俺は今、IS学園専用の飛行機に乗りながらある人と一緒に勉強をしている。そのある人とは
「……といった風になるからこの公式は成り立っています。ここまでで分からないことはありますか？」
「いえ、大丈夫です」
「分かりましたそれでは……」
俺が4月から入る予定の1-1の副担任、山田真耶先生だ。山田先生はIS初心者の俺でも分かるぐらいには説明が上手く心強い。
いくら工業の高校行こうとしていたとしてもここまで簡単に理解は出来なかっただろう。分かりやすいんだけど……これ最初の授業間に合うかなぁ。
明らかに俺がやってるのは基礎中の基礎。初心者の俺が山田先生が教えてくれるだけで分かるのがその証拠。始業式までまだ少しあるとしても勉強に加えて実践訓練もあるわけで…………今は勉強に集中しよう。とりあえずは目先のことについてしっかりしなきゃだなうん。
そんな事を思ってたら、
「今日の勉強は一旦ここまでにします、いきなり詰め込みすぎても大変ですから」
「分かりました、今日はありがとうございました。今後も頼りにさせてもらいます」
「えぇ存分に頼ってください。なんだって先生なのですから」
と、胸を張って自慢気な感じで言う先生。
教えて貰ってる時もちょいちょい思ってたがこういう時々に出る仕草可愛いな、子供ぽくて。先生には失礼だけど。
「後数時間で学園がある人工島に着きますけど、疲れていませんか？ もし疲れているのでしたら、今のうちに寝てらしたらどうですか？」
「はい、では少し復習したらそうさせてもらいます」
ふむ、あと数時間か、そしてあと数日したら女だらけの学園に男の俺が1人ぽつんと。……諦めよう、うん。人間諦めが肝心とも言うし変えられないのなら諦めて前に進もう。
今日から私、山田真耶は一足先にある生徒に勉強を教える事になった。
それはIS適正がある男としては2人目となる野上ゴールド君です。彼は先輩の弟織斑一夏君の発現により国が行った「地区別IS適正診断」に引っかかってしまったのです。受験も終わってた彼には物凄く申し訳がありませんが、国の意向に従わなければならないので引越しという名の強制連行に出てしまいました。
これだけの事をされたのですから少しぐらいは不貞腐れてもいいと思うんですが彼に私が自分の副担任で春期講習も私が請け負う事を話したら
「そうなのですか。分かりました、ISについては完全に初心者で分からない事だらけ。沢山面倒をかけてしまうかも知れませんが今日からよろしくお願いします」
と礼儀正しく私に挨拶してくれました。根が良いのか又は、自分の置かれている状況をちゃんと把握しているのか。聞くところによると彼は孤児らしく小学、中学も奨学金を貰いながら学校付属の学生寮に住んでいたらしい。奨学金で足りない所は孤児院が負担してくれたとも。
必然的に1人でも生きられるように思考もそっち方面に成長するだろう。だからこんな理不尽な事に晒されても不貞腐れたりせずに出来る事をちゃんと出来るのだろう。
だけど、それは少し寂しいとも思った。1人でも生きられる。確かに彼の出生ならこの考えになるだろうけど本来あの年代ならまだ親の愛を受けられるのだ。それを一切受けずに1人で生きる。友達などは小中と居ただろうがその中でどれだけ心を許せる存在が居ただろうか。きっと少ないだろう、もしかしたら居ない可能性もある。そんなのはすごく酷ではないだろうか？
なら私達はいや、私だけでも彼の心の拠り所になれるようにしよう。なんたって先生は生徒を導く存在なのだから。彼もその1人なのだから。
そう私は誓った。
投稿遅れてしまいすいません。構想などはある程度は出来ていますがそれをちゃんと文章にするってやっぱり難しいですね。ですが楽しいのでこれからも続けたいと思います。
本編の方はやっと出てきた癒し枠の山田真耶先生ですね。最後でも誓ったように彼女はゴールドが男だからといって変な事は思わず「1人の生徒」として見ています。これが後にゴールドにどんな影響を及ぼすかは今の所は皆さんの御想像にお任せします。
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