プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

80 / 88
この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。今回から始まるのはこの本を持つ私にも分からない未知の物語。章で例えるなら…そう、"時の歯車編"歯車が狂ってしまえば、時間が戻ったり或いは進まなかったり…と大変な事になります。さて、狂いそうになっているこの世界の時の歯車はそのまま狂ってしまうのだろうか?それとも元に戻ってまた正常に進み出すのか?その運命は我が魔王・黄醒 靉の行動次第です…


時の歯車編
80.2021:ほろびゆくセカイ


 フュージョンが完全に覚醒してから数日後の朝、いつもならテレビをつけてアナザープリキュアが町に現れたとかの情報を知るのだが、今回は最初から外が騒がしかった。

 

「靉、外を見ろ!!」

 

 ルークが大声でそう言うので私はカーテンと窓を開けて外を見る。すると外にはとんでもない光景が広がっていた。

 

「えっ…魔法使いが飛んでる!?しかも、トランプ王国まであるだと!?」

 

 町には魔法界にあるはずの大樹があったり、トランプ王国があったり他にもホープキングダムが建っていたりと時ノ眼町は混沌を極めていた。

 

「靉、それだけではないらしい…」

 

「ん?何か他に異変でもあるの?」

 

「あれを見ろ。ジコチューやヨクバール、ゼツボーグがいるみたいだ」

 

「えっ!?早く倒さないと!」

 

「待て、魔王」

 

 と、私はルークと共に町へ向かおうとしたが、誰かに待つよう言われた。声のする方を見てみるとそこには門矢 零がいた。

 

「お前、ウォッチンと玄野影兎の真実を知りたくないか?」

 

「知りたいけど…怪物が!」

 

「そんなのは家臣二人に任せとけ」

 

「えぇ……」

 

「んじゃ、行くぞ」

 

 門矢 零はそう言い、時空間を移動できるオーロラを出した。二つオーロラを出して、片方のオーロラからはウォッチンが出てきた。

 

「ウォッチン、お前にも来てもらうぞ」

 

「えっ…いきなり、何!?」

 

「いいから早く!」

 

 門矢 零はそう言いながらウォッチンの手を引き、私と共にオーロラの中へ入っていった。

 

 

2060年…某屋敷

 

「ここは…?」

 

「まだフュージョンに襲われていない頃の時空界だ」

 

「私はどこに…」

 

 と、私と門矢 零とウォッチンが幼き日のウォッチン(アルティア)を探していると、小さな女の子が屋敷の玄関前にいた。

 

「アルティア!?」

 

「あなた達は?」

 

「私達はティファニーの真実やアルティア、あなたの事が知りたいの!」

 

「ティファニーって…おねーちゃんの事?」

 

「お姉ちゃん??お兄ちゃんでしょ?」

 

「ううん、お姉ちゃんだよ!お姉ちゃんは色々あってクロノ エイトっていう人になってるらしいの!」

 

「えっ…」

 

 どうやら、ティファニーは色々あって玄野影兎になっていたらしい。こうして真実を聞くまでティファニーが男だと思っていた私達はティファニーが女だと聞いて過去最高に驚いた。

 

「アルティア、どうしたの?…ってあなた達、何者?」

 

「おねーちゃん、あの人達はおねーちゃんの事が知りたいらしいの!」

 

「そっか、なら一つだけ教えてあげる。私は時空界を一番に滅ぼしに来るフュージョンを消す為にフュージョンのいた世界を壊す。まぁフュージョンの住む世界というのは伝説の戦士・プリキュアがいる世界だけどね」

 

「そんなくだらない事…やめなよ」

 

「何故やめなければならないの?」

 

「私達の時代に来た未来のあなたの計画が失敗してるからだよ」

 

「そんなはずが…誰が私の邪魔を!?」

 

「フュージョンだよ」

 

「嘘だ…嘘だ!!私の計画は完璧だぁぁ!!」

 

 ティファニーはそう言いながら私達を黒い衝撃波でふっ飛ばしていく。なんとか持ち堪えるがティファニーは次から次へと私達に黒い衝撃波を放ってくる。

 

「くっ…しょうがない。一旦退くぞ!魔王、ウォッチン!!」

 

「わかった」

 

 これ以上の模索は危険だと感じた門矢 零はオーロラを使い、私達と共に元の世界へと帰っていった。

 

「おねーちゃん!あそこに何か落ちてるよ!」

 

「これは…」

 

 ティファニーは私が帰り際に落としたであろう物を二つ拾い、一つを自分の物にし、もう一つをアルティアにあげた……

 

 

2021年…時ノ眼町

 

 

「このままだとこの世界はあと少しで滅亡する」

 

「えっ……」

 

「だが、まだ世界を救うカギは残されている」

 

 門矢 零はこのままいけば世界が滅亡してしまうと言うが、同時に世界を救うカギは残されていると言う。

 

「世界を救うカギは何なの?」

 

「フュージョンの"思い出"だ」

 

 と、私と門矢 零が話していると私達の元に突如、ワープホールが現れ、その中からミデンがやってきた。

 

「ほら、丁度いい所に…」

 

「僕はミデン。君たちの思い出を貰いに来た!」

 

 ミデンはフュージョンに召喚され、この世界に来たようだ。私達の思い出を奪うつもりらしい。

 

「んじゃ、精々頑張れよ」

 

「ちょっと!!」

 

 門矢 零は私にそう言い残してどこかへと去っていってしまった。1人にされた私はいざという時の為にドライバーを構えながらミデンにこう言う。

 

「ねぇ、あなたフュージョンの思い出持ってる?」

 

「あぁ、持ってるさ」

 

「頼みたい事があるの…!」

 

「何だい?」

 

 私はミデンからフュージョンの思い出を持っていると聞き、フュージョンの事について色々と調べるため、ミデンに頼み事をするのだった……

 

 

to be continued........




NEXT「2021:メモリースイーパー・ミデン」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。