連邦軍人とフェイトくんの旅。   作:ばんどう

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7.魂の会話を交わした君の戦場。僕も共に行かせてもらうよ!

 上空百メートル。森を一望できる高さまで飛翔したヴィータは、シャマルが観測したガジェット出現位置目掛けて先を急いでいた。赤いおさげを揺らすヴィータの服装は既に管理局の制服ではなく、古式魔法(ベルカ)の騎士甲冑である。

 『騎士甲冑』とはそのままの意味では無く、ミッドチルダの魔導師が着る戦闘服――バリアジャケットと同じ意味だ。ヴィータの場合は、赤いゴシックドレスが騎士甲冑にあたる。惑星ミッドチルダを二分する近代的で遠近ともバランスのいいミッド式に比べ、古来より近接戦・個人戦に特化したベルカ式魔法使いは、一般的に魔導師ではなく『騎士』と呼ばれていた。

 赤いゴシックドレス――騎士甲冑をまとったヴィータは、右手にグラーフアイゼンを握りしめる。

 

(新人共の防衛ラインまでは、一機たりとも通さねえ! ソッコーでぶっ潰す!)

 

 眼下にガジェットの機影が見えた。ちらちらと六機。まだ全体が視認できる距離では無い。ヴィータはさらに接近する。

 その時、

 

「ヴィータちゃああああん!!」

 

「!?」

 

 真下から声がして、ヴィータは背後を振り返った。ドドドドドッと物々しい土煙を上げて、『何か』が爆走してくる。その『何か』が何であるか考えるまでもなく、ヴィータは確信していた。それほどまでに、ヴィータは『彼』の事をこの前の一件で理解したのだ。

 

(おい、ちょっと待て。アタシの飛行魔法に軽々と追いついてくるってのか?)

 

 ぴくりと頬を震わせる。見た目通り、下は森で、どれほどの俊足を持っていようと木々が障害物として立ちはだかる。

 

「――本当にナニモンだよ、アイツ」

 

 ヴィータはつぶやいた。必死の形相でこちらに駆けてくる青髪の青年をあきれ顔で見やる。青年(フェイト)はヴィータに追いつくと、並走して話しかけて来た。

 

「魂の会話を交わした君の戦場。僕も共に行かせてもらうよ!」

 

 グッと親指を突き立てて、良い顔でそう言う。

 

「バカ野郎! アタシは大丈夫だ、それより新人達のバックアップを!」

 

「それは、シャスがやる! ……多分」

 

 力強く言い切るも最後は首を捻って青年(フェイト)は付け足した。ヴィータは溜息を吐く。

 

「相変わらず、聞く耳持たねえ野郎だな」

 

 脱力したが、ヴィータの口許に浮かんだのは何故か笑みだった。過度の緊張などしていないが、青年(フェイト)と共にいると妙な力が抜ける――リラックス出来るのだ。

「まあ、いい。それなら一機たりとも、新人達の所へ行かすんじゃねえぞ!!」

 

「任せろ!」

 

 鉄パイプを構える青年(フェイト)を見下し、ヴィータは頷いた。上空で止まり、ベルカ式魔法陣――三角形の陣がくるくると回る赤い魔法陣を足許に浮かべる。

 

「――それじゃあ、行こうか!」

 

「おう!」

 

 青年(フェイト)の言葉に頷きながら、ヴィータは左手を横に薙いだ。ヴィータの指先から三センチ大の鉄球が等間隔に並ぶ。それは四つ、空中に浮かぶと、もう一度ヴィータが左手を薙ぐ事で、八つに増えた。

 

「まとめて……」

 

 ヴィータはハンマー型デバイス、グラーフアイゼンを振り被る。

 

「ぶちぬけぇええええっ!」

 

 アイゼンのハンマーヘッドが赤く光った。――振りぬく。

 と、

 

 ズドドドドォンッ!

 

 大口径の銃を発砲したような音を立てて、グラーフアイゼンは鉄球四つを打ち抜いた。右上から左下に向かって振りぬかれたハンマー。それが、次の拍子で来た道を戻るように振り上げられる。残った四つの鉄球も轟音を立てて地表に居るガジェットに走った。それらは発砲された弾丸の如く速く、鋭く、深くガジェットを抉ると、ガジェットは全身から火花を散らして爆発した。

 その合間を、青年(フェイト)が駆ける。地上に居たガジェットは十二機。ヴィータが上空から八機落とすと、青年(フェイト)は残る四機を鉄球の合間をくぐって鉄パイプを振るう事で粉砕した。

 上空から狙い撃つヴィータとは違い、青年(フェイト)はガジェット一機一機に駆けより、接近戦に持ちこんで四機撃墜したのである。たった数秒の間に。

 

「へっ、なかなかやるじゃねえか!」

 

「――フ、お兄さんを舐めないことだよ!」

 

 その偉業を誇らしげに主張する青年(フェイト)は、実際に凄いのだが、何故か素直に賞賛できない。

 髪を掻き上げる青年(フェイト)に対し、ヴィータはにやりと笑って言い放った。

 

「上等だ。遅れんじゃねえぞ、ラインゴッド!」

 

「任せろ!」

 

 

「へえ、ヴィータちゃんとフェイト君。いいコンビね」

 

 玄関(エントランス)ホール屋上。地上戦をモニタするシャマルが、感心して笑みを浮かべながら言った。ここに今、六課の新人メンバーが集結している。ヴィータが第一防衛線とすれば、彼等は第二防衛線だからだ。

 

「副隊長についていけるなんて、フェイトさんすごぉ~い!」

 

 スバルは映像を見ながら瞳を輝かせ、両手を握った。ティアナの表情が曇る。

 

「――やっぱり、フェイトさんの実力って……」

 

 つぶやいた言葉の先は彼女自身が飲み込んだ。誰にも知られぬ位置で拳を握る。青年(フェイト)がSランク以上の魔導師かも知れないという情報は、新人達には知らされていない情報だ。――彼はあくまで『民間人』。そう決定付けた六課の方針に反し、模擬戦を共にしているティアナ達は、誰に説明を受けずとも、彼が只者では無いことを理解していた。

 特にティアナは、胸が締め付けられるほどに――。

 

「どうしたの? キャロ」

 

 不意にエリオがキャロに問いかけ、ティアナは顔を上げた。キャロを見る。まだ十歳の小さな少女はハッと目を見開いて、緊張した面持ちだった。

 

「近くで、誰かが召喚を使ってる……!」

 

「クラールヴィントのセンサーにも反応。ヴィータちゃん、フェイト君! 気をつけて!」

 

 キャロの魔力察知と、シャマルの通信は、ほぼ同時だった。

 

 

 

「――我は、乞う」

 

 アグスタから二十キロほど離れた森で、少女はつぶやいた。足許に四角い魔法陣が浮かび上がる。魔力光は、紫。

 彼女は身長百三十センチほどの小柄な少女だった。薄紫色のストレートな髪を太腿まで伸ばし、滑らかな白い肌をしている。精巧な人形のように整った顔立ちと、桜色の唇。瞳の色は赤。基はぱっちりとした大きな目だが伏せ目がちで、紫色の魔力光によって妖しく光る。

 

「小さき者、羽ばたく者。言の葉に答え、我が命を果たせ。召喚――インジェクト・ツーク」

 

 彼女はそっと両腕を広げた。紫色の四角い魔法陣から生える半透明の触手が三本。それは少女の身長よりも長く、中に紫色の小さな虫を飼っていた。

 少女の黒いワンピースドレスが魔力風に煽られてなびく。スカート丈は短く、白い太腿が見えた。傘状に広がったドレススカートを彩るピンク色のフリルは二本、平らな胸元を飾るのは、フリルと同じピンクの大きなリボンだ。細く伸びる足は白いタイツで固め、靴の色は黒。手足以外は黒で固めた少女は、幼いながらも妙な色気が有った。

 少女は両腕を前に突き出す。

 

「ミッション、物質(オブジェクト)操作(コントロール)

 

 半透明の触手がパァンッと音を立てて割れ、中で蠢いていた羽虫が解放された。少女の足許に浮かんだ魔法陣が消える。彼女は右手を差し出すと、自らが召喚した羽虫に向かって言った。

 

「行ってらっしゃい。気をつけてね」

 

 虫は少女と同じ紫色の魔力光を放つと、ガジェットに向かって飛んで行った。進攻中のガジェットよりも足が速い。彼等はガジェットに追いつくと、躊躇なくガジェットに飛び込み、溶け込むように融合した。

 ガジェット機体が、紫色の魔力光を発する。

 

 

 

「増援部隊の登場、か……! 面倒くさいな」

 

 新たに現れたガジェットを見据え、青年(フェイト)はやれやれと肩をすくめた。

 

「コイツは召喚術!? ヤベエぞ、フェイト!」

 

「ん? 大丈夫だよ、ヴィータちゃん。数がいくら増えても僕達に敵う訳ないじゃないか」

 

「この、大馬鹿野郎!! 召喚術ってのは、遠く離れた位置から対象を空間移動させる離れ業だ。つまり、いきなり防衛網を突っ切って敵を召喚される可能性がある!!」

 

「――AMFは?」

 

 青年(フェイト)に問われ、ヴィータは一瞬戸惑った。AMFはあくまでガジェットに搭載された機能だ。管理局は使わない。何故ならガジェットは『質量兵器』だからだ。AMFで止まる代物では無い。加えて、敵が召喚術を使って来るなど、今回が初めてのケースだった。

 

「確かに召喚術を防ぐにはAMFが有効だろうが……どうする気だよ?」

 

「――だとさ、頼んだよ。アルフ」

 

「何だと!?」

 

 ヴィータが驚いて後ろを振り返ると、蒼白の魔力光がホテル・アグスタを中心に半径十キロの範囲でバリアを展開した。半円球状の魔力壁がすっぽりとアグスタを覆う。

 

(この感じ、間違いねえ……!)

 

 (アンチ・)(マギリング・)(フィールド)

 

(たったアレだけの会話で、用意したってのか!?)

 

 範囲は広いが、感じる魔力自体は大したことが無い。ヴィータが驚いているのは、AMFを人間が(・・・)再現した点だ。

 

「――ホント、用意いいよなぁ。アイツ」

 

 隣で青年(フェイト)も感心したように頷いた。

 

「打ち合わせしてたんじゃなかったのかよ!?」

 

「いや? 全然! ただ、アイツなら何かするかなぁって」

 

「……関心したアタシが馬鹿だったか」

 

「気をしっかり持て! 僕らの敵は目の前だよ!!」

 

「――ったく分かってらぁ!!」

 

 ヴィータはグラーフアイゼンを振る。ガジェットを穿つ鉄球が、しかし、寸での所で躱された。

 

(何っ!? ――コイツ等……まるで有人操作に切り替わったみてえな動きしてやがる……!!)

 

 チッと舌打つと、ヴィータはグラーフアイゼンを握りしめ、近接戦闘に切り換えた。上空から狙い撃つには命中精度が必要だ。ガジェットを追尾(ホーミング)して撃墜させる事は可能だが、それでは数が(さば)けない。

 

「一筋縄じゃいきそうにねえ……!!」

 

 ヴィータはガジェットを睨み据え、一人ごちた。

 

 

「AMF!? 咄嗟に良くできるわね、シャス君」

 

 シャマルはホテル・アグスタを覆う半円球状のバリアを見上げてつぶやいた。当のアルフはまだここに来ていない。シャマルがアルフの仕業だと分かったのは、先程のヴィータと青年(フェイト)の会話を聞いていたからだった。

 スバルが首を傾げる。

 

「でも、これ……。私達のデバイスが影響を受けてませんよ?」

 

 マッハキャリバーは正常に作動している。左手の籠手を回しながらつぶやくスバルに、ティアナは息を呑んだ。

 

「まさか、私達の魔力パターンを咄嗟に入力して作り上げた!?」

 

 

 

 ホテル・アグスタから二十キロ先の森で、少女もまた目を見開いた。

 

「AMF……! しかも広範囲バリアも兼ねてる……。でも、何か違う。魔法形式を似せているけど……これは、ミッドでもベルカでもない」

 

「どうした? ルールー」

 

 ルールーと呼ばれた少女は、自分の肩に留まった小さな妖精に視線を向けた。赤い髪をした蝙蝠の羽根を持つ妖精だ。「ゼスト」が言うには古代ベルカの正統な融合騎――烈火の剣精、アギト。

 赤い髪を左右二つに結った妖精は、ルールー――ルーテシア・アルビーノと言う名の少女を見上げ、首を傾げた。

 

「ドクターが言ってた異端者。これが……?」

 

 一方の少女は、アギトの頭を指先で撫でながら、ホテル・アグスタを見やる。ホテルを覆う半球状のバリアは固く、AMFを含む魔法の前では、彼女――ルーテシア・アルビーノの召喚術は発動できない。召喚する為の魔力の結合が、片端から解かれて行くのだ。

 

「ガリュー」

 

 ルーテシアは唇を引き結ぶと、左手を掲げた。グローブ型のデバイス『アスクレピオス』。手の甲にすっぽりと嵌まった紫色の宝石がキラリと光る。

 ルーテシアは宝石に語りかけるように言った。

 

「ドクターが欲しがるモノを取ってきて。邪魔な子はインジェクト達が惹きつけてくれてるから。――うん。気を付けて行ってらっしゃい」

 

 宝石が再びキラリと光り、その中から黒い影の様なモノが現れた。黒い影は、ルーテシアに一礼するように虚空で数秒止まると、滑空してホテルへと駆けて行く。AMFのフィールドが張られているホテル内へ、一直線に走る。

 

 

 

「……ま、こんなモンだろ。見様見真似じゃここらが関の山だ」

 

 アルフは自分が張ったバリアを見上げながら、つぶやいた。九年前、確かにミッドチルダで訓練を受けた彼だが、魔法の類は一切習得出来なかった。才能が無かったのではなく、超がつくほどド素人だった彼がデバイスすら持っていない状態で、機動六課の新人教育にひと月放り込まれたところで魔法を覚えられなかったためである。故に彼は、自分の世界にある紋章術を応用して、さもミッドチルダの魔法に見えるよう似せて(・・・)バリアを張った。

 アルフは辺りを見回し、一つ頷く。

 

「さて、出所を探すか」

 

 まるで森に散歩でもしに行くかのように、暢気につぶやく。前線映像をシャマルに見せてもらうつもりだったが、やめた。このバリア魔法を使えばある程度(・・・・)の事が分かるからだ。

 例えば――アルフは空を見上げ、口端をつり上げた。

 ホテル・アグスタ地下駐車場。そこにルーテシアが召喚した獣『ガリュー』が結界を突き破って、今し方侵入した。

 

「なるほど、そこか」

 

 アルフは森の彼方に視線を向けた。侵入されたアグスタ駐車場に興味は無く、ガリューが侵入したコースの射軸上――召喚師がいる方角に当たりを付ける。

 結界を破らせるために張ったのだ。アルフは淡々と歩き始めていた。

 




ティピ
「第四回! ティピとフェイトが行く~!! って、あれ?
 なんで私がフェイトの名乗りまで言わなきゃいけないのよ? ちょっと、どうしたのよ! フェイト~!」

フェイト
「何故だ……! 何故、分からないんだ……!
 父さんと連絡を付けねばならぬと焦る僕の気持が何故、あいつには分からなかったんだぁああああああああ!!!!」

ティピ「本編で言ってた通りだと思うよ」

フェイト
「冷たッ!? その軽蔑の眼差しを止めろぉっ!!
 僕のこれから数十時間の人生(みらい)がバラ色に変わるんだぞっ!!!!」

ティピ
「いやだからさ。本編を読みなさいよ、本編を。座談会で言うセリフじゃないわよ、それ」

フェイト
「……本気で、落ち込んでるんです……」

ティピ
「ハ~イ! こんな奴はほっといて! 今回のゲストを紹介しま~す! フェイト・テスタロッサ・ハラオウンさんで~す!!」

フェイト
「管理局の黒い天使って呼ばれてます。ってまた、台本かよぉ!!!!」

 青年(フェイト)は『台本(笑)』を投げ捨てた。

フェイト(テ)
「よろしくね、二人とも」

ティピ
「いやぁ、なんて言うか……。フェイトさんってフェイトと違って、こう……落ち着くよね」

フェイト(ラ)
「ティピちゃん。その――僕は落ち着きが無いって言い方、やめてほしいんだけど」

ティピ
「ごめん。アンタに『落ち着き』って言葉が分かると思わなかったの」

フェイト(ラ)
「それ、普通に差別用語だよね!!? それ普通にいじめだよね!!?」

ティピ
「事実じゃん」

フェイト(ラ)
「なんだと……!!?」

ティピ
「というわけで、フェイトさんと話を進めようと思うんだけど、何か気になるトコあった?」

フェイト(テ)
「そうだね。じゃあ、最初に訊きたいことが一つあるんだけど……、プロレス技をかけたとき、軍人相手に関節技は無謀だってセリフあるじゃない? シャス、どこか軍に所属してるの?」

ティピ
「はぁい! そういう真面目な質問、NG!!」

 ティピはばっさりと切り捨てた。
 隣の青年(フェイト)は、ぴし、と固まったきり動かない。

ティピ
「他に何かある?」

フェイト(テ)
「え、え~っと……えっと、それじゃあ。クォッドスキャナーって何かな?」

ティピ
「はいNG! もう、フェイトさ~ん! 話進める気ある?
 多分、リリなのしか知らない人、分からないんじゃないかな。その話。
 ここはそういう真面目な解説する場所じゃないもん。本編中のくだらない言語を、いかにくだらなく、グタグタとくだを巻くかが、この場所の正しい在り方なんだもん!」

フェイト(ラ)
「そういう事なんですよ! フェイトさん!!」

ティピ
「あ、戻って来た。珍しく空気読んだね」

フェイト(ラ)
「空気を読む? いや、本編でも言ったけどさ。
 空気って読めないだろ!? 何も書いてないんだからさ! 読める訳ないだろ!! 日本語間違ってんだよ、その日本語がさ。空気なんて読めないって言ってんだろ」

ティピ
「でも気配を読むって言葉、あるよね?」

フェイト(ラ)
「………………ティピちゃん、僕のコト嫌い?」

ティピ
「ううん。どんな反応返すかなぁ~? って思って」

フェイト(ラ)
「キ・チ・ク! さらっとしれっと鬼畜なことを仰る!!?」

フェイト(テ)
「それじゃあ、アルフェイトのリーダーって結局どっちになったの?」

 令嬢(フェイト)が改めて問いかけた。

ティピ&フェイト(ラ)
「「グッジョブ! それ!!」」

 ティピと青年(フェイト)が、ビシリと令嬢(フェイト)を指差して頷く。

フェイト(ラ)
「まあ、当然僕だろ」

ティピ
「なんで?」

フェイト(ラ)
「いや、なんでって……僕しかないだろ? 最初から僕以外選択肢無いだろ? 選択肢」

ティピ
「あれ? ……あれ?
 でもさ、指示は任せたぞ、って――指示を出すのがリーダーじゃないの?」

フェイト(ラ)
「前線で戦うのがリーダーだよ」

ティピ
「いや、それって鉄砲玉……」

フェイト(ラ)
「リーダーだよ!
 偉大なるバニ神の加護を得た僕こそがリーダーであると、ここに断言しよう!!」

フェイト(テ)
「ティピ……ここは認めないと、ずっと話が続くと思うよ?」

ティピ
「認めるしかないわね」

フェイト(ラ)
「ま、そういうことだね! そんなことより僕、訊きたいことがあるんだけどさ」

ティピ
「お約束の『そんなことより』何よ?」

フェイト(ラ)
「アグスタって、ユーノさん……出るよな?」

ティピ
「まった来週~!! 次回も見てね!」

フェイト(ラ)
「ちょっと!? 出るのっ!? 出るよね!!?」

ティピ
「次回は新人部隊(フォワード)の子達、連れて来るね~!」


フェイト(ラ)
「ユーノ君出るの!? 出るよねぇえええええ……!!!!」

 青年の主張は、どこまでも響いたと言う。
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