相棒と共に翔る   作:ゴールド@モーさん好き

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前回から10日以上も経っている、早めに投稿するとはなんだったのか(白目)

お気に入り件数300超えありがとうございます。これからも頑張っていくので見守ってくださると幸いです。


21話

 開始の合図と共に両者は動き出す。ゴールドはセシリア戦同様5丁ガトリング砲で面射撃を行う。凰はこれを降下しながら円を描くような軌道でゴールドに接近戦を仕掛ける。が、それをゴールドは左手に装備しているシールドで防御する。

 

「チッ録画で見た時より操縦上手くなってるじゃない。全く楽しませてくれるわね!」

「そりゃこっちだって毎日鬼畜訓練受けてるんでね、否応にも上手くなるってもんだよ!」

「危な?!」

 

 ゴールドはシールド一基のガトリング砲を裏にしまい込み、シールドに装備されているソードで攻撃するも間一髪の所で回避されつつ、逆に凰の第3世代兵器《龍砲》の空気散弾に反撃を貰う。これをゴールドはシールドを全面に広げて、1枚の大きなシールドとして使う事で散弾を防御。

 

(操作技術はあっちが上、そしてあいつの装備、龍砲に対する手段はシールドを前面に展開するっていうこっちの強み全殺し……そういやあの装備は第3世代兵器だから、イメージインターフェイスで操作しているはず。ならあれが凰にも通用するな)

 

(想像以上に操縦が上手い……龍砲の対応も見えないという強みを余剰防御で完封する。考えが柔軟の証拠ね。だけどそれであいつ自身も装備の強みを代償にしているのも事実。それに前面に展開してるから直接目視は出来ない、どれだけハイパーセンサーが強力であろうともそこには少しの誤差が生まれる……そこを上手く付ければダメージは免れない!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 __________________________

 場所は変わりここはアリーナ観客席より上部に位置する部屋、いわゆるVIP室である。そこには3人の男女が席に座している。ブルー・ティアーズ開発チームの主任であるラミアス主任とラファールチーム技術主任の田島主任。そして__

 

「いやぁそれにしてもわずか1ヶ月とちょっとであそこまでISを動かせるなんてね。ミスオルコットからデータを送られた時もそうだが驚愕だね」

 

 セシリア、そしてゴールドが所属する会社の社長兼、最高技術責任者ムウ・ラ・フラガである。

 

「そりゃあいつは師匠から鬼のような扱きをされてるからね、自然と身につくよ。だがフラガ社長、俺もここにいていいのか? 言っちまえば俺はあんたの会社とは坊主を通しての関係。言わば直接的な関係は無いのになんでここへ招待した?」

 

 田島の言ってる事は最もな疑問で、田島本人はゴールドの機体と深く関わっている。だがそれとフラガが田島をわざわざVIP室に招待する理由にはならない。

 

「確かに俺とアンタには直接的な関係は無い。関係はあってもそれはあくまであの坊主を通しての関係だ。それに加えて俺らは今日が初対面、その疑問は最もだ。だからその理由をこの試合を観戦しながら話そうと思ってね。1つは単純に1人の技術者として貴方と話がしたかったからだ」

「話? それはどんな?」

「話に聞くところモルド・テンペスタのシールドは大まかな考えと設計はあの坊主が考えたが、その問題点等の改修工事は貴方1人でやったらしいではないですか。その訳を聞きたくてですね」

「何そんな事は簡単だよ……その時はまだ部下に任せれなかっただけだ。あれの上位互換とも言えるような兵装を扱ってるアンタ達には釈迦に説法だろうけども、あの兵装は調整がシビアだ。いくらコードを接続し、扱いやすくしようがそこは変わらねぇ。俺は以前にあれと似たような兵装を扱った事があったからその応用でやったが、その時一緒にやっていた奴は打鉄のチームに行ったり、引き抜きで他の職場に行ったりと俺しか残ってなかった。だから俺だけで改修したまでだ」

「そうだったのですか、それはなんともまぁ大変な事で」

「まぁ最近やっとまともな調整が出来るようになった奴も出てきたから、今後は俺も楽できるがよ」

 

 田島は嬉しそう言った。

 

「それで、話ってのはこれだけかい?」

「いいえ、今の話は1人の技術者として、これからは会社を担う責任者としてお話を伺います……田島総司さん、貴方に是非我が社の新チームモルド・テンペスタ及び野上ゴールド君の専属開発チームの主任を頼みたいのです」

 

 その言葉に田島は驚きながらその理由を聞いた。

 

「おいおいいきなり何を言うかと思えば、引き抜き? この俺を? どうしてまた」

「あの坊主の機体のシールド、あれ程の完成度を1人で調整しきれる程の技術、この短期間であのシビアな調整をこなせる人材にまで育成させたその指導力。これだけでも貴方を欲する理由には充分過ぎる。むしろ今まで引き抜きがされなかったのがおかしいとさえ思えます」

「そんなの俺に聞いたって分かりませんよ。それに何故まだ代表候補生である坊主に専属チームを?」

「それはあの野上君が男性操縦者だからですよ。もし彼が国家代表になれなくてもその時には高い操縦スキルが備わっていると思われます。その特殊な立場と高い操縦スキルがあれば一選手として輝けます。何も大会はモンド・グロッソだけではありません。ならば今のうちから専属チームを作って技術者も一緒に育てようと思っただけです。それでお返事は頂けますかな?」

「…………そうだな、俺はその話悪くは無いとは思ったよ。あの坊主はそれなりに気に入っているし、このままあいつの機体の面倒見れるのならそれもいいと思う」

「それなら」

「だが、直ぐには無理だ」

「?! 、それはどう言った理由で?」

「簡単な話、俺は仕事を途中で投げなすのが嫌なんだ。俺はいまラファールチームの主任なんだ。だからいま部下達に教えている技術を途中で辞める訳にはいかない。それが俺の仕事である限りその行為は俺の流儀に反しちまうんでな。だからあんたらの方が良ければだが条件を呑んでくれるのなら受けようと思う」

「その条件とは?」

「2年後、つまりあの坊主が3年生になるまでは俺がラファールチームの主任でもいい事。もしかしたら複数人俺のチームから一緒にアンタの所に世話になるかもしれない事。あと細かい条件もあるが大まかなのはこんな所だ」

「それぐらいで貴方程の人材と契約できるのなら安い買い物です」

「…………うーんこんなに俺を買ってくれるのはいいが後悔しても知らんからな?」

「大丈夫ですよ、ミスタ田島。彼は普段はおちゃらけていたりしますが、仕事は一級品です。それにミスタ野上のスカウトに1番乗り気だったの、本国では彼なんですよ」

「成程、それなら目利きは大丈夫といった事ですね」

「えぇ、ですので貴方は存分に自分の技術を誇ってください」

 

 そうして3人の技術者は会話を終わらせ、期待の新星を応援するのであった。




ここまで読んで頂きありがとうございます。

今回は時間を置いた割にそれまで戦闘描写もなく、会話メインの回になって戦闘を期待していた方にはすいませんとしかいいようがないですね。

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