今回では今まで書きたかったオリ主ゴールドくんと「新生織斑一夏」くんとの模擬戦です!
楽しんで頂けたら幸いです!
「模擬戦?俺とお前でか?」
「あぁ、頼めるか?」
昼休憩の際、飯へ行こうと思ったら織斑に呼び止められて何事かと思ったが……
(本当になにごと?)
「どうした急に、何時もなら箒や凰とやってるじゃないか」
「確かに何時もなら箒や鈴に頼んでるけど、今回はお前とやりたい……いや、お前じゃなきゃダメなんだ。今日がダメならお前が大丈夫な日程で構わない、だから頼む!」
そう言って織斑は俺に向かって深々と頭を下げる。
(う〜ん、マジで目的が分からないけど……此奴のバカ正直な性格を考えるに本当に俺と模擬戦がしたいだけなんやろな)
「分かった、一旦山田先生に今日の放課後の特訓についてメニュー変更できるか聞いてみる」
「ほ、本当か!」
「あぁ、多分帰りのホームルームやる迄には連絡が来ると思うから来たら言う。できる日がかなり遠くなっても文句はいうなよ?」
「言わない言わない!んじゃありがとな野上!」
そういうと織斑は箒達と一緒に教室を後にした、多分食堂に行ったんだろうな。
♢
ゴールドは食堂で弁当を受け取った後、屋上で一人端末とノートを開きながら昼食を始めた。
「うーん、織斑の白式の大きな変更点はコレとコレと……あとコレか?」
食事中も考え事をしたい時は、こうやって一人静かな所に訪れる事に決めたのだ。
「にしても本当にここは静かでいいな、ゆっくり考え事ができる」
ゴールドはそう独りごちながらハンバーグをひょいっと口に放り込んだ。
「ごちそうさま……はぁ」
昼食を終えたゴールドはそのまま横になり、ゆっくりも動く雲を見ながら休み始めた。
「雲は、ゆっくりだよな……風にゆらゆらと揺られて……気ままに……俺も」
その時、端末から電話の着信音が鳴り響いて、言葉は止まった。端末には『山田先生』という文字が映っていた。
「もしもし、野上です」
「あ、野上くんこんにちは。今よろしいですか?」
「はい、大丈夫です」
「ではまず先程連絡を貰った織斑くんとの模擬戦についてですが今日やっても平気ですよ」
「本当ですか、ありがとうございます。けど大丈夫なんですか?せっかくスケジュールを組んで頂いたのに、急に模擬戦だなんて」
「平気ですよ、あくまでコレは野上くんの訓練です。なのである程度は野上くんの要望に乗っ取りたいんです」
「先生……ありがとうございます」
「いえいえ、これも先生のお仕事ですからお気になさらず。それで別のお話になるんですけど、今どちらにいらっしゃいますか?」
「え?今は屋上のテラスですけど、どうしたんですか?」
「いえ、最近昼時に野上くんを見かけない事が多くなったので。何時もなら食堂近くの自習室でこもっていたじゃないですか。誰かと交友を広げてるのなら別に良かったのですけど、教室とか見回した所そういう感じじゃなかったので」
「あー最近は気分転換にちょくちょく場所を変えてるんですよね、特にトラブルとかには巻き込まれてないので平気です」
「そうでしたか、それなら良かったです。連絡はコレで終わりですけど……」
「?」
「屋上に居るのでしたら風邪を引かないようにしてくださいね、ココ最近風が強くなってきましたので」
「わかりました、気をつけます」
そうして電話を切り、対戦に向けての作戦を立てていた。彼の心には、寂しさは残ってなかった。
♢
放課後、訓練室にゴールドと織斑、山田先生に加えてセシリアや箒と凰……更には珍しく織斑先生も見物人として来ていた。
「織斑先生も見に来たんですね、正直意外でしたわ」
「ん?あーまぁな、織斑の特訓は最近少し手伝ってたからな。どれだけソレが発揮できてるか確認しようと思ってな」
「なるほど」
「そろそろ始まるぞ」
セシリアの質問に織斑先生照れくさそうにしながら答える。
「それでは、野上ゴールドと織斑一夏による模擬戦を始めます。礼」
「「お願いします!」」
(織斑の白式……かなり見た目が変わってるな)
両腰部・ふくらはぎ・肩・背中にスラスターを、肘には小型のスラスターを付けてやがる。そして雪片も見た目が少し変化している。
白式は元々接近戦による短期決戦
悩んで悩んで悩み抜いた結果……捨てたんだろうなぁ。実際白式に中長距離兵装を載せるだけならやりようはある、けれど使えるかどうかは別問題だからな。
「模擬戦……始め!」
山田先生のその声と同時に──目の前が真っ白になった。
「───────ガッ!」
〝織斑に切られた〟事に気づいたのは、吹っ飛ばされてフィールド端のエネルギーバリアに叩きつけられてからだった。
衝撃で無理やり空気を抜かれて消えそうな意識を食いしばり、吠える。
「それ、が……新しい白式、か」
「あぁこれが新しい白式──白式・
右手にビーム刃が伸びてる雪片、左手に鍔が無いショートソード……そして何より目を見張るのは装甲の至る所から伸びる仕込み刀だろう。
「装甲偏らせて、ブースタ増設して、ソコに仕込み刀か。随分思い切ったな、ゲテモノかよ」
「言ってろ、こっからがコイツの本領だ」
(2刀流……雪片が十手のような形になってる事から、鍔が無い方は恐らく元々の雪片の中央部分を抜き取ったのだろうな)
前回零落白夜を見た時実体剣部分は全て変形していたのに対し、今回は十手部分が残ってる事からあってる筈。
「考えてる暇なんかやるかよ!」
「クソが!」
そうこうしていると零落白夜を解除した織斑が突っ込んできた。
当然迎撃しようとしたが、驚くべき事に奴は俺が放った弾丸の線とも言えるべき物に対し沿うように駆け抜け、俺との距離を最小限の動きで詰め寄ったのだ。
「ハァァ!!!」
「クソが!」
最速最短で距離を詰める織斑に対し、俺はシールドを構えて防御を取ることしか出来なかった。
「零落白夜!」
「やばい!?」
だが奴の方が1枚上手だった、構えていたシールドはガトリングごと両断された。奴は一向に止まらない。
「ウォオオオオオ!」
そのままブースターを吹かせ、回りながら
──いや、〝舞いながら〟数多の刀剣で俺を切り刻む。
「このまま決める!」
「なめんなぁ!」
俺は右腰にさしてあるショートソードを逆手で引き抜き、〝雪片弍型の実体剣部分〟にぶつけた。
「くっ!」
「やっぱりな……零落白夜がどれだけ強力であろうと、そのビームに触らなきゃただ素早さが乗った剣撃だ!そんぐらいいなしてやるよ!」
俺は織斑の土手っ腹に突き蹴りをお見舞いし、そのまま直立不動で後ろへ距離を離しながら銃撃で牽制する。
(彼奴の武器はとにかく速さと重い一撃と鬱陶しい多数の刃による連撃。そしてそれらを敵にぶつける為のド級のバカとも言える物怖じしない精神にある……だが、剣である以上〝得物を振るう間合い〟が必要だ。俺の得意距離を維持し、万が一〝アイツの得意な距離〟になったら更にもう一歩踏み込んでどっちにもキツい距離にしてやる)
(野上との戦いで気をつけなければいけないのはとにかく飛び道具、だけどソレはさっきの打ち合いでなんとかなるのは確認できた。後は俺自身が〝最適解の避け方を選び続けて〟尚且つ〝相手に策を講じさせない猛攻〟をすれば勝機はある。白式にはソレをやれる程のスペックが十二分にある、覚悟を決めろ男織斑一夏)
(完封してみせる!)
(突破口を切り開け!)
WIN:野上ゴールド
LOSE:織斑一夏
「だァァァ負けたあ!」
「何悔しがってんだてめぇもっと誇れ、圧倒的に有利な俺に弾薬全部使わせた上で剣全部折って、中距離専門の俺に拳と蹴り使わせた俺の為にももっと誇れじゃなきゃムカつくだろいいから立て、いつもみたいな馬鹿面晒せコノヤロウ」
「ごめんごめんごめん!悪かったからそんな怖い顔でまくし立てないで!てか俺の脇腹蹴り続けないで痛い痛い!徐々に力入れ痛いんだよ?!」
「…………はぁ、クソ。お前のせいで課題がまた増えたじゃねぇかホントまじ、あー泣き事言いたいのはこっちだよまじも~!!!」
「現在進行形で泣き言言うとりませんかい?」
「あ?」
「なんでもないです」
「ったく……だが、お前のおかげで改善点が洗えたともいえる。だから」
「だから?」
「…………あんがとな」
「!お、おう!」
「じゃあな!俺はもう部屋に戻る!」
「えーいいじゃねぇかもうちょい話そうぜ」
「うるせぇ!汗ベタベタでだァやめろくっつくな!汗や砂でジャリジャリ気持ち悪い!」
「だから更衣室のシャワー室で話しながら洗おうぜ」
「だから俺は部屋でっておい!話せ!ちくしょうてめぇさっき全力出し切ったんじゃねぇかよこのばか力!」
「ははは!これでも千冬ねぇの弟だからな俺、そんじゃ行くぞ!」
「分かった!分かった行くから襟を掴むなくる!くるじぃ!?!?」