相棒と共に翔る   作:ゴールド@モーさん好き

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12話

 まさかここまでとはな、想像以上だ。私は先程までイギリスの代表候補生セシリア・オルコットと今しがた隣にいる後輩、山田先生の弟子である野上ゴールドの試合を審判として見届けていた。私の予想としては野上はまだISを操縦して日が浅い。だからこの試合は負けると思っていたが……結果はどうだ? 野上は想像より遥かに上手くISを駆使し、格上のオルコットを翻弄し倒したのだ。全く、どれだけ上手く教えればこの短期間でここまで育てたんだこの後輩は。あそこまで基礎を確りと教えられるのならISの実践授業の時に手伝って欲しいものだな。

 

「フフフどうでしたか織斑先生、私の自慢の弟子は」

「あぁそうだな、想像以上だった。山田先生には悪いが野上は負けるもんだと思ってたからな」

「いいですよ、それが普通の反応ですから。まぁ私もあそこまで彼の作戦が上手く言ったのはびっくりしましたけど」

「全く……参考までに聞きたいがどう指導したんだ? 並大抵の訓練じゃこの短期間にあの完成度は出来ないと思うが」

「あぁそれは私が代表候補生だった時のそうですねぇ、確か国家代表を決める頃ぐらいの訓練メニューを野上君用に改変したものですね」

 

 ん? 国家代表を決める頃の訓練メニュー? って、て事は_

 

「野上に代表候補生、それも本来2年又は3年がやるような事を?!」

「そうですね、ですがその中でも基礎的な訓練でしたし、少し改変もしていましたので何とかなりましたよ。いやー野上君、どんどん技術を上げていったので私も教えがいがありました」

(これは……うん、参考には出来ないな)

 

 強くなる必要があるがよく野上はその訓練をやり続けたな。いや、初心者だったからこの訓練の難易度が異常に高い事に気づかなかったのか? まぁそれはさておきこんな訓練を参考にしてたら生徒達が潰れかねないな。どうしたものかな。

 

「それでは私は師匠として弟子を労って来ますのでオルコットさんのフォローお願いしますね」

「あぁ分かった……いや待ってくれ山田先生ってもう行ってしまったか。全くあれで無自覚なのだから、野上も大変だな。さてとここは私も元日本代表としてオルコットを労うか」

 

 そう思い、私はオルコットがいるカタパルトデッキに向かった。

 

 

 ____________

「坊主! 凄かったじゃねぇか! 初戦勝利なんて幸先がいいな」

「ありがとうございます、おやっさん。相棒のメンテナンスお願いします」

「おう、任せろ任せろ。お前は今のうちに休憩してろ。おいテメェら! これよりモルド・テンペスタのメンテナンスに入る。時間は10分間、キビキビやるぞ!」

「「「はい! 主任!」」」

 

 今話したのはこの学園の3種類ある技術班のうちの1つの技術主任である。

 チームは打鉄チーム、ラファールチーム、そして最後に特殊チームがある。前2つはその名の通りだが最後のは少し違い、代表候補生が扱う専用機を扱う各国の技術者が集まってる。だからこのチームには主任が専用機の数だけ居るのである。そして先程のおヤッさんはラファールチームの主任、田島総司(たじまそうじ)さんである。俺の相棒は武装が少し特殊だが元を辿れば全てラファールの装備なのでおやっさん達がやってくれる事になった。

 遅れたが今回は連続で試合をする為生徒だけではメンテナンスが追いつかないと先生方が判断し、技術班の方々が来てくれる事になった。

 ゴールドは田島主任の言葉に甘えて控え室に入ってスポーツドリンクを飲んだ。未だに震える体が先程まで試合をしていた事を教えてくれ、胸に溢れんとする幸福感や達成感が自分は勝利したと教えてくれる。訓練では未だに師匠の山田先生に勝てずにいる為、これがゴールドの初の白星なのだ。その初の白星に内心浮かれていると、山田先生が控え室にやって来た。

 

「野上君、まずは初戦おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「それにしても代表候補生相手に上手く動かせましたね。師匠として鼻が高いです」

「当然です、なんせ師匠の弟子ですから」

 

 っとゴールドは胸を張りながら言った。それはさながらどこかの師匠の仕草のようだ。

 

「ですが勝ったからと言って気を緩めたらいけません。次の対戦はオルコットさんと織斑君ですので、2人の試合をよく見て対策を練るんですよ?」

「はい、分かっています」

「それでは私は管制室の方に戻りますね。野上君も1人の方が休めると思いますし」

 

 そう言って山田先生は控え室を後にした。

 

 ________

 セシリアはカタパルトデッキについていた。

 

「お疲れ様でしたセシリアさん。ティアーズはこちらでお預かりしますのでセシリアさんは今のうちに休息を」

「ハァハァ……ありがとうございます、ミス・ラミアス。それではティアーズの方をお願い致します」

「はい、お願いされました。皆さん、これよりブルー・ティアーズの修復作業を行います。タイムリミットはわずか10分。ですが私達ならこのぐらいやれますよね? では作業開始!」

「「「はい!」」」

 

 彼女はイギリスから派遣されたブルー・ティアーズ専用チームの技術主任、マリュー・ラミアス。彼女は元はイギリスの代表候補生で、卒業後今の会社に就職したという。元代表候補生との事もあり、セシリアが来るまでは試験パイロットは彼女でもあった。今は整備に専念しているが偶にセシリアの相談に乗ってくれたりと、セシリアのよき理解者である。

 セシリアは控え室に戻り冷却スプレーで火照った体を冷やしていると織斑先生がやって来た。

 

「ふむ、負けた割には随分と冷静なのだな。代表候補生は天狗が多いが、お前は違ったか」

「なんですか織斑先生、それを言いにだけ来たのでしたら趣味が悪すぎますわよ」

「いや何私も元日本代表だ、代表の先輩として格下に負けた後輩を慰めてやろうと思っただけだ。だがその様子だと大丈夫そうだな」

「えぇ、それ程までに彼の戦略は賞賛すべきものでした。それをたったの1ヶ月であそこまで完成させたのなら尚更です」

「これは本格的に私はいらなかったな。じゃあ次の試合まで確りと休息を取るんだぞ」

 

 そう言って織斑先生は控え室を後にした。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は2人の休息シーンと2人の先生との会話シーンでしたが、本当に織斑先生は嫌味言いに来ただけになってしまった。ですが俺ではあれ以上に話が広げれませんでした。
そして新たに出てきた2人の技術主任。田島さんの方は完全オリキャラですがマリューさんの方はガンダムSEEDですね。技術班のキャラどうしようってふと考えたら「あれ?ラミアス艦長技術者じゃなかったけ?」っと唐突に思い出したのでそのまま出させてもらいました。
次回は2回戦のセシリアVS一夏になります。ちゃんとしている箒とは一体どんな訓練をしたのか?!そしてその成果は?!次回もお楽しみにしてください。お気に入り登録と感想は執筆の励みになりますのでどんどんして行ってください
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