
アナザーゼロ…
アナザーウォッチを起動すると共に玄野影兎の身体がアナザーゼロに変わっていく。
「強敵の確率100%!ここは一旦、退きましょう!」
「逃がすか!」
アナザーゼロはそう言いながらバッドエンドプリキュアを召喚する。
「まだここにも私の幸せを邪魔する人たちがいたんだね…」
「バッドエンドプリキュア…!」
「とっとと不幸になって絶望しちゃいなよ…私だけが幸せになれる世界を作らせてよ」
バッドエンドプリキュアをまとめるバッドエンドハッピーはそう言いながらオリジナルアナザープリキュアと共に私とルールーの元に向かってくるのだった…
to be continued.......