連邦軍人とフェイトくんの旅。   作:ばんどう

124 / 156
NO FAN,NO SO=叫ぶとguts発動率100%、体力全回復する魔法の言葉(ただしフェイトのみが使用可能。シンプルに【気合】とも言う)


6.空気を読む? なぜ空気が読めるんだい?

 ミッドチルダ首都南東地区を、一台の軍用ヘリが飛んでいる。上空七百メートル。見晴らしの良い空の天気は快晴、風向き北北西、微風――。

 ヘリパイロットを務める機動六課後方支援部隊(ロングアーチ)陸曹、ヴァイス・グランセニックは相棒(デバイス)のストームレイダーが観測する計器類に目を通し、悠々と操縦桿を握っていた。今日は天候が穏やかな事もあり、ヘリを飛ばすには絶好の機会だ。とは言え、見た目上穏やかでも空の天気は移ろい易く、リスクは常に潜んでいる。それを承知で悠然としていられるほどヴァイスはヘリ操縦に長けた人物だった。

 機動六課に導入された最新型輸送ヘリJF704式の調子は上々。

 彼は降り注ぐ陽の光や南東地区の街並みを堪能して、口許を緩めた。

 

「ほんなら改めて、ここまでの流れと今日の任務のおさらいや」

 

 ヴァイスが座る操縦席の後部――人命救助にも対応する広めのボックスシートから、声が上がった。

 機動六課課長、矢神はやてだ。彼女は安定感のある機内で、急旋回に備えて右手で天井を押さえ、後ろを振り返った。ヘリ頭部から見て、右側の席に軍医のシャマルとフェイト・ラインゴッド、左側の席に新人前線メンバー4人とアルフが向かい合って座っている。はやてとなのは、令嬢(フェイト)は、そんな彼らから九十度離れた――操縦席の後ろに張り付くようにして三人、並んで立っていた。彼女達の脇には五十センチ大の中型モニタがあり、それを皆で見ているのだ。モニタには、これまでに令嬢(フェイト)がまとめた捜査関係データが映し出されていた。

 はやては、改まった表情の前線新人部隊(フォワード)陣を見た後、一つ頷き、空中モニタに視線を向けた。

 

「これまで謎やったガジェットドローンの製作者およびレリックの蒐集者は、現状ではこの男――違法研究で広域指名手配されてる次元犯罪者。ジェイル・スカリエッティの線を中心に捜査を進める」

 

「ん?」

 

 青年(フェイト)は首を傾げた。モニタに映る『ジェイル・スカリエッティ』――どこかで見た顔だ。しかし思い出せない。

 おかしいなぁ、とぼやく青年(フェイト)の前で、新人達が更に表情を硬くする。彼等にとっては、これが初の顔見せだ。個別訓練前にアルフが出したデータのことなど、フェイトは綺麗に忘れていた。『ドクター』の異名を持つ広域次元(ビッグネームの)犯罪者。機内に緊張が増していく。

 はやての隣にいる令嬢(フェイト)が、場を和らげるように小さく微笑った。

 

「こっちの捜査は、主に私が進めるんだけど、皆も一応覚えておいてね」

 

「はい!」

 

 令嬢(フェイト)の気遣いも虚しく、新人達はいつもより張りのある返事をした。彼らの視線より高い位置に浮かんでいるリィンフォースⅡが、モニタに次の映像を映す。

 都市部から少し離れた森の中に、美術館か巨大公民館を思わせるホテルがあった。

 リィンフォースⅡは人差指で、モニタを指した。

 

「今日これから向かう先はここ、ホテル・アグスタ! 今日のお仕事は、骨董美術オークションの会場警備と人員警護です。取引許可の出ているロストロギアがいくつも出品されるので、その反応をレリックと誤認したガジェットが出て来ちゃう可能性が高い! ――との事で、私達が警備に呼ばれたです」

 

「この手の大型オークションだと密輸取引の隠れ蓑になったりもするし、色々――油断は禁物だよ」

 

 リィンフォースⅡと令嬢(フェイト)の説明を聞きながら、青年(フェイト)はふむふむと頷いた。ロストロギアをオーパーツとして教え込まれている身として、公的機関以外の人間が参加できるオークションというのはいささか違和感がある。両腕を組んで唇を引き結び、真剣な面持ちになりながらも、やはり微妙に話を聞いていないのがフェイト・ラインゴッドであった。

 

(オークションかぁ……)

 

 彼は物思いにふけっていた。

 天井を見やる。

 

(そう言えば九年前って――宇宙暦六九五年か……。六九五年と言えば、僕が買い損なったファイトシミュレータβ版の発売年なんだよね。あの時は最後の一本を取り逃して悔しい思いしたよなぁ~……――って、んん!? もしかして、買えるのかっっ!? 頑張ったら定価な上に新品でっ!!?)

 

 カッと目を見開くなり、フェイトは膝を叩いた。ファイトシミュレータβ版とは、今や伝説とまで言われる限定二百本の超人気ゲームソフトの試供品である。開発者がギミックにこだわり過ぎた余りロード時間が長く、フリーズやバグの多い代物だが、市場に流れた通常版に比べてシミュレーションステージの出来が良い。発売から九年経とうと色褪せぬ名作は、フェイトがいくら中古オークションを巡っても取引すらされていない逸品だ。

 

(もしかして僕は、今、父さんと連絡を取れたら――開発会社から直接β版貰えるんじゃ……!!)

 

 ダンッ、と拳を握りしめて青年(フェイト)が膝を叩いた。銀河連邦で『遺伝子紋章学』の権威である父は、銀河のさまざまな方面に太いパイプを持っている。青年(フェイト)はぷるぷると震える手で通信機(コミュニケータ)に手を伸ばした。思いつくと、一分一秒が惜しい。なのは達の前で、文明の利器を使ってはならない。だがしかし、しかし――……!

 

「ぬぅううううう……!」

 

 全力で唸る。興奮で一人テンションがおかしいが、対面するアルフ以外は誰も気付いていなかった。

 葛藤したのも数秒、青年(フェイト)はついに「ぬぁああああ!? 父さぁあああんっっ!!!」と叫びながら胸ポケットの通信機(コミュニケータ)を取り出す――寸前、鋭い衝撃が脳天に落ち、青年(フェイト)は自分の体が膝から落ちていくのを感じた。

 

「――()ってぇえええええっっ!!?」

 

 胸にやった手を頭に当て、青年(フェイト)が叫びながらゴロゴロと機内を転げまわった。彼の頭上には、今しがた踵落としを決めたアルフがいる。まるでゴミでも見るような冷めた眼。それで青年(フェイト)を見下ろし、アルフが静かな失笑の後、腰に差した刀の鍔に指をかけた。

 

「コラ、二人とも!」

 

 なのはが腰に左手を据え、右人差指を立てて、メッと叱責する。

 

「今、大事な話をしてるんだから、遊んでちゃダメだよ!」

 

「………………」

 

 アルフが一瞬、鬱陶しげになのはを見据えたが、何も言わずに溜息を吐いて鍔から指を離した。転がる青年(フェイト)をぞんざいに蹴る。

 

「だとよ。さっさと起きろ」

 

「っ痛! て、おまっ……! よくもこんなむごいことを……っ!」

 

 悪代官の断末魔のような声を発しながら青年(フェイト)が起き上がった。アイコンタクトでアルフに「今、通信機(コミュニケータ)使おうとしただろ?」と指摘され、ぐうの音も出なかったことは内緒だ。HAHAHA! と高らかな声で笑って青年(フェイト)が額を叩くと、無言のアルフを余所に、なのはに向き直った。社交的で清潔感のある笑みを浮かべる。

 なのはは二人のやり取りに長い溜息を吐いた。視線を、改めてモニタ画面に移す。

 

「現場には昨夜からヴィータ副隊長他、数名の隊員が張ってくれているから、前線は副隊長の指示に従ってね。私達は建物の中の警備に回るから」

 

「はい!」

 

 青年(フェイト)とアルフを見て忍び笑っていた前線新人部隊(フォワード)が、一転して表情を引き締める。なのはは苦笑混じりに頷き返した。仕方が無いな、と口の中でつぶやいたが、青年(フェイト)もアルフも、言って直るような人物ではないのが厄介である。両腕を組むなのはに、左側からキャロが、おずおずと手を上げた。

 

「あの――シャマル先生。さっきから気になってたんですけど、その箱って……?」

 

 キャロはそう言って、愛らしく小首を傾げた。桃のように落ち着いたピンク色の髪が肩に零れ、地上部隊の制服に広がる。

 質問を受けた軍医のシャマルは、にっこりと微笑んだ。

 

「ああ、これ? 隊長達のお仕事着♪」

 

 鼻歌でも歌いそうな柔らかい口調で、シャマルは顔の前で両手を合わせた。彼女は色素の薄い女性だ。淡い金髪を肩にかからない長さに揃え、外に流している。年齢は二十代中盤。象牙色のきめ細かい肌に、落ち着いた臙脂色の大ぶりな瞳、おっとりした口調と垂れ目気味の顔立ちから、女性の愛らしさと淑やかさが現れている。

 白衣が無ければ保母でもしていそうな彼女に、キャロは、はぁ、と頷き返して、軍医シャマルの足許にある三つの重なったスーツケースを見下ろした。

 スーツケースの中身は、それぞれ色の異なるパーティドレスだった。

 

 

 ……………………

 

 

 南東地区で有名なホテル・アグスタは、上流階級のセカンドハウスとして利用される高級宿である。

 幅広い玄関(エントランス)を抜けると、開放的なロビーに紅の毛の深い絨毯が敷いてある。玄関(エントランス)から見て左側の部屋が、オークション会場だ。いつもは固く閉ざされた両開きの扉が、今は客を歓迎するように開け放たれている。入ってすぐに受付があり、暗すぎないスーツを着た男性が三人、並んでいた。

 

「いらっしゃいませ、ようこそ」

 

 彼等は客に丁寧なお辞儀をし、提出された招待状と身分証明を確認してリストに印を付ける。ここを通る者は皆、紳士淑女ばかりだ。高級なジュエリーやバッグを身に付け、上質なドレスに袖を通して髪型をきっちりと決めている。そんな女性を、これまた高級そうなスーツの男性がエスコートしながら会場に入って行く。

 

「はぁ~……!」

 

 家は裕福だが社交界など参加したことのないフェイト・ラインゴッドは、アグスタに集結した客層に、ぽかんと口を開けた。

 

「フェイト君。前空いてるよ」

 

「あ、はいはい」

 

 左からなのはに言われ、青年(フェイト)は我に返った。受付まで後五メートルほど、フェイト達は列為す客の一人なのだ。ぼうっとしている間に、前の客との間隔が二メートルほど空いてしまった。そそくさと距離を詰めて、フェイトはごくりと唾を呑む。今、彼の左にはピンク色のドレスをまとったなのはがいる。いつものサイドテールを下ろし、オレンジ色の髪を背中に流す様はどことなく色っぽく、控え目なメイクでも彼女の美しさが際立っている。むき出しの肩――特に首から鎖骨にかけてのラインが艶やかで、首許を彩る小振りな真珠(ネックレス)がよく似合った。

 と。

 心臓が脈打ったのを耳にして、青年(フェイト)はカッと目を見開いた。ブンブンと頭を横に振る。

 

(僕はソフィア命、ソフィア命……っ!)

 

 心の中で念じながら、早まりかけた心臓を落ち着かせる。今度は右側から、令嬢(フェイト)が不思議そうに首を傾げた。

 

「具合悪いの、フェイト? もしそうなら、受付が終わった後、休んだ方がいいよ」

 

 周りの迷惑にならないよう、令嬢(フェイト)は声を潜めていた。顔が近い。彼女は青年(フェイト)の顔色を窺うために上目使いだ。こちらは深い紫色のドレス姿。はやてやなのはよりも胸元を強調したデザインで、深い谷間が眩しいほどくっきりと目に入る。薄手のショールを巻いているが、胸元の存在感の前にはまるで役に立たない。彼女の金髪と白い肌は、ドレスの紫によく馴染み、まるで紺碧の空に輝く月のようだ。

 青年(フェイト)はパンッと右手で額を叩くや、悟り切った表情で天を仰いだ。

 

「男って奴ぁよ……」

 

 両手に花である。青年(フェイト)はへの字に唇を引き結ぼうとするもどうにもゆるむ。先程から、男性客の視線が痛い。女性を連れている男性客ですら、美女二人を連れるフェイトを恨めしそうに見ている。

 学生時代から女生徒からもてはやされる機会の多かったフェイトだが、未開惑星で妙な事件に巻き込まれてから六か月。その間にできた『仲間』と言える女性陣からは、ソフィアを除いて、馬鹿だの役立たずだの使えないだのと思いつく限りの罵詈暴言をぶつけられていた。それが今、誰もが羨む女性を二人も連れて、どちらも青年(フェイト)を気にかけ、世話を焼いている。

 有り得ないシチュエーションだ。

 

(断言しても良い……! 僕ぁ今、最っっ高に輝いてるよっ!!)

 

 ただ残念なことに一つ。濃紺のスーツの背中には、鉄パイプが差せなかった。僕のパイプは質量兵器じゃありませんっ! と主張したが携帯を認められなかったためだ。相棒の重みが無いことに寂寥感さえ覚えながら、青年(フェイト)は首を振る。これでもし鉄パイプ持込可の会場だったら、青年(フェイト)は有頂天にこの一日を終えられだろう。

 

(惜しい……! 惜しいよ、アグスタ! 何故……何故、鉄パイプ装備を認めなかったんだ!!!!)

 

 拳を握りしめながら、青年(フェイト)がブンブンと首を横に振る。

 フェイト達より三組ほど前を行くはやてとアルフが、受付員に身分証を提示していた。

 

「こんにちは、機動六課です」

 

 穏やかに微笑うはやては、白いドレスを着ている。薄手のショールを藍バラのコサージュでまとめ、首に革紐のチョーカー。小柄な彼女は栗色のセミショートの髪をアップにすると(うなじ)から背中にかけての線が映え、アルフの隣に立つと華奢な容姿が際立った。

 

「これは……!」

 

 身分証を受けた受付員が、ご苦労様です、と言って頭を下げる。はやては微笑み返して身分証をバッグに戻した。

 おずおずと、アルフを見上げる。

 

「それにしても。シャスはいつの間に、フェイト君と自分のスーツ用意したん?」

 

「クラナガンに行った時に、一通りそろえたんです」

 

「古くからの知り合いがおった……とか?」

 

「――まあ、そんなとこ」

 

 微妙に論点をぼかすアルフに、はやては唇を尖らせた。観たところ、アルフやフェイトが着ているスーツは、高級ホテルに入場してもまったく違和感がないほど上等だ。頼んですぐ手に入るものとは思えない。あの日、はやてがナカジマ三佐達と会食した時のことは、彼は何をやっていたのか一言も話さなかった。

 

「秘密主義やなぁ、シャスは」

 

「そりゃどうも」

 

「んん!? 今のは褒めてへんよぉ~!」

 

 したり顔で頷くアルフに、はやてが頬を膨らませた。アルフが肩をすくめる。

 

「そう言えば、六課隊舎の首尾はどうなんです?」

 

 はやてのはしゃいだ顔が、ぴたりと止まる。深刻に前を見つめると、はやては声を落とした。

 

「一応、シグナムとザフィーラに警戒するよう言ってあるよ。ティピちゃん達はともかく、アウグ言う人物が、部隊隊舎一つを壊滅させたのは事実やから」

 

「――妥当ですね。あのアウグとやらが、フェイトが拾った連中とどうつながってるのかはっきりしない以上、六課を空けるわけにはいかない。それに、アウグの出没先は、ロストロギア関連の施設だけではなさそうですから」

 

「調べたん?」

 

 ぱちぱちと大きな瞳を瞬くはやてに、アルフは頷いた。

 

「と言っても、耳にしたのは噂程度ですよ。それからフェイト……ラインゴッドについては、ありのまま報告して下さい。先日、レジアス中将に話を通しておきましたから」

 

「シャスが?」

 

「ええ。大事(おおごと)にしない為にも、必要でしょう?」

 

「……ありがとうな、シャス」

 

「どういたしまして」

 

 はやてがほわんと頬をゆるめる。

 機動六課は微妙な立場の部隊だ。所属は地上本部(りく)だが、直属の上司――後見人は航空部隊(うみ)が担っている。

 指令系統の異なる二つの組織の板ばさみ状態になった部隊を取り仕切るはやては、小さな問題でも地上本部(りく)航空部隊(うみ)に溝を作りかねない。その危険を、常に負っているのだ。

 アルフは頭三つ分下にある彼女を見下ろすと、形式的に組んでいたはやての腕を解いた。

 

「?」

 

 はやてが不思議そうに見上げてくる。アルフは右手をひらひらと振りながら、踵を返した。

 

「『一般入場』は終わったんで、外を見て来ます」

 

 ちょうど、なのはとフェイトが受付を終えた頃だ。なのは達とすれ違う直前、アルフが会釈してホテルを出て行った。青年(フェイト)が「付き合おう!」とハイテンションに言いながら()いて行ったのを、なのはと令嬢(フェイト)が苦笑混じりに見送っていた。

 

 

 ………………

 

 

「会場内の警備は流石に厳重、っと」

 

 二階の観客席から身を乗り出して、はやては会場全体をぐるりと見回した。彼女とは反対側から会場を回ったなのはが、小さく頷く。

 

「一般的なトラブルには、十分対処出来るだろうね」

 

「外は六課の子達が固めてるし、入口には防災用の非常シャッターもある。ガジェットがここまで入って来る言うんは、無さそうやしな」

 

 昨日の打ち合わせで作った防衛ラインを脳内に描きながら、はやては顎に手をやった。セーフティは四重。シャマル・ヴィータを始めとする哨戒部隊、前線新人部隊(フォワード)による防衛部隊、魔力を持たない一般局員による警備隊、ホテルの防犯システムである。

 配備状況にはムラが無く、警備の模範と言える状態だった。

 

「うん。油断は出来ないけど、少し安心」

 

「ま、どっちにしても私達の出番は、ホンマの非常事態だけや」

 

 はやての言葉に、なのはは力強く頷いた。

 

「オークション開始まで、あと三時間二七分か……」

 

「うん」

 

 

 

 ――そう言えば、アンタは結構詳しかったわよね? 八神部隊長とか、副隊長達のこと。

 

 アグスタ周辺の警備に回っている前線部隊(フォワード)は、玄関(エントランス)付近にスバル、ホテル背面にティアナ、エリオとキャロが地下駐車場に配されている。今の所、異常は無い。ティアナはオレンジ色のツインテールを揺らしながら、目の前に広がる森をジッと見据える。その合間に、スバルに向けて念話した。

 

 ――うん。父さんやギン姉から聞いた事くらいだけど、急にどうしたの?

 ――ちょっと興味があって。知ってる範囲で良いから、聞かせてくれない?

 ――いいよ。八神隊長の使ってるデバイスが魔道書型で、それの名前が『夜天の書』っていうこと。副隊長達とシャマル先生、ザフィーラは、八神隊長個人が保有している固有戦力だってこと。で、それにリィン曹長を合わせて六人揃えば、『無敵の戦力』ってこと。まあ、八神隊長の詳しい出自とか、能力の詳細は特秘事項だから、知ってる事と言えばそれくらいかな。

 ――レアスキル持ちの人は皆そうよね……。

 

 能力詳細は特秘事項。レアスキルと呼ばれる希少魔法を使う人間は、何を使うのかが相手に知られていないからこそ一番の強みを発揮できるのだ。

 

 ――ティア、何か気になるの?

 ――別に。

 ――そう。……じゃあ、また後でね

 ――うん。

 

 顎に手を添えて考え込んでいたのを、恐らくスバルは見抜いたのだろう。回線が切れるような分かりやすいモノでは無いが、魔力結合が解ける――スバルが遠のく感覚がして、ティアナはゆっくりと顔を上げた。

 目の前に広がる森。木々が生い茂るこの場は見通しが悪く、景観は良いがどこかに誰かが潜伏していても気付きづらい。

 ティアナは見落としの無いよう木々の合間を入念にチェックしながら、一人ごちた。

 

(六課の戦力は、無敵を通り越して明らかに異常だ……。八神隊長がどんな裏技を使ったのかは知らないけれど、隊長格全員がオーバーS、副隊長でもニアーSランク。他の隊員達だって、前線から管制官まで未来のエリート達ばっかり)

 

 溜息が洩れる。

 

(あの年でもうBランクを取ってるエリオと、レアで竜召喚師のキャロは、二人ともフェイトさんの秘蔵っ子。危なっかしくはあっても潜在能力と可能性の塊で、優しい家族のバックアップもあるスバル。……やっぱり、ウチの部隊で凡人は私だけか……)

 

 視線が落ちる。ティアナは唇を引き結んで、顔を上げた。

 

(だけど、そんなの関係無い。私は立ち止るわけにはいかないんだ!)

 

「くぉおおおのっ!! 凡人がぁああああああっっ!!!!」

 

「え?」

 

 ティアナの持ち場のすぐ近くで、フェイト・ラインゴッドの絶叫が響いた。ティアナは目を丸める。一瞬びくりと体が震えたが、青年(フェイト)の主張は彼女に向けられたものではなかった。

 

「えっと……、フェイトさん?」

 

 執務官のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンとは違い、まったく落ち着きの無い青年を探す。と、建物の角を曲がった所に、青年(フェイト)とアルフが居た。

 青年(フェイト)が叫ぶ。

 

「何故だっ!? 何故分からぬッ!!? ほんの一分一秒――ちょっとの間で良いから、父さんと連絡を付けねばと焦る僕の気持ちが、何故お前には分からないんだぁああああっっ!!!!?」

 

「……お前よ。それがゲーム買うためのセリフと知って、誰が納得すんだ?」

 

「僕の、僕のこれからの数十時間がバラ色の人生(みらい)に変わるんだぞっ!!? それを奪う権利なんか、この世のどこにも無――」

 

 言いかけた青年(フェイト)の頭が、ハンドボールの様に跳ねた。アルフの鉄拳が青年(フェイト)の顔にめり込んだのだ。堅く握った(アルフ)の拳には、青年(フェイト)の上半身を覆うほどの炎が宿っていた。

 

「!」

 

 ティアナが思わず口に手を添える。

 二、三メートル近く、青年(フェイト)の体が直線的に跳んだ。まるでロケットランチャーのように勢い良く、森の木に当たって停止する青年(フェイト)。彼は、ぼて、と白目を剥いて地面に倒れた。しゅうしゅうと青年(フェイト)の体から白い煙が立ちこめる。良い感じ(ミディアム)に彼の肌は焼けていた。

 アルフはそれを見下ろし、ハッと目を見開いた。――それも数秒で、彼はいつもの茫洋とした紅瞳に戻ると、煙を上げる拳を見下し、首を横に振った。

 

「……つい本気で()っちまったか。こうも簡単にキレるとは、俺もアイツみたいになって来たのかもな」

 

 ふぅ、と溜息を吐く。アルフがこちらに気付いて顔を上げた。視線が合う。

 

「よぉ。見廻りかい?」

 

「は、はい!」

 

 ティアナは歯切れ良く頷いた。青年(フェイト)とは模擬戦で一緒になるため話す機会が多いが、アルフとはまだ、それほど喋った事が無い。どことなく近寄りがたい雰囲気を持っている彼に緊張していると、アルフは、ご苦労さん、とだけ言って踵を返した。

 

「NO FAN,NO SO!!」

 

 その時だった。煙を上げて倒れていたフェイトが、叫びながら起き上る。白目を剥いてから(テン)(カウント)以内の早業だった。

 

「ちっとは空気読めよ、お前」

 

 アルフがあからさまに眉をしかめる。

 

「空気を読む? 何故空気が読めるんだい? 君、空気が見えるのかい? 見えないだろ? 読むってのはね、見えなきゃ読めないんだよ!! 不可能だろ? 空気に何が書いているのか分かるのかい? 分かるわきゃない! だって書いてないんだから!! だから、敢えて力強く言おう。空気は吸って吐くものだと!!」

 

 青年(フェイト)は熱弁をふるった。それは何故か? 欲しいモノを得る為に、彼は手段を選ばないからである。

 アルフが右手で顔を覆い、深く溜息を吐く。そして空を見上げた後――

 

「やっぱそろそろ始末するか」

 

 まるで夕飯の買い出しにでも行くノリで、彼はヘリに預けていた刀を手に取った。青年(フェイト)が鉄パイプを構える。

 

「フッ……やはり僕等は、分かりあえない存在の様だな。アルフ!」

 

「前言撤回なら、まだ受け付けてやるぜ? フェイト」

 

 目だけは笑わない微笑を浮かべるアルフ。青年(フェイト)はカッと目を見開いた。

 

「良かろう! ならば、どっちが『アルフェイト』のリーダーか、勝負だ!!」

 

「――ん?」

 

 突然耳慣れぬ言葉を聞いて、アルフが首を傾げた。その瞬間、青年(フェイト)は踏み込む。

 

「もらったぁああああっ!!」

 

 上段からパイプを振り下ろす。アルフはサイドステップで躱し、容赦なく刀を薙いだ。

 

「とぉっ!?」

 

 ギィインンッ!

 

 鋭く鳴る音。刀とパイプが擦れ合う。

 青年(フェイト)はぱちぱちと瞬いて、問いかけた。

 

「何故そこまで本気?」

 

「諦めたか? お前」

 

 視線で通信機(コミュニケータ)を示され、青年(フェイト)の瞳に再び炎が湧きあがった。

 

「させはせぬっ! させぬぞぉおお!! アトロシャァアアアス!!!!」

 

「い、いい加減にしてくださいっ!」

 

 ティアナは勇気を出して、声の限り叫んだ。鍔迫り合いをする青年(フェイト)とアルフが、キョトンと瞬いてティアナを見る。

 

「え、っと……」

 

「……」

 

 つぶやく青年(フェイト)とアルフが互いの顔を見合わせる。二人は同時に頷き、刀と鉄パイプをそれぞれの定位置に戻した。直後に起きたのは、プロレスだ。

 

「とうっ!」

 

 間合いを測って青年(フェイト)がアルフの襟首を掴む。と、アルフはにやりと嗤って青年(フェイト)の襟を掴み返した。左手で青年(フェイト)のスーツの右肘を握る。と、彼は右膝を青年(フェイト)の脇腹に入れるように跳びつき、左脚の遠心力を利用して青年(フェイト)を引き倒した。アルフの襟首を掴んでいた青年(フェイト)の右腕は、左手に掴まれて外せない。

 

(げ――!)

 

 青年(フェイト)が嫌な予感を覚えたのも束の間、彼は右腕を引っ張られるようにして右にごろんと転がった。直後、視界にアルフの脚が入る。

 

「ふ、ぎぎぎぎぎぎ……!」

 

 気付いた時には、仰向けに倒され、青年(フェイト)は右腕の関節を逆方向に捩じ上げられていた。

 

「軍人相手に関節技とは、無謀だねぇ」

 

 みしみしと音を立てる青年(フェイト)の右腕を握りながら、アルフは脚方向にある青年(フェイト)の顔を窺った。腕十字を決められ足掻く青年(フェイト)は、ぎゃぁあああ、と叫ぶばかりで外し方すら知らない。笑いと涙が混じった青年(フェイト)と目が合って、ティアナはハッと我に返った。

 

「だ、だから! 暴れないで下さいよ!!」

 

 一度話を聞いてもらえたので、ティアナはめげずに注意してみた。二人とも、地面(した)が土など気にしない。一着○十万のスーツと言う話だが、ティアナには冗談としか思えなかった。

 

「……これもダメか」

 

 ぽつりと言ったアルフが渋々と青年(フェイト)を解放する。青年(フェイト)はぐったり地面に張りついていたが、一秒後に復活した。

 

「NO FAN,NO SO!! ッしゃ、来いやぁあああ! シャァアアス!!」

 

 叫ぶと同時に、青年(フェイト)はスーツの袖を捲る。提示して来たのは、腕相撲だ。土など気にせず腹這になっている青年(フェイト)に、アルフも嗤って腕を差し出す。

 

「右は休めた方がいいんじゃねぇの?」

 

「ちぃいいっとも効いてませんなぁ!!」

 

 青年(フェイト)は涙声で答えた。この二人、恐ろしいまでに警備する気が無い。

 

「……もう!」

 

 ティアナは額を叩いた。

 

 

 

「!」

 

 ホテル屋上――と言っても、玄関(エントランス)ホールのある低い屋根の屋上から森を見渡していたシャマルは、ハッと臙脂色の瞳を見開いた。視線の先は、自らの繊手。右の人差指に嵌めた指輪が、キラリと光ったのだ。

 軍医シャマルのデバイスは武器としての能力は低い。しかし、治療や通信、更に転送等の支援用途にて本領を発揮する後方支援型デバイスである。――名は、クラールヴィント。人差指に嵌めた緑の宝石が、一定範囲の魔力を感知し、薬指に嵌めた蒼の宝石が、そのデータを他デバイスに送信する。

 

「クラールヴィントのセンサーに反応。シャーリー!」

 

 ××××

 

「はい! ――来た来た! 来ましたよ!!」

 

 六課の司令室に待機している通信主任シャリオ・フィニーノは、キーボードに指を走らせる。

 

「ガジェットドローン陸戦Ⅰ型! 機影三十、三十五……! 陸戦Ⅲ型、二、三、四!」

 

 ××××

 

 シャリオの報告を受けて、シャマルは一つ頷いた。アグスタに待機する機動六課に向けて、念話する。

 

 ――前線各員へ。状況は広域防御線です。後方支援部隊(ロングアーチ・)通信主任(ワン)の総合回線と合わせて、私、シャマルが現場指揮を行います!

 

 ――スターズ(スリー)、了解!

 ――ライトニングF、了解!

 ――スターズ(フォー)、了解!

 

 ティアナはポケットに入れていたカード状の魔法杖(デバイス)、クロスミラージュを取り出すと、一丁の白い銃に変化させた。駆け出す。

 

「フェイトさん! アルフさん! 先に失礼します!」

 

「んぁ?」

 

 青年(フェイト)が何事かと首を傾げた。アルフはティアナの背を見送りながら、ごそごそと懐からクォッドスキャナーを取り出す。電源を入れて広範囲に索敵すると、ガジェット反応が――多数。

 

「仕掛けて来たか」

 

 呑気に言いながら、服についた土埃を払う。横からアルフの解析機(スキャナー)青年(フェイト)が覗き、カッと目を見開いた。

 

「完全包囲されてるじゃないかっ!」

 

「まだ包囲段階じゃねえよ。数はそれなりに揃えてるみたいだがな」

 

 紅瞳は全く動揺しない。相変わらず白い貌のアルフを尻目に、青年(フェイト)はスキャナーが映し出すガジェットの分布図を見ながら訊ねた。

 

「どうする?」

 

「無駄に走り回んのもアレだ。とりあえず、軍医の(シャマル)先生んトコ行こうぜ。あそこが指揮系統だ」

 

 ポケットに解析機(スキャナー)を戻しながら、アルフが歩き出す。青年(フェイト)は眉を寄せた。

 

「おいおい。指示待ちって事は、僕の華麗なる活躍が半減しちゃうんじゃないか?」

 

機動六課(むこう)も俺達に構ってるほど、暇じゃねえだろ?」

 

「――と、言いつつ取りだしたその通信機はなんだよ?」

 

「いちいち最初から現状聞くの面倒臭ぇじゃん」

 

 青年(フェイト)は口を菱形にして押し黙った。通信機から聞こえてくるのは――ティアナの声だ。

 

[シャマル先生、私も状況を見たいんです! 前線のモニター、貰えませんか!?]

 

[了解。クロスミラージュに直結するわ]

 

 念話で喋る魔導師達の声が聞こえる。青年(フェイト)はそれに驚きながら、アルフを見た。アルフは無表情に通信機を見据えるだけ。念話の波長パターンを解析(クォッドスキャン)すれば、通信機で盗聴するのは難しくない。それだけの技術が、アルフにはあった。

 

[クラールヴィント、お願いね]

 

〈ja.〉

 

[ヴィータちゃん!]

 

[うん。スターズ2《ツー》、出るぞ!]

 

「何だとっ!? ヴィータちゃん!!!?」

 

 アルフと一緒に機動六課の念話を聞いていた青年(フェイト)はカッと目を見開いた。ヴィータとは『魂の会話』をした仲だ。捨て置くわけにはいかない。

 

「と言う訳でシャス! 僕はこれから、ヴィータちゃんの援護に行って来るよ!!」

 

「了解。なら俺は、ティアナかシャマル先生に前線の映像でも見せてもらおう」

 

「指示は任せたぞっ!」

 

「指示通り動けよ?」

 

 パチンっと爽やかにウインクして、青年(フェイト)は懐から、一足のシューズを取り出した。

 白いモコモコの――どう見ても普通の人間が履くとは思えない、肉球のついたシューズだ。

 青年(フェイト)は鉄パイプを片手に、そのシューズを掲げ言い放った。

 

「偉大なるバニ神よ、僕に力を!」

 

 陽光を浴びて、デフォルトしたウサギ足の(シューズ)は、キラン☆と輝いた。艶やかな白い毛並みだ。青年(フェイト)はペタンと地面に座り込み、『バニ神の加護を得しシューズ』――通称、バーニィシューズを、ダイバーがフィンを履く要領で、装着した。

 

「じゃ! 行って来るよ!」

 

 人差指と中指を揃え立てて、青年(フェイト)は爽やかに笑うと、ドキューンッと加速音を立てて、森の彼方に走って行った。

 

「………………」

 

 アルフは右手で顔を覆う。「バニ神の加護を得しフェイト」は、時速二百キロで走行可能な、まさに暴走凶悪生物なのである――……。




ティピ
「第三回! ティピと」

フェイト
「フェイトが」

ティピ&フェイト
「「行く!!」」


ティピ
「と言う訳で~、今回も始まりました。皆のアイドル、ティピと」

フェイト
「皆の主人公、フェイトです」

はやて
「今回は機動六課の隊長、八神はやてがゲストで参加します」

 はやてはそう言って、楚々と一礼した。

フェイト
「あれ? 前回僕ら、そんなこと言ったっけ?」

はやて
「なんか面白そうやから、こっち来てん♪」

ティピ
「さっすがぁ! そのイントネーションだとノリが違うわね!」

はやて
「面白ければすべて良しや~!」

フェイト
「すいませんでしたぁあああああああっっ!!!!」

はやて
「わわっ! どないしたん? フェイト君」

ティピ
「アンタ……前回のこと、結構気にしてて――」

フェイト
「あのバカがやった貴方への無礼の数々! いやぁあ! すみませんでしたぁああああ!!!! もう弁解しようもございませんっっ!!!」

ティピ
「そっちかよ!! 前回のかけそばの話で謝ったんじゃないのかよっ!」

フェイト
「いや。かけそばの話はいいんだよ、事実だから。
 でもホント、今度会ったら足腰立たないくらいボコボコにしときますんで、任しといてください」

はやて
「んん? あれなら私、新必殺技考えたんやけどなぁ~」

ティピ
「え? どんなの? フェイトにやってみて~!」

フェイト
「え!? 僕かよ!!?」

ティピ
「私にやってもしょうがないじゃん」

フェイト
「……まあ、サイズ的にね」

はやて
「ほんなら行くよぉ~! とやぁ~っ!」

 はやてはキリッと表情を引き締めるや、ウルトラマンのファイティングポーズを取った。

フェイト
「物凄くへっぴり腰ですね!?」

はやて
「とやぁ~っ!」

ティピ
「…………。まあ、これならある意味、萌死にする人いるんじゃない?」

フェイト
「あ! そっちなら確かに! これでやられる人いますよね」

はやて
「あ……あれ……? あんまり怖ない?」

ティピ&フェイト
「「全然」」

はやて
「せっかく考えたのに……」

ティピ
「なんとなく――はやてさんってそう言うの、向いてないよね」

フェイト
「癒し系だからね! そんなことよりはやてさん!」

ティピ
「ハイ、第三回目来たわよ。『そんなことより』」

フェイト
「実際問題、あのそばっていくらするんです?」

ティピ
「って、結局そばかよ! そば引っ張るなぁ……!
 せっかくホテル・アグスタなんだからあのドレスいくら? とか、借りものなの? とか、その辺じゃないの?」

フェイト
「いや! そば!! そばは譲れんよ!!」

はやて
「言うほど高くないよ? 一枚千円くらいやし」

フェイト
「千円は十分高ぇえええ!!」

 フェイトは目を見開いた。力説する。

フェイト
「だって千円だよ!? ごはんもお味噌汁もついてないんだよ!?
 関西人なら分かるでしょ!? そばだよ! そばだけで千円なんだよ!?」

はやて
「まあ、なんだかんだ言うて私、東京で暮らした期間長いしなぁ」

フェイト
「ぐぅ……! なんてことだ! はやてさんが『なんちゃって関西人』だったとは……!!」

はやて
「『なんちゃって』ちゃうもん!!」

ティピ
「あ、そろそろ時間無くなって来たよ? フェイト」

フェイト
「あ、やべ!」

はやて
「――もう!!」

ティピ
「と言うわけで次回は、」

フェイト
「まあやっぱり――フェイトさん、でしょうね?」

はやて
「なんなん!?
 私の時は紹介してくれんかったのに、フェイトちゃんの時は紹介するん!!?」

ティピ
「いや、こう言う風に無理矢理入って来られないようにね?」

はやて
「ええもん、ええもん! そう言うんやったら、無理矢理入ってくるも~ん!」

フェイト
「ちょっと待って下さいよ! このスタジオ、三人掛けなんですよ!?」

はやて
「スタジオって何や~! とやぁ~!!」

 はやては、またしてもウルトラマンのファイティングポーズを取った。
 ティピが強引に話に割り入り、愛想笑う。

ティピ
「と、言う訳で! 今回のティピとフェイトが行く!! ここまで~!
 無理矢理切っちゃえ! 無理矢理切っちゃえ~!」


はやて
「何や~! 私はまだ話したりへんで~!」

フェイト
「たぁすけてぇえええっ!!」

 フェイトの叫び声が、スタジオ(笑)に響き渡った。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。