とあるビークル乗りの戦い   作:レッドツリー

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軍事基地188 B区画掃討作戦

軍事基地188の巨大生物襲撃と同時に、世界各地の軍事基地もまた同じ状況に陥っていた。

 

軍事基地188 司令部

 

「基地の状況はどうかね?」

 

司令部では基地司令が状況を確認する為に士官やオペレーターを集め情報を纏めていた。

 

「はい。現在、B区画の上層及び下層部は巨大生物の占領下になります」

 

「全B区画周辺のゲートの閉鎖を確認しました。第8、15、21、28ゲートにはコンバットフレーム隊、及びフェンサー、レンジャー隊が配置済みです」

 

「他区画の巨大生物の殲滅を確認。また予備のビークルの確保を完了」

 

「地上の第1滑走路、地下の第3、4滑走路の使用可能です。ですが戦闘爆撃機KM6や重爆撃機フォボスはB区画の格納庫に有ります」

 

次々と情報が挙げられて行く。

 

「地上の状況はどうかね?」

 

「はい。現在地上には巨大生物の反応は有りません。また、幸いな事に周辺地域の都市や街にも被害は出ておりません」

 

「成る程な。巨大生物が地上から侵入した形跡は有るか?」

 

「いえ、基地周辺を調査しましたが侵入口は発見されておりません」

 

そして情報は徐々に纏められて行く。

 

「宜しい。では、これよりB区画奪還作戦を実施する。特に戦闘爆撃機や重爆撃機の確保は重要な物となっている。侵入ゲートは第28ゲートのみとする。此れは他ゲートからの巨大生物流出を防ぐ為だ」

 

基地司令は軍事基地188に残留する巨大生物掃討作戦の実施を宣言する。

 

「部隊編成は任せる。完了次第出撃だ。これ以上奴等に時間を与えてはならない。何としてもだ」

 

そしてB区画の突入部隊が慌しくだが徐々に編成されて行く。そんな中、基地司令は副官と話をする。

 

「それで、他の基地にはアンカーが?」

 

「そうです。主に主要基地や大型の基地には上空からアンカーらしき物が多数投下されました。またアンカーからは巨大生物が多数出現。殆どの基地からは撤退命令が下されてます」

 

「そうか…。他の基地に比べれば、まだマシという事か」

 

「恐らくですが、上空から見れば小規模の基地に見えたのでは無いかと。まさか山の内部を使った主要基地だとは思いもしなかったのでしょう」

 

「だが、その結果我々の基地にはアンカーが来ていない。なら、今の内に備える必要が有る。その為には基地を完全機能させなければならない。でなければ満足に救援部隊を編成出来ない」

 

「はい。他基地から逸れた部隊も受け入れる必要も有ります」

 

そして徐々に部隊編成が纏められて行く。

 

「地上のコンバットフレーム隊は何処の連中だ?」

 

「第55機甲部隊です」

 

「第55か。確かビークル乗りが数名居たな」

 

「確認します」

 

「彼等は大抵のビークルに乗れるエリートだ。B区画には放置されてるビークルがまだ有る。それの使用許可を出しておけ」

 

「了解しました」

 

間も無くB区画奪還作戦が開始される。

 

……

 

格納庫

 

地上の巨大生物を殲滅俺はニクスA2を所定の位置に待機させる。漸く一息吐けそうだ。

 

『織原少尉!無事で良かった』

 

「赤城か。お前も無事で良かったよ」

 

俺は機体から降りながら赤城上等兵と会話する。

 

「それにしても、ニクス随分とボロボロになっちゃったね」

 

「悪いな。連中の酸がかなりの威力だ。大型シールドが直ぐにダメになったからな」

 

「そんなに威力が有るの?」

 

「ああ。だから大型シールドを外してマシンガンかリボルバーカノンを装備するよ」

 

「うん、分かった。でも大型シールド外すと危ないんじゃ無い?」

 

「マシンガン1挺だけだと火力不足なんだよ」

 

巨大生物の群れに対しては火力と弾幕が必要だ。特に火力が足り無い。いや、足り無さ過ぎるのだ。

 

「分かった。でも危ない事だけは止めてね」

 

赤城は心配そうにに此方を見ながら言う。

 

「…勿論さ。早死になんてキャラじゃ無いからな」

 

ついさっき巨大生物に突っ込んだ何て言えんな。それから暫く待機していると間様大尉が此方にやって来た。

 

「間様大尉、お疲れ様です」

 

「お前もな。所でお前に話がある」

 

「話ですか?」

 

「ああ。尤も、悪い話が殆どだがな」

 

「えぇ…」

 

間様大尉からの命令は軍事基地188のB区画奪還作戦の参戦命令だった。

 

「この基地所属のビークル乗りは参加命令が出ている。そして、ビークル乗りは…お前だけだ」

 

「俺だけ?…山下中尉と守口少尉は?」

 

「戦死した。給弾中に敵の奇襲を受けてな」

 

戦死。やはりと言う思いは有った。格納庫には2機分の空きが有る。つまり、そう言う事だ。

 

「了解しました。作戦開始時間は?」

 

「30分後だ。それと司令部からこのマスターキーをお前に与えるとの事だ。B区画にはまだ大量のビークルが保管されてる。それを自由に使って良いとの事だ」

 

間様大尉はマスターキーを俺に渡す。

 

「マスターキーですか。此れは素直に嬉しいですね」

 

本当のエリートである一部のビークル乗りには全てのビークルが扱えるマスターキーが与えられるとの噂は有った。まさか本当の話だったとは思わなかったけど。

 

「織原少尉。貴官の健闘を祈る」

 

「間様大尉も地上をお願いします」

 

お互い敬礼をした後別れる。俺はマスターキーを見ながら呟く。

 

「タイタンとか乗れるのかな?」

 

尤も、狭い場所ではタイタンなんて使えないだろうけどな。

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