「――言い訳を聞こうか?」
「1P! ナイス!」
アルフの拳は震えていた。いつも通りの無表情だが、紅瞳は本音を語っている。鋭い刃の様な殺気が2Pフェイトの背中に向けられているが、2Pフェイトはやはり気にしなかった。彼は1Pフェイトに向けて、グッと親指を突き立てる。
アルフは深い溜息を吐き、首を横に振った。
(最早会話すら不可能だったとは――)
半分察しがついていたが、残念でならない。
「さて、どうするか」
つぶやくものの、やる事自体は決まっていた。何故ならアルフの前には騒ぎを起こした張本人――召喚師ルーテシア・アルピーノが居たからだ。
「貴方達が、ドクターの言ってた異端者?」
ルーテシアは薄紫色の髪をなびかせて、小首を傾げる。年齢は十歳前後。小柄な彼女を目に留めた瞬間、アルフと2Pフェイトの表情が凍りつく。
「
二人はウンザリとした
「……へぇ」
アルフは口端をつり上げ、男を見据えた。静かな男だ。野暮ったい印象を受ける焦茶色の髪はぼさぼさで、精悍な顔に浮かぶ唇を真一文字に引き結んでいる。瞳の色は青。切れ長で、男らしい太い眉をしている。肩幅の広い彼は黒と茶色の飾り気の無い服の上に、焦げ茶色のコートを着ていた。裾は擦り切れてボロボロだが、左手に嵌めた鉄の籠手と、両足の
「ルーテシア、下がっていろ」
男はルーテシアに言うと、槍を構えた。エリオが持っているデバイス、ストラーダとは違い、穂先が刃になった薙刀に近い槍だ。
槍斧、ハルバード。
それを手に男はアルフと相対する。両者の間合いは、三メートル。距離的に、男に利がある。アルフは刀の鍔に手をかけた。
「旦那、私も手伝うよ!」
蝙蝠の羽を背中に生やした三十センチの剣精、アギトが赤い髪を揺らしながら主張した。男は視線すらアギトとルーテシアに向けない。
それは、アルフも同じだった。
空気が張り詰める。
「フェイト、雑魚は任せた」
互いに間合いを、踏み込むタイミングを測りながら、じり、じりと摺足で睨み合う。男は無表情。アルフは微笑。
両者に共通するのは――壮絶に研ぎ澄ませた、青瞳と紅瞳の輝き。
「ええ!? 僕も、あのいぶし銀なオッサンと戦いたいぞ! こう、ボスって感じじゃないか」
「だから――俺が、やる」
2Pフェイトの主張を軽くあしらって、アルフは一層笑みを深くする。妖艶な色香が漂い、それを見咎めた
「旦那……!」
アギトは息を呑んだ。喉が急速に渇く。空気が肌に突き刺さり、背中がぞくぞくと震えた。体の芯から凍えるような強烈な悪寒。ルーテシアもまた、固まっている自分に気付いた。
(……なに?)
震える手を見下ろす。
銀髪の青年から放たれる、強烈な
「さあ、始めようぜ」
「――押し通る」
巨躯の男、ゼストは動じない。動じている場合ではない、と言った方が正しかった。対峙する二人の男を見据え、剣精アギトは意を決してゼストに飛び込んだ。
(旦那は、やらせねぇ……!)
、、、カッ!!
次の瞬間。
光が閃光弾のように広がり、ゼストの全身から、赤い煙が揺らめいた。焦茶色の髪は金色と化し、静かな青瞳は赤瞳へと色を変える。
アルフはそれをジッと見据え、薄笑った。ゼストの内にある魔力量が、爆発的に跳ね上がる。全身から湧き出る煙のような炎は、古代ベルカの融合騎――アギトの炎だ。剣精と
――すまん、アギト。
念話で、ゼストは剣精に礼を言った。短く、無愛想な礼だ。だが、その言葉に偽りはない。ルーテシアとアギトに視線を向けなかったのは、気を抜けば
身体が一定時間以上動かないと言う、この上ないハンデを。
ゼストの体調で、
〈な、なんのなんの……! 旦那は私が守るんだ!〉
アギトは声が震えるのを感じながら、虚勢を張った。
と。
無造作にアルフは
体にぴったりと腕を付けた突き――疾風突き。風を巻き、強烈な気を纏って走る突きを、ゼストは長柄で横に流し、捌いた。ゼストの槍にアギトの炎が宿り、間髪入れず、アルフの足許を払うように穂先を薙ぐ。
アルフが飛びあがると同時、兜割と呼ばれる上段からの一撃を見舞う。黄金の刃は青空で煌き、ゼストは、ぐ、と息を呑んで、バックステップした。金の斬閃が眼前を通り過ぎるのを静かに見る。
アルフの着地際を狙って、ゼストはすかさず突きを放つ。アルフが脇に避けると、ゼストの槍の穂先が、無数に分身して見える程の速さで放たれた。アルフは突きの弾幕を前に、にやりと嗤う。
飛び込んだ。
まるで針に糸を通すように、槍を逃れるわずかな安全地帯を見つけ、彼はゼストに急接近する。
〈旦那! コイツ!〉
(ああ、普通の神経じゃないな――)
槍の穂先がかすり、炎で服は燃えているのに、アルフはまるで気にしない。
躊躇が、無い。
その戦い方は、自らの破滅を望むようで――
〈だ、旦那!!〉
「――この男」
アルフは刀の届く間合いに入ると、
「夢幻」
神速の四連斬。ゼストはその全ての斬戟を、槍の柄の部分で捌き切った。横薙ぎを槍の穂先を下段から引き上げて弾き、2撃目の上段からの振り下ろしは、柄先で刀の腹を払って、自身の体の脇の空間にズラす。水月を狙った3撃目の突きは槍を横に寝かせ、柄の中央でしっかりと止める。同時、アルフの4撃目、両手での右袈裟がけが放たれる。
対して、ゼストは槍の穂先を横に薙ぎながらの突進。両者交差後方気味にすれ違う。
「……ゼスト……!」
ルーテシアは息を呑んだ。近接戦闘は素人である彼女は、彼等の動きのほとんどが見えていない。敵に背を向けて立っているゼストの肩から、血が流れた。見ればその全身に、先ほどの攻防による傷跡が無数にある。ゼストは静かに向き直る。アルフもまた、肩から血を流して笑っていた。
「――いいね、アンタ」
容赦ない斬撃、躊躇ない前進。この二つを実行する彼に、多くの者が敵対し、独特の緊張に身をすくませて死んでいった。アルフは傷を気にしない。怯まない。それ故、相手に一撃必殺を常に強いる。コンマ数秒気を抜けば、人生が終わる。様子見の中に、必殺一撃が隠れている。そんな恐怖を――ゼストは、まさに精神力だけで耐える。戦いの中で破滅を望む、狂人と戦う恐怖を。
アルフは流血すればするほど、紅瞳の凄みを増した。ゼストの頬に、冷や汗が伝う。驚くべき事にこの男は、生死の懸かった緊張を
並の神経では無い。
「お前を倒すには、出し惜しみをしている場合ではないようだな」
「そう言う事だ。そろそろ、他の奴らもこっちに近づいてくるだろうしな」
ホテル・アグスタに待機している機動六課を指し、アルフは警告するような口ぶりで言った。この男は、あくまで『勝負』を望んでいる。鮮烈で、際どい勝負を。
ゼストは槍を構え直した。
「アギト、融合を解除しろ。俺がフルドライブで、一撃で落とす」
これ以上の緊張は、融合しているアギトの精神力に関わって来る。ゼストはゆっくりと肩幅に足を開き、狂人を見据える。己の内で、剣精アギトが声を張り上げた。
〈冗談!? フルドライブなんか使ったら、旦那の身体は――!〉
「終わらんさ」
アギトを制して、ゼストは言う。
前進する為に、命を張るのだと。
「為すべき事を終えるまではな!」
神経を最大限に尖らせ、ゼストは突きの構えを取った。アルフもまた、構える。
間合い、二メートル弱。
〈ふっざけんなぁ! 旦那の事は、私が守るって言ったろ!?〉
アギトは力の限り吠えると、己の魔力を限界まで高めた。アギトと融合した状態で、ゼストが全力を出せない理由は、二人の相性があまり良くない所為だ。攻撃のタイミングがわずかに
アギトは首を振ると、両手を広げた。
〈旦那の命は削らせねえ! アタシが必ず、その分を補って見せる!〉
彼女の掌に炎が宿る。それは彼女自身よりも大きい炎で、パンッと手を叩き合わせると同時に、さらに膨れ上がった。
〈猛れ炎熱! 烈火刃!〉
ゴゥッと音を立てて、灼熱の炎がゼストの穂先に宿る。それをジッと見据えて、アルフは言った。
「どちらでもいい。殺ろうぜ……、真剣勝負を」
彼は楽しそうに言う。紅瞳が妖しく揺らめき、匂い立つような色香が漂う。ゼストは目を細めた。
「お前も、他者には理解できぬ渇きを持つ者か」
「世間で言えば、はみ出し者」
「正しく――異端者」
チャキ、と金属音を立てて、両者得物を構え、視線をそらさない。
(全力で行く)
アギトには悪いが、ゼストにはこの男に勝つ方法はそれしかない、と確信していた。
だから、
「――すまんな、アギト」
〈旦那!?〉
アギトが驚いている間に、
「旦那……――!」
悲鳴に近い叫び声。
アルフは静かに刀を正眼から、地面に寝かせるように構える。互いに踏み込み、一閃。
「なっ……!? 剣速が上がった!?」
2Pフェイトはゼストの動きに目を見開いた。見た目上、ゼストは通常時となんら変わらない。焦茶色の髪、青い瞳だ。アギトとの
なのに、
(――威力も段違い? これが、奴のデバイス――)
同じタイミングで振り切られた槍の、その
刃を交えたアルフが目を見開く。彼の胸が、袈裟がけに斬り捨てられていた。黒いスーツに、赤黒い血の線が滲む。水音を立てて、血が地面に零れ落ちた。
アルフはにやりと嗤った。
「急所をあのタイミングで外すとは、な」
背中で、ゼストが息を呑みながら言う。すぐさまアギトが飛びついた。
「旦那……!」
彼女を脇にやって、ゼストはゆっくりとアルフを振り返った。胸を深く斬られたのに、この男は傷を庇いもしない。
「――いや、ソレだけではない、な」
ゼストは自分自身を見下した。足許に、血溜まりが出来ている。胸を斬られたのは、ゼストも同じだ。彼の胴には一線、刀傷が刻まれていた。
アルフは嗤う。美しいが、狂った笑みだった。
「やるじゃん、殺ったと思ったんだが」
「紙一重、か。際どい勝負だったな」
「?」
ゼストの静かな言葉に、アルフは心底不思議そうに首を傾げて――ふ、と鼻を鳴らした。
「何言ってやがる」
アルフは静かに、血が噴き出る胸を隠そうともせず、刀を構える。紅瞳の狂気は、死に近づけば近づくほど鋭く光る。
「貴様……!」
ゼストは息を呑んだ。どちらも致命傷。ここで両者退けば助かる可能性があるが、退かねば両者とも、確実に死ぬ。
だと言うのに、
「ここからだろ? ――ここからが、『勝負』だろ?」
彼は楽しそうに嗤っている。
アギトの顔から血の気が失せた。
「な、何言い出すんだよっ! てめえのその傷だって、ほっといたら致命傷じゃねえか!!」
「だから、出来るんじゃねえか」
彼はそう言い、ゼストに槍を構えろと言う。命を惜しいとも思わない、殺人鬼の瞳で。
「本当の、勝負ってやつが」
「!?」
低く落ちたアルフの声に、アギトとルーテシアは戦慄し、言葉を失った。カタカタと耳の奥で音が聞こえた。それが歯の根が擦れ合う音だと二人が理解するには、眼の前にある恐怖は強烈過ぎた。
真っ青な顔で、それでもどうにかゼストを庇おうとするアギトを制して、ゼストは槍を構える。
「……アギト、退がっていろ」
「だ、旦那……!」
「お前まで付き合う事は無い」
「――駄目だ、旦那だって……!」
アギトの瞳には涙が浮かんでいた。彼女の言う通り、全力で魔力を使った反動で、ゼストの身体はもはやガタが来ている。槍を持つのがやっとの状態――それでも、ゼストはアルフに応える。
血を吐く寸前の、自分の身体に鞭打って。
「アルフ・アトロシャス」
「――ゼスト」
互いに、名乗る。次の瞬間、アルフとゼストの前に人影が現れ、右拳をアルフに放つ者が居た。その威力と速度はアルフをして後方へ退がらざるを得ない一撃。
ゴッ――……!
鈍い音を立てて、アルフの身体が後ろに退がった。ずざざ、と着地とともに彼は地面を掻く。
「ガリュー!」
アギトの表情が明るくなる。全身黒ずくめの人型の召喚獣は、小さな目が四つある赤いマフラーを巻いた猛者だ。主に近接戦闘を得意とし、体の一部を変化させる事でいかな武器をも作り出す――ルーテシアが最も信頼する召喚獣。
ルーテシアはガリューを一瞥すると、ゼストの裾を引いた。
「……ゼスト、ここまで」
「この男が、ここで俺達を見逃せばの話だな」
ゼストは警戒を緩めない。そしてそれは、加勢に来た人型召喚獣――ガリューもそうだった。
強制的に後方へ退がらされた狂人は、喉を鳴らして紅瞳を上げる。
「良い所で邪魔しやがって……。まあいい。二人まとめて――潰す」
刀を構え直すアルフの耳に、叫び声が届いた。
「シャアアアアアス!! 1Pが、1Pがああああああ!!」
この場の緊張感を一瞬でぶち壊す、2Pフェイトの叫び声だった。鬱陶しげに眉間にしわを刻み、アルフは不機嫌そうに2Pフェイトを振り返る。
「あ? お前の本体がどうしたって?」
そのとき、ゼストの足許に紫色の魔法陣が広がり、目を離した一瞬の隙に、ルーテシアの転移魔法が発動した。
「あ……!」
消えて行くルーテシア達に向け、アルフがきょとんと瞬いた時には全てが遅い。完全に取り逃がしていた。
「………………」
アルフはがっくりと肩を落とした。
右手で顔を覆うと、深い溜息を吐く。改めて、2Pフェイトに向き直った。
「何のつもりだよ、フェイト」
言いながら、紅瞳を茫洋としたものに変える。
ふと
「は?」
アルフは自分の目をこすった。もう一度2Pフェイトを見る。胸の辺りまで透けている2Pフェイトは、やれやれと頭を振りながら答えた。
「どうやら、1Pの奴、敵に捕まったみたいなんだよね」
「――さらわれた、と?」
問うと、2Pフェイトは、ご名答! と叫んで右手を掲げた。その手に、バーニィシューズが握られている。
「とりあえず、バニ神の加護を得たシューズはお前に渡しておく。――後は頼んだよ! シャス!! 必ず助けに来いよ!!」
パチパチッと高速ウインクを連続で行って、アイコンタクトを強要する2Pは、バーニィシューズをアルフに押し付けると、完全に姿を消した。
嵐の後の静けさ、とでも言うべきなのか。静けさを取り戻した森の中に、置き去りにされたアルフは、ぼんやりと“バニ神の加護を得たシューズ”を見下ろした。
「――いや、どうしろと?」
そうぽつりとつぶやいた。一体フェイトの身に何が起きたのか、彼はそれさえ把握していないというのに――。
××××
2Pフェイトが姿を消す数分前。
「ともかく、だ。早く僕が駆けつけてやらないと2Pのレヴァンテインはマジ鬼畜だからな。二人ともやられてないといいけど」
ガジェットはともかく、あの黒騎士を相手にレヴァンテインのマイナス効果は絶大な枷だ。
「ホント、世話が焼けるなぁ。あの二人、はっ!?」
突如、後頭部に鈍痛が走った。
「ふげっ!?」
珍妙な奇声を上げて、くずおれる。体を動かそうとするも、何故か手足がビリビリと痺れて動かない。
(い、一体僕の身に何が――!?)
周囲に目を向けたかったが、首もやはり動かない。オロオロとどうしよう、どうしようと早口につぶやく。
茂みの中から、一人の少女が現れた。栗色の髪を膝まで伸ばした十代後半の少女だ。
ナンバーⅩ、ディエチ。
そう名付けられた少女は、
「……本当に、
(なぬ?)
「クワットロって? それに君は一体……?」
問うと、ディエチは驚いたように目を丸くした。
「麻酔弾を喰らったのに喋れるの?」
「僕だからね!!」
キランと目を輝かせて答える。ディエチはジッと
「でも、体は動かないみたいだ」
確かめるように、彼女はライフルの銃底で、つんつんと
「あの黒騎士を相手に凄い動きだったから、本当は当たるかどうか心配だったんだけど……。クワットロの言った通り、戦ってない時は完全に油断してるんだね」
「僕はON/OFFを切り換えられる人間だからねっ! 真・フェイトになるのは、そう簡単なことじゃないのさっ!」
「そっか。じゃあ悪いけど、私と一緒に来てもらうよ」
「へ?」
「ぬぁああああ!? やめろ! ショッカー!! こんな狭い箱に――まさか僕を、箱詰めにするっていうのか!? やめろっ!! ぬぁああああ……!!」
抗議した通り、ディエチは
彼はカッと目を見開いた。
「鉄パイプ! せめて鉄パイプ! 鉄パイプだけは僕と共に連れてってくれぇえええ!!」
無慈悲にも背中から引き抜かれた鉄パイプを見据えて、
「大事な物なの?」
「僕の魂です!!」
即答する
箱詰めにされた
「無事、確保出来たよ」
やや間が合って、モニタ画面が中空に現れた。
[確認したわ。
「了解。
モニタに映る長い紫色の髪の女性、
ふと彼女は思い出したようにパチリと瞬いて、
「それじゃ、トーレ姉の所までお願い」
そうⅡ型ガジェットに話し掛けながら、ディエチもⅡ型ガジェットに搭乗した。ガジェットは言語を理解したように高度を上げ、ホテル・アグスタから遠退いて行く。
アグスタから四〇キロ離れた海上。
そこで空を走る
「お疲れ様」
ディエチが声をかけると、先を行っていたトーレが、こちらを振り返って無表情に言った。
「ディエチか。……ドクターの所まで戻るぞ」
「うん」
厳しい性格の
足許がふわふわするよぉおおお、と叫ぶ
……………………
………………
ティピ
「第八回! ティピと!」
フェイト
「フェイトがぁ!」
キャロ
「行きます!!」
フェイト
「がぁ~ん……!」
キャロ
「えと……タイトルコールって緊張しますね……」
フェイト
「何言ってるんだい! バッチリだったよ!」
ティピ
「ちょっとトチってくれると思ったのよね?」
フェイト
「まあ……ちゃんと言えたキャロはキャロで嬉しそうだし、かわいいから――いっか!」
ティピ
「しかしま~、フェイトぉ……。今回の本編、ちょっとばっかし不甲斐なさ過ぎじゃない?」
フェイト
「言ってるじゃないか! ON/OFFを使い分けるのは難しいんだよ」
ティピ
「まあ、いいけどさ」
キャロ
「そう言えば、この時フェイトさん。さらわれたんですよね。ごめんなさい……私達がもっとしっかりしてたら」
フェイト
「君が気にする事はない! キャロっ!! あんな森の中で、長距離砲ぶっぱして来るなんて誰が思うんだい!?」
ティピ
「箱に詰められたしね」
フェイト
「暗かったんだよ……。フワフワするんだよ……! グスッ」
キャロ
「フェイトさん、元気出してください」
フェイト
「ありがとう……! キャロ!! 本当にありがとう……!! エリオとキャロは、僕の癒しだ~!!」
ティピ
「さて。グダグダはこれくらいにして、何か話しなさいよ」
フェイト
「それじゃあ、訊いてみようかな。
召喚術って言うけど、召喚できる種類って術者によって決まってるのかい? 例えば今回、敵で出て来たルーテシアとか、系統が昆虫だろ?」
キャロ
「はい。生まれ育った環境や、血筋で召喚できる系統は決まるみたいです。
でも、どのクラスの召喚獣を呼び出せるかは、召喚師の素質に加え、召喚対象の獣とどれだけ心を通わせられるかが、術として成功するかどうかの重要な決め手となります」
フェイト
「でも君とフリードは仲良しなのに、初回の頃はうまく召喚出来てなかったよね?」
キャロ
「あれは……召喚が出来なかったのではなく、フリードの力を私が解放せず、封印したままにしていたんです。召喚獣の能力制御は、召喚師の方で行うものですから」
ティピ
「つまり仲良しでも、その召喚獣の全力を出せるかどうかは、召喚師の腕にかかってくるってこと?」
キャロ
「そうですね。でも、信頼関係が強ければ、多少魔力が足りなくとも、召喚獣自らが協力してくれて、補う事が出来たりします」
フェイト
「なぁ~るほどねぇ~!
そう言えば、僕等の世界にも召喚獣ってあったよね!」
ティピ
「いたっけ?」
フェイト
「いるよ。イフリートとか、水の精霊とか、悪魔とか……。あと、敵なんかはよく召喚してくるじゃないか。仲間を」
ティピ
「そう言う系統なら、私の所にもあったわね」
フェイト
「ズルイよね! あいつ等!!」
ティピ
「そうそう! こっちは精々、一体か二体しか出せないのにさぁ~! 敵、どんどん出してくるんだもんね~! ……まあ、私の所の召喚獣っていうのは、その辺で動き回ってるモンスターを召喚して来るだけなんだけどね」
キャロ
「フェイトさんやティピさんの所にも、いろいろあるんですね」
ティピ
「私の所では、召喚術使えるのは敵だけなんだけどね。
と、言う訳で! 今回のティピとフェイトが行く! ここまでにしたいと思います!」
フェイト
「あれ? なんか今回、少なくない?」
ティピ
「他に話す話題あった?」
フェイト
「バーニィって、召喚獣だと思うんだよね。僕っ!!」
ティピ
「以上! ティピとフェイトが行く!! でしたぁああああ!!」
キャロ
「次回もよろしくお願いします!」
フリード
「きゅくるぅ~♪」
フェイト
「待てよ! バーニィの話をさせろよぉおおおおお!!!!」
???
「バーニィの話よりまず先に、お前のレヴァンテインで一番被害を受けた俺に対する謝罪は?」
フェイト
「ま、まさか!? お前は――!!?」
???
「こんな所で、なに遊んでんだ? お前は」
フェイト
「アイアンクローはよせぇえええええ!!!!」