あの後俺はモルドと共に街に出た、今迄も一緒に居たが前以上にそういう気持ちが強い。これからは2人の時はスピーカーで、外ではプライベートチャンネルで会話をする事にした。
さて、何で何時もなら練習をしてそうな俺がこうやって休んでるかと言うと……アリーナの使用者上限が既に達していたのである。よって俺は諦めて休日を私用に使おうと思った、というのも──
(やっぱりどういう奴が山田先生に合うかな)
〈ここはやはり彼女の明るい緑が映える、赤や黒等の濃いめの方がよろしいかと。〉
日頃お世話になっている山田先生へお返しを選んでいる、ただ……女性がどう言った物を好むか全く分からず手探り状態なのである。
(うーん、どうした物かな。しっくりこないなぁ……)
〈それではあちらの棚も拝見してみましょう、あちらにはあるかもしれません。〉
(そうだな……ん? なぁモルド、これなんかどうだ?)
〈えっと、これは確かにあの方に似合いそうですね。〉
(だろ? 他にも見て良さげのが無かったらこれにするか)
〈そうですね、この店以外で何処か今日は行くのですか? 〉
(そうだね、後は本屋に行って本を買って終わりかな)
〈分かりました。〉
♢
「ふぅ、やっと終わりましたー」
「お疲れ様だ、山田先生。これからコーヒー飲もうと思うが山田先生も飲むか?」
「ありがとうございます、織斑先生。それではお言葉に甘えさせてもらいます」
「それにしても昨日の今日でやっと終わったな、報告書。全く、書き込まなければいけない事が沢山あるのは仕方の無い事だがこうも多いとやってられんな」
「確かにそうですね、本来ならトーナメントが終わってやっと一区切りだーって所だったんですけどね」
「あぁ、そう言えば昨日野上はあの後大丈夫だったか? あれだけの事があったんだ、何か無いか心配だったのだが……」
「少しだけ心への負担が強まってましたけど何とかフォローしときました、とりあえずはいつも通りです」
「そうか、それなら良かった。凰の方も2組の先生から聞いた限り心の整理がついているらしい」
「そうでしたか、それは良かったです。ってもう1時?! お昼ご飯食べ損ねちゃいました」
「私も人の事言えた限りでは無いが、食生活はしっかりとした方が良いですよ。弟子にも心配かけてしまいますよ」
「あははは、心掛けます。それでは少し遅めですが昼ご飯食べに行ってきます」
「あっ山田先生ちょっと……」
「ん? 何ですか織斑先生」
「いやなに……その、私も食べ損ねているので私も同行しようかと」
「本当に先輩も人の事言えないじゃないですか……」
「面目ない」
♢
(よし、本も買ったしそろそろ帰ろっかな)
そう思って帰ろうとすると不意に空腹感に襲われる。
「む、買い物に夢中になりすぎたか。余り出費は出したくないし、おにぎりでも買って食堂までの繋ぎにするか。あそこの飯美味いからな、きっと下手なレストランよりも美味いよ……レストラン行ったことねぇから分からんけど」
そうと決まればさっさと学園に戻って飯でも食うか、いやその前に荷物置いてからでいいか。おにぎり買って帰るんだし。