連邦軍人とフェイトくんの旅。   作:ばんどう

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 人を嘲笑しながら――、己の力に慢心しているような表情で。だが、決してその瞳は揺るがない――。氷のように冷たい殺意。
 感情の全てを排し、敵をせん滅する事を優先させるお前の在り方――。ソレはいつも、俺自身に戒めを与える。
 本当に、俺は人を――“心”を救えているのか、と――。
 俺の左腕を名乗る奴の名は――アステア・クロスロード。


④アステア -リィンフォースⅡ視点-

 ――グローシアン失踪事件、と言うのが起きました。

 日食や月食の日に生まれた魔力の強い人達が、何者かによって襲われ、殺害されたという事件が、カーマインさん達の隣国で起きたんです。

 

 そんな時期に、カーマインさん達はゲヴェルについて知る為に、クレイン村、と言う所を訪れました。

 

 隣国の北東部にある、クレイン村。

 

 ここはかつて、十数年も傭兵団の団長さんを探し続けている放浪の剣士、ウォレスさんが両目と右腕を失った場所でありました。

 カーマインさんは村の傍にある滝壺の場所を、言い当てます。

 ウォレスさんがまさに、両目と右腕を失った場所を。

 これは、カーマインさんが『夢を通して他の仮面騎士達の行動を見ている』――という精神感応が働いたから、分かった事なんです。

 

 ――そして、このクレイン村は――隣国で起きているグローシアン失踪事件の被害者が、出た場所でもあったんです。

 

 村長さんに許可をもらい、行方不明者が出るという滝壺の裏にカーマインさん達は向かいました。

 そして、カーマインさんは自分と同じ顔をした男の人――アステア・クロスロードさんと出会ったのです――。

 

「――何故だ」

 

「……」

 

 氷のような無感情な問いかけ。

 ピクリと鬼気を放つ瞳を訝しげに開くカーマインさんに、アステアさんは全く表情を――感情を乗せずに聞きました。余りにも冷淡で冷酷で――冷え切ったその瞳で。

 

「貴様は――これほどの力が有りながら、何故人間達の為に戦う? あんな薄汚い奴等を。口では愛を語りながら――私利私欲のために、仲間を殺し、時には家族をも殺し、自分の為だけに生きる愚かな――救いようのないバカどもを?」

 

 この時――私の頭に今まで通り、記憶が流れてきました。

 ゲヴェルによってバーンシュタイン貴族の家に送り込まれたアステアさんは、物心ついた頃に――その稀有な美貌を見初められて、送りこまれた先の貴族に権力者へと売り払われたのです。

 揺れる馬車の中――お金で売られたアステアさん。彼は――まったくの無表情でした。感情など無いのかと言うほどに冷たい――無表情。

 見ているこちらが苦しくなるほどに――。

 そんな彼の乗る馬車を――盗賊が襲いました――。盗賊達は、貴族の馬車に乗る者たちから――アステアさんの育ての両親から――次々と金品を巻き上げ、殺していきます。

 赤い血が飛び交う光景を――しかし、彼は――無表情に見つめるだけでした。盗賊達は、アステアさんにまで刃を向けます――。

 しかし、彼は無表情に右の手を相手に向けて突き出すと魔力を――炎を練って放ったんです。アステアさんの力に恐れを成しながらも、その力をどうにかして利用できないかと考えた盗賊のお頭さんは、アステアさんを一緒に連れていく事にしました。

 その旅先で――様々な人々が襲われ、殺されていくのを――アステアさんは見ていたのです――。ただ無感情に――、子供を売る親、婚約者を売る恋人、次々と命乞いをしながら死んでいく人々――。

 余りに凄惨な光景――。このままずっと続いて行くのかと思っていた矢先――、盗賊団は一人の男を襲い――返り討ちにあったんです。

 臙脂の髪。軽くウェーブした髪が無造作に伸びていて、まだお若いのに野暮ったい感じの男の人でした。目は切れ長で、暗い蒼瞳には、常人にない凄みがあります。男の人の顎には無精ひげが散っていて、黒いスーツに黒いシャツ、白のネクタイ――という、いかにも悪そうな風体の人です。

 男の人は冷酷な瞳をアステアさんに向けて、笑いかけます。

 

「――ほう? 大したガキだ。これだけの血を見て、泣き叫びもせずに――ジッとしてやがるとはな」

 

「……別に、何て事もない。死ぬことも――生きることも、どうでもいい」

 

 !

 アステアさん、そんな――!

 無表情につぶやくアステアさんの姿に、私が衝撃を受けても――アステアさんは変わりません。あの時――、シャスさんと対峙した時に見せた――冷たい金と銀の双眸で――この危険な男の人を見ています。

 

「良い目だ――! 気に入ったぜ――。オメエ、俺と一緒に来い――」

 

「――何?」

 

 アステアさんは冷たい声音で問い返します。ソレに――男性は答えました。

 

「――どうせなら、一流の殺し屋になってみねえか? オメエにはそうなる素質がある。この俺が教えてやるよ――、人間ってのがどれだけ薄汚くて、命を奪うって事が――どれだけ甘美なモノか」

 

 ダメです! 付いて行ってはダメです!! アステアさん!!

 私の叫びが届く事は無く――アステアさんは、この危険な男の人の許で、学んでいくんです。人とは――どれほど殺しやすいか、壊れやすいか。

 狂気そのモノ――。男と過ごしたのは、僅か半年だと言うのに――アステアさんは以降、人間を騙し、殺していく道を選んでいました――。人を信じることが出来ず、生きる目的すら持てず――ただ、存在する。

 人形のような、彼は――ゲヴェルの精神支配を受け、仮面騎士として――イレイザーとして、生きて行きます――。人間を――殺していく。

 余りにも――その光景は、冷酷で――残酷で――、酷いモノでした――。

 

 記憶の中のカーマインさんもまた、過去のアステアさんによってアステアさんの過去を見ていたようです。

 故に、私と同じモノを見たカーマインさんは、こう言いました。

 

「アステア、貴様の周りに居た奴等がクズと呼べる存在だったのは――否定せん。だが、全ての人間を貴様の物差しで測るな。自分の主観だけで世界を図る行為は――愚かだ。まして――自分の状況を変えようともせず、ただ生きていた貴様に――人を語る資格は無い」

 

 カーマインさんは静かに、揺るがぬ瞳を持って告げたんです。

 

 そうです――。アステアさん、貴方は――ただ、見ているしかしていません。自分で行動を起こしてすらいないんです――。それじゃあ……、誰も信じられなくて当然です。

 奪われ嘆く人たちの悲しみを――貴方は理解しようとせず、ただ傍観していた――貴方には!

 

「――人間の為に、剣を振るう? 人を守る剣等、所詮は絵空事。望めば、ゲヴェルとして、シュワルゼにさえ届く器が有りながら――人間等の為に、ソレだけの力を捨てる気か?」

 

「俺は生涯、人の心を捨てぬ。俺は――人と共に生きる事を選んだゲヴェル、カーマインだ!!」

 

 強く宣言するカーマインさん、アステアさんは静かに――けれど、その氷の瞳に激情の炎を宿し始めていました。

 

「……ほざけ」

 

「アステアよ、貴様も本当は信じているんだろう? 人の情を」

 

 思いがけないカーマインさんの言葉に、一瞬アステアさんの表情が歪みました。

 

 どういう事なんでしょう? 人を信じる気持があれば、アステアさんは――あんな風に人を見捨てたりできないのでは――?

 

 そんな、私の疑問にカーマインさんは答えてくれました。

 

「貴様は、人が醜いと言ったな? だが、ソレは人の矛盾を許せない貴様自身の人への想いではないのか? 片方では愛をときながら、もう片方で平然と裏切る――人間の矛盾。貴様は――ソレが許せないのだ」

 

 自分を愛してくれる――育ててくれる筈の両親が、自分を売って、その状況を救ったのが非情な山賊で――、その山賊達が襲った者達は――自分の家族の命を盾に――逃げようとしていた。

 最後に――アステアさんの前に現れた名も無き男は――その圧倒的な残酷性で、今を生きる術をアステアさんに教えて――、その通りにアステアさんは、生きていくことが出来た――。

 

「だからこそ、貴様は――自分の生き方を認められず、だからこそ――貴様は人を信じられない」

 

「デュランと同じように――俺を丸めこもうと言うのか?」

 

 カーマインさんの言葉に、アステアさんは氷の刃を想わせるほど冷たい声音で聞いてきます。けれど、カーマインさんは必死で訴えかけたんです。この(ヒト)の苦しみや悲しみ、ソレは恐らく――自分が味わうかも知れなかったモノ――。

 カーマインさん、貴方は――。

 

「人間を、もう一度信じてくれ……!! 人の情ってヤツを!!」

 

 だから――カーマインさん、貴方は、どうしても斬れないんですね。彼等は――自分だから。

 カーマインさんの想いを受け、アステアさんは静かに口を開きます。

 

「――貴様が、俺の過ちを証明できるのならば。貴様と共に行ってやろう」

 

「証明――?」

 

 次の瞬間、アステアさんは今一度――、闘いの中で最大の一撃を、魔力を己の刀に流し込みます。フルパワーです。

 白銀の炎を身に纏い、黄金の翼を背に生じさせて――、その金と銀の闇に彩られた視線をカーマインさんに向けます。

 

「ゲヴェル同士で決めるんだ――。“力”以外に無いだろう!!」

 

「――いいだろう。受けて立つ!!」

 

 最後の一撃。ズバァッ カーマインさんの一閃が、アステアさんの強力な魔力砲を打ち破り、彼の胸をその不殺の斬戟で――切り裂きました。静かに刀を払い、カーマインさんは、片膝を付いたアステアさんを見下ろします。

 

「ソレだけの力が有るのなら――俺を殺せたハズだ。何故――?」

 

 アステアさんは肩で息をしながら、問いかけます。対するカーマインさんは静かに――アステアさんを見ていました。

 

「――アステアよ、貴様一人の主観で動いた所で、世界は変わらん。十人の人が、一歩踏み出して初めて、世界は変わるんだ」

 

 アステアさんは、静かに自分と同じ顔をした男を見上げています。

 

「決めるなよ――」

 

「――何?」

 

 唐突に放たれたカーマインさんの言葉に、アステアさんは訝しげに問い返しました。すると、力強い鬼眼がアステアさんの瞳を見返していたんです。

 

「――人の在り方、生き方を、貴様一人の考えで決めるな」

 

 アステアさんは、静かに顔を俯け、その言葉を噛み締めるように数秒黙ります。しかし、直ぐに冷たい瞳に、口元に嘲笑を張り付けて、言いました。

 

「考え直した所で、また同じ結論かも知れんぞ?」

 

 そう告げた時、カーマインさんはこれ以上ないくらいに不敵に笑っていたんです。まるで――アステアさんがそう告げるのが分かっていたかのように――。

 

「――その時は、何度でも貴様の間違いを正してやる」

 

 ソレが、その笑みが――最後のアステアさんの防波堤を崩しました。その体から拒絶の空気が消え、カーマインさんを心から、認めたんです――。

 

 アレから――様々な出来事が起こり、カーマインさん達はついに――自分達の創造主であるゲヴェルの根城を発見しました。攻め入るのは――明日。隣国の城のテラスで月を眺めるカーマインさんに、アステアさんは声をかけます。

 

「貴様は――何故、そこまでして戦う」

 

「どういう意味だ?」

 

 淡々とした返答に、アステアさんは眉根を寄せ、問いかけました。

 

「貴様の命は――もう長くあるまい。ゲヴェルを殺せば、一気に――」

 

「――フン、知ってたのか」

 

 

 ――え? カーマインさんの命が長くない――? ソレは、どういう事なんですか?

 

 対峙するカーマインさんはいつも通りの口調で、冷静に応えていました。アステアさんも簡潔な回答に思わず目を丸くしています。

 

「不殺の斬戟を使えば死ぬと分かっていて――使うのか? 何の為に?」

 

 私の頭の中に――新しい情報が流れてきました――。

 カーマインさんの使う“不殺の斬戟”。

 非殺傷設定というモノがないこの世界で――出来るソレは――実は、人々の願いを現実のものとして具現化させる奇跡の石――パワーストーンによって出来ていたのです。

 しかし――このパワーストーンは、ただ願いを叶えてお終いの便利な石ではありません。願いを叶えた分――その願いに応じた天変地異が、世界で起こり、起こした奇跡を帳消しにする――コレを、因果律と呼んでいます。

 今回、カーマインさんが使っている不殺の斬戟は相手の命を奪わずに勝つ。

 必要以上に傷つけずに勝つモノ。

 そんな奇跡の刃の代償は――世界の天変地異ではなく、使い手の生命力だったんです。

 

 だから――アステアさんは問いかけます。それこそが、アステアさんがカーマインさんに訊きたかったことだったんです。だから――カーマインさんも真摯な瞳で応えてくれました。

 

「自分にとって大切な――仲間の為に。そして――自分自身のために」

 

「ソレが――心と言うヤツか? 命よりも大事か?」

 

 アステアさんの問いに――無表情で冷めた口調のアステアさんに、カーマインさんは正面から迷い無き言葉を放ちました。

 

「ああ――。俺にとっては、自分らしく在る事が――生きるってことだからな」

 

「――フン。なら、勝手にしろ」

 

 踵を返したアステアさんに、カーマインさんは声をかけました。

 

「悪い、皆には話さないでくれ」

 

 その言葉に、一瞬立ち止まるけれど――結局何も言わず、アステアさんは去っていってしまいました。

 

 どうして――、止めないんですか? アステアさん。

 このままじゃ――カーマインさんは。

 ソレに――貴方は――あの時と、何も変わらないつもりなんですか?

 カーマインさんに出会う前と――何も変わらず、ただ――傍観していくつもりなんですか、応えてください!

 

 保養地ラシェルを襲うヴェンツェルに対し、命を削りながらも戦いを挑もうとするカーマインさん。仲間の制止も振り切り、ローザリアを飛び出ようとするのを、デュランさんが止め――二人は刃を交えました。この映像は――デュランさんとの記憶で見ましたね。

 どうやら、カーマインさんが気を失った直後の出来事のようです。

 

 この時、カーマインさんは仲間の為に。デュランさんはカーマインさん自身のために――剣を交えました。アステアさんは二人の戦いに立ち会い、結界を張って誰も手出しできないようにしてたんです。

 

「……」

 

 長く凄まじい激闘の果てに、カーマインさんは意識を失いました。デュランさんが体を静かに抱きとめ、アステアさんに手渡します。

 

「――何故、戦った? 貴様にとって、カーマインは主なのだろう?」

 

 カーマインさんを受け取りながら、アステアさんは問いかけました。

 

「だから、だ。主であり、誰よりも守らなければいけない存在だからこそ、主の間違いを正さなければならねえ。ソレが――俺の役目だ」

 

「……一つ、教えてくれ。貴様は――仮面騎士として、生きて来た筈だ。ならば――人間の汚さを知っているんだろう?」

 

 アステアさんはいつも通りの口調なのに――その言葉に、デュランさんは彼の瞳を見つめて真摯にうなずきました。どことなく、切羽詰まったものを――私も感じます

 

「――ああ」

 

「なのに、そんな奴らのために――貴様は、自分の大事な主を斬ったのか? 自分の身を斬る事よりも、貴様にとって辛い事だろう?」

 

 その言葉に――しかし、デュランさんは首を横に振りました。

 

「確かに――カーマイン様に刃を向けた事は、俺にとっちゃ自分の命を失う事よりも、辛い。人間の為に、そんなこと、出来やしねえ」

 

「――主の願いである、人間を守ろうとしたのでは、ないと?」

 

 アステアさんの問いにコクリと頷き、デュランさんは――アステアさんの腕の中に居るカーマインさんの顔を見つめました。

 

「このまま、ヴェンツェルと戦えば、間違いなくこの方は死ぬ。ソレも躊躇なく、な。だが――それでヴェンツェルを逃がさず倒せるとは限らねえ。いや、命の無駄遣いになる可能性が高い」

 

 

 デュランさんは、カーマインさんをただ死なせたくないから止めたのでは――ない、って。目的を果たせずに死なせたくないから――止めたんだって、語ってくれました。

 

「……」

 

「ならば――この俺が、その代わりをする。刃を振るう事に関しちゃ、俺もそれなりの自負があるんでな。それが――この方から教わった情に対する、俺の返事だ」

 

 デュランさんは静かに――アステアさんに背を向け、歩いて行きます。ヴェンツェルという男と戦う為に。カーマインさんに自分の生き方を貫いてもらう為に――。

 

「――どうすれば、俺は――貴様らのように、なれる?」

 

「……」

 

 か細い声――。

 聞いているこちらが、思わず涙してしまいそうな辛い声――。その声はとても小さいモノでしたが、デュランさんは足を止め、アステアさんに向き直ったんです。

 

「今、お前が感じている胸のわだかまりこそ――ソレこそが、人の情だ。そいつを理解できたのなら、テメエは、なれるさ」

 

 真っ直ぐに――カーマインさんを思わせるほどに、強い瞳で、デュランさんは、アステアさんに告げます。

 

「――心の、赴くまま、か。いいだろう右腕、貴様は精々――カーマインの背中を守りぬけ。俺は――貴様らに振りかかる火の粉を払ってくれよう――。貴様らが前だけを見て――駆け抜けられるように、な」

 

 そのアステアさんの言葉に、デュランさんは瞳を閉じると――優しげに笑ったんです。

 

「――心得た」

 

 アステアさん――。

 貴方は、カーマインさんを助けたかった――。だけど、どうすればいいのか分からなかった――。どうすれば、助けられるのかを――貴方は知らなかった。

 けれど――。

 だから、貴方は――デュランさんに尋ねたんですね――。自分に心があるのか、と――。

 大丈夫です――!

 はやてちゃんのおかげで私達、“夜天の書”が救われたように――貴方には、こんなにも素敵な仲間がいるじゃないですか――!

 

「――うるさいチビだ。恥ずかしげもなく――」

 

 !?

 今の声――。

 私は――心の底から、笑ってしまいました――。

 

 アステアさん、貴方って――とっても恥ずかしがり屋なんですね!

 

「――だから、うるさいと言ってる。さっさと次を見ろ」

 

 そんな、アステアさんと私はしばらく会話していました――。エヘヘ。




 氷の殺意――。アステアは、自身の感情の全てを押し殺して生きていた。弱みを見せれば――即、食い殺される世界で。
 残忍で冷酷な男の手ほどきで――、彼は悪魔じみた洞察力と計算を手に入れ――勝利の為には、己の感情さえも消してしまう殺戮機械になってしまう。
 そんな彼が出会ったのは――人の情を信じるが故に、不殺の剣を振るう騎士。その騎士の為に極殺の刃を振るう剣士。――自分の同族である二人組の在り方に――アステアは感化され、彼は――ようやく、自分の心を取り戻す。
 そんな彼の姿は――やがて“救世の左腕”と称されるようになるのであった。
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