80.2021:ほろびゆくセカイ
フュージョンが完全に覚醒してから数日後の朝、いつもならテレビをつけてアナザープリキュアが町に現れたとかの情報を知るのだが、今回は最初から外が騒がしかった。
「靉、外を見ろ!!」
ルークが大声でそう言うので私はカーテンと窓を開けて外を見る。すると外にはとんでもない光景が広がっていた。
「えっ…魔法使いが飛んでる!?しかも、トランプ王国まであるだと!?」
町には魔法界にあるはずの大樹があったり、トランプ王国があったり他にもホープキングダムが建っていたりと時ノ眼町は混沌を極めていた。
「靉、それだけではないらしい…」
「ん?何か他に異変でもあるの?」
「あれを見ろ。ジコチューやヨクバール、ゼツボーグがいるみたいだ」
「えっ!?早く倒さないと!」
「待て、魔王」
と、私はルークと共に町へ向かおうとしたが、誰かに待つよう言われた。声のする方を見てみるとそこには門矢 零がいた。
「お前、ウォッチンと玄野影兎の真実を知りたくないか?」
「知りたいけど…怪物が!」
「そんなのは家臣二人に任せとけ」
「えぇ……」
「んじゃ、行くぞ」
門矢 零はそう言い、時空間を移動できるオーロラを出した。二つオーロラを出して、片方のオーロラからはウォッチンが出てきた。
「ウォッチン、お前にも来てもらうぞ」
「えっ…いきなり、何!?」
「いいから早く!」
門矢 零はそう言いながらウォッチンの手を引き、私と共にオーロラの中へ入っていった。
2060年…某屋敷
「ここは…?」
「まだフュージョンに襲われていない頃の時空界だ」
「私はどこに…」
と、私と門矢 零とウォッチンが幼き日のウォッチン(アルティア)を探していると、小さな女の子が屋敷の玄関前にいた。
「アルティア!?」
「あなた達は?」
「私達はティファニーの真実やアルティア、あなたの事が知りたいの!」
「ティファニーって…おねーちゃんの事?」
「お姉ちゃん??お兄ちゃんでしょ?」
「ううん、お姉ちゃんだよ!お姉ちゃんは色々あってクロノ エイトっていう人になってるらしいの!」
「えっ…」
どうやら、ティファニーは色々あって玄野影兎になっていたらしい。こうして真実を聞くまでティファニーが男だと思っていた私達はティファニーが女だと聞いて過去最高に驚いた。
「アルティア、どうしたの?…ってあなた達、何者?」
「おねーちゃん、あの人達はおねーちゃんの事が知りたいらしいの!」
「そっか、なら一つだけ教えてあげる。私は時空界を一番に滅ぼしに来るフュージョンを消す為にフュージョンのいた世界を壊す。まぁフュージョンの住む世界というのは伝説の戦士・プリキュアがいる世界だけどね」
「そんなくだらない事…やめなよ」
「何故やめなければならないの?」
「私達の時代に来た未来のあなたの計画が失敗してるからだよ」
「そんなはずが…誰が私の邪魔を!?」
「フュージョンだよ」
「嘘だ…嘘だ!!私の計画は完璧だぁぁ!!」
ティファニーはそう言いながら私達を黒い衝撃波でふっ飛ばしていく。なんとか持ち堪えるがティファニーは次から次へと私達に黒い衝撃波を放ってくる。
「くっ…しょうがない。一旦退くぞ!魔王、ウォッチン!!」
「わかった」
これ以上の模索は危険だと感じた門矢 零はオーロラを使い、私達と共に元の世界へと帰っていった。
「おねーちゃん!あそこに何か落ちてるよ!」
「これは…」
ティファニーは私が帰り際に落としたであろう物を二つ拾い、一つを自分の物にし、もう一つをアルティアにあげた……
2021年…時ノ眼町
「このままだとこの世界はあと少しで滅亡する」
「えっ……」
「だが、まだ世界を救うカギは残されている」
門矢 零はこのままいけば世界が滅亡してしまうと言うが、同時に世界を救うカギは残されていると言う。
「世界を救うカギは何なの?」
「フュージョンの"思い出"だ」
と、私と門矢 零が話していると私達の元に突如、ワープホールが現れ、その中からミデンがやってきた。
「ほら、丁度いい所に…」
「僕はミデン。君たちの思い出を貰いに来た!」
ミデンはフュージョンに召喚され、この世界に来たようだ。私達の思い出を奪うつもりらしい。
「んじゃ、精々頑張れよ」
「ちょっと!!」
門矢 零は私にそう言い残してどこかへと去っていってしまった。1人にされた私はいざという時の為にドライバーを構えながらミデンにこう言う。
「ねぇ、あなたフュージョンの思い出持ってる?」
「あぁ、持ってるさ」
「頼みたい事があるの…!」
「何だい?」
私はミデンからフュージョンの思い出を持っていると聞き、フュージョンの事について色々と調べるため、ミデンに頼み事をするのだった……
to be continued........
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