俺は――だからこそ、貴様を倒す。残り少ない命だと言うのなら――その命を使い切ってでも、必ず――お前を、倒して見せる。
お前に弄ばれた、俺の大切な人達の為に――。そして、俺の親であるゲヴェルや――兄弟達の為に。
ヴェンツェル――かつて、バーンシュタイン城に居た宮廷魔術師にして、サンドラの師であった過去を持つ彼は――、ゲヴェルの支配を逃れるため――王子エリオットを自身の信頼できる夫婦に預け、ゲヴェルに作り出された偽物の王子とすり替えた後、ランザックに身を隠していた。
サンドラの息子であるカーマイン達が、ゲヴェルの真相に気付き、近づいてきた時――エリオットの王位奪還のために協力を自ら名乗り出る――。
しかし、彼は――カーマインの義妹・ルイセのグローシュを奪うと、何処かへと立ち去ってしまった。
彼の正体は――グローシアン支配時代の王――ロード・ギーヴル・ヴェンツェルであり、ゲヴェルとグローシアンとの融合体であることが判明する。
カーマインとゲヴェルとの熾烈な一騎打ちの隙をつき、まんまとゲヴェルを殺したヴェンツェルは、人間の支配を敢行するため、三国の軍事力を徹底的に叩き潰すことにした。
彼は――自らが使う時空操作能力で、異世界から魔物を召喚し、兵士を皆殺しにして行ったのだ――。
自分が強力な存在となるために、ゲヴェルを作り出し、更にゲヴェルとの融合を果たすために、多くの人間を犠牲にしたヴェンツェル。彼の支配する世界、ソレは――絶望しか無いモノだった。
しかし、人々は――ヴェンツェルに殺されるくらいなら支配に屈した方が楽だと、言い出す。世界に住む人々が――ヴェンツェルと戦うカーマイン達に恨み言を言い出すように成っていった。
王子エリオットを育てた義理の両親は、ヴェンツェルのかつての部下。ヴェンツェルに歯向かえば、呪いで死ぬように体を作りかえられていた――。
ゼノスの実父にしてカレンの義父、ベルガー。彼は奴隷――物として扱われる人間達の為に、レジスタンスを結成するも、グローシアンに捕えられ、実験体としてゲヴェルと融合させられた。実験が済み用なしとなった彼は、処分される前に違う時代に逃げのびる事で、一命を取り留めたが、既に――彼を知る人物は、この世のどこにもいなかった。
人間を抹殺するために作られたゲヴェルは、グローシアンの言いなりになるよう洗脳され、グローシアンの体の強化のために、人間と融合させられたり、戦いに駆り出されていった――。やっと自我を持った彼は――魔水晶の中で永遠とも言える苦しみを味わった――。
二度と――彼らのような人を作り出さないため、このような理不尽を許せない為に――。そして、こんな理不尽に自分のかけがえのない仲間を遭わせないために――カーマインは残り少ない命を削り、ヴェンツェルと対峙するのだった――。
時の支配者ヴェンツェルとの最終決戦は――かつて、フェザリアンと人間が共に世界を渡った時空制御塔だった。
カーマイン達が内部に入り込むと、彼らを出迎えたのは――カーマイン達と同じ顔をした、黒いマントを羽織ったゲヴェルだった。
「……こいつら」
カーマインは訝しげに、眉をひそめる。ティピがキョトンとしていた。
「ねえ、今までのゲヴェル達と――何か違うよね」
その疑問に答えたのは――ヴェンツェルの声だった。
「ソヤツは――以前洗脳したルーチェの細胞から作りだした私専用の操り人形。名をアウグ・ストライフと名付けた――。徳と味わうがいい――グローシアンであり、ゲヴェルでもある私の力を!!」
影から十人のアウグと名乗ったゲヴェルが起き上った。彼らに表情は無く、痛みも、恐怖もない――。切り捨てれば――闇へと変化し、消えていくだけだ――。
「つくづく、勘に触るヤツだ…!!」
「全く…! ぶった斬ってやらぁ!!」
カーマインとデュランが猛り、室内を無数の斬戟が――斬線が奔る。
時空制御塔最上階――。石畳の作りの部屋で――パワーストーン精製装置がヴェンツェルの後ろに立っている――。
その部屋に――カーマイン達は静かに足を踏み入れた。
「コレで終わりだ、ヴェンツェル」
「終わりだと? 終わるのは貴様等の方だ!!」
カーマインが静かに、ヴェンツェルが不遜に――言い、睨みあう。互いの瞳に揺るがぬ意志を宿して。
「世界は――アンタの好きにはさせない!!」
「この世界に生きる人達の平和――私達が守ってみせる!!」
ティピとルイセの言葉にヴェンツェルは、静かに彼女達に顔を向けた。
「笑わせる。人間はもろい存在だ。アッサリと他者に責任をなすりつけ、管理されなければ――自分達で滅びに向かう存在。永遠に滅ぶ事の無い王は――理想ではないかね?」
嘲笑うヴェンツェルの言葉に――カーマインも強い意志を瞳に宿し、言い返す。
「――人が弱い事は認める。良い指導者がいなければ、滅びる事も。――だが、ソレは貴様ではない。人の情を知らず、ただ管理するだけの国は、生きる意味が無い」
不快気に吐き捨て、ヴェンツェルはカーマインに杖を構える。対するカーマインもレギンレイヴを抜いている――。
「何処まで行っても平行線の様だな、ならば――」
「いくぞ!!」
同時に駆け、斬りかかる――。魔法が――斬戟が――、奔る。カーマインは、ヴェンツェルの注意の全てを引き受け――その間に、リシャールとゼノスが精製装置で、パワーストーンを作り出した――。
全てのゲヴェルから、力を授かって――。
「――おのれぃ!!」
パワーストーンを作られた事に激昂し、精製装置ごと叩き潰そうとするヴェンツェル。
「やらせるかよ!!」
ズバァッ それを間一髪、ゼノスの一撃がヴェンツェルの胸を裂いた――。
「バカな……。だが、この世界は――!!」
ヴェンツェルは、血を噴き出しながら――奈落の底へ落ちて行くのだった――。
時空干渉装置に向けて走る一行の前に、ガーディアン達が無数に現れる。
「カーマイン、デュラン達と一緒に、一気に駆け抜けろ!!」
「ここは、私達が引き受ける!!」
ウォレスとリシャールの言葉に、頷き一気に駆け抜けるカーマイン。
こうして、カーマインは仲間達と別れ、アステアとデュランの二人と制御室へ走る。ソコで三人が見たのは、白銀の髪をした青年の後ろ姿だった。
「! 何モンだ、テメエ」
「邪魔な奴め……!」
デュラン、アステアが自身の剣を構えて問いかける。対して――カーマインは静かに青年を見据える。
「この気――ヴェンツェルか?」
「いかにも――どうかね、諸君? 素晴らしいだろう。今この瞬間より、過去も未来も現れるはずの無い最強の存在の誕生だ」
青年、ヴェンツェルは刃渡り二メートルの剛刀を抜いた。
「君達がオリジナルのボディを倒してくれたおかげで、晴れてこの体に乗り移れた――。有難う。さあ、この世界が滅びるまでの僅かな時間だが――遊んでやろうではないか。ククク……ははっはっははあは!!」
カーマイン達三人の攻撃を喰らっても、瞬時に全開する回復力。シーティアをも上回る大魔法を連発。刀はシュワルゼとラルフの刀の利点をそのまま取り込んだモノで、剣術はカーマイン達の動きを覚え、どんどん洗練されていく。
「――ヴェンツェル、お前は――殺すぞ!!」
「ほう? まだ生き残っているか。大したものだ」
ルーチェが意識を取り戻し、勝負を挑む。--しかし、状況は変わらない。
あっと言う間に、ボロボロにされる四人のゲヴェル。――だが、ルーチェの強打撃、アステアのアルスィオーブ、デュランの極殺の斬戟、そして――カーマインの一閃が奇跡を起こす。
「――何? 人間どもの想いが――一つに!?」
「終わりにしようぜ、ファイナル・ソウル・ストライク!!」
カーマインの身を覆う炎の色が黄金の光と化し、刀は蒼銀の輝きを放つ。放たれた魔法剣は――黄金のソウルストライク。ソレは――闇の支配者、ヴェンツェルを完膚なきまでにこの世界から――消し飛ばしたのだ。
こうして――救世の光の伝説が幕を下ろす。
ローランディア城にて、カーマインはヴェンツェルの報告を終えると、パワーストーンにて体を作り替え、新しい寿命を手に入れた。
しかし――その反動で、彼は――別の世界に旅立ってしまった。コレが――救世の光の旅路の始まりである。
◇◆◇◆
時空の闇を操る魔導師――ヴェンツェル。
グローシアンの王にして支配者。破滅の闇と呼ばれた男は、己の願望の為だけに、多くの罪なき人を傷つけ。数多の悲しき生体兵器を作り出していった――。
光の救世主――カーマイン・フォルスマイヤーが、その存在意義をかけて挑む相手――ソレが、闇の支配者――ロード・ギーヴル・ヴェンツェルである。
◇◆◇◆
彼女達が意識を取り戻した時、そこは記憶を見る以前と変わらない、はやての課長室があった。
「あ! 眼が覚めたみたいね!!」
ティピが明るい笑顔で皆を見渡した。隣には、カーマインが静かにこちらを見ている。その金と銀の瞳で。
「――どうやら、全員意識を取り戻したようだな」
冷静に言ってくるカーマインに、皆が互いの顔を見合わせた。どうやら、今まで立ったまま先の景色を見ていたようだ。
「フン、誰がナビゲートしたと思っている」
「悪い、別にお前の力を信じてなかったわけじゃないって」
不機嫌そうに眉を寄せるアステアに、カーマインは苦笑気味に返した。そんな二人に、八神はやてが静かに近寄る。
「カーマイン君、アステア君。疑ったりして、ゴメ――!」
頭を下げようとするはやての額をペシッと掌で止めたのは、アステアだ。
「……アステア君?」
「フン」
首を傾げるはやてをそのままに、アステアは手を離してそっぽを向く。隣でカーマインが苦笑しながら口を開いた。
「敵かも知れない相手を疑うことは、悪い事じゃないさ。謝らないでくれよ」
「カーマイン君……」
カーマインは真摯な表情ではやてを見る。金と銀の揺らがない瞳で――。
「俺の方こそ、礼を言わせてほしい。貴方達は、俺を――アウグと同じ存在かもしれない俺達を、助けてくれた。その礼、決して疎かにはしない」
「ま、記憶を見たんなら――コイツが、ソコソコ強いってのが分かってもらえたと思うし、皆のお手伝いくらいなら出来るからさ!!」
ティピが明るく笑って言った。
はやては胸の前で組んだ指を下ろして、小さく、うん、と頷く。本当は頭を下げて謝っておきたかったが、先ほどのアステアの制止と、カーマインの表情、ティピの言い分から口に出すのは止めた。
「そしたら、話の本題に入るで?」
「本題?」
ティピが首を傾げる。はやては瞳に力を宿して頷き、神妙な面持ちを作った。
「カーマイン君らの回想が――そのままこのミッドチルダにも関係するとしたら、あのアウグって言うのをこの次元世界に放ったのは、ヴェンツェルってことやな?」
「ああ」
「そして――カーマイン君達が使ってるテレポートって魔法が、ヴィータ達が戦った黒騎士出現の光とよぅ似てた。彼等も、カーマイン君達の世界からやって来た者達っていう認識で合うてるかな?」
「それは違う」
「ヴェンツェルは関係ないってこと?」
「関係はある。あの鎧は俺達の世界にも存在しない魔物……。時空の狭間、そこにある闇の世界から呼び出された者達だ」
カーマインの言葉に首をかしげながらフェイトが問いかける。
「つまり、時空干渉能力によって召喚した魔物ってこと?」
「ああ。ヴェンツェルにしか召喚できない魔物さ」
今度は、はやてからの質問だ。
「どうして? 干渉能力があれば、召喚できるんやないの?」
「特定の闇の世界から、奴は何体でもあの魔物を召喚する事が出来る」
カーマインの説明に、はやては眉をひそめた。
特定の闇の世界――。
つまり、カーマイン達が使う時空干渉能力は、“どの次元”であろうと干渉できるわけではない、ということか――。
「闇の世界と言うのは、何なんですか?」
リィンフォースⅡの質問に、答えたのはアステアだ。
「貴様等も見たのではないのか? 鎧の中身は空だったのだろう? あれには、生体エネルギーが一切ない。ただ邪悪な、意志の塊だ」
「邪悪な意志……」
顎に手を据えるはやては、更に思案顔を浮かべた。抽象的な概念として彼等の言う事は理解できる気もする。だが、まったくもってその原理――彼等の言葉の確証となっている大元の流れが分からない。
彼等が言う“闇の世界”――。
それは“邪悪な意志の塊”ということらしいのだが。
「邪悪な意志……か。それは、何を基準として邪悪としてるんやろう?」
はやてはつぶやきながら、アステアとカーマインを交互に見た。カーマインが答える。
「人の命――いや、生きている全ての者の命を、喰らおうとする存在。奴らは、全ての生きとし生ける者を憎み続ける。そして――世界の全てを喰らおうとする。自分達の望む世界――闇にする為にね」
「ブラックホール……みたいなもんかな?」
「ブラック……? なんだ、それ?」
“憎しみ”と言う感情は関係ないモノの、はやてはそう尋ねてみた。要を得ないカーマインの隣から、アステアが答える。
「そいつは宇宙空間に有る、まあ――暗闇の世界ってやつだろ?」
「うん……」
「そこに意志や知識のある存在がいるかどうかは分かってない筈だが。貴様等の経験でいえば、“闇の書”の防衛システム――あれが一番近い」
「……!」
はやては息を呑んだ。はやて達がカーマインの記憶を読んだように、カーマイン達もはやてを始めとした四人の記憶を読んでいる。
はやてが持っていたデバイス“闇の書”。それは魔法の辞書となるべく作られた集積蓄積型デバイスシステムに、改変を加えて破壊の力を持ったデバイスの名だ。途中の無理な改変で、デバイスは主の認証を正常に行えず、力を集積しては暴走するだけの日々を繰り返していた。
「待てよ、アステア。闇の書は、力の“暴走”だろ? 俺達の知ってる闇とは違う」
「結果的には同じだ。力の暴走ではないにせよ、全てを無きものにしようとするところは、どの闇も変わらんさ。全ての生命を無へと変える存在は、等しく“闇”と呼ばれる」
アステアはそこまで言い、はやてを見た。
「――違うか?」
「そう……かも知れへんな」
はやては胸元に手を置き、ぎゅっと拳を握った。視線が下がる。
そう言おうとした彼女をカーマインが遮った。
「それは――違うだろ? 例え暴走を引き起こしたとしても、貴方を想い――貴方の為に戦った
カーマインは穏やかに笑って――はやてと、こちらを見るリィンとシグナムの二人を見る。
「彼女達と貴女の絆は――。そこに交わされた情は、決して――闇なんかじゃない。たとえ――力の暴走を引き起こしたとしても。ソレを上回った貴方達の絆は――決して、闇とは違う……!」
力強い光を瞳に込めて、カーマインははやてに言い切った。
「……カーマイン君」
俯きかけたはやてが視線を上に上げる――。リィンも、シグナムもカーマインと言う青年を静かに見返した。
「――口が過ぎた様だ。悪かった」
カーマインの隣で――アステアも静かに頭を下げる――。彼にしては、珍しく殊勝な態度にキョトンとしてしまうシグナムとはやて、フェイト。
そんな中――リィンだけは「エヘヘ」と笑って見せる。それに――ティピもニヤリと笑ってアステアを見ていた。
……………………
………………
同時刻、東部海上。
機動六課発足にあたり配備された輸送用ヘリJF704式。二年前から採用され始めた最新鋭機を駆るヴァイスは、口端をつり上げながら、後ろを振り仰いだ。
「本当に、俺達だけでいいんですか? アルフの旦那」
「ええ。八神隊長から、隊長室に詰めてる間のことは任されていますので」
喉を鳴らしたアルフは、運転席の背もたれに肘をかけて片眉をつり上げる。紅の視線は、ヴァイスの相棒、ストームレイダーを積んだ計器類に向けられていた。ストームレイダーは元々、狙撃ライフルに搭載されたAIデバイスとして使われ、現在はヘリの管制システムとしてヴァイスをサポートしている。
このストームレイダーの観測値によると、ヘリの高度は上空八百メートル。風向きは南西、黒い海面の様子からも窺えるように、至軽風――うろこのようなさざ波が立つそよ風だ。
アルフはストームレイダーにクォッドスキャナーを連結させると、ヴァイスに言った。
「陸曹。ガジェット反応がある場所のモニタリングお願いします。ここから一気に、狙撃で撃ち落とす」
「~♪ そいつぁ熱い展開じゃないッスか! ――って言っても旦那、デバイスはどうするんです?」
問うヴァイスに答えず、アルフは口端だけを緩めた。通信機越しに、現在機動六課の司令部を取り仕切っているグリフィスが報告して来る。
[アルフさん。ガジェットドローンⅡ型、現在捕捉しているのは十二機です。東部海上をそれぞれ旋回飛行中]
「了解。索敵続行願います」
[了解]
通信が切れた。ヴァイスは計器類に指を走らせ、アルフが言った通りにガジェットⅡ型を狙撃する為の照準映像を次々と生じさせていく。
完璧なホバリングだ。
ガジェットとの距離は――変わらず2キロ。
クォッドスキャナーが、ガジェット達が有する特殊な信号――そして、AMFの波長パターンを探知する。
ヴァイスはアルフの『目』となる照準モニタを展開させながら溜め息を吐いた。
「うへぇ~! これ、絶対十二機じゃすみませんよ、旦那っ!」
元狙撃手としての勘が、ガジェットⅡ型の機影を見てそうつぶやかせた。アルフは小さく頷きながら、左手を微かに開く。
「――まあ、派手なほうがいいですよ。
喉を鳴らした彼の掌に、白い紋章陣が浮かんでいた――。
「ガジェットドローンⅡ型、十二機」
機動六課のオペレータを務める薄紫色の髪の少女ルキノは、青色の瞳を走らせながら言った。背の高い彼女は通信士のシートに体を折りたたんでかじりついている。
そのルキノの背に、臨時指揮官として座するグリフィスは尋ねた。
「レリックの反応は?」
「現状では、付近に反応はありません。ただ……これ、機体速度が今までよりも大分――いえ、かなり速くなってます!」
ルキノの緊張した声――。傍らで、もう一人の通信士、ボーイッシュな栗毛の少女アルトが言った。
「航空Ⅱ型、四機編隊が三隊、十二機編隊が一隊、発見時から変わらず――それぞれ別の低円軌道で旋回飛行中です」
グリフィスは顎に手を添える。
「場所は何もない海上……。レリックの反応も無ければ、付近には海上施設も船もない。まるで、撃ち落としに来いと誘っているような――」
つぶやいた彼は、次の瞬間息を呑んだ。
東部海上に向かったヴァイス達のヘリ――その真上の、紺碧の空に浮かぶ星々が激しく輝いたのだ。
「スターライト」
アルフの、短い詠唱と共に。
野太い光矢が夜闇を裂いて駆る。
黒い海上を旋回するガジェットⅡ型の機影は、空から降る光矢――“砲撃”によって余すことなく撃ち落とされた。
光線は轟音を立て、二等辺三角形のガジェットⅡ型を蒸発させる。紋章が放たれる寸前――空で瞬いた星の光が、数十本の砲撃となってガジェット達を撃ち堕としたのだ。
海上を旋回していたⅡ型ガジェット――全二十四機。消滅。
一瞬の出来事である。
「……っ……!」
ヴァイスは自分の目の前で起きた事が数秒理解できず、何度も目を瞬かせた。ストームレイダーに手早く指示を出して、敵残機を確認する。
だが、反応なし。
全滅だ。
××××
その様をモニタ越しに見ていたスカリエッティもまた、目を見開いていた。
今夜は改良したガジェットⅡ型のテスト飛行。機動六課の面々を前に、どこまで迅速かつ規律だった行動が取れるのか、データ収集することが主な目的だった。
相手にガジェットが落とされるコトは承知の上。
だが、この一瞬の出来事は――あまりにも、
あまりにも衝撃的だった。
スカリエッティの身が震える。ぐっと拳を握った彼は、モニタに齧りつくように顔を近づけて、つぶやいた。
「まさか……これは、ミッドでもベルカでもない――この魔法……紋章術、なのか……? まさか本当に、連邦が……!?」
息をのむ。大がかりな紋章術。AMFを積んだⅡ型ガジェットをモノともしないその威力。
分類するなら収束魔法とされるその紋章術は、こちらの威力に換算してAランクだ。
並の魔導師が、数秒で捻りだせるような魔力ではない。
「これがルーテシアの言っていた、もう一人の異端者?」
スカリエッティの乾いた声が、研究所に響いた。彼は額に手を付き、声を上げる。先日、
××××
機動六課施設の屋外――ヘリポートにて。
医務室で意識を取り戻した高町なのはは、隣で寝かされているヴィータ、ティアナを見るのもそこそこに、アルフと戦った青年の姿を探した。
施設内を探していると、ヘリポートに人影を発見した。なのははこちらに背を向けた青年に近寄った。
空は満点の星空で、いつの間にか、日が沈んでしまっていたようだ。
「……俺に何か?」
なのはが声をかける前に、青年――カーマインが話しかけて来た。
「一つ、君にどうしても聞きたい事が有ったの」
なのはは、静かにこちらに振り返ったカーマインの瞳を覗きこむ。
「君は、どうしてシャスを見て笑ったの? シャスの剣が怖くなかったの?」
なのははカーマインにどうしても聞きたかった。自分がアルフと対峙した時感じた恐怖、アルフの狂気に触れながら、この青年は笑っていた。なのはが気付かないアルフの一面に、彼は気付いたと言うのだろうか――。それはともすれば彼が、アルフという青年を自分よりも理解したという意味になのはには思えた。
「……」
カーマインは、なのはの瞳を見つめ返す。その静かな瞳、背を向けたままで気配を感じ取る所――、なのはは、その仕草の一つ一つに自身の優しい兄を思い浮かべた。
「――楽しかったからな。命のやり取りをしているのに、ソレを感じる暇が無いほど、彼は強かった。だから――素直な気持ちで勝負が出来た。俺にしては、珍しく」
先の闘いを振り返ってか、カーマインは不敵に笑って言った。
「シャスは――、死んでも勝とうとしていた。君を確実に殺そうとしていた――。ソレを感じたのに? 怖くなかったの? どうして?」
なのはは、不安げにカーマインを上目づかいに見つめる。この青年が、何を感じ取ったのか、ソレを見出そうと――。
「君は――シャスの剣に、何を見たの?」
「命の煌めきを」
カーマインは、間髪置かずに即答した。なのはは、すぐさまの返答に驚き、そして混乱した。
「――彼は、一見命を無為に投げ捨てているように見えるが、実のところは違う。彼は、自分の判断を信じてその選択を実行しているにすぎない。彼の中にあるルールに従って」
なのはは、内心の動揺を抑えながらジッとカーマインを見る。
「命は、二の次。それよりも、自分らしくある事を。自分が選んだ選択こそが正しいと言う事を、自分が決めたルールに従って突き進んでいる。誰よりも真摯に」
アルフのあり方を称賛するかのような口振りに、なのはは眦をつり上げ、強い口調で反論した。
「――でも、それじゃあ、駄目なの!! 人の命を救う機動六課の局員なら、命を粗末にしちゃいけない!! 命を助ける為に、どんな恐怖にも打ち勝つ理性で、冷静に判断して、救助に全力を尽くさなきゃ――!!」
「――それでも、死ぬ時は死ぬ」
そこまで冷静に、自分の内にある恐怖を理性で押し殺したとしても、必ずしも人命が救えるわけではない。
カーマインはそう断言する。
「だから――!!」
だからこそ、命は尊ばねばならない。より確実に救えるよう――慎重に慎重を重ね、失敗する事に怯えながらも冷静に判断せねばならない。
命を、捨てる覚悟ではならない。
なのに――、
カーマインは、静かに言葉を続けた。
「どんな恐怖にも打ち勝つ理性――。彼は既に手に入れているはずだが?」
「アレは、死に臨んでるだけだよ……。それが、シャスのルールに従っての事だとしても、アレじゃあ人の命は救えない」
カーマインの言葉に、首を横に振るなのは。
「彼は――管理局員じゃないだろう。それなのに管理局の理念を押しつけるのか?」
「管理局員だよ! シャスは――私の教え子だから! だから、命の大切さを知ってほしいの!! もっと自分を大事にしてほしい!!」
強く思う。昔から――あの子は変わっていない。本当は――誰よりも優しい子なのに。どうして、ああも命を投げ捨てようとするのか――。
「彼は――アルフは、自分の意に従って生きている。そんな彼の思いを覆すと言うのか? 確かに、貴方の言葉は、正しい。ほとんど多くの人が、命を大切にするべきだと言うだろう」
カーマインは、静かに言葉を切り話を続ける。なのはの瞳を正面から見据えて。
「だが、ソレが貴方の物差しである事を忘れるな。自分の物差しを相手に押しつける事は“強制”であり“わがまま”である事を」
その言葉に、なのはは一瞬俯いた。しかし、震える手を握りしめ問い返す。
「……そう、かも知れないね。でも……
己の為だけに力を振るう。
それは――管理局員がもっともしてはならないことだ。なぜならば、魔導師は“力”の象徴。
力を振るう者が暴走しない為には、鉄の理性が必要となる。それを求めるなのはの想いが“わがまま”だとするならば――己の為だけに力を振るわれた結果を、民衆はどのように受け止めねばならないと言うのか。
魔導師は、限りなく理想に近い存在でなければならないのだ。
核兵器によって世界が死にかけた――それ故に質量兵器を根絶させた、この世界では。
「俺が言ってるのは、誰かを疑えってことじゃない。自分の考えが正しいと思うからと言って、ソレを相手に押しつけるな。相手にだって考えること、生き方がある。ソレを理解せずに自分が正しいと思うな」
カーマインの瞳は揺るがない。その静かな光を宿した眼に、なのはは語りかける。
「……仲間の信頼を得られない局員が、無事に救助任務を果たせる事は……無いよ。一人だけの力じゃダメなの。皆で力を合わせなきゃ……――これは、私の押し付けなの?」
なのはは苦しそうにカーマインを見上げた。
「仲間なら、相手の意志を理解することも必要だろ? 少なくとも、あなた達と彼は、違うと思うよ。彼は、管理局としては戦わない」
「……管理局じゃ、ない……?」
カーマインのその言葉は、鋭利なナイフのようになのはの胸に突き刺さる。しかし、カーマインは話を続けた。
「彼は、あくまで自分が大事。自分の生き方を成し遂げる為にそこに在り、成し遂げる場が勝負の世界。自分自身を満たすためだけに、彼は戦い続けるだろう……。これからも」
カーマインは静かに、打ちひしがれた表情のなのはを見据える。
「――彼を仲間だと思うなら、彼を信頼するのなら、彼を理解することだ。彼の本質から目を背けることなく、ね」
「……」
俯くなのはに、優しく微笑みかけるカーマイン。
「諦められないなら、ぶつかり合えばいい。思いをぶつけて、相手からの思いを受け止めて、少しずつ――互いに歩み寄ればいい」
「……でも、ソレはワガママなんでしょう?」
「ワガママさ。でも、ワガママでも何でも自分が正しいと思って、決して退けないのなら、思いの丈を相手にぶつけるしかない。――俺は、そう信じてやって来た。いつか――互いに歩み寄れる、分かり合えると信じて――」
「――カーマイン君のワガママって?」
「ガキみたいな理由さ」
一つ笑って、カーマインは続けた。
「――敵に全ての責任を押し付けようって考え方が俺は嫌いだった。自分が生きる為には、相手を滅ぼすしかない」
先住民ゲーヴと人間との戦い。グローシアンの侵略戦争の話。
「そんな考え方が、俺は納得できなかった。自分は正しくて、相手が間違っているから――相手を滅ぼすって考え方」
ローランディア、ランザック、バーンシュタイン 三国の戦争の話。そのどれもが、敵に戦争の責任を全て押し付けていた。
「……」
「周りの大人はいつも言っていた。敵国の兵士を倒せば、平和になるって。人々は言っていた。生き残る為には、敵を滅ぼすしかない。全て、敵が悪いのだからと。――だが、ソレは間違いだ」
ゲヴェルにだって想いがある。
敵国の人間にだって思う事はある。剣に迷っていた銀髪の美青年。砂の国に生きる黒ひげの将軍。戦争で無ければ、剣を交える必要などない人々――。
「敵にだって戦う理由がある。守りたい家族や誇り、命がある。だから――例えガキだと言われても構わない。俺は――そんな自分勝手な論理を振りかざす奴が気に入らないから、剣を振るった」
なのはは静かにカーマインの言葉を聞いていた。その話に、飲み込まれるように――。
「結果として、ソレが世界を救い、人々の命を救っただけで、俺はただ聞きたくなかったんだ。自分にとって大切な人達が、そんな無責任な事を言うのを」
――英雄気取りの馬鹿な騎士が、ヴェンツェルに逆らった所為で! アタシの息子が死んだんだよぉ!!
――アンタ達の所為で、戦争が終わらない! 私達は、平和に生きたいだけなのよ!!
思い返すは、多くの批難の声。戦争で傷つくのを恐れ、かといって、支配者に逆らう事すらせず、責任を他者に押し付けようとする人々の怨嗟。
「そんな自分勝手な事を彼等が他の人達から言われるのを、俺は見たくなかった。ただ――それだけ」
カーマインは静かになのはを見据えた。透明な――澄んだ光を放つ金と銀の瞳で。
「ワガママだろ?」
不敵に笑った。――だが、カーマインのその笑みはどこか――なのはには泣いているように見えた。
なのはは――首を横に振った
「ううん、凄いね。――君は」
「別に凄くなんか無い。貴方達のように、見ず知らずの人の命を第一で動いてる訳でも、思いやりを持って接しようとしてる訳でも無い」
しれっと言うカーマインに、なのはは、くすりと笑った。満月の優しい光が、彼女達を優しく照らしていた。
リィン&はやて
「「リィンとはやてが行く♪」」
リィン
「第二回、ゲストは――主人公の皆さんです♪」
フェイト(笑)
「なんだい? その大味な紹介……」
カーマイン
「またここか……。どうでもいいけど、本編で俺達出合ってないんだけど、まだ」
なのは
「オラクルだから何でもありになるんだよね? はやてちゃん?」
はやて
「そういうことや!」
アルフ
「……俺、主人公でしたっけ?」
フェイト(笑)
「いやいやいやいやいやいやっ!!」
カーマイン
「“オリ主”って書いてるだろ?」
なのは
「もう、シャスったら主人公ちゃんとやらないとダメだよ? ――まあ、そういう私も、StrikerSでは主役って言うより、ティアナやスバルの方が主人公って感じがするかな」
アルフ
「“魔法少女育てます”がキーワードですからね」
フェイト(笑)
「まあ、“リリカルなのは”だからいいんじゃない? なのはさんで」
カーマイン
「実際、
はやて
「確実に入りきらんなぁ……!」
リィン
「ということになりますね!」
フェイト(笑)
「それで。リィンちゃん、はやてさん。僕達を呼んだってことは、何か話があるのかい?」
はやて
「とりあえず出してみてんっ!!」
アルフ
「すごく自信たっぷりに言い放ってますよ、この部隊長殿」
カーマイン
「台本……は?」
リィン
「ダメダメです! カーマインさん! それじゃ、ダメダメです!!」
カーマイン
「だ、ダメダメ……?」
はやて
「その通りや! 台本に任せて、流れを固めて行ってしまう――そんなんでは、オラクルである必要なんかないっ!!」
カーマイン
「いや、……えっと……?」
アルフ
「だからまとまりないんですよ、察してやってください。カーマインさん」
フェイト(笑)
「いくらオラクルでも、ぶっちゃけ何も考えて無いのはどうかと思うんだけどね、僕……。せめて企画くらい出そうよ?」
リィン
「でもこの空間は、いかにくだらないことをグダグダとくだを巻くかが本来の目的なんでしょう? フェイトさん」
フェイト(笑)
「いや、ですから――……」
アルフ
「じゃ、なんかお題出しな。フェイト」
フェイト(笑)
「え!? 何か違くね!? ゲストがお題出すとか……いや、前回やったけども!」
カーマイン
「司会者の意味ねえだろ? それ」
アルフ
「なら解散?」
はやて
「あかぁ~~んっっ!!」
アルフ
「……びっくりした。なんですか? 隊長」
はやて
「この八神はやての目が黒い内はそうはいかんで、シャス! ……ん? そういえば、シャス。何気にオラクル空間来るの初めてやな?」
アルフ
「いや、二回目ですよ」
カーマイン
「前回は“???”だったな」
フェイト(笑)
「おいおいおいおい! ティピとフェイトが行くじゃ出てこなかったくせに、なんだよっ! はやてさんの時は出て来やがって!!」
アルフ
「……お前。第十回目に誰が出て来たのか、知ってて言ってんのか?」
フェイト(笑)
「僕の記憶からは飛んだな☆ ……ああ、あまりのガクブルに飛んでしまったんだよ、記憶が」
アルフ
「そうですね。さらっと水に流しましょう、ここは平和的に」
なのは
「えぇっと……、それでコーナーはどうするの?」
はやて
「それがぶっちゃけ……主人公四人集める以外、考えてなかったんや。どうしよう……」
なのは
「はやてちゃん……」
リィン
「それでは! リィンがコーナーをやりたいと思いますっ!」
はやて
「おぉ、リィンっ! あるんか!?」
リィン
「任せてください! コーナーは『教えて、アトロシャス先生!』です!」
フェイト(笑)
「教えて」
カーマイン
「アトロシャス」
なのは
「先生?」
三人は同じタイミングでアルフを見た。
アルフ
「はい、無茶ぶりきましたー」
フェイト(笑)
「あ、台本無いんだ……!」
カーマイン
「これは……っ! 打ち合わせなしでそんな流れ!?」
はやて
「なるほど、そうか! 話が分からんのやったら、話を振ったらええんやな!? リィン!!」
リィン
「これがティピちゃん流のやり方ですっ!」
はやて
「リィンがおっきく見えて来た……! はわわ」
なのは
「はやてちゃん。それはどうかと……」
カーマイン
「て言うか! なんて奴から教わってるんだ、リィンっ!」
フェイト(笑)
「ティピちゃん無茶ぶり多いからねー」
アルフ
「じゃ、コーナー始めましょうか」
アルフは、さっそうと白衣をまとった。
カーマイン
「やんのっ!?」
フェイト(笑)
「相変わらず用意いいなー。その白衣」
なのは
「ホントに打ち合わせしてないの!?」
アルフ
「いや、そこのハンガーに掛ってたんですよ。白衣」
主人公s
「「「えぇぇええっ!!?」」」
はやて
「やるな! そこに気付くとは、さすがシャスや!」
リィン
「満を持しての登場、見事です!」
アルフ
「……なんか、前から出たがってたみたいな扱い、やめてもらえます?」
カーマイン
「微妙にキャラ壊れてないか? あの二人」
フェイト(笑)
「It's a オラクルマジック!! これがオラクルの力さ☆」
なのは
「ドラマCDだと、はやてちゃん達はこんな感じだよ」
カーマイン
「……ドラマCDか……!」
カーマインは固く拳を握りしめ、ぷるぷると震えていた。
フェイト(笑)
「あ~……確かに。カーマインはきつかったよねぇ……ドラマCD……。ていうか、グローランサーは大丈夫なのか? あれ」
アルフ
「ごっついオッサンが、アンタのお母さんですからね」
カーマイン
「ちょ、まっ……マジで勘弁! ていうか、グローランサー知らない人分からないだろ、そこ……」
はやて
「心温まるメロドラマやったと思うけどなー」
カーマイン
「そんなことより『教えてアトロシャス先生』だろ!? コーナー行こうよ、コーナー!」
はやて
「本編でも見られんほどに動揺しとるな、カーマイン君……!」
アルフ
「いや、蹴りの強い妖精さんが近くに居たら、ちょくちょく見られると思いますよ。この光景」
フェイト(笑)
「ティピちゃんキック、ガチで痛いからね。だってレナスちゃん止めるんだよ? もう無理じゃん? いや、ムリだろっ!? 僕は尊敬するよ、あんな蹴り、いつもまともに喰らってるなんて……!」←シリーズ最初に洗礼を受けた人。
カーマイン
「フェイト……! 前から分かってたけど、お前本当にいい奴だな……!」
フェイト(笑)
「よせよ、カーマイン。同じRPGの主人公じゃないかっ!」
アルフ
「じゃ、そろそろコーナーに移りたいと思います。ここでまず、皆さんに一言」
アルフはそう言って、居並ぶ主人公三人組を見た。三人は何故か正座している。
アルフ
「アンケート結果に“恋愛要素”について三票も来ていますが、どういうことですか。皆さん?」
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《(たぶん)2010年ごろ実施されたアンケート結果》
興味のあるキャラの組み合わせ
・フェイト(笑)とスバル 2票
・フェイト(笑)とカーマイン
・フェイト(笑)vsカーマイン
・フェイト(笑)とスカリエッティ 2票
・フェイト(笑)とゲヴェル
・フェイト(笑)とティピ
・フェイト(笑)とアルフ
・カーマインとティピ
・カーマイン×なのは 2票
・カーマイン×シグナム
・シグナム×デュラン
・管理局と連邦
恋愛カップリング
・フェイト(笑)×スバル 2票
・フェイト(笑)×ウーノ
・カーマイン×シグナム 2票
・カーマイン×フェイト(テ) 2票
・カーマイン×なのは
・なのは×カーマイン×フェイト(テ)
・フェイト(笑)とカーマインを取り巻く恋愛模様
・シグナム×アステア 2票
・シグナム×デュラン 2票
・アルフ×ティアナ
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はやて
「ついに……ついにミニコーナーで取り上げるんやな! アンケート結果を!! うんうん、恋愛要素! 私も気になるなぁ~♪」
主人公三人組は要を得ない表情で互いを見合わせた。
カーマイン
「と、言われても目覚めて間もないし……」
なのは
「とりあえず、JS事件を解決するまではなんとも」
フェイト(笑)
「僕なんて……僕なんて出番がないじゃないかっ! 黒くて狭い箱の中に閉じ込められただけだろっ!? そんな状況で、何と恋愛しろってんだぁああああ!」
アルフ
「君たちの状況はどうでもいいんです」
フェイト(笑)
「さくっと蹴散らしたよ、コイツ!?」
カーマイン
「自分も主人公ってこと忘れてないか? アイツ」
はやて
「なに? え、なんでこんなに皆、恋愛要素についてやる気ないん?」
アルフ
「まず市場調査によると、各々既に相手役はいますね?」
フェイト(笑)
「フッ! まあね☆」
カーマイン
「な、なにを根拠に……!」
なのは
「相手役……?」
アルフ
「はい。これが各々の自覚症状の差です」
フェイト(笑)&カーマイン
「「なのはさん……、ちょっ……!」」
なのは
「ん? どうしたの、フェイト君。カーマイン君」
フェイト(笑)
「いや、そんな素で聞かれると……」
カーマイン
「き、聞けない……っ! ユーノさんは、って聞けない……!!」
二人はガタガタと震えながら固まった。
アルフがどこからか取り出した教鞭をぺんぺんと叩く。
アルフ
「まあ、教官の場合は自覚症状が薄いだけですから。言うほど問題ありません」
カーマイン
「ほ、ホントに……!?」
アルフ
「ホントに」
フェイト(笑)
「よしっ! その言葉、信じよう! 信じないと寒過ぎるっ!!」
カーマイン
「これは……!!」
アルフ
「と言う訳で、特別にユーノ・スクライアさんをゲストにお招きしました」
フェイト(笑)&カーマイン
「「ちょっ、待っ……!!?」」
アルフ
「なーんちゃって」
カーマイン
「コイツ……!!」
フェイト(笑)
「マジで焦ったよ!! この空気でユーノさん呼ぶのはマジやばいって!!」
はやて
「なんか……微妙に私達の影、薄なってへん? リィン」
リィン
「と言うかはやてちゃん……」
はやて
「ん?」
リィン
「単純に、シャスさんがあの二人をからかって遊んでいるだけに見えるのは、私だけでしょうか?」
はやて
「カーマイン君もフェイト君も真面目やからな……!」
カーマイン
「真面目と言うかなんというか……!」
フェイト(笑)
「いや、洒落になることとならないことってありますよね!?」
なのは
「どうしてユーノ君を呼ぶとシャレにならないことになるの? 二人とも」
フェイト(笑)
「アトロシャス先生、教えて下さいっ!」
カーマイン
「コーナー! コーナー行こうよ、先生っ!!」
アルフ
「それでは、コーナー。アトロシャス先生の『気になる異性をゲッチュー』です」
カーマイン
「ネーミングセンス微妙だな……」
フェイト(笑)
「絶対いま適当に考えた奴だよな……」
なのは
「気になる異性をげっちゅー……? つまり?」
アルフ
「恋愛中学生の主人公陣に、あまりにも酷い君たちに、私がそれなりに指南を致しましょうというコーナーです」
フェイト(笑)
「なんだよ、その言い草! 酷いぞー!!」
なのは
「私、普通だと思うけどな……」
アルフ
「どの口がほざいてんですか、どの口が」
カーマイン
「……………………」
アルフ
「まず、自覚のある野郎どもから。――一人は積極性が哀しい方向に向いていますね。まずはこれを修正すべき」
フェイト(笑)
「一体誰の事なんだ……!?」
アルフ
「テメーだよ」
フェイト(笑)
「な、なにぃいいいいっっ!?」
アルフ
「資料によりますと、主にソフィアさんにフラレた要因は、大ぶりな演技。でか過ぎるリアクション。シリアスが三秒以上続かない。以上三点ですね?」
フェイト(笑)
「バカなっ!? そうだったのか……!! だが、そんなこと言われたら僕は……! 僕はもう何もできねぇ……!! 僕からギャグを取り上げたら、何ができるって言うんだっ!?」
カーマイン
「おいおい、それはいくらなんでも自分を卑下し過ぎだろ」
アルフ
「そう。フェイトさんからギャグを取ったら、後はスッカスカです」
カーマイン
「おい!? お前、容赦なくないか!!?」
アルフ
「故に、フェイトさん本人の幸せはともかくとして、このままで居てもらいましょう」
フェイト(笑)
「シャァアアアアアスッッ!!」
カーマイン
「それ、暴露するだけしといて何もしないってどういうことだよっ!!?」
アルフ
「はい、次。カーマインさん」
カーマイン
「げっ!?」
フェイト(笑)
「ちょっ、おまっ!? ホントに僕のターン終わりかよっ!!? 言うだけ言っといてマジかよっ!!?」
アルフ
「マジなお前に魅力はありません」
フェイト
「僕の“真・フェイト”にそんな魅力がないだと……!?」
なのは
「シャス!」
アルフ
「まあ、冗談はともかくとして」
フェイト(笑)
「あ、冗談なんだ……」
アルフ
「…………これね。カーマインの場合は……まあ、俺の専門外ってことで」
カーマイン
「どういう意味だ、コラっ!!」
アルフ
「身長百四十センチ以上を所望します。旦那」
カーマイン
「その言い方だと、俺がロリコンのように聞こえるからよせ……!!」
フェイト(笑)
「それに該当するヒロインって……ハッ!? え!? じゃあ、何っ? あの答えって実は……!!」
アルフ
「まあ、男女の機微。この先どうなるかは分かりませんが」
カーマイン
「……アルフ。それ以上は喋るな」
アルフ
「じゃ、次。教官」
なのは
「ん? うん! 私の番だね!」
アルフ
「……今度、先方に仕込んどくんで」
なのは
「あれ? なんだか私の場合、すごくあっさりしてない?」
アルフ
「…………」
フェイト(笑)
「公式で
アルフ
「百合展開希望の人の為です」
カーマイン
「また敵を作りそうなことを……!」
はやて
「そしたら。実際にアンケート取ったカップリングで、どんな風にしたら二人はくっつくと思う、シャス? 二人ともヴォルケンリッター(ヴィータとシグナム)が入ってるから興味深々なんよ♪」
アルフ
「……副隊長と、ですか」
リィン
「ついに恋しちゃうんですか! ドキドキですっ!」
アルフ
「とりあえず、友達になってもらわないとどうにも」
フェイト(笑)
「僕とヴィータちゃんは魂の会話を交わしているっ! いわゆるソウルメイトだ! だろ? シャス」
アルフ
「まあな。面倒見のいいひとだと思うよ、ほんと。
はやて
「だから、ヴィータを子ども扱いしたらあか~~~んっ!」
アルフ
「――で、シグナム副隊長とカーマインですが」
カーマイン
「……友達になろうにも、真っ先に真剣勝負を挑まれそうなんだが」
アルフ
「間違いありませんね。そして」
はやて
「剣を交え会い、互いの実力を認め合って――やがて二人は恋人に……!」
リィン
「おお……! 感動的なお話です!」
カーマイン
「お約束って感じがするが。っていうか、絶対血まみれの試合になるよな……」
なのは
「模擬戦でも、真剣勝負で挑んでくるからね……。シグナムさん」
フェイト
「……僕、ヴィータちゃんで良かった……!」
カーマイン
「……友達って、そんなに血まみれにならなきゃならないものか?」
アルフ
「騎士同士のコミュニケーションには必要なんです。――たぶん」
カーマイン
「たぶんって何だよ、ソレ!」
アルフ
「まあ、こんなところかな。今回のアトロシャス先生のコーナー」
はやて
「なかなか興味深い結果やな。それにしても、コンビにヴィータとシグナムが選ばれてたんは、私としても鼻が高いな♪」
リィン
「はいッ! 私にも一票入れてくれた方もいるみたいですし、感謝感激です!!」
なのは
「まとまりが無いように見えて、きちんとまとまる――それが私たちの持ち味だよね?」
フェイト
「まあね!」
アルフ
「……そうだっけ?」
カーマイン
「――とにかく、次回はきちんとしたコーナーにすることを主張する。後、俺はロリコンじゃないからな!」
はやて
「というわけで――、今回のリィンとはやてが行く♪ はお終い!」
リィン
「次回もよろしくですぅ♪」
フェイト
「次回の本編は――僕が、主人公だぁああああ!」
カーマイン
「俺は、ロリコンじゃなぁあああああい!」
アルフ
「それじゃ」
なのは
「……まとまり、あるよね? 私たち……」