相棒と共に翔る   作:ゴールド@モーさん好き

15 / 41
13話

 1人目の男性操縦者、織斑一夏は今プレッシャーに押しつぶされそうになっていた。彼は今日までISの訓練や、体力作りの為に箒と剣道等をしてそこそこ戦えるようになってきていた。そんな彼がプレッシャーを受けている理由は2つ。1つは、先の対戦でセシリアともゴールドとも実力の差がありすぎるためである。2つは先程届いて1次移行したばっかの専用機にある。

 

「……いくら確認しても装備はこれだけ」

 

 そう、装備が1つしかないのである。どうやら姉である織斑先生の機体と同様零落白夜を使えるのだが、それだけである。これでどう戦えと言うのだろうか。最初織斑は何かの間違いか? と思い他の武装を探したが、自らを技術主任だと言う女性に_

「それしかないよ」

 

 と言われどう戦えばいいんだよと愚痴を漏らす。だが時間は非情であり、そんな事を考えながらもどんどんと時間は過ぎていき、とうとう出撃しなければならない時間にまでなってしまった。

 

「いくら考えても出ないんじゃあしょうが無い。出たとこ勝負で何とかするさ。白式、織斑一夏出ます!」

 

 そう自分に言い聞かせて織斑一夏は出撃した。

 

 ______

「もう時間ですわね」

 

 セシリアは時計を見て休憩時間が終わったのを確認した。そのままデッキに向かい、ラミアス主任に礼を言った後ティアーズを回収。そのままカタパルトに向かった。

(先程は相手の力を見誤った私の失態。ゴールドさんは何故か私の専用機の特性を知っていましたが、人にお願いするなどすれば簡単にデータは取れる。次は相手も自分を知っていると思って動いた方がよろしいですわね)

「セシリア・オルコット。ブルー・ティアーズ、発進致しますわ」

 

 セシリアがカタパルトから発進したと同じくらいに織斑も発進していた。その操縦は多少のぎこちなさはあるものの確りと出来ていた。

 

「先程から驚かされてばかりですわね。まだまだ荒いですがきちんと飛行の基礎をこの短期間でものにするなんて」

「俺も一応男なんでね、勝負事それも女子に負けるのは色々と悔しいもんなのよ。だから俺も必死で訓練しただけさ」

「そうですか。では私もその必死さに見合うだけの試合をさせて頂きます」

『両者定位置に着いたな、それではカウントダウン開始!』

 

 その号令によりカウントダウンは始まり、ゼロカウントのアナウンスで試合が始まった。

 

 セシリアは今回は攻撃が来てもいいように左に移動しながらライフルを展開して織斑の胴体に向かって速射した。だがそのビームは織斑の足を掠めた。

 織斑は開始したと同時に上昇し、剣を展開しながら太陽を背にセシリアに対面した。

 

「クッ逆光で狙いを定めさせない気ですわね。ですが! その程度で私からの攻撃からは逃れられません!」

 

 セシリアは右手で牽制射撃を行いながら、左手にショートソードを展開して織斑に向かう。どうやら接近戦を仕掛ける気らしい。

 

(彼が未だに攻撃を仕掛けてこないのは恐らく機体が特化型、それも私のティアーズとは逆に近接戦闘で発揮するタイプ。そして試合開始の時の上昇スピードは並ではなかったことから、十中八九高速機動近接型で間違いないでしょう。織斑先生の弟であるせいかきっとそれに似せられたのでしょうが、そうと分かればやりようはある)

 

「はぁぁぁぁぁ!」

「いやぁぁぁぁ!」

 

 織斑とセシリアは叫びながら接近しあい……セシリアは織斑を避けてそのまま上昇して行った。

 

「え?!」

「これで上はこちらのものです!」

 

 そういうや否や、セシリアはショートソードをしまいブルー・ティアーズを2機展開させた。

 

「しまった!」

「確かに逆光を利用したのはいいアイデアでしたが、乗る機体が悪かったですわね。1つでも遠距離兵装があれば有利に運べたかもしれないのに、接近戦でしか戦えず自分のアドバンテージを捨てるかもしれない攻撃しか出来ないのですから」

「クソ!」

 

 織斑はセシリアの攻撃を何とか躱そうとするも高すぎる機体性能に振り回され上手く回避ができずにいる。セシリアは先の対戦の事もあってかこの有利な状況でも対応できるようにじわりじわりと織斑との距離を離して行ってる。

 

(このままじゃ一方的に撃たれて落とされる。ならまだエネルギーが残ってる今のうちに!)

「セイヤァァォァァァァ!」

 

 織斑は何か意を決したのか左腕を盾にするかのように構え、セシリアに突撃を行った。それをみすみす許すセシリアではない。本人とビットで迎撃を試みる。そのほとんどが当たってはいるが、織斑は止まらない。たまらずセシリアはショートソードを再度展開して接近戦体制を取る。

 そこでセシリアは気づく、織斑の持っているソードが急に可変してビームの刃を出していたのだ。これにビックリして堪らず回避行動をとった。だがそれが幸を為した。

 

(あ、あれはもしや織斑先生が現役時代に使っていた零落白夜?! あれを貰ったらひとたまりもありませんわ!)

 

 零落白夜、これは自らのSEを消費する事で相手に装甲無視攻撃が出来るのである。そして織斑が使っているのは恐らく織斑先生が使っている物の後継機。威力はその時以上と想定していいだろう。

 

「まだまだァァァァァ!」

 

 そう言いながら織斑は振り向きながら2度目の攻撃を行おうとしたその時_

 

「白式、SEエンプティー。ブルー・ティアーズ、セシリア・オルコットの勝利!」

 

 何とも情けない方法で織斑は敗北した。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回はセシリアVS織斑回でしたが…なんか、短いというか一方的な戦いになってしまいました。ですが本来はこのぐらい速く終わると思うんですよ。まず地力の差があるのと、武器の相性が悪すぎる事。箒と一緒に訓練したからと言ってゴールドのようにそれこそ死を覚悟して訓練してる訳ではなく、推薦された→やるからには勝ちたいし、相手が女子なら尚更、といった普通の感情を感じながらやってるのでそこで差が生まれる。そして相性についてですが、これは誰が見ても明らかでしょう。近距離でしか戦えない織斑に対してセシリアは、遠距離から近距離をこなせる。2機までなら長距離攻撃を行いながら遠隔操作で多方向からも攻撃可能。こんなの勝てる訳がありません。初撃をモロに食らわなかった分凄いもんですよ。ですのでこういった事にさせていただきました。

お気に入り登録や感想等は執筆の励みになりますのでどんどんして行ってください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。