プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。今回、黄醒 靉はルールーとこの私、ウォズリンと共にアナザーゼロの元へ向かうのだった…


79.2021:サヨナラ、ともよ

 私はルールーと共にルークの元へ向かっていた。ルークのいる方からは激しく戦うような音が聞こえる。

 

「早く行かなきゃ!」

 

「あれ、あと2人はどうしたのですか?」

 

「ウォッチンは分からないけど、ウォズリンは呼べばくるよ!」

 

 と、ルールーにあと2人の仲間はどうしたのかを尋ねられた私はウォッチンだけ居場所が分かんないと伝え、ウォズリンは呼べばくると言った。

 

「お呼びでしょうか?我が魔王」

 

「ルークが今、アナザーゼロ達と戦っていて加勢する予定なんだけどウォズリンもくるよね?」

 

「当たり前だ。我が魔王がいくなら私も行かないとね」

 

「ふふっ、ありがとう!」

 

 向かう途中に合流したウォズリンも来てくれる事になった。3人でルークの元へ向かうと、そこには変身が解け、全身が傷だらけのルークがいた。

 

「ルーク!大丈夫!?」

 

「あ…靉、アナザーゼロを甘く見ないほうがいい…」

 

 ルークは私にそう言い、気を失ってしまった。ルークの言葉を聞いた私はアナザーゼロに少し怖気付くと同時に自分の大切な友達であるルークを傷付けられ、憤りを感じていた。

 

「くっ…」

 

「靉、大丈夫ですよ。あなたには私やウォズリンが付いています!」

 

「ルールー…」

 

「さぁ、いきますよ。我が魔王」

 

「ウォズリン……うん、わかった!」

 

 自分にはまだ2人がいると知った私は2人と共に変身アイテムを取り出し、変身する。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・クロック!!!〉

 

【グランドタイム!】

 

〈Max Heart!S☆S!5!フレッシュ!ハートキャッチ!スイート!スマイル!ドキドキ!ハピネスチャージ!Go!プリンセス!魔法つかい!アラモード!HUGっと!スター☆トゥインクル!祝え!グランドキュア・クロック!!〉

 

『アクション!』

 

『投影!』

 

【ファイナリータイム!】

 

〈揺るぎない王座!我こそカイザー!ウォズカイザーファイナリー!ファイナリー!!〉

 

「ミライクリスタル!ハート、キラっと!」

「は〜ぎゅ〜〜!ぎゅ〜!」

 

『みんな大好き!愛のプリキュア、キュアアムール!!』

 

 変身した私はオリジナルアナザーをウォズリンと召喚したミラクル、マジカル、フェリーチェに、ダークプリキュアをルールーと召喚したマシェリに頼んでアナザーゼロの元へ向かっていく。

 

「私の大切な友達に何してくれてんだぁぁ!!」

 

「魔王、ムキになっても結果は変わらないぞ」

 

「黙れぇぇ!!」

 

 私はそう叫びながらホイップ、エール、スターを召喚し、必殺技を発動させる。

 

【フィニッシュタイム!】

 

《オールスターズ・タイムブレーク!!》

 

 

「キラキラキラル!ホイップ・デコレーション!」

 

 キュアホイップの必殺技でアナザーゼロをイチゴ付きの大きなホイップクリームの中に閉じ込めた後、私はエール、スターと共に必殺技を放つ。

 

「フレフレ!ハート・フォー・ユー!!」

 

「プリキュア・スターパンチ!!」

 

「これで終わりだ、アナザーゼロ!!」

 

 と、エールとスターの必殺技が決まった後、私はアナザーゼロに向けて急降下していく。

 

「フン、それっぽちの力で俺に敵うとでも?」

 

「くっ…」

 

 アナザーゼロは余裕なのか片手でエール、スター、私の必殺技を簡単に弾いていく。召喚したエール、スターは消えてしまい、残されたホイップがアナザーゼロに向かっていくが、アナザーゼロに胸ぐらを

掴まれて投げ飛ばされ、そのまま消えてしまった。

 

「ハッハッハ!俺に敵う奴なんていないのさ!」

 

「玄野 影兎ォォ!!」

 

 私はアナザーゼロの変身者である玄野 影兎の名を叫びながら、再びアナザーゼロに必殺技を放つ。

 

【フィニッシュタイム!】

 

《オールスターズ・タイムブレーク!!》

 

 私は歴代主人公プリキュアと共にアナザーゼロに向かって急降下していく。

 

「フン、何度やっても無駄だ!」

 

 アナザーゼロはそう言いながら、また私の必殺技を防ごうとしたが、その瞬間、誰かがアナザーゼロの時を止めた。

 

「俺とツァイトの存在を忘れていたせいで隙を生んでしまったようだね。玄野 影兎…いや、ティファニー」

 

「お前ら…!」

 

「まっ、全てはお前を倒すためじゃなく、フュージョン様を完璧な支配者にする為なんだけどな!」

 

「何だと!?」

 

 その瞬間、誰かがアナザーゼロの背後から放った衝撃波がアナザーゼロの腹部に直撃する。誰かが放った衝撃波の威力は凄まじかった為、アナザーゼロに向けて急降下していた私も遠方まで吹っ飛ばされた。

 

「ぐはぁ…!だ、誰だ…貴様!」

 

「我が名はフュージョン…全時空を統べし者。お前の持つキュアゼロの力、私が貰おう!」

 

 と、フュージョンはアナザーゼロから体内からアナザーゼロウォッチを取り出し、取り出したアナザーゼロウォッチを自分の体内に埋め込む。

 

「これがキュアゼロの力!これで私は全ての時空に住む者達を使役する力を手に入れた!!まさに支配者誕生の瞬間だぁぁ!!」

 

 フュージョンはキュアゼロの力を手に入れて完全態へと進化した。全身には今までに登場してきたアナザープリキュア達の衣装が散りばめられており、顔辺りはアナザーゼロのような感じになっていた。

 

「これが、フュージョン…」

 

「フン、この力試させてもらうぞ!いけっ、ダークプリキュア達よ、オリジナルアナザー達を倒せ!!」

 

 フュージョンがそう言った瞬間、ダークプリキュア達の瞳が紫色に変わり、オリジナルアナザー達を襲っていく。フュージョンはオリジナルアナザー達にも指示を出す。

 

「オリジナルアナザー達よ、ダークプリキュアに倒されろ!」

 

 フュージョンがオリジナルアナザー達にそう言った瞬間、オリジナルアナザー達は何かに縛られたかのように身動きが取れなくなり、ダークプリキュアの放った技を受けて消滅していった。

 

「フュージョン、これ以上の歴史改変はやめなさい!!」

 

「愛崎えみるよ、私の元に来い!」

 

 フュージョンは未来を自由自在に操る能力でこの世界の愛崎えみるを自分の元に呼ぶ。

 

「えみる!!」

 

「ルールー…!?未来に帰ったんじゃないのですか?」

 

「えみる、話は後です!今はソイツ(フュージョン)から離れて私のそばにいてください!」

 

「フュージョン…?ってうわっ!?」

 

 やっと自分の背後にフュージョンがいると気づいた愛崎えみるは駆け足でルールーの背後へ逃げていく。

 

「キュアアムールよ、何故、愛崎えみるをここへ呼んだか分かるか?それはここでお前を殺して愛崎えみるの未来を絶望に変える為だ!」

 

「私はあなたには負けない!」

 

「なら、来い。キュアアムール」

 

 フュージョンに軽く煽られたルールーはフュージョンへ勢いよく向かっていく。フュージョンはアナザーゼロを圧倒した衝撃波を何発も放ち、ルールーを襲っていく。ルールーは避けながらフュージョンへ向かっていき、十分な距離を詰めた所で思い切り殴りかかる。

 

「フン、無駄だ!」

 

 フュージョンはそう言いながら、自分に向かってきたルールーの時間を止める。そして止まっているルールーに衝撃波を五発放つ。衝撃波を放つと共にルールーの時間を動かした。フュージョンに時を止められていたルールーは攻撃を避けられず、5発の衝撃波をまともに受けてしまった。

 

「うわぁぁ!!!」

 

「ルールー!?」

 

 ルールーは愛崎えみるの前あたりまで吹っ飛ばされ、変身も解けてしまった。服はボロボロで身体にもイナズマが走っていた。

 

「ルールー!!」

 

「え…みる…折角、もう一度あなたに会えたのに…ごめん…なさい」

 

「そんな事はどうでもいいのです!とにかく、生きてください!ルールー!!」

 

「システムの99%損傷…えみる、私はもうダメです」

 

「ダメとか言わないでください!」

 

「…えみる、最後にお願いがあります」

 

「何ですか?」

 

「これからもえみると一緒に入れるよう、わ、わたしを…私を作ってください。そして新しい私ができるまで待っていてください…」

 

「わっ、分かりました…」

 

「では、そろそろお別れですね。サヨナラ、親友(とも)よ…」

 

「ルールー!!!!」

 

 ルールーはそう言い残して静かに目を閉じた。愛崎えみるは泣きながらしばらくの間、ルールーを強く抱きしめていた。

 

「フハハ!んじゃ、俺は満足したから帰らせてもらうぜ!じゃあな!」

 

「あ、おい待て!」

 

 フュージョンは満足したと言い、ダークプリキュアを連れてどこかへ去っていった。フュージョンが去った後、私は愛崎えみるの傍へいく。

 

「愛崎えみる…」

 

「靉さん、私は大丈夫なのです!」

 

 愛崎えみるは涙を流しながら笑みを浮かべ、私に大丈夫だと伝える。

 

「それより、ルールーをこの世界のトラウムさんの所に連れていくのです!」

 

「連れて行くって…どうするの?」

 

「このルールーを元に新しいルールーを作ってもらうのです!」

 

「作ってもらうって…何年かかるか分からないよ?」

 

「作るのに何年かかろうが私は待ちます!新しいルールーが出来るまで待つのがさっきまで生きていたルールーとの約束ですから!」

 

「わかった!なら、私がトラウムさんって人の所まであなた達を連れてあげる」

 

 私がそう言うと、愛崎えみるは首を縦に振り、私が持ってきたタイムマジーンにルールーを乗せた後、自分もタイムマジーンに乗り込んだ。私はタイムマジーンでトラウムがいる場所へ向かった。

 

 そしてトラウムのいる場所に着いた私は愛崎えみるとルールーをタイムマジーンから降ろした。

 

「靉さん、本当にありがとうございました!」

 

「愛崎えみるも近いうちにルールーとまた会えるといいね!」

 

「はい!では、またいつか会いましょうね!」

 

 愛崎えみるは私にそう言い、ルールーを抱えてトラウムの元へと向かっていった。

 

 こうして愛崎えみるとルールー・アムールの2人の物語に一旦の終止符が打たれた。だが、いずれまた2人の物語は動き出すだろう…数年後、もしくは何十年後かの未来で…

 

 

 

to be continued.......




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