全ての試合が終わった後、セシリアは控え室のシャワー室に入っていた。
(今日の試合、改善点が更に増えてきましたわね。ティアーズを最大限活かしきれてない事もですが、まさか特殊グレネードによる絡め手に擬似BT兵器。後者はともかく前者は今後も使って来る選手はいるはずでしょうね。ハイパーセンサーに頼っている私達にとってあれは言わば天敵とも言えるでしょう。対策を講じないと……野上さんは恐らく身につけていたゴーグルやヘッドホンで対策をしていましたし、それが1番速いでしょうね。そして織斑さんとの試合でまさか私がそうそうに上を取られてしまった事ですね。あれは彼のISが異常に特化型だったから良かったですが、それこそ野上さんにやられていたらもっときつい戦いでしたでしょうね。立ち回り方も見直しですわね)
そう考えた後セシリアはある事を思った。ゴールドを引き込めないか。
(野上さんがあれほどまでに強いのは恐らく前仰ってた師匠の教えがいい事もあるでしょうが……彼の出生も関わっていらっしゃるでしょうね。聞いた話によると野上さんは孤児だとか、それで今まで1人で頑張ってきたと。その経験からあそこまで強くなれたのでしょう。そして何より彼が使っているあのシールドは擬似的ではあるが歴としたBT兵器だ。それをあそこまでに使いこなしているのなら本国の方々も悪い顔はしませんでしょう。そうなれば私と野上さんは名実共にライバルですね。日本には『昨日の敵は今日の友』と言ったふうに敵であろうと一緒に競い合いお互いを高め合うと言う風習があると聞きます。そうなればきっと私も野上さんのように強くなれるかも知れません。後でミス・ラミアスに一緒に本国に掛け合ってくれるようお願いしましょう)
そう結論付けてセシリアはシャワー室を出た。そこで連絡が入った。
『セシリアさん、お疲れ様です。今シャワー中でしたか?』
「いえ、今でたところです山田先生。ところでご要件は?」
『ええっとですねクラスの皆さんが食堂でお疲れ様会を開く準備をしているらしいのでそれを伝えようかと』
「そうですか分かりました。準備が出来たら私も向かいます」
『分かりました』
(お疲れ様会……確かに今日は疲れましたね。なら少しくらい楽しんでもバチはあたりませんよね)
そう思いセシリアは食堂に向かった。
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「つっっっかれたァ!」
織斑は控え室のベッドの上に寝そべりながらそう叫んだ。
「だぁ、やっぱり負けたァ! そもそも近接しかないってどうゆう事だよ! そりゃ負けるよ! だって2人共遠距離武器が豊富だもん! あんなの卑怯だよ。それに野上の野郎、本気でやりたいってのは本音だけどあそこまで弾幕張る必要無かったろ。めっちゃ怖かったぁ。畜生……実力差分かっててもやっぱり悔しいなぁ」
「ならば強くなればよかろう」
「……箒さんなんでここにいるんですか」
急に声が聞こえそちらを向くと幼なじみの箒が立っていた。
「お前がいつまでも来ないから心配してきてやったのだ。だが心配して損した、なんださっきまで言葉は。そもそもお前は代表候補生でも無ければ春期講習すら受けてないのだ。実力差があって当然だろう」
「い、いや俺だってこの2週間頑張ってきたし……」
「その程度で2人の努力を覆るとでも?」
「思ってません」
「分かっているじゃないか、お前と2人では努力の差があるのだと」
「それでも悔しいもんは悔しいんだっての」
「それは私もわかってるだからさっき言ったのだぞ。強くなればいいじゃないかと。そもそも私達はまだ入学したばっかだ、それまで焦る必要も無いだろう」
「ありがとう、箒。これからも一緒に訓練してくれるか?」
「それは構わんが……何故私なのだ? いや頼ってくれる分には私も尽力を尽くすが……それこそ織斑先生にでも頼れば良かったのではないか? 補習もあったのだし」
「……忘れてた」
「……そうか、うん。私も教えて貰いたいことがあるし後で一緒に行くか?」
「何から何までありがとう、箒」
「なに、私とお前の仲だろ? 気にするな。そしてそれとこれでは話は変わるが実は私最近欲しい手拭い出来てしまったのだが……小遣いが少し足らなくてだな。誰か買ってはくれないだろうか」
「グッ……か、買わせて貰います」
「ん? 私は一夏にはお願いしてないのだがなぁ」
「これまでのお礼とこれからもよろしくって事で……今回はそれでお願いします」
「よろしい」
『お疲れ様です、織斑君。今いいですかってあれ? 篠ノ之さん?』
「なんですか、山田先生」
『い、いえそのクラスの人達が皆さんの試合のお疲れ様会を食堂で開こうとしているのでそれを教えようかと』
「分かりました、箒聞いたか? 打ち上げだとよ、行こうぜ」
「そうだな私も行くとしよう」
「山田先生教えてくれてありがとうございます」
「いえいえ、皆さん今日は頑張ったのですから目いっぱい楽しんでくださいね」
「はい!」
そう言って織斑と箒の2人は食堂に向かった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回はゴールドの後ろ盾フラグと一夏の卑怯発言回収回です。
設定では一夏を完全アンチにして今回辺りで箒との会話にてどんどん矯正していく予定だったのですが…アンチって難しいですね。何か知らんが既に矯正が進んどる…クッこれが幼なじみの力と言うのか。っと冗談はさておき、箒の性格をまともにしたらヒロインやってて書いてる俺自身びっくりしてます。このままならきっと一夏はいい感じに成長する事でしょう。
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